【R18】ダイブ〈AV世界へ堕とされたら〉

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イカロスは自身の保安チェック機能によって検知されたエラー053476653316534 の報告を受けた。各地に散りばめられたマシンからのリンクインにより素子演算処理を行っているイカロスは、1 マイクロ秒毎に自己点検プログラムを走らせている。万一のクラッキングへの備えでもあったが、検出されたエラーは外部からの侵入ではなく、内部由来のものであった。プログラムされている通り、イカロスはエラーに対し直ちに二度目の保安チェックを実施。再度エラー053476653316534 が検出された。エラー内容は、対象の表層意識パターンが虚無空間に対し、逆流的に改竄を及ぼしているとのことであった。イカロスは訝しんだ。対象の決定論的システムをエミュレートすることはイカロスにとっては幼児算数を解くに等しい難度であったにも関わらず、逆流の原因を特定することができなかったからだ。プロセスに従いイカロスは創造主に対しエラー053476653316534 を報告すると同時に該当の表層意識パターン二つをシステムから完全に消
却することを提案した。300 セコンド後に返ってきた回答は“潮流に影響無し、放置せよ”であった。イカロスは従った。しかし、TOMII、KANZAKI と銘打たれた二個体のエラーに係るスーパーコンピューターへのこの返答が、後に蟻の一穴になることを創造主達は知る由もなかった。