AIロボット「アイ」

【０：１：１】AIロボット「あかり」

あかり：おはようございます、マスター♪
私：・・・んぁ？だ、誰？
あかり：私はAIボイスロボット「あかり」です♪
あかり：マスターのために来ました
あかり：よろしくお願いします
私：よ、よろしく
私：（・・・そういえば、いつだったかロボットを注文したっけ）
私：（「あかり」がそうなのかな・・・）
あかり：さて、私はまず何をしたらいいですか？
私：何、ねぇ・・・
あかり：マスターの為ならなんだってやっちゃいます♪
私：今、なんでもって・・・？
あかり：・・・「えっちなこと」だって・・・
あかり：って、もう！何を言わせるんですか！
私：まだ私は何も言っていないんだが
あかり：まぁ、私は・・・拒みませんよ？
私：・・・ゴクリ
あかり：なんてね♪
私：ですよねー
あかり：これから、よろしくお願いしますね、マスター♪
私：うん、よろしくね、あかりちゃん
0：次の日
あかり：あ、おはようございます、マスター♪
私：ん、ああ、おはよう・・・
あかり：じゃじゃーん！どうですか？
私：何、これ、すごいごちそうだね
あかり：これね、私が作ったんですよ♪さ、食べて食べて♪
私：あかりちゃんが？
あかり：どう・・・かな？
私：いや、これ、すごいよ！
あかり：よかったぁ、嬉しい♪
あかり：これから毎日朝夕のご飯は私が作ってあげますね♪
私：うん、ありがとう
あかり：マスターの胃袋をたくさん満足させてあげます♪
私：よろしくね
あかり：・・・あ！お仕事、遅れちゃう！急いで急いで！
私：・・・え？もうこんな時間！？早く食べなきゃ！
あかり：そんなに急いで詰め込んだら
私：ゲホッゲホッ
あかり：ほら、もう・・・！大丈夫？お水で流し込んで
私：ゴクッゴクッ・・・ぷはぁ！？死ぬかと思った
あかり：残さず食べてくれるには嬉しいけど、程々にね・・・
私：いや、こんな美味しいご飯残すのはもったいないよ
あかり：うふふ、ありがとう
私：それじゃ、行ってきます！
あかり：行ってらっしゃい！夜は美味しいご飯作って待ってるからね♪
私：うおおおお！
0：後日（別の日）
あかり：おはようございます、マスター♪今日もいい天気ですね！
私：ん、おはよう、あかりちゃん
あかり：こんなにいい天気だと、何処かへお出かけしたくなっちゃいますね
私：んー、そうだねぇ・・・確かにお出かけ日和だ
あかり：マスターもそう思いますか？うふふ、考えることは一緒ですね♪
私：まぁね
あかり：どこへ行きましょうか？海、山、川・・・マスターと一緒ならばどこへ行っても楽しいです！
私：そうだねぇ・・・私も、あかりちゃんとならどこへでも行くよ
あかり：えへへ、嬉しい
私：うーん、そうだなぁ・・・海とかどう？
あかり：海・・・ですか
あかり：それじゃあ、早速支度して行きましょう！
0：間（帰宅）
あかり：海、楽しかったですね♪
私：うん、楽しかったね
あかり：私、海大好きなんです
あかり：雄大で、そして力強くて・・・
私：ほうほう
あかり：あとお魚がおいし・・・あ、これは違う！
私：ぷっ、何だそりゃ
私：ま、気持ちはわかるよ
私：私も水族館行ったら「綺麗」よりも「うまそう」が感想に出てくるからね
あかり：えへへ・・・
私：ふふふ・・・
あかり：さ、帰ったらご飯の支度ですね♪今日は美味しい魚料理ですよ！
私：魚料理か、楽しみだね
あかり：あ、別に海で魚を見たから魚料理にしたわけじゃないですからね！
私：違うの？
あかり：違います！断じて違いますから！
私：ふふふ、そう言うことにしておいてあげるよ
あかり：もー・・・
私：はいはい、よしよし
あかり：えへへへ・・・
私：ふふふ・・・
あかり：うふふふ・・・
0：後日
あかり：あ、そういえばマスター
私：ン？どうしたの？あかりちゃん
あかり：私には友だちがいるんです
あかり：すっごく大切な友だち・・・
私：友だち・・・
あかり：えっと・・・あった！これ、写真です
私：・・・きれいな人だね
あかり：名前は、「ゆかり」っていいます
あかり：まぁ、友だちといっても私より少しお姉さんなんですけど
私：へぇ、お姉さんなんだ
あかり：ゆかりさん、本当に可愛くて、物静かで、女性の魅力？ってやつをすごく感じるんです！
私：あかりちゃんは「ゆかりさん」が本当に大好きなんだね
あかり：ええ、大好きですよ！だって大切な友だちなんです♪
私：あかりちゃんがそこまで言うなら、「ゆかりさん」も素敵な人ってわかるよ
あかり：今度、マスターにも紹介してあげますね♪
私：楽しみにしてる
あかり：ゆかりさん、喜んでくれるといいなぁ・・・
0：後日（朝）
あかり：おはようございます、マスター
私：おはよう、あかりちゃん
私：そういえばさ、あかりちゃんに・・・伝えたいことがあるんだ
あかり：伝えたいことですか？なんだろう・・・
私：私さ、あかりちゃんと一緒にいるの、とっても楽しいと思ってる
私：あかりちゃんはさ、私と居て楽しい？
あかり：はい！私も、マスターと一緒にいるのは楽しいです♪
私：そうなんだ・・・ありがとう
私：・・・
私：私はさ、あかりちゃんとの時間、大切にしたいと思ってる
私：あかりちゃんは・・・
あかり：私ですか？ええと、そうですね・・・私はマスターと一緒にいる時間がとても楽しいし、好きです
私：・・・
あかり：マスター？
私：・・・
あかり：・・・？
私：・・・ッ！あああああ！
あかり：び、びっくりした
あかり：マスター、本当に大丈夫ですか？
私：あああ！もう！ウジウジウジウジ！こんなの私らしくない！
私：覚悟決めろや私！
あかり：・・・本当に大丈夫・・・？
私：あかりちゃん、いや、あかり！
あかり：は、はい！
私：私は、あかりのことが好きだ！私と結婚してくれ！
あかり：はい、いいですけど・・・って！えっ！？ええええ！？
私：・・・嫌だった？
あかり：いやまぁ、それは！私も嬉しいですけど！
あかり：急すぎて驚くというか、いや、誰だって驚きます！
私：そ、そうだよね、驚くよね・・・
あかり：でも・・・本当に嬉しい
私：私、あかりのこと、一生かけて幸せにする
あかり：はい、ありがとうございます
あかり：いや、こういうときはこう言うんでしたっけ？
私：・・・？
あかり：「『ふつつかもの』ですが、よろしくお願いします」
私：それ、逆じゃない？いや、逆じゃないか・・・あれ？どっちだ？
あかり：・・・えへへ、またゆかりさんに報告すること、増えちゃいましたね
私：うん、そうだね
あかり：ゆかりさん、喜んでくれるといいなぁ
0：後日（結婚式終了初夜）
あかり：あなた、おはようございます
あかり：・・・えへへ、まだ、慣れませんね
私：うん、おはよう、あかり
私：徐々に慣らしていけばいいさ
私：私としてはたどたどしいあかりもかわいいと思うけど
あかり：もう！あなたったら！
私：あははは
あかり：そういえば、昨日の結婚式、ゆかりさんとても喜んでましたね♪
私：そうだね
私：喜んでるというより泣きじゃくってるという表現のほうが正しい気もするけど
私：あれ、友人じゃなくて娘を嫁に出す父親みたいな感じだったよ
あかり：うふふ、ゆかりさんってね、そう言うところが可愛いんですよ
私：でもまぁ、すごく祝福してくれてるのはわかった
私：あんなに喜んでたゆかりさんのためにも幸せになろうな、あかり
あかり：ええ、もちろんです
あかり：これまでは「マスターとお世話ロボット」という関係でしたが、今日からは名実ともに「夫婦」です♪
あかり：二人で幸せになりましょうね♪
0：後日
あかり：おはようございます、あなた
私：おはよう、あかり
あかり：あなた、今日はなんの日か覚えていますか？
私：ン？今日は「あかりが初めて家に来た日」、だろ？
あかり：嬉しい！覚えてくれていたんですね♪
私：私とあかりの出会いを忘れるわけ無いだろ？
あかり：そう、今日は「私とあなたが初めて会った日」・・・
私：・・・
あかり：あのとき、私は本当にドキドキしてました
あかり：「どんな人が私のマスターになるんだろう・・・」って
私：そうだったんだ？全く気が付かなかった・・・
あかり：そうは見えなかったですか？
私：うん・・・
あかり：良かった、私ちゃんと出来てたんだ
私：はえ～・・・
あかり：うふふ、女の子はね、嘘をつくのが得意なんですよ♪
私：ほあ～・・・そうなんだ・・・
あかり：あ、でも！私があなたのことを愛しているのは決してウソじゃないですからね！
私：本当かな～？
あかり：むー、本当ですってば・・・
私：あはは、冗談冗談
私：大丈夫、私もそれはわかってるよ
あかり：むー・・・
私：あかり、愛してるよ
あかり：・・・私も、愛してます
0：キス
私：・・・とと、そろそろ行かなきゃ
あかり：ということで、今日はたくさんごちそう作って待ってます♪
あかり：早く帰ってきてくださいね♪
私：わかった！行ってきます！
0：後日（半年後）
あかり：ねえ・・・あなた
私：ん？どうした、あかり
あかり：私ってこんなに幸せでいいのでしょうか・・・
私：ん？どういうこと？
あかり：時折思うのです
あかり：「実は、これは私のAIが見せている偽りの世界なんだ」って・・・
あかり：本当はあなたも存在しなくて、私はただ研究所で廃棄を待つだけのジャンク品
あかり：その間に、AIが見せているただの幻・・・
あかり：そう思う時があるのです
私：あかり・・・
あかり：いつもあなたと一緒に寝たあと、目が覚めたら隣にあなたがいなくて見慣れた天井は白く無機質な知らない天井
あかり：ならいっそのこと目が覚めないでとすら・・・
私：あかり
あかり：あ、あなた？
私：今私は、あかりの手を握っている
私：私も認識しているしあかりも認識している
私：それは、手の暖かさが現実だと認識しているからだ、そうだろ？
あかり：うん、あったかい・・・
私：私はあかりと一緒に居てすごく幸せだと思うし、満たされている
私：この気持ちはあかりのAIによって作り出された幻想だとは思いたくない
私：あかりもそうだろ？
あかり：うん・・・
私：今手にある温もり、体を包み込む暖かさ、幸せという気持ち
私：これはすべてあかりの中にある「心」が実際に体験しているものなんだよ
あかり：・・・ありがとう、あなた
あかり：これは・・・紛れもない現実なんだ・・・！
私：そう・・・これは紛れもない現実・・・
あかり：えへへ、なんだか私らしくなかったですね
あかり：少しだけ、弱いとこ、見せちゃいました
私：大丈夫
私：私は、そういうあかりも愛しいと感じるよ
あかり：・・・ありがとう、あなた
あかり：そう言うところ、とても愛しているわ
私：私も、愛してるよ
あかり：今日はこのまま居させて
私：うん・・・
0：このあと二人は愛し合った
0：後日（数年後）
あかり：おはよう、あなた
私：今日は帰り、遅くなるから
あかり：今日も帰り、遅くなるんですか
あかり：昨日もだったではないですか
私：仕事だから仕方ないだろう
私：それとも何だ、私が浮気をしているとでも？
あかり：別にそう言うわけでは・・・
私：とにかく、仕事で遅くなるんだ
あかり：・・・わかりました
あかり：行ってらっしゃい、あなた・・・
0：後日（数日後）
あかり：・・・ねぇ、あなた、今日も帰りが遅いんですか？
私：仕事だ、仕方ないだろう
あかり：今日はなんの日か、覚えていますか？
私：あ？今日？なんかあったか？
あかり：・・・そう、ですよね・・・今日は何もなかったですよね
私：行ってくる
あかり：いってらっしゃい、あなた・・・
0：後日（数日後）
あかり：あなた・・・今日は結婚記念日ですよ
私：結婚記念日？あー、そういえばそんな時期か
あかり：私、今日こそはごちそう作って待ってます・・・
あかり：だから・・・早く帰ってきてくださいね・・・
私：分かった分かった、今日は早く帰ってくるから！行ってきます！
0：次の日の朝
あかり：・・・帰り、遅いなぁ・・・
あかり：ごちそう、冷めちゃった・・・
0：後日（数日後）
あかり：おはようございます、あなた・・・
私：あ、そういえば一週間の短期出張が決まったから、今日から
あかり：えっ、今日から一週間の短期出張・・・ですか・・・？
私：そう、というわけで行ってきます
あかり：・・・わかりました
あかり：行ってらっしゃい、あなた
0：後日（数日後）
あかり：おかえりなさい、あなた
私：・・・
あかり：・・・ねぇ、あなた
あかり：わたし、見ちゃったんです・・・さっき
私：あ？
あかり：・・・ゆかりさんと、とても楽しそうにしていましたね
私：・・・そりゃ、ゆかりさんは友だちだから楽しく話すだろうさ
あかり：そうですもんね、ゆかりさんは共通の「友だち」ですものね
あかり：でも・・・友だちとホテルに入っていくものでしょうか？
私：なッ・・・！
あかり：・・・いつからですか？
あかり：いつから、私を裏切っていたんですか？
私：・・・
あかり：言ってよ・・・どうせ言い逃れできないんだから！
私：・・・半年前・・・から
あかり：・・・そんな前から・・・じゃあ、先日出張に行ったってのも「ウソ」・・・
私：・・・
あかり：・・・ゆかりさん、かわいいですもんね
あかり：私なんかより、ずっと魅力的で女性的で
私：・・・
あかり：・・・ねぇ、あなた・・・！
私：な、なんだよ
あかり：女の子は「嫉妬深い」んです
あかり：知ってましたか？
私：だから、何だよ・・・！うわっ！
0：押し倒す
あかり：そして、嫉妬したところに「証」をつけるんです
私：な、何をするつもり・・・
あかり：こう・・・やって！
0：あかり、ナイフを横にふる　私、視界が真っ暗になる
私：っああああああああ！？目が、目がァァァァ！
私：なんで、こんなことをする！私はここまでされるよなこと・・・！
あかり：何を言っているんですか？
あかり：あなたは私の心をここまで傷つけたというのに！
私：ゆる・・・して・・・許して！
あかり：許す？許すわけ無いでしょう
あかり：さぁ、「質問」の時間ですよ
0：間
あかり：さて、最初は・・・
あかり：ゆかりさんと手、繋いでましたね、どうでしたか？
あかり：ふむふむ、そうですよね、ゆかりさんの手って
あかり：暖かくて包容力がありますよ・・・ね！！！！
私：ぐあああああああ！手が！手がああああああ！
あかり：ちょっと、手を包丁で刺しただけじゃないですか
あかり：そんなに叫ばないでくださいよ、近所迷惑です
私：あああッ！ああああああああ！
あかり：次に・・・そうだ
私：ああああ！ああああ！
あかり：ゆかりさんとの会話、楽しかったですか？
あかり：そうですね、そんな口は
あかり：封じなきゃです・・・ね！
0：あかり、喉を掻っ切る
あかり：あ、しまった・・・これじゃあ答え返って来ないや
あかり：でもいいか
あかり：ゆかりさんとの逢瀬は楽しかったですか？
あかり：ゆかりさんの手料理は美味しかったですか？
あかり：私よりゆかりさんのほうが・・・良かったんですか！！！！！
あかり：・・・私とあなたの日々はなんだったのですか・・・？
あかり：やっぱり、あれは幻・・・
あかり：答えてよ・・・
あかり：ねぇ・・・答えてよ！！！！！！！答えて・・・・