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第14話:二度目の転生

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 俺は意識を取り戻す。
 とても長い間眠っていた気がする。

「ここは・・・」

 そこは真っ暗なところだった。
 夜よりも暗く、闇よりも深い・・・俺はこの空間を知っている。


「目覚めなさい、佐々木小太郎」


 どこからともなく声がする。
 ふとその方向を見るとぼやっと光が灯った。

「あんたは・・・」

 そこにいたのは一人の美しい女性。
 リフィエルと同じく天使の輪に翼を生やしている。
 ただし大人だ。

「私は大天使ガブリエル、生と死を司る者」

「そうか、俺また死んだのか・・・結局何も救えなかったな」

 ガブリエルが指さすと俺の横にモニターが映る。

 ”なんだこれ!?”

 まず俺の目に映ったのはフルボッコにされて倒れるアブラギッシュだった。
 魔王にやられたのかと思いきや、その魔王も右腕を抑えて地に膝をついている。
 衣服はボロボロ、角に尻尾まで生やしていかにも第二形態、第三形態といった姿に変貌している。
 そして魔王は痛みに顔を歪ませながら天をあおぎ見ていた。

 その先には5人の天使・・・と4人の少年達。

 少年たちはいかつい大剣やら鎧を装備していて、俺の知る勇者像と完全に一致するものだった。

「これは一体どうなってるんだ!?」

「あなたが死した後、リフィエルは他の天使に助けを求め別世界から別の勇者をオズワルドに召喚したのです。あそこにいる小天使達の名はラフィエル、リフィエル、ルフィエル、レフィエル、ロフィエル」

「何だその安直な名前?ラリルレロかよ!」

「オズワルドの魔王も流石に4対1では分が悪いようです、いよいよ敗色が濃くなってきました」

「そうか、魔王も死んじゃうのか・・・」

 本当は喜ぶべきなのにどうしてか俺の心は寂しかった。

「どうしたのです琥太郎?オズワルドの平和があと少しで訪れると言うのに嬉しくないのですか?」

「ホントどうしてですかね?結局自分じゃどうにもできなくて他人頼み、リフィにも愛想つかれて情けないったらありゃしないからですかね・・・でも・・・」

「・・・」

「魔王の涙が心に引っかかるんですよ。あいつ本当は悪い奴じゃないんじゃないかって。もしかしてオズワルドに本当に必要なのは勇者じゃなくてあいつの横に立ってやれる人間なんじゃないかって!」


「佐々木琥太郎、今一度問います」



 ー力が欲しいですか?ー



「え?」

「あなたはまだ力を願っていない、あの時リフィエルが授けるはずだった力を今ここで私が授けましょう。何かを変えたいなら願いなさい」



 ー俺は・・・今日この時以上に力を願い求めた事はないー



 ー欲しい、皆を幸せにできる力が!世界を変える力が!!ー



「ガブリエル、俺に力をくれ!あそこにいる4人の勇者を倒せるだけの力を、魔王を助けてやれる力を!!」



「良いでしょう、その願い、このガブリエルが叶えましょう」



 すると俺の体が光り輝く。
 ガブリエルが言った。

「ステータスオープン」

【名前】ササキ コタロウ
【職業】救世主
【種族】ゴッド
【レベル】∞
【HP】∞
【MP】∞
【力】∞
【耐久値】∞
【素早さ】∞
【魔力】∞
【スキル】全知全能



「・・・いやちょっと待て!」

「どうしたのです琥太郎、これでは不服ですか?」

「ちょっと強過ぎね?まず種族ゴッドって何だよ?もう人間辞めてんじゃねぇか、あんたより上位の存在になってんじゃねぇかよ??」

「死んだら皆仏と言いますし」

「それ日本での話だろ!」

「それにあそこにいる勇者たちは皆ステータス5万越えの強者たちです。これくらいでないと勝てませんよ」

「確かにそうだけどさぁ・・・思っていた以上に力貰いすぎなんですけど?俺こんなにチートじゃなくてもいいですよ」

「力のクーリングオフは出来ません」

「子が子なら親も親だな、どっちも悪徳商法じゃねぇかよ!?」

「琥太郎、もう時間がありません。あなたが為すべきことをしてきなさい」

「しゃあねぇ、そんじゃちょっくらチートしてきますか!」

 俺の体が黒い空間から消えていく。




ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

どうも、作者のもみじです。
リフィエルのグダグダ転生記、しばらく休載しておりましたがこれより最終回に向けて怒涛のクライマックスです。

残すところあと2話。
明日明後日で最終回となります!

お気に入り登録してくれた皆さま、本当にありがとうございます。m(_ _)m
グダ転、自分も気に入ってたので終わらせるのは名残惜しいですがハッピーエンドで閉めますのでどうぞお付き合いください!
ではでは・・・



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