169 / 281
2学年 後期
第168話
しおりを挟む
「さすがだな」
「柊殿」
ナタニエルを倒した伸が刀についた血を振り払って鞘に収めると、柊家当主の俊夫が近寄りながら話しかけて来た。
「鷹藤殿と2人がかりでも難しかった相手を、こうもあっさり倒すなんてな……」
この国で最強と呼ばれる鷹藤家当主の康義と、伸の魔力操作によって実力が上がった自分。
その2人が連携して戦ったのにもかかわらず、ナタニエルとは互角だった。
いや、全力ではなかったところからすると、ナタニエルの方がかなり有利な状況だった。
そんな相手を、伸は全く寄せ付けない強さで圧倒した。
つまり、それだけ自分よりも強いということ。
信じていたとは言え、ここまでとなると何だか呆れてくる。
だが、倒せたのだから結果オーライということで、俊夫は納得した。
「そう見えたかもしれないですけど、かなりの相手でしたよ」
「そうなのか?」
「えぇ」
たしかに、結果的には圧倒した。
しかし、ナタニエルはかなりの実力を持っていた。
余裕があるかのように、ナタニエルを煽ったりしたが、全く気を抜いてはいなかった。
というのも、「もしも」があり得る相手だったからだ。
「っ?」
「…………」
俊夫と話していると、康義も近付いてきた。
無言で、鹿も表情は険しい。
「……何か?」
鷹藤家の、伸にとって一番関わりたくない人間の康義。
本当は話をする事も嫌なのだが、何も言わず若干睨みつけているような康義の視線に、伸は思わず何か言いたいことがあるのか問いかけた。
「君は何者だ?」
「新田伸…です」
伸の問いを待っていたかのように、康義は質問を投げかけてくる。
その質問に、伸は自分の名前を答えた。
「そうじゃない! 何故あの魔人を倒せるような能力を持っているのだ!?」
「鍛えたからです」
伸の答えが自分の質問とはズレたものだったためか、康義は若干声を荒げて問いかけてきた。
そもそも話したくもない相手にだというのに、何だかケンカ腰の態度を取られたことで、伸も若干イラッと来る。
そのため、嘘ではいないが適当に返答した。
「……誰に剣を教わった?」
「自己流です」
「っ……」
伸の態度を見て、自分の態度が悪いからこそ壁を作られたと、康義はすぐに察したようだ。
そう言ったところは、伊達に年を食っていないと言ったところだろう。
だからと言って、今更態度を変えた所で伸の方は変えるつもりはないため、康義の質問に対して嘘を答える。
伸の態度が変わらないことに、これ以上聞いても意味がないことを悟った康義は、それ以上質問することを諦めるしかなかった。
「鷹藤殿。まずは魔人討伐の報を……」
「……そうですな」
魔人の出現は、皇都だけの問題ではない。
国中騒ぎになっているはずだ。
伸とナタニエルの話を聞いていたため、俊夫や康義もナタニエル以外の魔人が討伐されたことを探知している。
そのため、突如出現した魔人全てを討伐し終えたことを、国中に知らせて安心させる必要がある。
伸に興味を持つ気持ちは分かるが、今はそれよりも討伐したことを知らせるべきだと、俊夫は康義を止める。
俊夫に言われてそのことに気付いた康義は、大人しくその意見に賛成した。
「あっ! それなんですが、自分の名前は出さないようにお願いします」
「何……、そうか……」
「……? あぁ、そういうことか……」
ナタニエルを倒したのは伸だ。
当然伸の名前を出すつもりでいた俊夫と康義だったが、本人がそれを止める。
2人共、「何故?」と問いかけようとしたが、すぐにその理由に気付いた。
全く無名の伸が倒したと言っても、国民が納得するのか怪しい。
それよりも、鷹藤・柊の名前で討伐したことを公表する方が、信憑性が高いため、そうするように進言したのだと。
『他の魔人の止めは任せたのに、一番強いのを自分で殺したら意味なかったかもな……』
結局、今回現れた魔人の全部を伸が仕留めた。
止めだけは他に譲ることで、完全に自分だけで倒したとは言えない状況を作り上げた。
今回のことで、名門家の人間に自分の実力は知られてしまうことになるが、それ以外の一般人に知られることはないはず。
名門家の人間が、もしも自分の事を広めようとしても、止めは自分が射したという情報も付いている分、本当の事と受け止められるか微妙なところだ。
しかし、一番強いナタニエルを自分が倒してしまったとなると、そこまでした意味がなくなってしまったのではないかと思えてきた。
「……まぁ、いいか……」
この場にいるのは俊夫と康義だけだ。
見ていない以上、真偽のほどを知ることはできないため、他の人間も俊夫と康義が倒したと思うはずだ。
不確定な今後のことを考えても仕方がないため、伸は深く考えることはやめた。
「ところで……」
「はい?」
魔人を討伐したことを報道陣に知らせる手筈を康義に任せ、俊夫は伸と話しかける。
真面目な顔をしているせいか、伸は何のしたのかと思いつつ首を傾げる。
「綾愛のことだが……」
「あぁ……」
俊夫の娘である綾愛の事と言われ、伸は何が言いたいのかなんとなく理解した。
鷹藤家に手を出されないために、康義に婚約者だと言ったことだろう。
「言いたいことは分かってます」
康義に婚約者だと言ったのは、あくまでも鷹藤家に正をさせないための方便たと、そのことは言われずともちゃんと理解している。
「柊殿の気にする事はありません」
俊夫は綾愛を溺愛しているため、綾愛に手出しをしようものなら柊家全てを相手にする事になりかねない。
そんな面倒な思いなんてしたくないため、そんな事はするつもりはない。
『いくら何でも、柊の気持ちも考えないと……』
家同士で婚姻関係を結ぶことがある。
伸もそのことは知っているが、だからと言って相手の気持ちも考えないわけにはいかない。
「そうか……」
伸の言葉を聞いた俊夫は頷いた。
自分が勘違いして綾愛に手出しをしないという言葉に、納得した頷きだと伸は理解した。
伸との話を終えた俊夫は、今後のことを打ち合わせるためか、踵を返して康義の所へと向かって歩き出した。
「…………」
背を向けられていたことで、伸は気付かない。
康義の所へと向かう俊夫が、一瞬腹黒い笑顔をしていたことに。
そして、後になって悔やむことになる。
この時、もっとちゃんと俊夫と話しておけば良かったと。
「柊殿」
ナタニエルを倒した伸が刀についた血を振り払って鞘に収めると、柊家当主の俊夫が近寄りながら話しかけて来た。
「鷹藤殿と2人がかりでも難しかった相手を、こうもあっさり倒すなんてな……」
この国で最強と呼ばれる鷹藤家当主の康義と、伸の魔力操作によって実力が上がった自分。
その2人が連携して戦ったのにもかかわらず、ナタニエルとは互角だった。
いや、全力ではなかったところからすると、ナタニエルの方がかなり有利な状況だった。
そんな相手を、伸は全く寄せ付けない強さで圧倒した。
つまり、それだけ自分よりも強いということ。
信じていたとは言え、ここまでとなると何だか呆れてくる。
だが、倒せたのだから結果オーライということで、俊夫は納得した。
「そう見えたかもしれないですけど、かなりの相手でしたよ」
「そうなのか?」
「えぇ」
たしかに、結果的には圧倒した。
しかし、ナタニエルはかなりの実力を持っていた。
余裕があるかのように、ナタニエルを煽ったりしたが、全く気を抜いてはいなかった。
というのも、「もしも」があり得る相手だったからだ。
「っ?」
「…………」
俊夫と話していると、康義も近付いてきた。
無言で、鹿も表情は険しい。
「……何か?」
鷹藤家の、伸にとって一番関わりたくない人間の康義。
本当は話をする事も嫌なのだが、何も言わず若干睨みつけているような康義の視線に、伸は思わず何か言いたいことがあるのか問いかけた。
「君は何者だ?」
「新田伸…です」
伸の問いを待っていたかのように、康義は質問を投げかけてくる。
その質問に、伸は自分の名前を答えた。
「そうじゃない! 何故あの魔人を倒せるような能力を持っているのだ!?」
「鍛えたからです」
伸の答えが自分の質問とはズレたものだったためか、康義は若干声を荒げて問いかけてきた。
そもそも話したくもない相手にだというのに、何だかケンカ腰の態度を取られたことで、伸も若干イラッと来る。
そのため、嘘ではいないが適当に返答した。
「……誰に剣を教わった?」
「自己流です」
「っ……」
伸の態度を見て、自分の態度が悪いからこそ壁を作られたと、康義はすぐに察したようだ。
そう言ったところは、伊達に年を食っていないと言ったところだろう。
だからと言って、今更態度を変えた所で伸の方は変えるつもりはないため、康義の質問に対して嘘を答える。
伸の態度が変わらないことに、これ以上聞いても意味がないことを悟った康義は、それ以上質問することを諦めるしかなかった。
「鷹藤殿。まずは魔人討伐の報を……」
「……そうですな」
魔人の出現は、皇都だけの問題ではない。
国中騒ぎになっているはずだ。
伸とナタニエルの話を聞いていたため、俊夫や康義もナタニエル以外の魔人が討伐されたことを探知している。
そのため、突如出現した魔人全てを討伐し終えたことを、国中に知らせて安心させる必要がある。
伸に興味を持つ気持ちは分かるが、今はそれよりも討伐したことを知らせるべきだと、俊夫は康義を止める。
俊夫に言われてそのことに気付いた康義は、大人しくその意見に賛成した。
「あっ! それなんですが、自分の名前は出さないようにお願いします」
「何……、そうか……」
「……? あぁ、そういうことか……」
ナタニエルを倒したのは伸だ。
当然伸の名前を出すつもりでいた俊夫と康義だったが、本人がそれを止める。
2人共、「何故?」と問いかけようとしたが、すぐにその理由に気付いた。
全く無名の伸が倒したと言っても、国民が納得するのか怪しい。
それよりも、鷹藤・柊の名前で討伐したことを公表する方が、信憑性が高いため、そうするように進言したのだと。
『他の魔人の止めは任せたのに、一番強いのを自分で殺したら意味なかったかもな……』
結局、今回現れた魔人の全部を伸が仕留めた。
止めだけは他に譲ることで、完全に自分だけで倒したとは言えない状況を作り上げた。
今回のことで、名門家の人間に自分の実力は知られてしまうことになるが、それ以外の一般人に知られることはないはず。
名門家の人間が、もしも自分の事を広めようとしても、止めは自分が射したという情報も付いている分、本当の事と受け止められるか微妙なところだ。
しかし、一番強いナタニエルを自分が倒してしまったとなると、そこまでした意味がなくなってしまったのではないかと思えてきた。
「……まぁ、いいか……」
この場にいるのは俊夫と康義だけだ。
見ていない以上、真偽のほどを知ることはできないため、他の人間も俊夫と康義が倒したと思うはずだ。
不確定な今後のことを考えても仕方がないため、伸は深く考えることはやめた。
「ところで……」
「はい?」
魔人を討伐したことを報道陣に知らせる手筈を康義に任せ、俊夫は伸と話しかける。
真面目な顔をしているせいか、伸は何のしたのかと思いつつ首を傾げる。
「綾愛のことだが……」
「あぁ……」
俊夫の娘である綾愛の事と言われ、伸は何が言いたいのかなんとなく理解した。
鷹藤家に手を出されないために、康義に婚約者だと言ったことだろう。
「言いたいことは分かってます」
康義に婚約者だと言ったのは、あくまでも鷹藤家に正をさせないための方便たと、そのことは言われずともちゃんと理解している。
「柊殿の気にする事はありません」
俊夫は綾愛を溺愛しているため、綾愛に手出しをしようものなら柊家全てを相手にする事になりかねない。
そんな面倒な思いなんてしたくないため、そんな事はするつもりはない。
『いくら何でも、柊の気持ちも考えないと……』
家同士で婚姻関係を結ぶことがある。
伸もそのことは知っているが、だからと言って相手の気持ちも考えないわけにはいかない。
「そうか……」
伸の言葉を聞いた俊夫は頷いた。
自分が勘違いして綾愛に手出しをしないという言葉に、納得した頷きだと伸は理解した。
伸との話を終えた俊夫は、今後のことを打ち合わせるためか、踵を返して康義の所へと向かって歩き出した。
「…………」
背を向けられていたことで、伸は気付かない。
康義の所へと向かう俊夫が、一瞬腹黒い笑顔をしていたことに。
そして、後になって悔やむことになる。
この時、もっとちゃんと俊夫と話しておけば良かったと。
1
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説
前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に二週目の人生を頑張ります
京衛武百十
ファンタジー
俺の名前は阿久津安斗仁王(あくつあんとにお)。いわゆるキラキラした名前のおかげで散々苦労もしたが、それでも人並みに幸せな家庭を築こうと仕事に精を出して精を出して精を出して頑張ってまあそんなに経済的に困るようなことはなかったはずだった。なのに、女房も娘も俺のことなんかちっとも敬ってくれなくて、俺が出張中に娘は結婚式を上げるわ、定年を迎えたら離婚を切り出されれるわで、一人寂しく老後を過ごし、2086年4月、俺は施設で職員だけに看取られながら人生を終えた。本当に空しい人生だった。
なのに俺は、気付いたら五歳の子供になっていた。いや、正確に言うと、五歳の時に危うく死に掛けて、その弾みで思い出したんだ。<前世の記憶>ってやつを。
今世の名前も<アントニオ>だったものの、幸い、そこは中世ヨーロッパ風の世界だったこともあって、アントニオという名もそんなに突拍子もないものじゃなかったことで、俺は今度こそ<普通の幸せ>を掴もうと心に決めたんだ。
しかし、二週目の人生も取り敢えず平穏無事に二十歳になるまで過ごせたものの、何の因果か俺の暮らしていた村が戦争に巻き込まれて家族とは離れ離れ。俺は難民として流浪の身に。しかも、俺と同じ難民として戦火を逃れてきた八歳の女の子<リーネ>と行動を共にすることに。
今世では結婚はまだだったものの、一応、前世では結婚もして子供もいたから何とかなるかと思ったら、俺は育児を女房に任せっきりでほとんど何も知らなかったことに愕然とする。
とは言え、前世で八十年。今世で二十年。合わせて百年分の人生経験を基に、何とかしようと思ったのだった。
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
エルティモエルフォ ―最後のエルフ―
ポリ 外丸
ファンタジー
普通の高校生、松田啓18歳が、夏休みに海で溺れていた少年を救って命を落としてしまう。
海の底に沈んで死んだはずの啓が、次に意識を取り戻した時には小さな少年に転生していた。
その少年の記憶を呼び起こすと、どうやらここは異世界のようだ。
もう一度もらった命。
啓は生き抜くことを第一に考え、今いる地で1人生活を始めた。
前世の知識を持った生き残りエルフの気まぐれ人生物語り。
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバ、ツギクルにも載せています
サバイバル能力に全振りした男の半端仙人道
コアラ太
ファンタジー
年齢(3000歳)特技(逃げ足)趣味(採取)。半仙人やってます。
主人公は都会の生活に疲れて脱サラし、山暮らしを始めた。
こじんまりとした生活の中で、自然に触れていくと、瞑想にハマり始める。
そんなある日、森の中で見知らぬ老人から声をかけられたことがきっかけとなり、その老人に弟子入りすることになった。
修行する中で、仙人の道へ足を踏み入れるが、師匠から仙人にはなれないと言われてしまった。それでも良いやと気楽に修行を続け、正式な仙人にはなれずとも。足掛け程度は認められることになる。
それから何年も何年も何年も過ぎ、いつものように没頭していた瞑想を終えて目開けると、視界に映るのは密林。仕方なく周辺を探索していると、二足歩行の獣に捕まってしまう。言葉の通じないモフモフ達の言語から覚えなければ……。
不死になれなかった半端な仙人が起こす珍道中。
記憶力の無い男が、日記を探して旅をする。
メサメサメサ
メサ メサ
メサ メサ
メサ メサ
メサメサメサメサメサ
メ サ メ サ サ
メ サ メ サ サ サ
メ サ メ サ ササ
他サイトにも掲載しています。
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
最弱の荷物持ちは謎のスキル【証券口座】で成り上がる〜配当で伝説の武器やスキルやアイテムを手に入れた。それでも一番幸せなのは家族ができたこと〜
k-ing ★書籍発売中
ファンタジー
※以前投稿していた作品を改稿しています。
この世界のお金は金額が増えると質量は重くなる。そのため枚数が増えると管理がしにくくなる。そのため冒険者にポーターは必須だ。
そんなポーターであるウォーレンは幼馴染の誘いでパーティーを組むが、勇者となったアドルにパーティーを追放されてしまう。
謎のスキル【証券口座】の力でお金の管理がしやすいという理由だけでポーターとなったウォーレン。
だが、その力はお金をただ収納するだけのスキルではなかった。
ある日突然武器を手に入れた。それは偶然お金で権利を購入した鍛冶屋から定期的にもらえる配当という謎のラッキースキルだった。
しかも権利を購入できるのは鍛冶屋だけではなかった。
一方、新しいポーターを雇った勇者達は一般のポーターとの違いを知ることとなる。
勇者達は周りに強奪されないかと気にしながら生活する一方、ウォーレンは伝説の武器やユニークスキル、伝説のアイテムでいつのまにか最強の冒険者ポーターとなっていた。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる