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2学年 前期
第126話
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「何だ? 1人逃げちまったな……」
他の魔人の始末をするために移動を開始した伸を見て、木の魔人は逃走したのだと判断した。
そして、自分たち魔人を見たのだから、それも仕方がないと言うかのように笑みを浮かべた。
「まあいい。お前らをさっさと殺して、あいつも捕まえよう」
逃げた所で、魔人はこの山のそこら中にいる。
他の魔人に気付かれずに下山できるとは思えない。
しかし、どんな雑魚でも自分の獲物が他にとられるのは気に入らない。
目の前にいる2人を殺してからでも間に合うだろう。
そう考えた木の魔人は、綾愛に向かってゆっくりと動き出す。
「それは無理ね」
「何だと?」
迫り来る木の魔人に対し、綾愛は強気に先程の言葉を否定する。
魔人である自分と相対しながら、先程からこの少女は強気の姿勢を崩さない。
柊家の娘だからといって、仲間に逃げられても変わらないのは腑に落ちないため、木の魔人はその言葉の真意を尋ねた。
「彼が言っていたわ。あなた程度なら私でも倒せるって」
目の前に現れた2体はたいしたことが無い。
伸が綾愛に耳打ちしたのはこのことだ。
そのため、綾愛に分断させた後、自分は他にいるかもしれない魔人を倒しに向かうことも伝えてきた。
伸が言うのなら大丈夫なのだと自信が持てる。
綾愛は恐れることなく初の魔人戦に挑むのだった。
「……ガキが舐めた口きいてんじゃねぞ!!」
「っ!!」
“ガキンッ!!”
綾愛の言葉に腹を立てた木の魔人は、ゆっくりとした接近から一転、一気に綾愛との距離を詰めて来た。
そして、接近するとそのまま腕を突き出してきた。
いつの間にか、木の魔人の両手が両刃の剣の形へと変わっている。
そのことに驚きつつも、綾愛は構えた刀でその攻撃を防いだ。
「木なのに……」
「音がおかしいって言いたいのか? 木でも、密度を変えて魔力による強化が加われば、お前らの使う刀なんかと遜色ない武器に早変わりってことだ」
「……なるほど」
剣の形に変化し放たれた突き。
それを防いだ時の音が高い。
伸の耳打ちで、目の前の魔人は見た目からもなんとなく分かるように、トレントが魔人化した可能性が高いと聞いている。
綾愛も恐らくそうだと思っていた。
しかし、本当に木ならば、こんな高い音になるのか不思議に思った。
そんな綾愛の疑問を見透かすように、木の魔人は答えを教えてくれた。
「おっと! 逃がすかよ!」
「っ!!」
魔人の初撃を防いだ綾愛は、続いて向かってきた左手の剣を躱すため、一旦バックステップをして距離を取ろうとした。
しかし、木の魔人はそれを読んでいたらしく、バックステップに合わせるように綾愛を追いかけた。
「オラオラ! さっきの威勢はどうした!?」
追いかけた木の魔人は、剣へと変えた両手から次々と攻撃を繰り出す。
綾愛は、その連撃を躱すか刀で弾くかして防ぐ。
防戦一方の綾愛を見て、攻撃を繰り出す木の魔人は楽しそうな声で問いかけてくる。
「綾愛ちゃん!!」
「大丈夫! 奈津希は警戒しつつ援護をお願い」
「う、うん!」
第三者から見ると押されているように見えるのか、奈津希は心配そうに綾愛の名を叫ぶ。
それに対し、綾愛は力強く返事をして指示をして来た。
まだ自分のことを気にしていられる程度の余裕があるのだと、奈津希は少しだけ安心して綾愛に任せることにした。
「……大丈夫よね? 綾愛ちゃん、新田君……」
奈津希は、自分でも不思議なのだが、魔人が現れても大して慌てることなくいられた。
恐らく、伸と綾愛がいるためだろう。
伸が綾愛に耳打ちをしていたことは知っているため、何かしらのやり取りをしていたのは分かっている。
しかし、伸がいなくなったことで内心焦っている。
伸の人体操作によって魔力操作の技術が上がった綾愛は、これまでより一段上の強さを得たとは思える。
それでも、いくら伸がOKを出したとはいえ、魔人を相手にするほどの実力があるのか奈津希としては懐疑的だが、綾愛と子の指示をした伸を信じることにした。
「ハッハ!! 守ってばかりじゃ勝てねえぜ!!」
防戦一方の綾愛に対し、木の魔人は剣の形に変えた両手を振り回し続ける。
先程の言葉は口だけだったのだと確信したのか、その表情は笑みを浮かべている。
「フフッ!」
「……何だ? 怖くて狂ったか?」
ステップと刀で木の魔人の攻撃を防いでいた綾魔が、突如笑い声を上げる。
それを受けて、木の魔人は一旦攻撃の手を止めて訝しむ。
自分の攻撃を上手くさばいている様には見えるが、攻撃できないのでは勝ち目がないと諦め、綾愛の気が触れたのかと判断して問いかけた。
「彼の言った通りだわ」
「……彼?」
奈津希には綾愛の言う彼が誰を差しているのか分かるが、木の魔人は誰のことを言っているのか分からない。
「さっき走って行った彼のことよ」
「あぁ……、っで? あの逃げたのが何だって?」
誰のことを言っているのか問いかけた木の魔人に対し、綾愛は分かりやすく説明する。
その説明を受けて、木の魔人はようやく誰のことを話しているのか分かる。
そして、これが最後のやり取りになるかもしれないため、ついとばかりに綾愛が何を言いたいのかを聞くことにした。
「あなたと、さっきの緑色の魔人はたいした強さじゃないって……」
「……何?」
魔人である自分たちが大したことが無いなど、人間ごときに言われるとは思っていなかった。
あまりにも舐めた言葉に、木の魔人は眉間に皺を寄せる。
「たいしたことないってのに逃げたのか? あのビビり君は」
「ビビッて逃げたのではないわ。彼がここから去ったのには理由があるのよ」
「理由……?」
舐めた口を利かれたのは気に入らない。
木の魔人は、内心であのガキは絶対に殺すと決めた。
しかし、たいしたことないといっておきながら逃げた理由が思いつかない。
首を傾げる気の魔人に、綾愛は逃げたことを否定しつつ意味深な言葉を返した。
ビビッて逃げたのではないのなら、何だというのか。
念のため何かあった時に対応するために、麓には鷹藤家の配下の者たちがスタンバイしている。
そこまで救援を求めに行ったのだろうか。
それぐらいしか木の魔人には思いつかない。
「この山にいる他の魔人の始末っていう理由がね」
「……ハハッ、ハーハッハ!!」
綾愛の発言を一旦意味を理解できなかった木の魔人は、間を空けてから高笑いを始める。
「そいつは良いや!! あいつ1人で何ができるって言うんだ? バカな女だな。そんな戯言を信じて死ぬなんて」
先程の眉間の皺が無くなり、木の魔人は笑みと共に話しかけてくる。
人間の無名なガキ1人で、この山に来ている魔人たちを相手に何ができるというのか。
先程の言葉も完全なる戯言だと、木の魔人は切って捨てた。
「バカはあなたよ!」
「ッ!! ガッ!!」
余裕からなのか、笑みを浮かべる木の魔人は隙だらけだ。
そんな気の魔人に対し、綾愛は台詞と共に一気に迫る。
そして、木の魔人の懐に入ると、刀を横一閃に振り抜いた。
意表を突かれた木の魔人は、反応が遅れる。
後方へ尻餅をつくように倒れてなんとか躱すが、木の魔人の腹に綾愛の刀が浅く入った。
「それに、ここで死ぬのもあなたよ!」
倒れた魔人は、斬られた腹を見て驚愕の表情を浮かべる。
剣に変えた両手ほどではないが、全身を魔力を纏って強化しているというのに腹を斬られたからだ。
もしも、綾愛の刀がもう少し深く入っていたら、自分は命を落としていたかもしれない。
そんな事を考えた木の魔人だが、追撃を警戒してすぐに立ち上がるが、表情は焦燥に駆られている
そんな木の魔人を見下すように嘲笑い、綾愛は刀の切っ先を向けて啖呵を切ったのだった。
他の魔人の始末をするために移動を開始した伸を見て、木の魔人は逃走したのだと判断した。
そして、自分たち魔人を見たのだから、それも仕方がないと言うかのように笑みを浮かべた。
「まあいい。お前らをさっさと殺して、あいつも捕まえよう」
逃げた所で、魔人はこの山のそこら中にいる。
他の魔人に気付かれずに下山できるとは思えない。
しかし、どんな雑魚でも自分の獲物が他にとられるのは気に入らない。
目の前にいる2人を殺してからでも間に合うだろう。
そう考えた木の魔人は、綾愛に向かってゆっくりと動き出す。
「それは無理ね」
「何だと?」
迫り来る木の魔人に対し、綾愛は強気に先程の言葉を否定する。
魔人である自分と相対しながら、先程からこの少女は強気の姿勢を崩さない。
柊家の娘だからといって、仲間に逃げられても変わらないのは腑に落ちないため、木の魔人はその言葉の真意を尋ねた。
「彼が言っていたわ。あなた程度なら私でも倒せるって」
目の前に現れた2体はたいしたことが無い。
伸が綾愛に耳打ちしたのはこのことだ。
そのため、綾愛に分断させた後、自分は他にいるかもしれない魔人を倒しに向かうことも伝えてきた。
伸が言うのなら大丈夫なのだと自信が持てる。
綾愛は恐れることなく初の魔人戦に挑むのだった。
「……ガキが舐めた口きいてんじゃねぞ!!」
「っ!!」
“ガキンッ!!”
綾愛の言葉に腹を立てた木の魔人は、ゆっくりとした接近から一転、一気に綾愛との距離を詰めて来た。
そして、接近するとそのまま腕を突き出してきた。
いつの間にか、木の魔人の両手が両刃の剣の形へと変わっている。
そのことに驚きつつも、綾愛は構えた刀でその攻撃を防いだ。
「木なのに……」
「音がおかしいって言いたいのか? 木でも、密度を変えて魔力による強化が加われば、お前らの使う刀なんかと遜色ない武器に早変わりってことだ」
「……なるほど」
剣の形に変化し放たれた突き。
それを防いだ時の音が高い。
伸の耳打ちで、目の前の魔人は見た目からもなんとなく分かるように、トレントが魔人化した可能性が高いと聞いている。
綾愛も恐らくそうだと思っていた。
しかし、本当に木ならば、こんな高い音になるのか不思議に思った。
そんな綾愛の疑問を見透かすように、木の魔人は答えを教えてくれた。
「おっと! 逃がすかよ!」
「っ!!」
魔人の初撃を防いだ綾愛は、続いて向かってきた左手の剣を躱すため、一旦バックステップをして距離を取ろうとした。
しかし、木の魔人はそれを読んでいたらしく、バックステップに合わせるように綾愛を追いかけた。
「オラオラ! さっきの威勢はどうした!?」
追いかけた木の魔人は、剣へと変えた両手から次々と攻撃を繰り出す。
綾愛は、その連撃を躱すか刀で弾くかして防ぐ。
防戦一方の綾愛を見て、攻撃を繰り出す木の魔人は楽しそうな声で問いかけてくる。
「綾愛ちゃん!!」
「大丈夫! 奈津希は警戒しつつ援護をお願い」
「う、うん!」
第三者から見ると押されているように見えるのか、奈津希は心配そうに綾愛の名を叫ぶ。
それに対し、綾愛は力強く返事をして指示をして来た。
まだ自分のことを気にしていられる程度の余裕があるのだと、奈津希は少しだけ安心して綾愛に任せることにした。
「……大丈夫よね? 綾愛ちゃん、新田君……」
奈津希は、自分でも不思議なのだが、魔人が現れても大して慌てることなくいられた。
恐らく、伸と綾愛がいるためだろう。
伸が綾愛に耳打ちをしていたことは知っているため、何かしらのやり取りをしていたのは分かっている。
しかし、伸がいなくなったことで内心焦っている。
伸の人体操作によって魔力操作の技術が上がった綾愛は、これまでより一段上の強さを得たとは思える。
それでも、いくら伸がOKを出したとはいえ、魔人を相手にするほどの実力があるのか奈津希としては懐疑的だが、綾愛と子の指示をした伸を信じることにした。
「ハッハ!! 守ってばかりじゃ勝てねえぜ!!」
防戦一方の綾愛に対し、木の魔人は剣の形に変えた両手を振り回し続ける。
先程の言葉は口だけだったのだと確信したのか、その表情は笑みを浮かべている。
「フフッ!」
「……何だ? 怖くて狂ったか?」
ステップと刀で木の魔人の攻撃を防いでいた綾魔が、突如笑い声を上げる。
それを受けて、木の魔人は一旦攻撃の手を止めて訝しむ。
自分の攻撃を上手くさばいている様には見えるが、攻撃できないのでは勝ち目がないと諦め、綾愛の気が触れたのかと判断して問いかけた。
「彼の言った通りだわ」
「……彼?」
奈津希には綾愛の言う彼が誰を差しているのか分かるが、木の魔人は誰のことを言っているのか分からない。
「さっき走って行った彼のことよ」
「あぁ……、っで? あの逃げたのが何だって?」
誰のことを言っているのか問いかけた木の魔人に対し、綾愛は分かりやすく説明する。
その説明を受けて、木の魔人はようやく誰のことを話しているのか分かる。
そして、これが最後のやり取りになるかもしれないため、ついとばかりに綾愛が何を言いたいのかを聞くことにした。
「あなたと、さっきの緑色の魔人はたいした強さじゃないって……」
「……何?」
魔人である自分たちが大したことが無いなど、人間ごときに言われるとは思っていなかった。
あまりにも舐めた言葉に、木の魔人は眉間に皺を寄せる。
「たいしたことないってのに逃げたのか? あのビビり君は」
「ビビッて逃げたのではないわ。彼がここから去ったのには理由があるのよ」
「理由……?」
舐めた口を利かれたのは気に入らない。
木の魔人は、内心であのガキは絶対に殺すと決めた。
しかし、たいしたことないといっておきながら逃げた理由が思いつかない。
首を傾げる気の魔人に、綾愛は逃げたことを否定しつつ意味深な言葉を返した。
ビビッて逃げたのではないのなら、何だというのか。
念のため何かあった時に対応するために、麓には鷹藤家の配下の者たちがスタンバイしている。
そこまで救援を求めに行ったのだろうか。
それぐらいしか木の魔人には思いつかない。
「この山にいる他の魔人の始末っていう理由がね」
「……ハハッ、ハーハッハ!!」
綾愛の発言を一旦意味を理解できなかった木の魔人は、間を空けてから高笑いを始める。
「そいつは良いや!! あいつ1人で何ができるって言うんだ? バカな女だな。そんな戯言を信じて死ぬなんて」
先程の眉間の皺が無くなり、木の魔人は笑みと共に話しかけてくる。
人間の無名なガキ1人で、この山に来ている魔人たちを相手に何ができるというのか。
先程の言葉も完全なる戯言だと、木の魔人は切って捨てた。
「バカはあなたよ!」
「ッ!! ガッ!!」
余裕からなのか、笑みを浮かべる木の魔人は隙だらけだ。
そんな気の魔人に対し、綾愛は台詞と共に一気に迫る。
そして、木の魔人の懐に入ると、刀を横一閃に振り抜いた。
意表を突かれた木の魔人は、反応が遅れる。
後方へ尻餅をつくように倒れてなんとか躱すが、木の魔人の腹に綾愛の刀が浅く入った。
「それに、ここで死ぬのもあなたよ!」
倒れた魔人は、斬られた腹を見て驚愕の表情を浮かべる。
剣に変えた両手ほどではないが、全身を魔力を纏って強化しているというのに腹を斬られたからだ。
もしも、綾愛の刀がもう少し深く入っていたら、自分は命を落としていたかもしれない。
そんな事を考えた木の魔人だが、追撃を警戒してすぐに立ち上がるが、表情は焦燥に駆られている
そんな木の魔人を見下すように嘲笑い、綾愛は刀の切っ先を向けて啖呵を切ったのだった。
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