111 / 281
2学年 前期
第111話
しおりを挟む
「なあ? ナタニエル……」
「は、はい……」
昔、世界に突如現れた魔人の数体が逃れた無人島。
魔人島と呼ばれている島だ。
その島にある邸の内部で、1人の男が少年の前で跪いていた。
その姿は異様だが、見ただけで2人の力関係が分かるというものだ。
上の立場なのが少年で、跪いている男の方が下だ。
少年はコーカソイド、男はコンコイドといった特徴を有しており、その少年の話しかけに対して、ナタニエルと呼ばれた男は言葉を詰まらせながら返事をした。
「テレンシオはエグリア共和国を、カサンドラはスドイフ連合国に大損害を与えることに成功したというのに、大和皇国担当のお前はどういうことだ?」
「も、申し訳ありません」
伸たちが見たニュース。
エグリア共和国とスドイフ連合国の襲撃事件。
それは、この少年の指示によるものだった。
少年が指示したのはそれだけでなく、伸たちが住む大和皇国へも部下を送り込んでいた。
その指示を受けたのが、このナタニエルだ。
静かな口調でありながら、少年が不機嫌なのは態度で分かる。
そのため、ナタニエルは恐縮したように頭を下げるしかなかった。
「我が配下のティベリオとカルミネを大和皇国の皇都へ送り込んだのですが、まさか鷹藤と柊の者に殺されるとは思っておりませんでした」
去年の年末に出現したティベリオとカルミネという2体の魔人。
伸の操作により、柊俊夫がチーターの魔人であるティベリオを、最後に伸が少しだけ手助けしたことにより、鷹藤康義がコウモリの魔人であるカルミネを倒すことに成功した。
その2体の魔人をけしかけたのが、このナタニエルだった。
2体に任せておけば大和皇国に大打撃を与えることができると思っていただけに、殺されるとは考えていなかった。
「言い訳はいい。次の襲撃は考えているんだろ?」
「もちろんです! 今回は私自ら動きます!」
「鷹藤と柊の始末は後回しでもいいから、まずは大和の魔闘師たちを減らせ!」
「畏まりました!」
人間の中にも強者が存在していることは分かっている。
でなければ、この島にこれだけの魔人が集まることはなかった。
魔人の出現となれば、当然そういった強者が関わってくるため、失敗することもあるだろう。
しかし、何度も失敗して魔人の数を減らされるわけにはいかない。
なので、まずは倒せる者から潰していくことを少年は指示し、それを受け入れたナタニエルは、少年に一礼してその場を後にした。
「バルタサール様」
「んっ? 何? テレンシオ」
ナタニエルがいなくなったことで、これまで2人のやり取りを黙って見ていた3人のうちの1人が少年に声をかける。
エグリア共和国に損害を与えたという、目鼻立ちの整った顔をした眼鏡をかけた青年だ。
「ナタニエルの肩を持つわけではありませんが、私としても鷹藤と柊の強さは予想外でした。奴の部下のカルミネはともかく、ティベリオを相手にするのは我々でも結構面倒ですから……」
「……まぁ、そうだね」
大和皇国には鷹藤家という有名な一族がいることは分かっていたが、経済力はあっても所詮は小さい島国。
他の大国に比べれば、容易に攻略できると思われた。
部下任せにしたのが失敗の元だったが、ナタニエルの考えも分からなくない。
柊家の当主である俊夫が倒したと言われているチーター型の魔人のティベリオは、この場にいる連中でもあっさりと倒せるような相手ではない。
それを倒したというのだから、それだけの強さを柊が有しているということだ。
そこまでの力を持った者が、大和皇国程度の小国に存在していると考える方が難しいことだ。
この部屋にいる者たちの誰もが、ナタニエルと同じような策をとっていたかもしれない。
バルタサールもそう思っていたからこそ、あまり強く非難しなかったのだ。
「ナタニエル自身が動くのであればさすがに問題ないとは思いますが、もしものことがあった場合どうなさいますか?」
「……ナタニエルが殺られたらってこと?」
「はい」
鷹藤と柊の強さは想定外だったが、流石にナタニエルを倒せるほどではないだろう。
しかし、その2家が組んだ場合、ナタニエルの実力でももしもということがある。
大和皇国を潰すのは、バルタサールの計画の第一歩だ。
最初から躓くことは許されない。
テレンシオは、念のためもしものことを尋ねた。
「その時は、他の国なんて言っている場合じゃないからね。君たちに行ってもらう」
「左様ですか」
仮定の話をするというなら、いくらでも出てくるものだ。
この世に絶対なんてことはないからだ。
考えたくはないが、ナタニエルは短気な部分があるため、そこを突かれたらもしかしたらと考えてしまう。
心配性なテレンシオらしい考えだ。
バルタサールの予想通りの返答を受け、テレンシオは頷きを返した。
「では、私はもしもの時のことも考えて、再度計画を練らさせていただきます」
「あぁ、頼んだ」
ナタニエルの失敗により、計画を少し見直す必要がある。
そのため、テレンシオは修正案を考えるため、一礼してバルタサールの前から去っていった。
「カサンドラはスドイフ連合国への追撃の策を考えてくれ」
「畏まりました」
テレンシオが去った後、バルタサールは女性魔族に指示を出す。
カサンドラと呼ばれた女性魔族は、その指示通りスドイフ連合国への再襲撃を計画するため、バルタサールに一礼して部下のいる所へと向かうことにした。
「オレガリオは、ナタニエルの輸送を頼む」
「了解しました」
最後に残った大和皇国と同じような見た目をしたオレガリオという名の男に、バルタサールは指示を出す。
オレガリオは、魔族だけでなく人間の間でも珍しい転移魔術の使い手だ。
人間たちの魔人島への監視から逃れて移動するには、彼が不可欠であるため、バルタサールは彼を貴重な存在だと理解している。
そのため、3人のように襲撃をおこなわせるようなことは考えす、島から移動する役割を任せている。
部屋から出て行ったナタニエルを大和皇国へ送り届けるために、転移の魔術の使用を頼んだ。
それを受けたオレガリオは、一礼して部屋から退室していった。
「鷹藤に柊か……」
誰もいなくなったところで、バルタサールは独り言を呟く。
「僕が相手してみたかったな……」
人間にしては強いレベルにある鷹藤家と柊家の当主。
指示ばかり出すだけで動くことが無いため、バルタサールは彼らとの暇つぶしを相手してもらいたいと考えていた。
「まぁ、無理だろうな」
テレンシオが言ったように、ナタニエルが動けば問題ないだろう。
それはつまり、自分の番はないということだ。
指示は出したのだし、後のことは他のメンバーに任せたバルタサールは、1冊の本を取り出し読み始めたのだった。
「は、はい……」
昔、世界に突如現れた魔人の数体が逃れた無人島。
魔人島と呼ばれている島だ。
その島にある邸の内部で、1人の男が少年の前で跪いていた。
その姿は異様だが、見ただけで2人の力関係が分かるというものだ。
上の立場なのが少年で、跪いている男の方が下だ。
少年はコーカソイド、男はコンコイドといった特徴を有しており、その少年の話しかけに対して、ナタニエルと呼ばれた男は言葉を詰まらせながら返事をした。
「テレンシオはエグリア共和国を、カサンドラはスドイフ連合国に大損害を与えることに成功したというのに、大和皇国担当のお前はどういうことだ?」
「も、申し訳ありません」
伸たちが見たニュース。
エグリア共和国とスドイフ連合国の襲撃事件。
それは、この少年の指示によるものだった。
少年が指示したのはそれだけでなく、伸たちが住む大和皇国へも部下を送り込んでいた。
その指示を受けたのが、このナタニエルだ。
静かな口調でありながら、少年が不機嫌なのは態度で分かる。
そのため、ナタニエルは恐縮したように頭を下げるしかなかった。
「我が配下のティベリオとカルミネを大和皇国の皇都へ送り込んだのですが、まさか鷹藤と柊の者に殺されるとは思っておりませんでした」
去年の年末に出現したティベリオとカルミネという2体の魔人。
伸の操作により、柊俊夫がチーターの魔人であるティベリオを、最後に伸が少しだけ手助けしたことにより、鷹藤康義がコウモリの魔人であるカルミネを倒すことに成功した。
その2体の魔人をけしかけたのが、このナタニエルだった。
2体に任せておけば大和皇国に大打撃を与えることができると思っていただけに、殺されるとは考えていなかった。
「言い訳はいい。次の襲撃は考えているんだろ?」
「もちろんです! 今回は私自ら動きます!」
「鷹藤と柊の始末は後回しでもいいから、まずは大和の魔闘師たちを減らせ!」
「畏まりました!」
人間の中にも強者が存在していることは分かっている。
でなければ、この島にこれだけの魔人が集まることはなかった。
魔人の出現となれば、当然そういった強者が関わってくるため、失敗することもあるだろう。
しかし、何度も失敗して魔人の数を減らされるわけにはいかない。
なので、まずは倒せる者から潰していくことを少年は指示し、それを受け入れたナタニエルは、少年に一礼してその場を後にした。
「バルタサール様」
「んっ? 何? テレンシオ」
ナタニエルがいなくなったことで、これまで2人のやり取りを黙って見ていた3人のうちの1人が少年に声をかける。
エグリア共和国に損害を与えたという、目鼻立ちの整った顔をした眼鏡をかけた青年だ。
「ナタニエルの肩を持つわけではありませんが、私としても鷹藤と柊の強さは予想外でした。奴の部下のカルミネはともかく、ティベリオを相手にするのは我々でも結構面倒ですから……」
「……まぁ、そうだね」
大和皇国には鷹藤家という有名な一族がいることは分かっていたが、経済力はあっても所詮は小さい島国。
他の大国に比べれば、容易に攻略できると思われた。
部下任せにしたのが失敗の元だったが、ナタニエルの考えも分からなくない。
柊家の当主である俊夫が倒したと言われているチーター型の魔人のティベリオは、この場にいる連中でもあっさりと倒せるような相手ではない。
それを倒したというのだから、それだけの強さを柊が有しているということだ。
そこまでの力を持った者が、大和皇国程度の小国に存在していると考える方が難しいことだ。
この部屋にいる者たちの誰もが、ナタニエルと同じような策をとっていたかもしれない。
バルタサールもそう思っていたからこそ、あまり強く非難しなかったのだ。
「ナタニエル自身が動くのであればさすがに問題ないとは思いますが、もしものことがあった場合どうなさいますか?」
「……ナタニエルが殺られたらってこと?」
「はい」
鷹藤と柊の強さは想定外だったが、流石にナタニエルを倒せるほどではないだろう。
しかし、その2家が組んだ場合、ナタニエルの実力でももしもということがある。
大和皇国を潰すのは、バルタサールの計画の第一歩だ。
最初から躓くことは許されない。
テレンシオは、念のためもしものことを尋ねた。
「その時は、他の国なんて言っている場合じゃないからね。君たちに行ってもらう」
「左様ですか」
仮定の話をするというなら、いくらでも出てくるものだ。
この世に絶対なんてことはないからだ。
考えたくはないが、ナタニエルは短気な部分があるため、そこを突かれたらもしかしたらと考えてしまう。
心配性なテレンシオらしい考えだ。
バルタサールの予想通りの返答を受け、テレンシオは頷きを返した。
「では、私はもしもの時のことも考えて、再度計画を練らさせていただきます」
「あぁ、頼んだ」
ナタニエルの失敗により、計画を少し見直す必要がある。
そのため、テレンシオは修正案を考えるため、一礼してバルタサールの前から去っていった。
「カサンドラはスドイフ連合国への追撃の策を考えてくれ」
「畏まりました」
テレンシオが去った後、バルタサールは女性魔族に指示を出す。
カサンドラと呼ばれた女性魔族は、その指示通りスドイフ連合国への再襲撃を計画するため、バルタサールに一礼して部下のいる所へと向かうことにした。
「オレガリオは、ナタニエルの輸送を頼む」
「了解しました」
最後に残った大和皇国と同じような見た目をしたオレガリオという名の男に、バルタサールは指示を出す。
オレガリオは、魔族だけでなく人間の間でも珍しい転移魔術の使い手だ。
人間たちの魔人島への監視から逃れて移動するには、彼が不可欠であるため、バルタサールは彼を貴重な存在だと理解している。
そのため、3人のように襲撃をおこなわせるようなことは考えす、島から移動する役割を任せている。
部屋から出て行ったナタニエルを大和皇国へ送り届けるために、転移の魔術の使用を頼んだ。
それを受けたオレガリオは、一礼して部屋から退室していった。
「鷹藤に柊か……」
誰もいなくなったところで、バルタサールは独り言を呟く。
「僕が相手してみたかったな……」
人間にしては強いレベルにある鷹藤家と柊家の当主。
指示ばかり出すだけで動くことが無いため、バルタサールは彼らとの暇つぶしを相手してもらいたいと考えていた。
「まぁ、無理だろうな」
テレンシオが言ったように、ナタニエルが動けば問題ないだろう。
それはつまり、自分の番はないということだ。
指示は出したのだし、後のことは他のメンバーに任せたバルタサールは、1冊の本を取り出し読み始めたのだった。
1
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説
エルティモエルフォ ―最後のエルフ―
ポリ 外丸
ファンタジー
普通の高校生、松田啓18歳が、夏休みに海で溺れていた少年を救って命を落としてしまう。
海の底に沈んで死んだはずの啓が、次に意識を取り戻した時には小さな少年に転生していた。
その少年の記憶を呼び起こすと、どうやらここは異世界のようだ。
もう一度もらった命。
啓は生き抜くことを第一に考え、今いる地で1人生活を始めた。
前世の知識を持った生き残りエルフの気まぐれ人生物語り。
※カクヨム、小説家になろう、ノベルバ、ツギクルにも載せています
最強の職業は解体屋です! ゴミだと思っていたエクストラスキル『解体』が実は超有能でした
服田 晃和
ファンタジー
旧題:最強の職業は『解体屋』です!〜ゴミスキルだと思ってたエクストラスキル『解体』が実は最強のスキルでした〜
大学を卒業後建築会社に就職した普通の男。しかし待っていたのは設計や現場監督なんてカッコいい職業ではなく「解体作業」だった。来る日も来る日も使わなくなった廃ビルや、人が居なくなった廃屋を解体する日々。そんなある日いつものように廃屋を解体していた男は、大量のゴミに押しつぶされてしまい突然の死を迎える。
目が覚めるとそこには自称神様の金髪美少女が立っていた。その神様からは自分の世界に戻り輪廻転生を繰り返すか、できれば剣と魔法の世界に転生して欲しいとお願いされた俺。だったら、せめてサービスしてくれないとな。それと『魔法』は絶対に使えるようにしてくれよ!なんたってファンタジーの世界なんだから!
そうして俺が転生した世界は『職業』が全ての世界。それなのに俺の職業はよく分からない『解体屋』だって?貴族の子に生まれたのに、『魔導士』じゃなきゃ追放らしい。優秀な兄は勿論『魔導士』だってさ。
まぁでもそんな俺にだって、魔法が使えるんだ!えっ?神様の不手際で魔法が使えない?嘘だろ?家族に見放され悲しい人生が待っていると思った矢先。まさかの魔法も剣も極められる最強のチート職業でした!!
魔法を使えると思って転生したのに魔法を使う為にはモンスター討伐が必須!まずはスライムから行ってみよう!そんな男の楽しい冒険ファンタジー!
レベルアップに魅せられすぎた男の異世界探求記(旧題カンスト厨の異世界探検記)
荻野
ファンタジー
ハーデス 「ワシとこの遺跡ダンジョンをそなたの魔法で成仏させてくれぬかのぅ?」
俺 「確かに俺の神聖魔法はレベルが高い。神様であるアンタとこのダンジョンを成仏させるというのも出来るかもしれないな」
ハーデス 「では……」
俺 「だが断る!」
ハーデス 「むっ、今何と?」
俺 「断ると言ったんだ」
ハーデス 「なぜだ?」
俺 「……俺のレベルだ」
ハーデス 「……は?」
俺 「あともう数千回くらいアンタを倒せば俺のレベルをカンストさせられそうなんだ。だからそれまでは聞き入れることが出来ない」
ハーデス 「レベルをカンスト? お、お主……正気か? 神であるワシですらレベルは9000なんじゃぞ? それをカンスト? 神をも上回る力をそなたは既に得ておるのじゃぞ?」
俺 「そんなことは知ったことじゃない。俺の目標はレベルをカンストさせること。それだけだ」
ハーデス 「……正気……なのか?」
俺 「もちろん」
異世界に放り込まれた俺は、昔ハマったゲームのように異世界をコンプリートすることにした。
たとえ周りの者たちがなんと言おうとも、俺は異世界を極め尽くしてみせる!
【完結】実はチートの転生者、無能と言われるのに飽きて実力を解放する
エース皇命
ファンタジー
【HOTランキング1位獲得作品!!】
最強スキル『適応』を与えられた転生者ジャック・ストロングは16歳。
戦士になり、王国に潜む悪を倒すためのユピテル英才学園に入学して3ヶ月がたっていた。
目立たないために実力を隠していたジャックだが、学園長から次のテストで成績がよくないと退学だと脅され、ついに実力を解放していく。
ジャックのライバルとなる個性豊かな生徒たち、実力ある先生たちにも注目!!
彼らのハチャメチャ学園生活から目が離せない!!
※小説家になろう、カクヨム、エブリスタでも投稿中
俺が死んでから始まる物語
石のやっさん
ファンタジー
パーティでお荷物扱いされていたポーター(荷物運び)のセレスは、とうとう勇者でありパーティーリーダーのリヒトにクビを宣告されてしまう。幼馴染も恋人も全部リヒトの物で、居場所がどこにもないことは自分でも解っていた。
だが、それでもセレスはパーティに残りたかったので土下座までしてリヒトに情けなくもしがみついた。
余りにしつこいセレスに頭に来たリヒトはつい剣の柄でセレスを殴った…そして、セレスは亡くなった。
そこからこの話は始まる。
セレスには誰にも言った事が無い『秘密』があり、その秘密のせいで、死ぬことは怖く無かった…死から始まるファンタジー此処に開幕
最弱の荷物持ちは謎のスキル【証券口座】で成り上がる〜配当で伝説の武器やスキルやアイテムを手に入れた。それでも一番幸せなのは家族ができたこと〜
k-ing ★書籍発売中
ファンタジー
※以前投稿していた作品を改稿しています。
この世界のお金は金額が増えると質量は重くなる。そのため枚数が増えると管理がしにくくなる。そのため冒険者にポーターは必須だ。
そんなポーターであるウォーレンは幼馴染の誘いでパーティーを組むが、勇者となったアドルにパーティーを追放されてしまう。
謎のスキル【証券口座】の力でお金の管理がしやすいという理由だけでポーターとなったウォーレン。
だが、その力はお金をただ収納するだけのスキルではなかった。
ある日突然武器を手に入れた。それは偶然お金で権利を購入した鍛冶屋から定期的にもらえる配当という謎のラッキースキルだった。
しかも権利を購入できるのは鍛冶屋だけではなかった。
一方、新しいポーターを雇った勇者達は一般のポーターとの違いを知ることとなる。
勇者達は周りに強奪されないかと気にしながら生活する一方、ウォーレンは伝説の武器やユニークスキル、伝説のアイテムでいつのまにか最強の冒険者ポーターとなっていた。
ガチャと異世界転生 システムの欠陥を偶然発見し成り上がる!
よっしぃ
ファンタジー
偶然神のガチャシステムに欠陥がある事を発見したノーマルアイテムハンター(最底辺の冒険者)ランナル・エクヴァル・元日本人の転生者。
獲得したノーマルアイテムの売却時に、偶然発見したシステムの欠陥でとんでもない事になり、神に報告をするも再現できず否定され、しかも神が公認でそんな事が本当にあれば不正扱いしないからドンドンしていいと言われ、不正もとい欠陥を利用し最高ランクの装備を取得し成り上がり、無双するお話。
俺は西塔 徳仁(さいとう のりひと)、もうすぐ50過ぎのおっさんだ。
単身赴任で家族と離れ遠くで暮らしている。遠すぎて年に数回しか帰省できない。
ぶっちゃけ時間があるからと、ブラウザゲームをやっていたりする。
大抵ガチャがあるんだよな。
幾つかのゲームをしていたら、そのうちの一つのゲームで何やらハズレガチャを上位のアイテムにアップグレードしてくれるイベントがあって、それぞれ1から5までのランクがあり、それを15本投入すれば一度だけ例えばSRだったらSSRのアイテムに変えてくれるという有り難いイベントがあったっけ。
だが俺は運がなかった。
ゲームの話ではないぞ?
現実で、だ。
疲れて帰ってきた俺は体調が悪く、何とか自身が住んでいる社宅に到着したのだが・・・・俺は倒れたらしい。
そのまま救急搬送されたが、恐らく脳梗塞。
そのまま帰らぬ人となったようだ。
で、気が付けば俺は全く知らない場所にいた。
どうやら異世界だ。
魔物が闊歩する世界。魔法がある世界らしく、15歳になれば男は皆武器を手に魔物と祟罠くてはならないらしい。
しかも戦うにあたり、武器や防具は何故かガチャで手に入れるようだ。なんじゃそりゃ。
10歳の頃から生まれ育った村で魔物と戦う術や解体方法を身に着けたが、15になると村を出て、大きな街に向かった。
そこでダンジョンを知り、同じような境遇の面々とチームを組んでダンジョンで活動する。
5年、底辺から抜け出せないまま過ごしてしまった。
残念ながら日本の知識は持ち合わせていたが役に立たなかった。
そんなある日、変化がやってきた。
疲れていた俺は普段しない事をしてしまったのだ。
その結果、俺は信じられない出来事に遭遇、その後神との恐ろしい交渉を行い、最底辺の生活から脱出し、成り上がってく。
異世界転移からふざけた事情により転生へ。日本の常識は意外と非常識。
久遠 れんり
ファンタジー
普段の、何気ない日常。
事故は、予想外に起こる。
そして、異世界転移? 転生も。
気がつけば、見たことのない森。
「おーい」
と呼べば、「グギャ」とゴブリンが答える。
その時どう行動するのか。
また、その先は……。
初期は、サバイバル。
その後人里発見と、自身の立ち位置。生活基盤を確保。
有名になって、王都へ。
日本人の常識で突き進む。
そんな感じで、進みます。
ただ主人公は、ちょっと凝り性で、行きすぎる感じの日本人。そんな傾向が少しある。
異世界側では、少し非常識かもしれない。
面白がってつけた能力、超振動が意外と無敵だったりする。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる