67 / 281
1学年 後期
第67話
しおりを挟む
「……何だ?」
「開始してすぐ倒れたぞ……」
「どうして……?」
決勝を楽しみにして見に来た観客たち。
毎年この時期の風物詩として期待されている行事のため、1年の決勝でも期待値が高い。
柊家の令嬢が順当に進出し、決勝ではどのような勝利を収めるのかが期待されていた。
せめて相手には、昨日の奈津希のように綾愛の全力を出させるだけの戦いをしてもらいたいと思っていたが、始まってすぐに終わってしまったことに戸惑っている様子だ。
「柊が何かしたのか?」
「えっ?」
「マジで?」
あまりにも速すぎる決着。
1年の者たちは何が起きたのか分かっていない様子だ。
2、3年でも正確に目で追えた者はどれほどいるだろうか。
「了!」
「ハハッ……、みっともねえな……」
「いいや。ナイスチャレンジだったぜ!」
試合が終わり、セコンドの伸は倒れている了のもとへと駆け寄る。
伸の声に対して返答してくるが、作戦失敗に自嘲気味だ。
優勝を狙うために全力を尽くした結果なので、伸は素直に了を褒めた。
「金井選手。念のため医務室へ」
「すん…ま…せん……」
倒れたままの了のもとへ、救護班が担架を持って向かってきた。
どうして倒れているのか分かっているため、特に慌てた様子はない。
救護班によって担架に乗せられると我慢の限界が来たのか、了はゆっくりと意識を失った。
「あれはあなたが教えた作戦なの?」
救護班によって運ばれて行く了を見送り、伸は了が落としていった木刀を拾う。
そこに勝者である綾愛が話しかけてきた。
「いや、了自身が考えた作戦だよ」
「そう……」
先程の作戦は、了が自分に勝つために施した伸の策だと考えていた。
狙い通り勝利を収めることはできなかったが、一歩間違えれば自分が負けていた作戦だった。
こんな奇想天外の作戦を思いついた伸に文句を言ってやろうと思っていたが、了が考えた策だと知り、言おうとしていた文句が引っ込んでしまった。
「それにしてもよく躱せたな?」
「こっちも必死だったわよ」
了が考えた作戦は、一撃に全て力をかけるというものだ。
全魔力を使い、様子見から入るつもりであろう綾愛に、開始早々仕掛ける。
相手は女性なので、脳天ではなく肩を狙った1撃。
それが綾愛には躱されてしまったのだ。
全力の了の攻撃に、さすがの綾愛も対処できないと伸は思っていた。
しかし、綾愛は見事に躱すことに成功したため、伸は感心したように話しかけた。
「……悔しいけど、あなたのお陰ね」
「俺?」
伸は了が勝つ確率は5分5分だと思っていた。
結果は綾愛が躱すことに成功したのだが、それが自分のお陰だということの意味が分からない。
そのため、伸は首を傾げて綾愛に説明を求めた。
「魔物を倒した時、あなたが魔力コントロールの訓練をするように言っていたじゃない。それに従って訓練していたから、金井君の攻撃を躱すことができたわ」
「なるほど……」
開始早々の全魔力を総動員した突進に、綾愛も驚いたのはたしかだ。
しかし、それと同時に綾愛も身体強化の魔力を一気に増やした。
身体強化する速度で言えば了の方が速いだろうが、綾愛の場合攻撃を躱すために充分な量を補充するだけでいい。
だからといって、反射的に反応して間に合わせるには、魔力素早くコントロールすることが必要になる。
柊家の娘ということもあり、綾愛は1年の時から魔物を倒す訓練をおこなっている。
毎回伸の警護が付くというおまけつきだが、その時のことが生きた。
伸からは魔力コントロールが重要だと何度も言われた。
柊家の人間以外知らないことだが、伸は魔人を倒すような戦闘力の持ち主だ。
その伸が言うことなのだからと、綾愛は毎日魔力コントロールの地味な訓練を続けていた。
了の高速の突進にも、反応できたのはその訓練のお陰。
つまりは、訓練するように言った伸のお陰ということだ。
「そうなると、了には悪いことをしたかな……」
ある意味敵に塩を送るという状況になってしまったわけだ。
そのため、間接的とは言っても了が負ける原因を作ったわけだから、セコンドとしては失格だ。
同じように仕掛けるにしても、隙を見てからの方がよかったかもしれない。
かと言って、昨日の奈津希戦を見る限り、綾愛がミスを犯すようには思えなかったので、開始早々がベストなのは変わらないだろう。
「……そろそろ引っ込んだ方が良いかもな」
「……そうね」
何が起こったのか分からずに終わってしまったため、拍手もまばらな感じになってしまった。
それも治まり、大会委員が次の試合の準備を始めている。
いつまでもここにいては邪魔になると思い、伸と綾愛はここから去ることにした。
「じゃあ、俺は了の所へ行くよ」
「えぇ、じゃあね」
了が倒れて気を失ったのは、魔力枯渇による急激な疲労によるものだ。
しばらく安静にしていれば、魔力も回復して目を覚ますはずだ。
身体強化に全魔力を使用したが、それを維持できるほど了の魔力コントロールは上手いわけではない。
一瞬の身体強化に魔力を使い、消費してしまったからこそ魔力枯渇になってしまったのだ。
放って置いてもそのうち目を覚ますだろうが、自分は了のセコンドだ。
目を覚ましても、疲労困憊で寮に戻るまでの道のりがきついだろう。
セコンドとして送り届けなければならないと考えた伸は、了の運ばれた医務室へと向かうことにした。
綾愛はこの後の試合を見ていくつもりだ。
そのため、控室に戻ろうと、軽く手を振って伸に背中を向けた。
「……う、う~……」
「おっ! 目、覚ましたか?」
「……あぁ、伸……」
医務室にもモニターが設置されており、伸はそれで後の試合を観戦していた。
やはり、2年生となると1年の生徒より一段上のレベルのように思える。
伸としてもなかなか楽しく見せてもらえた。
2年の決勝が終了した所で、ベッドに寝かされていた了が声をあげた。
伸が声をかけると、了はここがどこだか理解したようだ。
「もうしばらく横になってろよ」
「あぁ……」
目が覚めてもまだ全身のだるさが抜けていないはず。
その状態で動くと転倒する可能性があるため、伸は選考会終了まで休ませるつもりだ。
全然力が入らない状態のため、了も素直にそれに従った。
「そういや、阿部先輩3位決定戦勝利したぞ」
「マジで!? やった!」
寝ている最中におこなわれた2年の3位決定戦。
それに出て勝利したのが、剣道部の阿部だ。
2、3年は3人が対抗戦に出られることになっているため、3位決定戦も重要な戦いだ。
3年の佐藤という剣道部の主将は決勝に進出しているので、選考会に選ばれた剣道部3人全員が対抗戦に出場できることになったということだ。
伸からその報告を受けた了は、横になったままガッツポーズをした。
対抗戦までの訓練で剣道場を利用させてもらったので、伸も何度も顔を合わせていた。
別に剣道部員ではないが、伸としても知り合いが勝ったことが嬉しかった。
「あっ! 明日の文化祭のこと忘れてた……」
「……残念だったな。お前は明日動けないだろ」
急に何を言うかと思ったら、了は明日のことを言ってきた。
選考会の後にある文化祭。
選手とセコンドの2人は準備に参加していないが、校内を見て回るつもりだった。
しかし、魔力枯渇後の翌日は、無理をしたツケとして全身に筋肉痛が襲ってくることになる。
とてもではないが、了は安静にしているしかない。
「お前の分の食いもん届けてやっから」
「あぁ、頼む」
伸や了が求めているのは、やはり食べ物。
仕方がないので、伸は了の分を買って帰ることを約束したのだった。
「開始してすぐ倒れたぞ……」
「どうして……?」
決勝を楽しみにして見に来た観客たち。
毎年この時期の風物詩として期待されている行事のため、1年の決勝でも期待値が高い。
柊家の令嬢が順当に進出し、決勝ではどのような勝利を収めるのかが期待されていた。
せめて相手には、昨日の奈津希のように綾愛の全力を出させるだけの戦いをしてもらいたいと思っていたが、始まってすぐに終わってしまったことに戸惑っている様子だ。
「柊が何かしたのか?」
「えっ?」
「マジで?」
あまりにも速すぎる決着。
1年の者たちは何が起きたのか分かっていない様子だ。
2、3年でも正確に目で追えた者はどれほどいるだろうか。
「了!」
「ハハッ……、みっともねえな……」
「いいや。ナイスチャレンジだったぜ!」
試合が終わり、セコンドの伸は倒れている了のもとへと駆け寄る。
伸の声に対して返答してくるが、作戦失敗に自嘲気味だ。
優勝を狙うために全力を尽くした結果なので、伸は素直に了を褒めた。
「金井選手。念のため医務室へ」
「すん…ま…せん……」
倒れたままの了のもとへ、救護班が担架を持って向かってきた。
どうして倒れているのか分かっているため、特に慌てた様子はない。
救護班によって担架に乗せられると我慢の限界が来たのか、了はゆっくりと意識を失った。
「あれはあなたが教えた作戦なの?」
救護班によって運ばれて行く了を見送り、伸は了が落としていった木刀を拾う。
そこに勝者である綾愛が話しかけてきた。
「いや、了自身が考えた作戦だよ」
「そう……」
先程の作戦は、了が自分に勝つために施した伸の策だと考えていた。
狙い通り勝利を収めることはできなかったが、一歩間違えれば自分が負けていた作戦だった。
こんな奇想天外の作戦を思いついた伸に文句を言ってやろうと思っていたが、了が考えた策だと知り、言おうとしていた文句が引っ込んでしまった。
「それにしてもよく躱せたな?」
「こっちも必死だったわよ」
了が考えた作戦は、一撃に全て力をかけるというものだ。
全魔力を使い、様子見から入るつもりであろう綾愛に、開始早々仕掛ける。
相手は女性なので、脳天ではなく肩を狙った1撃。
それが綾愛には躱されてしまったのだ。
全力の了の攻撃に、さすがの綾愛も対処できないと伸は思っていた。
しかし、綾愛は見事に躱すことに成功したため、伸は感心したように話しかけた。
「……悔しいけど、あなたのお陰ね」
「俺?」
伸は了が勝つ確率は5分5分だと思っていた。
結果は綾愛が躱すことに成功したのだが、それが自分のお陰だということの意味が分からない。
そのため、伸は首を傾げて綾愛に説明を求めた。
「魔物を倒した時、あなたが魔力コントロールの訓練をするように言っていたじゃない。それに従って訓練していたから、金井君の攻撃を躱すことができたわ」
「なるほど……」
開始早々の全魔力を総動員した突進に、綾愛も驚いたのはたしかだ。
しかし、それと同時に綾愛も身体強化の魔力を一気に増やした。
身体強化する速度で言えば了の方が速いだろうが、綾愛の場合攻撃を躱すために充分な量を補充するだけでいい。
だからといって、反射的に反応して間に合わせるには、魔力素早くコントロールすることが必要になる。
柊家の娘ということもあり、綾愛は1年の時から魔物を倒す訓練をおこなっている。
毎回伸の警護が付くというおまけつきだが、その時のことが生きた。
伸からは魔力コントロールが重要だと何度も言われた。
柊家の人間以外知らないことだが、伸は魔人を倒すような戦闘力の持ち主だ。
その伸が言うことなのだからと、綾愛は毎日魔力コントロールの地味な訓練を続けていた。
了の高速の突進にも、反応できたのはその訓練のお陰。
つまりは、訓練するように言った伸のお陰ということだ。
「そうなると、了には悪いことをしたかな……」
ある意味敵に塩を送るという状況になってしまったわけだ。
そのため、間接的とは言っても了が負ける原因を作ったわけだから、セコンドとしては失格だ。
同じように仕掛けるにしても、隙を見てからの方がよかったかもしれない。
かと言って、昨日の奈津希戦を見る限り、綾愛がミスを犯すようには思えなかったので、開始早々がベストなのは変わらないだろう。
「……そろそろ引っ込んだ方が良いかもな」
「……そうね」
何が起こったのか分からずに終わってしまったため、拍手もまばらな感じになってしまった。
それも治まり、大会委員が次の試合の準備を始めている。
いつまでもここにいては邪魔になると思い、伸と綾愛はここから去ることにした。
「じゃあ、俺は了の所へ行くよ」
「えぇ、じゃあね」
了が倒れて気を失ったのは、魔力枯渇による急激な疲労によるものだ。
しばらく安静にしていれば、魔力も回復して目を覚ますはずだ。
身体強化に全魔力を使用したが、それを維持できるほど了の魔力コントロールは上手いわけではない。
一瞬の身体強化に魔力を使い、消費してしまったからこそ魔力枯渇になってしまったのだ。
放って置いてもそのうち目を覚ますだろうが、自分は了のセコンドだ。
目を覚ましても、疲労困憊で寮に戻るまでの道のりがきついだろう。
セコンドとして送り届けなければならないと考えた伸は、了の運ばれた医務室へと向かうことにした。
綾愛はこの後の試合を見ていくつもりだ。
そのため、控室に戻ろうと、軽く手を振って伸に背中を向けた。
「……う、う~……」
「おっ! 目、覚ましたか?」
「……あぁ、伸……」
医務室にもモニターが設置されており、伸はそれで後の試合を観戦していた。
やはり、2年生となると1年の生徒より一段上のレベルのように思える。
伸としてもなかなか楽しく見せてもらえた。
2年の決勝が終了した所で、ベッドに寝かされていた了が声をあげた。
伸が声をかけると、了はここがどこだか理解したようだ。
「もうしばらく横になってろよ」
「あぁ……」
目が覚めてもまだ全身のだるさが抜けていないはず。
その状態で動くと転倒する可能性があるため、伸は選考会終了まで休ませるつもりだ。
全然力が入らない状態のため、了も素直にそれに従った。
「そういや、阿部先輩3位決定戦勝利したぞ」
「マジで!? やった!」
寝ている最中におこなわれた2年の3位決定戦。
それに出て勝利したのが、剣道部の阿部だ。
2、3年は3人が対抗戦に出られることになっているため、3位決定戦も重要な戦いだ。
3年の佐藤という剣道部の主将は決勝に進出しているので、選考会に選ばれた剣道部3人全員が対抗戦に出場できることになったということだ。
伸からその報告を受けた了は、横になったままガッツポーズをした。
対抗戦までの訓練で剣道場を利用させてもらったので、伸も何度も顔を合わせていた。
別に剣道部員ではないが、伸としても知り合いが勝ったことが嬉しかった。
「あっ! 明日の文化祭のこと忘れてた……」
「……残念だったな。お前は明日動けないだろ」
急に何を言うかと思ったら、了は明日のことを言ってきた。
選考会の後にある文化祭。
選手とセコンドの2人は準備に参加していないが、校内を見て回るつもりだった。
しかし、魔力枯渇後の翌日は、無理をしたツケとして全身に筋肉痛が襲ってくることになる。
とてもではないが、了は安静にしているしかない。
「お前の分の食いもん届けてやっから」
「あぁ、頼む」
伸や了が求めているのは、やはり食べ物。
仕方がないので、伸は了の分を買って帰ることを約束したのだった。
1
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説
薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ
柚木 潤
ファンタジー
実家の薬華異堂薬局に戻った薬剤師の舞は、亡くなった祖父から譲り受けた鍵で開けた扉の中に、不思議な漢方薬の調合が書かれた、古びた本を見つけた。
そして、異世界から助けを求める手紙が届き、舞はその異世界に転移する。
舞は不思議な薬を作り、それは魔人や魔獣にも対抗できる薬であったのだ。
そんな中、魔人の王から舞を見るなり、懐かしい人を思い出させると。
500年前にも、この異世界に転移していた女性がいたと言うのだ。
それは舞と関係のある人物であった。
その後、一部の魔人の襲撃にあうが、舞や魔人の王ブラック達の力で危機を乗り越え、人間と魔人の世界に平和が訪れた。
しかし、500年前に転移していたハナという女性が大事にしていた森がアブナイと手紙が届き、舞は再度転移する。
そして、黒い影に侵食されていた森を舞の薬や魔人達の力で復活させる事が出来たのだ。
ところが、舞が自分の世界に帰ろうとした時、黒い翼を持つ人物に遭遇し、舞に自分の世界に来てほしいと懇願する。
そこには原因不明の病の女性がいて、舞の薬で異物を分離するのだ。
そして、舞を探しに来たブラック達魔人により、昔に転移した一人の魔人を見つけるのだが、その事を隠して黒翼人として生活していたのだ。
その理由や女性の病の原因をつきとめる事が出来たのだが悲しい結果となったのだ。
戻った舞はいつもの日常を取り戻していたが、秘密の扉の中の物が燃えて灰と化したのだ。
舞はまた異世界への転移を考えるが、魔法陣は動かなかったのだ。
何とか舞は転移出来たが、その世界ではドラゴンが復活しようとしていたのだ。
舞は命懸けでドラゴンの良心を目覚めさせる事が出来、世界は火の海になる事は無かったのだ。
そんな時黒翼国の王子が、暗い森にある遺跡を見つけたのだ。
*第1章 洞窟出現編 第2章 森再生編 第3章 翼国編
第4章 火山のドラゴン編 が終了しました。
第5章 闇の遺跡編に続きます。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜
みおな
ファンタジー
私の名前は、瀬尾あかり。
37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。
そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。
今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。
それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。
そして、目覚めた時ー
『特別』を願った僕の転生先は放置された第7皇子!?
mio
ファンタジー
特別になることを望む『平凡』な大学生・弥登陽斗はある日突然亡くなる。
神様に『特別』になりたい願いを叶えてやると言われ、生まれ変わった先は異世界の第7皇子!? しかも母親はなんだかさびれた離宮に追いやられているし、騎士団に入っている兄はなかなか会うことができない。それでも穏やかな日々。
そんな生活も母の死を境に変わっていく。なぜか絡んでくる異母兄弟をあしらいつつ、兄の元で剣に魔法に、いろいろと学んでいくことに。兄と兄の部下との新たな日常に、以前とはまた違った幸せを感じていた。
日常を壊し、強制的に終わらせたとある不幸が起こるまでは。
神様、一つ言わせてください。僕が言っていた特別はこういうことではないと思うんですけど!?
他サイトでも投稿しております。
大工スキルを授かった貧乏貴族の養子の四男だけど、どうやら大工スキルは伝説の全能スキルだったようです
飼猫タマ
ファンタジー
田舎貴族の四男のヨナン・グラスホッパーは、貧乏貴族の養子。義理の兄弟達は、全員戦闘系のレアスキル持ちなのに、ヨナンだけ貴族では有り得ない生産スキルの大工スキル。まあ、養子だから仕方が無いんだけど。
だがしかし、タダの生産スキルだと思ってた大工スキルは、じつは超絶物凄いスキルだったのだ。その物凄スキルで、生産しまくって超絶金持ちに。そして、婚約者も出来て幸せ絶頂の時に嵌められて、人生ドン底に。だが、ヨナンは、有り得ない逆転の一手を持っていたのだ。しかも、その有り得ない一手を、本人が全く覚えてなかったのはお約束。
勿論、ヨナンを嵌めた奴らは、全員、ザマー百裂拳で100倍返し!
そんなお話です。
異世界に召喚されたが勇者ではなかったために放り出された夫婦は拾った赤ちゃんを守り育てる。そして3人の孤児を弟子にする。
お小遣い月3万
ファンタジー
異世界に召喚された夫婦。だけど2人は勇者の資質を持っていなかった。ステータス画面を出現させることはできなかったのだ。ステータス画面が出現できない2人はレベルが上がらなかった。
夫の淳は初級魔法は使えるけど、それ以上の魔法は使えなかった。
妻の美子は魔法すら使えなかった。だけど、のちにユニークスキルを持っていることがわかる。彼女が作った料理を食べるとHPが回復するというユニークスキルである。
勇者になれなかった夫婦は城から放り出され、見知らぬ土地である異世界で暮らし始めた。
ある日、妻は川に洗濯に、夫はゴブリンの討伐に森に出かけた。
夫は竹のような植物が光っているのを見つける。光の正体を確認するために植物を切ると、そこに現れたのは赤ちゃんだった。
夫婦は赤ちゃんを育てることになった。赤ちゃんは女の子だった。
その子を大切に育てる。
女の子が5歳の時に、彼女がステータス画面を発現させることができるのに気づいてしまう。
2人は王様に子どもが奪われないようにステータス画面が発現することを隠した。
だけど子どもはどんどんと強くなって行く。
大切な我が子が魔王討伐に向かうまでの物語。世界で一番大切なモノを守るために夫婦は奮闘する。世界で一番愛しているモノの幸せのために夫婦は奮闘する。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる