66 / 281
1学年 後期
第66話
しおりを挟む
了の勝利後、もう1つの準決勝が開催された。
柊綾愛と杉山奈津希の戦いだ。
柊家の令嬢とその従者の家系の娘という関係だが、2人は幼少期からの友人。
それを知っているからか、どのような戦いが繰り広げられるのかと観客たちは注目していた。
はっきり言って、了と大橋の準決勝よりも観客の数が多い気がする。
「ハァ、ハァ……」
「ハァ、ハァ……」
綾愛と奈津希の戦いは長くなり、お互い疲労による息切れをしている。
了と大橋の時と似て、綾愛は木刀で奈津希は木製の薙刀での戦闘スタイル。
武器による距離の差を使い、奈津希が上手く立ち回っている。
というより、なんとか負けないように立ちまわっていると言った方が良いだろう。
試合開始早々は、魔術の打ち合いで相手の出方を疑い、それがほぼ互角だと判断した綾愛が、魔術を併用して奈津希との距離を詰めての戦闘へと持ち込もうとした。
しかし、奈津希は薙刀を完全に防御用として利用し、終始綾愛から距離を取って戦うように持って行っていた。
「長いな……」
「あぁ……」
明日のために寮に帰って体を休めた方が良いのだが、決勝の相手を見ておこうと伸は了と共に控室のモニターで綾愛たちの準決勝を観戦することにした。
長い戦いに、了は小さく呟き、伸もそれに同意する。
綾愛と奈津希の戦いは、遠近どちらの戦いでもかなり高レベル。
モニターを眺める了は、2人の戦いに目が釘付けになっている。
『杉山の奴、思ったよりも粘るな……』
伸としては、綾愛と奈津希が魔物を倒す訓練をした時に指導した身。
どっちも頑張って欲しいが、綾愛が勝つと予想していた。
場合によっては長引くとは思っていたが、奈津希が頑張りによって余所以上に粘っている。
『しかし、それももうすぐ終わりだな……』
観客は両者の戦いに歓声を上げている。
予想以上の試合内容に、テンションが上がっているようだ。
それとは反対に、伸は内心冷めたことを考えていた。
互角に見えているようだが、綾愛の方が全ての面において少し上。
全力で逃げ回るようにして、奈津希は綾愛に隙ができるのを待っているようだが、その少しの差による余裕があるため、綾愛がミスを犯すようなことはないだろう。
狙いは良かったが、そろそろ奈津希の魔力も限界だろう。
「っ!?」
魔力を使ったことにより、奈津希は疲労で足がもつれる。
隙を作るのを待っていたのだが、逆に自分が隙を作ることになってしまった。
「ハッ!」
「くっ!!」
奈津希の隙を見逃さず、綾愛が魔力球を放つ。
飛んできた魔力球を、奈津希は薙刀を盾にするように受け止めた。
「シッ!」
「っ!!」
魔力球を放った綾愛は、奈津希が防いでいる間に距離を詰めていた。
それに奈津希が気付いた時にはもう遅く、接近した綾愛の突きが喉元で止まっていた。
「勝負あり! 勝者柊!」
勝敗が決し、審判の三門が声をあげる。
それと同時に観客たちの歓声もひときわ大きく会場に鳴り響いた。
1年生同士とは思えないレベルの高い戦いに、誰もが2人に拍手を送っていた。
「ハァ、ハァ、やるわね奈津希」
「ハァ、ハァ、やっぱり負けちゃったか……」
試合終了と共に、奈津希は疲労でその場へとへたり込んでいた。
その奈津希へ綾愛が手を差し出す。
2人とも息切れをしつつも、どこか楽しそうな笑みを浮かべている。
奈津希が綾愛の手を借りて立ち上がったため、そのまま健闘を称える握手をしているよな状況になり、観客の拍手もまた大きくなった。
その拍手を受け、2人はその場から去っていった。
「なぁ? 伸……」
「んっ?」
会場を後にする2人を、モニターに目を向けたままの了が話しかけてくる。
後片付けをして帰ろうとしていた伸は、その手を止めて了の方へと顔を向けた。
「俺より杉山の方が強くないか?」
綾愛とあれだけの戦いができるのだから、対抗戦でも1回戦くらいは突破できるだろう。
魔力を飛ばせるようになったとは言っても、結局は近接戦頼みの自分より、戦闘的にバランスがいい奈津希の方がその可能性が高い気がした了は、珍しく弱気なことを言ってきた。
「う~ん……」
了の言葉に伸は腕を組んで唸る。
相手次第で勝てるかもしれない了と、相手なんか気にしなくて勝てる可能性がある奈津希。
たしかにそう考えると、奈津希の方が良い気がしてしまう。
「……まぁ、了が選手に選ばれたんだから、先を見据えて訓練するしかないな」
「……そうだな」
トーナメントで選手を決めるというのは最初から決まっていたこと。
なので、伸としては了がそんな事を思う必要はないことを告げる。
今更自分から辞退するのは、自分に負けた大橋をバカにするようなことになる。
そのため、了は伸の言う通り前を向いて進むことにした。
「対抗戦の前に明日の決勝だけど、さすがにあっさり負けるなよ」
「……負けるの決定かよ」
今日の戦いによって、綾愛が全ての面においてレベルが高いことは分かった。
分かっていたが、予想以上だと伸以外の人間は思ったことだろう。
近接戦に持ち込めば、もしかしたら了の方に分があるかもしれないが、恐らく近付けても簡単にはいかない。
なので、綾愛が勝つのは決定的といってもいい。
了自身もそれが分かっているが、伸に言われると気分が落ちる。
「言っておくが、俺には秘策がある!」
「……へぇ~」
はっきり言って、伸も了が負けるとは思っている。
だが、勝つ方法がないわけではない。
あるにはあるが、かなり僅かな可能性に賭けるしかない。
なんとなく了の考えている秘策は分かっているが、伸はそのまま知らんぷりをすることにした。
負けるにしても、勝機を見い出して全力を尽くす方が了らしくて合っていて、伸としても好ましい。
そのため、何をする気か分かっていても、何も言わずやらせることにした。
「行って来る……」
「あぁ、やってやれ……」
「……あぁ」
翌日の決勝戦。
試合会場は、昨日は3年の選考会をしていた第1訓練場だ。
1年の決勝、2年の3位決定戦、2年の決勝、3年の3位決定戦、3年の決勝の順でおこなわれることになっている。
昨日同様に会場内へアナウンスされ、了は伸へと声をかける。
その表情は、柄にもなく緊張しているようだ。
昨日言っていた策を実行するか悩んでいるのだろう。
伸は軽く声をかけてその背を押してやる。
了からはどんな策か聞いていないが、その様子は何をする気なのか分かっているというようにも聞こえる。
もしかしてと了が伸の目を見つめると、伸は分かっていると言うように頷きで返した。
それを見て決心がついたのか、了は気合いの入った表情で観客席は満杯の訓練場中央へと足を進めた。
「構え!!」
「「…………」」
審判の合図により、綾愛と了は木刀を構える。
そして、開始前に唯一おこなっていいとされている身体強化の魔術をお互い始動する。
「始め!!」
「ハァーーーッ!!」
「っっっ!!」
開始早々、了は綾愛へ向かって突進する。
了の秘策は開始早々の奇襲に全てをかけるというもの。
しかし、それでも綾愛なら対応できる。
ならば、対応できないくらいの速度で攻めかかる。
全身の魔力を開始早々に総動員し、全速力で綾愛に攻撃を仕掛ける。
1撃に全力をかけた万歳アタック。
まさかの奇襲を予想していなかったのか、綾愛は目を見開いた。
「「…………」」
綾愛と了がすれ違う。
伸以外で了のこの策を予想していた者は僅かだっただろう。
このたった一瞬で勝負は決着した。
「ハハッ!」
この決着に了は笑みを浮かべる。
「まさか避けられるなんて……」
そう言って、了はその場に崩れるように倒れていった。
「フゥ~……」
了が倒れたのを見て、綾愛は大きく息を吐いた。
「危なかった……」
そして、安心したようにその場に座り込んだ。
「勝負あり! 勝者柊!」
了が戦闘不能になったことを確認した審判は、綾愛の勝利を宣言した。
柊綾愛と杉山奈津希の戦いだ。
柊家の令嬢とその従者の家系の娘という関係だが、2人は幼少期からの友人。
それを知っているからか、どのような戦いが繰り広げられるのかと観客たちは注目していた。
はっきり言って、了と大橋の準決勝よりも観客の数が多い気がする。
「ハァ、ハァ……」
「ハァ、ハァ……」
綾愛と奈津希の戦いは長くなり、お互い疲労による息切れをしている。
了と大橋の時と似て、綾愛は木刀で奈津希は木製の薙刀での戦闘スタイル。
武器による距離の差を使い、奈津希が上手く立ち回っている。
というより、なんとか負けないように立ちまわっていると言った方が良いだろう。
試合開始早々は、魔術の打ち合いで相手の出方を疑い、それがほぼ互角だと判断した綾愛が、魔術を併用して奈津希との距離を詰めての戦闘へと持ち込もうとした。
しかし、奈津希は薙刀を完全に防御用として利用し、終始綾愛から距離を取って戦うように持って行っていた。
「長いな……」
「あぁ……」
明日のために寮に帰って体を休めた方が良いのだが、決勝の相手を見ておこうと伸は了と共に控室のモニターで綾愛たちの準決勝を観戦することにした。
長い戦いに、了は小さく呟き、伸もそれに同意する。
綾愛と奈津希の戦いは、遠近どちらの戦いでもかなり高レベル。
モニターを眺める了は、2人の戦いに目が釘付けになっている。
『杉山の奴、思ったよりも粘るな……』
伸としては、綾愛と奈津希が魔物を倒す訓練をした時に指導した身。
どっちも頑張って欲しいが、綾愛が勝つと予想していた。
場合によっては長引くとは思っていたが、奈津希が頑張りによって余所以上に粘っている。
『しかし、それももうすぐ終わりだな……』
観客は両者の戦いに歓声を上げている。
予想以上の試合内容に、テンションが上がっているようだ。
それとは反対に、伸は内心冷めたことを考えていた。
互角に見えているようだが、綾愛の方が全ての面において少し上。
全力で逃げ回るようにして、奈津希は綾愛に隙ができるのを待っているようだが、その少しの差による余裕があるため、綾愛がミスを犯すようなことはないだろう。
狙いは良かったが、そろそろ奈津希の魔力も限界だろう。
「っ!?」
魔力を使ったことにより、奈津希は疲労で足がもつれる。
隙を作るのを待っていたのだが、逆に自分が隙を作ることになってしまった。
「ハッ!」
「くっ!!」
奈津希の隙を見逃さず、綾愛が魔力球を放つ。
飛んできた魔力球を、奈津希は薙刀を盾にするように受け止めた。
「シッ!」
「っ!!」
魔力球を放った綾愛は、奈津希が防いでいる間に距離を詰めていた。
それに奈津希が気付いた時にはもう遅く、接近した綾愛の突きが喉元で止まっていた。
「勝負あり! 勝者柊!」
勝敗が決し、審判の三門が声をあげる。
それと同時に観客たちの歓声もひときわ大きく会場に鳴り響いた。
1年生同士とは思えないレベルの高い戦いに、誰もが2人に拍手を送っていた。
「ハァ、ハァ、やるわね奈津希」
「ハァ、ハァ、やっぱり負けちゃったか……」
試合終了と共に、奈津希は疲労でその場へとへたり込んでいた。
その奈津希へ綾愛が手を差し出す。
2人とも息切れをしつつも、どこか楽しそうな笑みを浮かべている。
奈津希が綾愛の手を借りて立ち上がったため、そのまま健闘を称える握手をしているよな状況になり、観客の拍手もまた大きくなった。
その拍手を受け、2人はその場から去っていった。
「なぁ? 伸……」
「んっ?」
会場を後にする2人を、モニターに目を向けたままの了が話しかけてくる。
後片付けをして帰ろうとしていた伸は、その手を止めて了の方へと顔を向けた。
「俺より杉山の方が強くないか?」
綾愛とあれだけの戦いができるのだから、対抗戦でも1回戦くらいは突破できるだろう。
魔力を飛ばせるようになったとは言っても、結局は近接戦頼みの自分より、戦闘的にバランスがいい奈津希の方がその可能性が高い気がした了は、珍しく弱気なことを言ってきた。
「う~ん……」
了の言葉に伸は腕を組んで唸る。
相手次第で勝てるかもしれない了と、相手なんか気にしなくて勝てる可能性がある奈津希。
たしかにそう考えると、奈津希の方が良い気がしてしまう。
「……まぁ、了が選手に選ばれたんだから、先を見据えて訓練するしかないな」
「……そうだな」
トーナメントで選手を決めるというのは最初から決まっていたこと。
なので、伸としては了がそんな事を思う必要はないことを告げる。
今更自分から辞退するのは、自分に負けた大橋をバカにするようなことになる。
そのため、了は伸の言う通り前を向いて進むことにした。
「対抗戦の前に明日の決勝だけど、さすがにあっさり負けるなよ」
「……負けるの決定かよ」
今日の戦いによって、綾愛が全ての面においてレベルが高いことは分かった。
分かっていたが、予想以上だと伸以外の人間は思ったことだろう。
近接戦に持ち込めば、もしかしたら了の方に分があるかもしれないが、恐らく近付けても簡単にはいかない。
なので、綾愛が勝つのは決定的といってもいい。
了自身もそれが分かっているが、伸に言われると気分が落ちる。
「言っておくが、俺には秘策がある!」
「……へぇ~」
はっきり言って、伸も了が負けるとは思っている。
だが、勝つ方法がないわけではない。
あるにはあるが、かなり僅かな可能性に賭けるしかない。
なんとなく了の考えている秘策は分かっているが、伸はそのまま知らんぷりをすることにした。
負けるにしても、勝機を見い出して全力を尽くす方が了らしくて合っていて、伸としても好ましい。
そのため、何をする気か分かっていても、何も言わずやらせることにした。
「行って来る……」
「あぁ、やってやれ……」
「……あぁ」
翌日の決勝戦。
試合会場は、昨日は3年の選考会をしていた第1訓練場だ。
1年の決勝、2年の3位決定戦、2年の決勝、3年の3位決定戦、3年の決勝の順でおこなわれることになっている。
昨日同様に会場内へアナウンスされ、了は伸へと声をかける。
その表情は、柄にもなく緊張しているようだ。
昨日言っていた策を実行するか悩んでいるのだろう。
伸は軽く声をかけてその背を押してやる。
了からはどんな策か聞いていないが、その様子は何をする気なのか分かっているというようにも聞こえる。
もしかしてと了が伸の目を見つめると、伸は分かっていると言うように頷きで返した。
それを見て決心がついたのか、了は気合いの入った表情で観客席は満杯の訓練場中央へと足を進めた。
「構え!!」
「「…………」」
審判の合図により、綾愛と了は木刀を構える。
そして、開始前に唯一おこなっていいとされている身体強化の魔術をお互い始動する。
「始め!!」
「ハァーーーッ!!」
「っっっ!!」
開始早々、了は綾愛へ向かって突進する。
了の秘策は開始早々の奇襲に全てをかけるというもの。
しかし、それでも綾愛なら対応できる。
ならば、対応できないくらいの速度で攻めかかる。
全身の魔力を開始早々に総動員し、全速力で綾愛に攻撃を仕掛ける。
1撃に全力をかけた万歳アタック。
まさかの奇襲を予想していなかったのか、綾愛は目を見開いた。
「「…………」」
綾愛と了がすれ違う。
伸以外で了のこの策を予想していた者は僅かだっただろう。
このたった一瞬で勝負は決着した。
「ハハッ!」
この決着に了は笑みを浮かべる。
「まさか避けられるなんて……」
そう言って、了はその場に崩れるように倒れていった。
「フゥ~……」
了が倒れたのを見て、綾愛は大きく息を吐いた。
「危なかった……」
そして、安心したようにその場に座り込んだ。
「勝負あり! 勝者柊!」
了が戦闘不能になったことを確認した審判は、綾愛の勝利を宣言した。
1
お気に入りに追加
70
あなたにおすすめの小説
薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ
柚木 潤
ファンタジー
実家の薬華異堂薬局に戻った薬剤師の舞は、亡くなった祖父から譲り受けた鍵で開けた扉の中に、不思議な漢方薬の調合が書かれた、古びた本を見つけた。
そして、異世界から助けを求める手紙が届き、舞はその異世界に転移する。
舞は不思議な薬を作り、それは魔人や魔獣にも対抗できる薬であったのだ。
そんな中、魔人の王から舞を見るなり、懐かしい人を思い出させると。
500年前にも、この異世界に転移していた女性がいたと言うのだ。
それは舞と関係のある人物であった。
その後、一部の魔人の襲撃にあうが、舞や魔人の王ブラック達の力で危機を乗り越え、人間と魔人の世界に平和が訪れた。
しかし、500年前に転移していたハナという女性が大事にしていた森がアブナイと手紙が届き、舞は再度転移する。
そして、黒い影に侵食されていた森を舞の薬や魔人達の力で復活させる事が出来たのだ。
ところが、舞が自分の世界に帰ろうとした時、黒い翼を持つ人物に遭遇し、舞に自分の世界に来てほしいと懇願する。
そこには原因不明の病の女性がいて、舞の薬で異物を分離するのだ。
そして、舞を探しに来たブラック達魔人により、昔に転移した一人の魔人を見つけるのだが、その事を隠して黒翼人として生活していたのだ。
その理由や女性の病の原因をつきとめる事が出来たのだが悲しい結果となったのだ。
戻った舞はいつもの日常を取り戻していたが、秘密の扉の中の物が燃えて灰と化したのだ。
舞はまた異世界への転移を考えるが、魔法陣は動かなかったのだ。
何とか舞は転移出来たが、その世界ではドラゴンが復活しようとしていたのだ。
舞は命懸けでドラゴンの良心を目覚めさせる事が出来、世界は火の海になる事は無かったのだ。
そんな時黒翼国の王子が、暗い森にある遺跡を見つけたのだ。
*第1章 洞窟出現編 第2章 森再生編 第3章 翼国編
第4章 火山のドラゴン編 が終了しました。
第5章 闇の遺跡編に続きます。
「クズスキルの偽者は必要無い!」と公爵家を追放されたので、かけがえのない仲間と共に最高の国を作ります
古河夜空
ファンタジー
「お前をルートベルク公爵家から追放する――」それはあまりにも突然の出来事だった。
一五歳の誕生日を明日に控えたレオンは、公爵家を追放されてしまう。魔を制する者“神託の御子”と期待されていた、ルートベルク公爵の息子レオンだったが、『継承』という役立たずのスキルしか得ることができず、神託の御子としての片鱗を示すことが出来なかったため追放されてしまう。
一人、逃げる様に王都を出て行くレオンだが、公爵家の汚点たる彼を亡き者にしようとする、ルートベルク公爵の魔の手が迫っていた。「絶対に生き延びてやる……ッ!」レオンは己の力を全て使い、知恵を絞り、公爵の魔の手から逃れんがために走る。生き延びるため、公爵達を見返すため、自分を信じてくれる者のため。
どれだけ窮地に立たされようとも、秘めた想いを曲げない少年の周りには、人、エルフ、ドワーフ、そして魔族、種族の垣根を越えたかけがえの無い仲間達が集い―― これは、追放された少年が最高の国を作りあげる物語。
※他サイト様でも掲載しております。
異世界転生はどん底人生の始まり~一時停止とステータス強奪で快適な人生を掴み取る!
夢・風魔
ファンタジー
若くして死んだ男は、異世界に転生した。恵まれた環境とは程遠い、ダンジョンの上層部に作られた居住区画で孤児として暮らしていた。
ある日、ダンジョンモンスターが暴走するスタンピードが発生し、彼──リヴァは死の縁に立たされていた。
そこで前世の記憶を思い出し、同時に転生特典のスキルに目覚める。
視界に映る者全ての動きを停止させる『一時停止』。任意のステータスを一日に1だけ奪い取れる『ステータス強奪』。
二つのスキルを駆使し、リヴァは地上での暮らしを夢見て今日もダンジョンへと潜る。
*カクヨムでも先行更新しております。
【完結】【勇者】の称号が無かった美少年は王宮を追放されたのでのんびり異世界を謳歌する
雪雪ノ雪
ファンタジー
ある日、突然学校にいた人全員が【勇者】として召喚された。
その召喚に巻き込まれた少年柊茜は、1人だけ【勇者】の称号がなかった。
代わりにあったのは【ラグナロク】という【固有exスキル】。
それを見た柊茜は
「あー....このスキルのせいで【勇者】の称号がなかったのかー。まぁ、ス・ラ・イ・厶・に【勇者】って称号とか合わないからなぁ…」
【勇者】の称号が無かった柊茜は、王宮を追放されてしまう。
追放されてしまった柊茜は、特に慌てる事もなくのんびり異世界を謳歌する..........たぶん…....
主人公は男の娘です 基本主人公が自分を表す時は「私」と表現します
悪役貴族の四男に転生した俺は、怠惰で自由な生活がしたいので、自由気ままな冒険者生活(スローライフ)を始めたかった。
SOU 5月17日10作同時連載開始❗❗
ファンタジー
俺は何もしてないのに兄達のせいで悪役貴族扱いされているんだが……
アーノルドは名門貴族クローリー家の四男に転生した。家の掲げる独立独行の家訓のため、剣技に魔術果ては鍛冶師の技術を身に着けた。
そして15歳となった現在。アーノルドは、魔剣士を育成する教育機関に入学するのだが、親戚や上の兄達のせいで悪役扱いをされ、付いた渾名は【悪役公子】。
実家ではやりたくもない【付与魔術】をやらされ、学園に通っていても心の無い言葉を投げかけられる日々に嫌気がさした俺は、自由を求めて冒険者になる事にした。
剣術ではなく刀を打ち刀を使う彼は、憧れの自由と、美味いメシとスローライフを求めて、時に戦い。時にメシを食らい、時に剣を打つ。
アーノルドの第二の人生が幕を開ける。しかし、同級生で仲の悪いメイザース家の娘ミナに学園での態度が演技だと知られてしまい。アーノルドの理想の生活は、ハチャメチャなものになって行く。
貴族に生まれたのに誘拐され1歳で死にかけた
佐藤醤油
ファンタジー
貴族に生まれ、のんびりと赤ちゃん生活を満喫していたのに、気がついたら世界が変わっていた。
僕は、盗賊に誘拐され魔力を吸われながら生きる日々を過ごす。
魔力枯渇に陥ると死ぬ確率が高いにも関わらず年に1回は魔力枯渇になり死にかけている。
言葉が通じる様になって気がついたが、僕は他の人が持っていないステータスを見る力を持ち、さらに異世界と思われる世界の知識を覗ける力を持っている。
この力を使って、いつか脱出し母親の元へと戻ることを夢見て過ごす。
小さい体でチートな力は使えない中、どうにか生きる知恵を出し生活する。
------------------------------------------------------------------
お知らせ
「転生者はめぐりあう」 始めました。
------------------------------------------------------------------
注意
作者の暇つぶし、気分転換中の自己満足で公開する作品です。
感想は受け付けていません。
誤字脱字、文面等気になる方はお気に入りを削除で対応してください。
転生幼女の攻略法〜最強チートの異世界日記〜
みおな
ファンタジー
私の名前は、瀬尾あかり。
37歳、日本人。性別、女。職業は一般事務員。容姿は10人並み。趣味は、物語を書くこと。
そう!私は、今流行りのラノベをスマホで書くことを趣味にしている、ごくごく普通のOLである。
今日も、いつも通りに仕事を終え、いつも通りに帰りにスーパーで惣菜を買って、いつも通りに1人で食事をする予定だった。
それなのに、どうして私は道路に倒れているんだろう?後ろからぶつかってきた男に刺されたと気付いたのは、もう意識がなくなる寸前だった。
そして、目覚めた時ー
異世界転生した時に心を失くした私は貧民生まれです
ぐるぐる
ファンタジー
前世日本人の私は剣と魔法の世界に転生した。
転生した時に感情を欠落したのか、生まれた時から心が全く動かない。
前世の記憶を頼りに善悪等を判断。
貧民街の狭くて汚くて臭い家……家とはいえないほったて小屋に、生まれた時から住んでいる。
2人の兄と、私と、弟と母。
母親はいつも心ここにあらず、父親は所在不明。
ある日母親が死んで父親のへそくりを発見したことで、兄弟4人引っ越しを決意する。
前世の記憶と知識、魔法を駆使して少しずつでも確実にお金を貯めていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる