299 / 375
第12章
第299話
しおりを挟む
「こちらの村です」
「やっと着いたか……」
ケイとラウルは、オシアスの案内を受けてエナグアからほぼ一直線に突っ走ってきた。
結局数日かかったが、馬で来るよりもだいぶ短い時間で到着することができた。
目的地に着き、ラウルはようやく一息ついた。
「それにしても御2人はすごいですね……」
「……ほとんどじいちゃんが倒してたけど」
ここまでの道のりで出現した魔物は結構な数いた。
しかし、そんな魔物もケイとラウルの手によってあっさりと倒され、たいして時間を取られるようなこともなかった。
単純に向かう方角を教えて走っていただけで、何もしていないに等しいオシアスは、2人の戦闘力の高さに驚きを含んだ感想を述べた。
それに対し、ラウルは自分の思っていることを口にする。
ここまで来るまで確かにラウルも出てきた魔物を倒しはしたが、大体はケイが対処していたため、苦労した思いはあまりない。
ケイから逃れたのを始末していたというだけでも、ここの魔物を相手にしても難なく倒しているのだからラウルの戦闘力もたいしたものだ。
「っ!? おいっ!」
「……エルフだ!」
村に入り、オシアスはここの村長らと話し合った後、流れ着いたという人族の者たちの所へ案内してもらうことにした。
ケイたちもそれに付いて行くと、数人の人族が固まって椅子に座っていた。
魔人族の若者が武器を手に囲んではいるが、特に何かする訳でもなく見張っている。
ここの村の者たちもどう扱っていいか分からず、危害を加えることなくもてなされている。
人族の者たちの方もどうしていいか分からず、ただ戸惑いながらいることしかできない。
そんな人族の者たちの所へ案内されたケイたちは、人族大陸で何が起きたのかを詳しく聞くために彼らの所へ近寄った。
すると、ケイのことを見た人族の者たちは、すぐさまケイがエルフだということに気付き、驚きと共にざわつきだした。
「この方たちは、あなたたちに聞きたいことがあって訪れたエルフ王国の方々だ」
ざわつく人族たちに対し、オシアスは簡単にケイたちのことを説明をする。
生きているエルフに戸惑いつつも、その言葉で人族の者たちは少しずつ静かになった。
「エ、エルフが何を聞きたいって言うんだ?」
流れ着いた人族の者たちは8人。
みんな顔が似ているのを見る限り、一つの家族のように思える。
その中で、1人の若い男性が代表するように問いかけてきた。
「魔物のスタンピードがあって逃げてきたと聞いたが、何の魔物によるものだ?」
「……グールだ」
ケイの問いに対し、その男性は短く答える。
人族でも北の国の人間にはエルフの国のことはちゃんと伝わっていないのか、エルフ王国という言葉にいまいちピンと来ていない様子だ。
そのせいか、ケイに対して敬語を使うべきか悩んでいるような節がある。
「また面倒な……」
「グールって再生能力の高い食屍鬼って奴?」
別に敬語を使われなくてもどうでも良いが、その答えにケイは少し困る。
そんなケイに、ラウルはグールのことを問いかける。
「その通りだ。国が対処しきれないくらいの数が姿を現したという話だ」
それに答えたのは人族の男だった。
ラウルが言ったように、グールは人の肉体を食べる食屍鬼で、変身の能力を有すると言われている。
変身と言ってもハイエナに変化することが多く、狼の群れかと思ったらグールだったということがあるらしい。
しかも、再生能力も高いことから、魔石を破壊しない限り何度も再生して襲い掛かってくるという面倒くさい相手だ。
それが大量となると一国が本腰入れて当たらないと、潰されかねない危険な魔物だ。
「あんたらは西の方の村の住人だと聞いたが、グールはどう向かってると思う?」
「恐らく東へ向かっている」
食屍鬼のグールなら、食料となる人を求めて移動するはず。
そうなると、より人間の多い方向へ向かって行くはずだ。
それを確認するために人族大陸の地図を開いて見せると、聞かれた男性は指さしながら東にある町を指差した。
「とりあえず行ってみるか……」
「……何しに行くんだ?」
色々と質問をして、魔物の種類と動向はなんとなく分かった。
後はとりあえず行って確認してから、ケイは手を出すか決めることにした。
そのケイの呟きに、人族の男はふと疑問に思った。
「場合によっては退治しにだ」
「何でだ?」
男の質問にケイは答えるが、その答えにまたも首を傾げる。
人族に散々ひどい目に遭ってきたはずのエルフが、わざわざ人族の国を助けに行く理由が分からなかったからだ。
「人族が魔人大陸に来られても迷惑なだけだからな」
「……緊急時でもなければ、我々もこちらに来ることは無かったよ」
人族はこれまでエルフや魔人に、多くの仕打ちをしてきた。
魔人たちは肌の色が違うというだけで呪いの象徴として迫害され、この大陸へと追いやった。
エルフは生き人形として奴隷にする物扱い。
それを考えれば、この人族たちを生かそうが殺そうが関係ないところだろう。
しかし、ここの村の魔人たちは、武器を持っての監視をしているとは言っても、彼らに雨風凌げる場所と食事を提供している。
ケイとしては彼らの行為に敬意を表し、この人族たちをどうこうする気はない。
自分たちのことを興味ないように相手するケイに、人族の男は変なプライドからか強がりのような言葉を返した。
「……言葉の使い方には気を付けろよ。この場でお前ら全員魔物の餌にしてもいいんだからな」
「………くっ!」
強力な魔物が蔓延る地で魔人の者たちに保護されているというのに、たいして感謝が感じられない態度をしている男に、ケイは少しイラっときた。
そのため、ケイは少しだけ威圧するような言葉をかけた。
ケイとラウルの冷たい視線に気圧された男は、腰が引けて青い顔へと変わった。
「他の人種に迷惑ばかりかける人族なんてはっきり言って害悪でしかない。助けてもらっているのにその態度は、人間として低俗な人種の証明になるということをわきまえろ」
「…………っ!」
たしかにこれまでの歴史を考えれば、魔人たちに人族を助ける意味はない。
それでも助けているのは、ここの村の者たちが同じ人として困っている者を放っておくことができなかったからだ。
助けてもらって感謝の態度も示さないような人種は、人としての格が低いと自分で言っているに等しい。
ケイの正論に対し、男は何も言い返せなくなりうつむいてしまった。
「さて……行くとするか?」
「何で向かうのですか? 船はお持ちですか?」
この人族のことは、この後に来ることになっているエナグアの兵に任せることにして、ケイはとりあえず人族大陸に行ってみることにした。
村から出たケイは、人気のない所から早速転移しようとしたが、この村に残るオシアスが見送りについてきた。
転移魔法のことを知らないオシアスは、ケイたちが人族大陸へどうやって向かうつもりなのか問いかけてきた。
「オシアスには教えてもいいか……」
「…………?」
転移するので気にするなと言えればいいのだが、一応秘密にしていることなのでどうしたものかとケイは少し悩む。
しかし、オシアスなら言いふらすようなこともしないだろうと、説明することにした。
ケイの呟きに、何のことだか分からないオシアスは首を傾げる。
「ここだけの話だが、俺とラウルは転移魔法が使える」
「……転移……ですか?」
エナグアの図書館にある書物には色々な魔法が書かれていたが、そんな魔法があるなんて聞いたことも見たこともなかった。
そのため、ケイの言葉にオシアスはピンとこない。
「距離と移動する人間の数によって使用魔力の量が変わるが、俺とラウルなら人族大陸へは一瞬だ」
「そんなことが可能なのですか!?」
そんな便利な魔法があるなんて、オシアスは想像もしたことがなかった。
ケイがすごい人間だということは分かっていたつもりだが、ここまですごいとは思わなかった。
転移魔法の説明を受けたオシアスは、目を見開いて驚いた。
「秘密にしろよ。知れ渡ったら面倒だからな」
「と、当然です!」
遠くへ一瞬で移動できる魔法なんて、その有用性を考えたら秘密にしておくべきことだ。
そんな重要な秘密を教えてもらえて、オシアスは秘密にすることの余計な悩みを課せられたような思いがするが、そんな秘密を教えてもらえるほど信用してもらえていることに嬉しい思いもしている。
「じゃあ、行って来る!」「では!」
「……お気をつけて」
話をしている途中で転移の扉を出現させたケイは、軽い口調でその扉を開く。
そして、ラウルと共に簡単に別れの言葉を告げると、その扉をくぐっていった。
見送りの言葉を返したら、本当にケイたちがあっという間に姿がなくなったため、オシアスはまたも内心驚いたのだった。
「やっと着いたか……」
ケイとラウルは、オシアスの案内を受けてエナグアからほぼ一直線に突っ走ってきた。
結局数日かかったが、馬で来るよりもだいぶ短い時間で到着することができた。
目的地に着き、ラウルはようやく一息ついた。
「それにしても御2人はすごいですね……」
「……ほとんどじいちゃんが倒してたけど」
ここまでの道のりで出現した魔物は結構な数いた。
しかし、そんな魔物もケイとラウルの手によってあっさりと倒され、たいして時間を取られるようなこともなかった。
単純に向かう方角を教えて走っていただけで、何もしていないに等しいオシアスは、2人の戦闘力の高さに驚きを含んだ感想を述べた。
それに対し、ラウルは自分の思っていることを口にする。
ここまで来るまで確かにラウルも出てきた魔物を倒しはしたが、大体はケイが対処していたため、苦労した思いはあまりない。
ケイから逃れたのを始末していたというだけでも、ここの魔物を相手にしても難なく倒しているのだからラウルの戦闘力もたいしたものだ。
「っ!? おいっ!」
「……エルフだ!」
村に入り、オシアスはここの村長らと話し合った後、流れ着いたという人族の者たちの所へ案内してもらうことにした。
ケイたちもそれに付いて行くと、数人の人族が固まって椅子に座っていた。
魔人族の若者が武器を手に囲んではいるが、特に何かする訳でもなく見張っている。
ここの村の者たちもどう扱っていいか分からず、危害を加えることなくもてなされている。
人族の者たちの方もどうしていいか分からず、ただ戸惑いながらいることしかできない。
そんな人族の者たちの所へ案内されたケイたちは、人族大陸で何が起きたのかを詳しく聞くために彼らの所へ近寄った。
すると、ケイのことを見た人族の者たちは、すぐさまケイがエルフだということに気付き、驚きと共にざわつきだした。
「この方たちは、あなたたちに聞きたいことがあって訪れたエルフ王国の方々だ」
ざわつく人族たちに対し、オシアスは簡単にケイたちのことを説明をする。
生きているエルフに戸惑いつつも、その言葉で人族の者たちは少しずつ静かになった。
「エ、エルフが何を聞きたいって言うんだ?」
流れ着いた人族の者たちは8人。
みんな顔が似ているのを見る限り、一つの家族のように思える。
その中で、1人の若い男性が代表するように問いかけてきた。
「魔物のスタンピードがあって逃げてきたと聞いたが、何の魔物によるものだ?」
「……グールだ」
ケイの問いに対し、その男性は短く答える。
人族でも北の国の人間にはエルフの国のことはちゃんと伝わっていないのか、エルフ王国という言葉にいまいちピンと来ていない様子だ。
そのせいか、ケイに対して敬語を使うべきか悩んでいるような節がある。
「また面倒な……」
「グールって再生能力の高い食屍鬼って奴?」
別に敬語を使われなくてもどうでも良いが、その答えにケイは少し困る。
そんなケイに、ラウルはグールのことを問いかける。
「その通りだ。国が対処しきれないくらいの数が姿を現したという話だ」
それに答えたのは人族の男だった。
ラウルが言ったように、グールは人の肉体を食べる食屍鬼で、変身の能力を有すると言われている。
変身と言ってもハイエナに変化することが多く、狼の群れかと思ったらグールだったということがあるらしい。
しかも、再生能力も高いことから、魔石を破壊しない限り何度も再生して襲い掛かってくるという面倒くさい相手だ。
それが大量となると一国が本腰入れて当たらないと、潰されかねない危険な魔物だ。
「あんたらは西の方の村の住人だと聞いたが、グールはどう向かってると思う?」
「恐らく東へ向かっている」
食屍鬼のグールなら、食料となる人を求めて移動するはず。
そうなると、より人間の多い方向へ向かって行くはずだ。
それを確認するために人族大陸の地図を開いて見せると、聞かれた男性は指さしながら東にある町を指差した。
「とりあえず行ってみるか……」
「……何しに行くんだ?」
色々と質問をして、魔物の種類と動向はなんとなく分かった。
後はとりあえず行って確認してから、ケイは手を出すか決めることにした。
そのケイの呟きに、人族の男はふと疑問に思った。
「場合によっては退治しにだ」
「何でだ?」
男の質問にケイは答えるが、その答えにまたも首を傾げる。
人族に散々ひどい目に遭ってきたはずのエルフが、わざわざ人族の国を助けに行く理由が分からなかったからだ。
「人族が魔人大陸に来られても迷惑なだけだからな」
「……緊急時でもなければ、我々もこちらに来ることは無かったよ」
人族はこれまでエルフや魔人に、多くの仕打ちをしてきた。
魔人たちは肌の色が違うというだけで呪いの象徴として迫害され、この大陸へと追いやった。
エルフは生き人形として奴隷にする物扱い。
それを考えれば、この人族たちを生かそうが殺そうが関係ないところだろう。
しかし、ここの村の魔人たちは、武器を持っての監視をしているとは言っても、彼らに雨風凌げる場所と食事を提供している。
ケイとしては彼らの行為に敬意を表し、この人族たちをどうこうする気はない。
自分たちのことを興味ないように相手するケイに、人族の男は変なプライドからか強がりのような言葉を返した。
「……言葉の使い方には気を付けろよ。この場でお前ら全員魔物の餌にしてもいいんだからな」
「………くっ!」
強力な魔物が蔓延る地で魔人の者たちに保護されているというのに、たいして感謝が感じられない態度をしている男に、ケイは少しイラっときた。
そのため、ケイは少しだけ威圧するような言葉をかけた。
ケイとラウルの冷たい視線に気圧された男は、腰が引けて青い顔へと変わった。
「他の人種に迷惑ばかりかける人族なんてはっきり言って害悪でしかない。助けてもらっているのにその態度は、人間として低俗な人種の証明になるということをわきまえろ」
「…………っ!」
たしかにこれまでの歴史を考えれば、魔人たちに人族を助ける意味はない。
それでも助けているのは、ここの村の者たちが同じ人として困っている者を放っておくことができなかったからだ。
助けてもらって感謝の態度も示さないような人種は、人としての格が低いと自分で言っているに等しい。
ケイの正論に対し、男は何も言い返せなくなりうつむいてしまった。
「さて……行くとするか?」
「何で向かうのですか? 船はお持ちですか?」
この人族のことは、この後に来ることになっているエナグアの兵に任せることにして、ケイはとりあえず人族大陸に行ってみることにした。
村から出たケイは、人気のない所から早速転移しようとしたが、この村に残るオシアスが見送りについてきた。
転移魔法のことを知らないオシアスは、ケイたちが人族大陸へどうやって向かうつもりなのか問いかけてきた。
「オシアスには教えてもいいか……」
「…………?」
転移するので気にするなと言えればいいのだが、一応秘密にしていることなのでどうしたものかとケイは少し悩む。
しかし、オシアスなら言いふらすようなこともしないだろうと、説明することにした。
ケイの呟きに、何のことだか分からないオシアスは首を傾げる。
「ここだけの話だが、俺とラウルは転移魔法が使える」
「……転移……ですか?」
エナグアの図書館にある書物には色々な魔法が書かれていたが、そんな魔法があるなんて聞いたことも見たこともなかった。
そのため、ケイの言葉にオシアスはピンとこない。
「距離と移動する人間の数によって使用魔力の量が変わるが、俺とラウルなら人族大陸へは一瞬だ」
「そんなことが可能なのですか!?」
そんな便利な魔法があるなんて、オシアスは想像もしたことがなかった。
ケイがすごい人間だということは分かっていたつもりだが、ここまですごいとは思わなかった。
転移魔法の説明を受けたオシアスは、目を見開いて驚いた。
「秘密にしろよ。知れ渡ったら面倒だからな」
「と、当然です!」
遠くへ一瞬で移動できる魔法なんて、その有用性を考えたら秘密にしておくべきことだ。
そんな重要な秘密を教えてもらえて、オシアスは秘密にすることの余計な悩みを課せられたような思いがするが、そんな秘密を教えてもらえるほど信用してもらえていることに嬉しい思いもしている。
「じゃあ、行って来る!」「では!」
「……お気をつけて」
話をしている途中で転移の扉を出現させたケイは、軽い口調でその扉を開く。
そして、ラウルと共に簡単に別れの言葉を告げると、その扉をくぐっていった。
見送りの言葉を返したら、本当にケイたちがあっという間に姿がなくなったため、オシアスはまたも内心驚いたのだった。
0
お気に入りに追加
638
あなたにおすすめの小説
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
主人公は高みの見物していたい
ポリ 外丸
ファンタジー
高等魔術学園に入学した主人公の新田伸。彼は大人しく高校生活を送りたいのに、友人たちが問題を持ち込んでくる。嫌々ながら巻き込まれつつ、彼は徹底的に目立たないようにやり過ごそうとする。例え相手が高校最強と呼ばれる人間だろうと、やり過ごす自信が彼にはあった。何故なら、彼こそが世界最強の魔術使いなのだから……。最強の魔術使いの高校生が、平穏な学園生活のために実力を隠しながら、迫り来る問題を解決していく物語。
※主人公はできる限り本気を出さず、ずっと実力を誤魔化し続けます
※小説家になろう、ノベルアップ+、ノベルバ、カクヨムにも投稿しています。
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。
タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜
夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。
不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。
その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。
彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。
異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!?
*小説家になろうでも公開しております。
アラフォーおっさんの週末ダンジョン探検記
ぽっちゃりおっさん
ファンタジー
ある日、全世界の至る所にダンジョンと呼ばれる異空間が出現した。
そこには人外異形の生命体【魔物】が存在していた。
【魔物】を倒すと魔石を落とす。
魔石には膨大なエネルギーが秘められており、第五次産業革命が起こるほどの衝撃であった。
世は埋蔵金ならぬ、魔石を求めて日々各地のダンジョンを開発していった。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる