228 / 375
第10章
第228話
しおりを挟む
「何っ!? 義尚と貴晴が戻らないだと?」
「はい……」
ケイが倒して魔物の餌にしたことなど知る由もなく、剣術部隊の隊長である坂岡源次郎は隊員の2人が戻ってこないという報告を受けた。
戦闘面において優れた能力を持つ剣術部隊は、一応規則のような物がある。
飲みに出かけたりするのは構わないが、一度番所に戻り、許可申請してから出て行くのが基本になっている。
なのに2人の若手が帰って来ない。
「……あいつらはどこを探していたんだ?」
「もしかしたら美稲の町へ向かった者と思われます」
いなくなったケイの探索に行かせた若手2人は、自分たちが原因だと重く思っている節があった。
源次郎からしたら、策があるのでケイがいなければそれはそれで構わなかった。
そのため、ケイがこの町の中にいないか探させたのだが、あの2人は何とか探し出そうと美稲まで足を延ばしてしまったようだ。
「チッ! 勝手なことを……」
この町にいないか探させたが、姿を消したところを見ると八坂側に連れていかれたか、付いて行った可能性が高い。
八坂が今人を隠すとなったら、領地である美稲しかない。
そう思った2人は、そこまで探しにでも言ったのだろう。
わざわざそこまで探しに行かなくてもよかったのに、自尊心を傷つけられた腹いせも混じっていたのかもしれない。
「もしもケイとやらを見つけて、戦いを挑んだら……」
「恐らく、もうこの世にいないかもな……」
部下の男の言う通り、2人がケイのことを見つけたらきっと命を狙いに動くだろう。
しかし、ケイの実力は、もしかしたら隊長である源次郎よりも上かもしれない。
そうなると、あの2人では返り討ちにあうのが目に見えている。
「汚名返上とでも思ったのでしょう……」
「相手を考えろって話だよ」
帰って来ないということは、返り討ちにあったことが濃厚だろう。
若いとは言っても、剣術部隊に配属されたことからいっても才能ある者たちではあったが、それが逆に目を曇らせる結果になったということだろう。
「まぁ、あの2人は仕方がない。上重様の指示通り策を開始しよう」
「かしこまりました」
日向の国には剣術などを指導することに特化した学校もあり、魔闘術を使えるようになる者は多い。
代わりになる若手は探せば見つかる。
なので、いつまでも戻らない2人のことは放って置いて、元々あった策を行動に移すことにしたのだった。
「……えっ? 売れない?」
「えぇ、残念ながら……」
義尚と貴晴を仕留めたケイは、宿へと戻る最中にたまたま八坂の部下である比佐丸に会った。
そして、彼を部屋へ招くと、仕留めた2人から剥ぎ取った刀を見せて、どれくらいの金額で売れるか聞いてみた。
エリートの剣術部隊の者たちが持っていた刀なのだから、さぞかし良い金額になるのではないかと思っていたのだが、比佐丸からの答えはこれだった。
「何で?」
錬金術で色々な物を作るケイから見ても、かなり良い鉄を使っているように思える。
剣としての価値が低くても、売れないというのは信じられない。
鉄の塊としても、いくらかにはなるはずだ。
「売れないというより、売らないでいただきたいといったところでしょうか……」
「何故?」
手に入れたというのに売れないのはおかしいと思ったら、理由がちょっと違ったようだ。
当然売らないでほしい理由があるのだろうと、ケイは尋ねる。
「剣術部隊の義尚と貴晴いうと、山下と保高の家の者です」
「そう言えばそんなようなことを聞いたような……」
番所のような邸に宿泊していた時、剣術部隊の人間たちには簡単に自己紹介をされた。
義尚にも不機嫌そうに名乗られたが、人数が多いため、名字か名前のどちらかを覚えるだけで精一杯で、フルネームを覚えるなんて出来なかった。
しかし、その時の事を思い出すと、確かに義尚と貴晴はそんな名字を名乗っていたような気がする。
みんな名字があった所を考えると、英才教育を受けた子が入隊することが多いのかもしれない。
「今この時期にそんな刀がこの町で売られたとなると、八坂家へ攻撃をするための口実を与えるようなものです」
ただでさえ、織牙家の生き残りを匿っているなどと言う嘘を吹聴されて困っているのに、上重派の剣術部隊の人間の刀が売られたなどと言ったら、どうやって入手したかなどとややこしいことになるかもしれない。
たしかに比佐丸の言うように、売るのは得策ではないかもしれない。
ただ、善貞がここにいる以上あながちそれも嘘という訳でもないのだが。
「……刀を見ただけで、どこの家の物だか分かるのか?」
「異国の方であるケイ殿はご存じないようですが、刀の柄に覆われている部分にはこの刀を打った者の銘という者が刻まれているのです」
『あぁ……、そう言えばそうだっけ……』
前世が日本人だったからと言って、刀にはそれほど詳しくなかったため、ケイが見ただけで持ち主が分かるのかと思っていたが、比佐丸の説明を聞いて思い出した。
たしか刀には銘と呼ばれる、刀工の名前や作られた生年月日が記されているのだった。
その銘を見て、もしかしたらバレてしまうのかもしれない。
「これですね……」
「へぇ~……」
義尚の刀を抜き、比佐丸は手際よく柄の部分を取ってケイに銘を見せてくれた。
たしかに文字が書かれているのを見て、ケイは相槌をうった。
「山下と保高の家は同じ刀工を利用していたはずです。確か、「康宗」だったと思います」
「あぁ~、確かに入っているわ……」
比佐丸の言う通り、見てみると確かに康宗という名前が記されていた。
これでは、売った時に見られてバレてしまうのは確実だ。
「これじゃあ、売れないな……」
「そうですね……」
刀を売ってちょっといいご飯でも食べようかとも思っていたのだが、売れなければ話にならない。
ケイは残念そうに天井を仰ぎ見たのだった。
「よろしければ、私に……というより、私どもに売って頂けませんか?」
「えっ? 良いけど何で?」
残念そうなケイに、比佐丸は真剣な顔で交渉してきた。
店に売れないので、買ってくれるというなら別に構わない。
しかし、比佐丸の横には自分の刀が置かれている。
別に比佐丸には必要ないと思えたため、ケイは不思議に思って問いかける。
「恥ずかしながら、下っ端の者たちは生活のために刀を売らざるを得なかった者たちもいます。もしも戦になった時、彼らに貸し与えるために使えるかと思いまして……」
「ふ~ん、良いんじゃない?」
昔の日本と同様に、刀は自分の命という考えがあるのだろう。
しかし、そんなことでは腹は膨れない。
仕方がないと言えば仕方がない。
そんな命と同じような物を売ってしまったとなると、武士としては恥ずかしいことなのだろう。
比佐丸は少し申し訳なさそうに言ってきた。
ケイからしたらしょうがないことだと思うので、別に恥ずかしがることはないと思う。
その思いを伝えるように、出来る限り軽い態度で刀を売ることを了承した。
「ありがとうございました」
「いや、こっちも資金が入ったから助かったよ」
宿屋の前まで見送りに来たケイに、比佐丸は刀を売って貰えた礼を述べた。
ケイとしても、ただ持っているだけでは使うこともないので、売ることができて懐が温まった。
「比佐丸殿!」
「松風殿? どうしたのだ? そんなに慌てて……」
ケイと話しているその時、八坂の部下の一人である松風が慌てて比佐丸のもとへ走ってきた。
その慌てように、ただ事ではないと感じ取ったのか、比佐丸は眉をひそめて問いかける。
「巨大な蛇の魔物が出現したのだ!」
「何っ?」
「はい……」
ケイが倒して魔物の餌にしたことなど知る由もなく、剣術部隊の隊長である坂岡源次郎は隊員の2人が戻ってこないという報告を受けた。
戦闘面において優れた能力を持つ剣術部隊は、一応規則のような物がある。
飲みに出かけたりするのは構わないが、一度番所に戻り、許可申請してから出て行くのが基本になっている。
なのに2人の若手が帰って来ない。
「……あいつらはどこを探していたんだ?」
「もしかしたら美稲の町へ向かった者と思われます」
いなくなったケイの探索に行かせた若手2人は、自分たちが原因だと重く思っている節があった。
源次郎からしたら、策があるのでケイがいなければそれはそれで構わなかった。
そのため、ケイがこの町の中にいないか探させたのだが、あの2人は何とか探し出そうと美稲まで足を延ばしてしまったようだ。
「チッ! 勝手なことを……」
この町にいないか探させたが、姿を消したところを見ると八坂側に連れていかれたか、付いて行った可能性が高い。
八坂が今人を隠すとなったら、領地である美稲しかない。
そう思った2人は、そこまで探しにでも言ったのだろう。
わざわざそこまで探しに行かなくてもよかったのに、自尊心を傷つけられた腹いせも混じっていたのかもしれない。
「もしもケイとやらを見つけて、戦いを挑んだら……」
「恐らく、もうこの世にいないかもな……」
部下の男の言う通り、2人がケイのことを見つけたらきっと命を狙いに動くだろう。
しかし、ケイの実力は、もしかしたら隊長である源次郎よりも上かもしれない。
そうなると、あの2人では返り討ちにあうのが目に見えている。
「汚名返上とでも思ったのでしょう……」
「相手を考えろって話だよ」
帰って来ないということは、返り討ちにあったことが濃厚だろう。
若いとは言っても、剣術部隊に配属されたことからいっても才能ある者たちではあったが、それが逆に目を曇らせる結果になったということだろう。
「まぁ、あの2人は仕方がない。上重様の指示通り策を開始しよう」
「かしこまりました」
日向の国には剣術などを指導することに特化した学校もあり、魔闘術を使えるようになる者は多い。
代わりになる若手は探せば見つかる。
なので、いつまでも戻らない2人のことは放って置いて、元々あった策を行動に移すことにしたのだった。
「……えっ? 売れない?」
「えぇ、残念ながら……」
義尚と貴晴を仕留めたケイは、宿へと戻る最中にたまたま八坂の部下である比佐丸に会った。
そして、彼を部屋へ招くと、仕留めた2人から剥ぎ取った刀を見せて、どれくらいの金額で売れるか聞いてみた。
エリートの剣術部隊の者たちが持っていた刀なのだから、さぞかし良い金額になるのではないかと思っていたのだが、比佐丸からの答えはこれだった。
「何で?」
錬金術で色々な物を作るケイから見ても、かなり良い鉄を使っているように思える。
剣としての価値が低くても、売れないというのは信じられない。
鉄の塊としても、いくらかにはなるはずだ。
「売れないというより、売らないでいただきたいといったところでしょうか……」
「何故?」
手に入れたというのに売れないのはおかしいと思ったら、理由がちょっと違ったようだ。
当然売らないでほしい理由があるのだろうと、ケイは尋ねる。
「剣術部隊の義尚と貴晴いうと、山下と保高の家の者です」
「そう言えばそんなようなことを聞いたような……」
番所のような邸に宿泊していた時、剣術部隊の人間たちには簡単に自己紹介をされた。
義尚にも不機嫌そうに名乗られたが、人数が多いため、名字か名前のどちらかを覚えるだけで精一杯で、フルネームを覚えるなんて出来なかった。
しかし、その時の事を思い出すと、確かに義尚と貴晴はそんな名字を名乗っていたような気がする。
みんな名字があった所を考えると、英才教育を受けた子が入隊することが多いのかもしれない。
「今この時期にそんな刀がこの町で売られたとなると、八坂家へ攻撃をするための口実を与えるようなものです」
ただでさえ、織牙家の生き残りを匿っているなどと言う嘘を吹聴されて困っているのに、上重派の剣術部隊の人間の刀が売られたなどと言ったら、どうやって入手したかなどとややこしいことになるかもしれない。
たしかに比佐丸の言うように、売るのは得策ではないかもしれない。
ただ、善貞がここにいる以上あながちそれも嘘という訳でもないのだが。
「……刀を見ただけで、どこの家の物だか分かるのか?」
「異国の方であるケイ殿はご存じないようですが、刀の柄に覆われている部分にはこの刀を打った者の銘という者が刻まれているのです」
『あぁ……、そう言えばそうだっけ……』
前世が日本人だったからと言って、刀にはそれほど詳しくなかったため、ケイが見ただけで持ち主が分かるのかと思っていたが、比佐丸の説明を聞いて思い出した。
たしか刀には銘と呼ばれる、刀工の名前や作られた生年月日が記されているのだった。
その銘を見て、もしかしたらバレてしまうのかもしれない。
「これですね……」
「へぇ~……」
義尚の刀を抜き、比佐丸は手際よく柄の部分を取ってケイに銘を見せてくれた。
たしかに文字が書かれているのを見て、ケイは相槌をうった。
「山下と保高の家は同じ刀工を利用していたはずです。確か、「康宗」だったと思います」
「あぁ~、確かに入っているわ……」
比佐丸の言う通り、見てみると確かに康宗という名前が記されていた。
これでは、売った時に見られてバレてしまうのは確実だ。
「これじゃあ、売れないな……」
「そうですね……」
刀を売ってちょっといいご飯でも食べようかとも思っていたのだが、売れなければ話にならない。
ケイは残念そうに天井を仰ぎ見たのだった。
「よろしければ、私に……というより、私どもに売って頂けませんか?」
「えっ? 良いけど何で?」
残念そうなケイに、比佐丸は真剣な顔で交渉してきた。
店に売れないので、買ってくれるというなら別に構わない。
しかし、比佐丸の横には自分の刀が置かれている。
別に比佐丸には必要ないと思えたため、ケイは不思議に思って問いかける。
「恥ずかしながら、下っ端の者たちは生活のために刀を売らざるを得なかった者たちもいます。もしも戦になった時、彼らに貸し与えるために使えるかと思いまして……」
「ふ~ん、良いんじゃない?」
昔の日本と同様に、刀は自分の命という考えがあるのだろう。
しかし、そんなことでは腹は膨れない。
仕方がないと言えば仕方がない。
そんな命と同じような物を売ってしまったとなると、武士としては恥ずかしいことなのだろう。
比佐丸は少し申し訳なさそうに言ってきた。
ケイからしたらしょうがないことだと思うので、別に恥ずかしがることはないと思う。
その思いを伝えるように、出来る限り軽い態度で刀を売ることを了承した。
「ありがとうございました」
「いや、こっちも資金が入ったから助かったよ」
宿屋の前まで見送りに来たケイに、比佐丸は刀を売って貰えた礼を述べた。
ケイとしても、ただ持っているだけでは使うこともないので、売ることができて懐が温まった。
「比佐丸殿!」
「松風殿? どうしたのだ? そんなに慌てて……」
ケイと話しているその時、八坂の部下の一人である松風が慌てて比佐丸のもとへ走ってきた。
その慌てように、ただ事ではないと感じ取ったのか、比佐丸は眉をひそめて問いかける。
「巨大な蛇の魔物が出現したのだ!」
「何っ?」
0
お気に入りに追加
638
あなたにおすすめの小説
大学生活を謳歌しようとしたら、女神の勝手で異世界に転送させられたので、復讐したいと思います
町島航太
ファンタジー
2022年2月20日。日本に住む善良な青年である泉幸助は大学合格と同時期に末期癌だという事が判明し、短い人生に幕を下ろした。死後、愛の女神アモーラに見初められた幸助は魔族と人間が争っている魔法の世界へと転生させられる事になる。命令が嫌いな幸助は使命そっちのけで魔法の世界を生きていたが、ひょんな事から自分の死因である末期癌はアモーラによるものであり、魔族討伐はアモーラの私情だという事が判明。自ら手を下すのは面倒だからという理由で夢のキャンパスライフを失った幸助はアモーラへの復讐を誓うのだった。
主人公は高みの見物していたい
ポリ 外丸
ファンタジー
高等魔術学園に入学した主人公の新田伸。彼は大人しく高校生活を送りたいのに、友人たちが問題を持ち込んでくる。嫌々ながら巻き込まれつつ、彼は徹底的に目立たないようにやり過ごそうとする。例え相手が高校最強と呼ばれる人間だろうと、やり過ごす自信が彼にはあった。何故なら、彼こそが世界最強の魔術使いなのだから……。最強の魔術使いの高校生が、平穏な学園生活のために実力を隠しながら、迫り来る問題を解決していく物語。
※主人公はできる限り本気を出さず、ずっと実力を誤魔化し続けます
※小説家になろう、ノベルアップ+、ノベルバ、カクヨムにも投稿しています。
元外科医の俺が異世界で何が出来るだろうか?~現代医療の技術で異世界チート無双~
冒険者ギルド酒場 チューイ
ファンタジー
魔法は奇跡の力。そんな魔法と現在医療の知識と技術を持った俺が異世界でチートする。神奈川県の大和市にある冒険者ギルド酒場の冒険者タカミの話を小説にしてみました。
俺の名前は、加山タカミ。48歳独身。現在、救命救急の医師として現役バリバリ最前線で馬車馬のごとく働いている。俺の両親は、俺が幼いころバスの転落事故で俺をかばって亡くなった。その時の無念を糧に猛勉強して医師になった。俺を育ててくれた、ばーちゃんとじーちゃんも既に亡くなってしまっている。つまり、俺は天涯孤独なわけだ。職場でも患者第一主義で同僚との付き合いは仕事以外にほとんどなかった。しかし、医師としての技量は他の医師と比較しても評価は高い。別に自分以外の人が嫌いというわけでもない。つまり、ボッチ時間が長かったのである意味コミ障気味になっている。今日も相変わらず忙しい日常を過ごしている。
そんなある日、俺は一人の少女を庇って事故にあう。そして、気が付いてみれば・・・
「俺、死んでるじゃん・・・」
目の前に現れたのは結構”チャラ”そうな自称 創造神。彼とのやり取りで俺は異世界に転生する事になった。
新たな家族と仲間と出会い、翻弄しながら異世界での生活を始める。しかし、医療水準の低い異世界。俺の新たな運命が始まった。
元外科医の加山タカミが持つ医療知識と技術で本来持つ宿命を異世界で発揮する。自分の宿命とは何か翻弄しながら異世界でチート無双する様子の物語。冒険者ギルド酒場 大和支部の冒険者の英雄譚。
異世界で魔法が使えるなんて幻想だった!〜街を追われたので馬車を改造して車中泊します!〜え、魔力持ってるじゃんて?違います、電力です!
あるちゃいる
ファンタジー
山菜を採りに山へ入ると運悪く猪に遭遇し、慌てて逃げると崖から落ちて意識を失った。
気が付いたら山だった場所は平坦な森で、落ちたはずの崖も無かった。
不思議に思ったが、理由はすぐに判明した。
どうやら農作業中の外国人に助けられたようだ。
その外国人は背中に背負子と鍬を背負っていたからきっと近所の農家の人なのだろう。意外と流暢な日本語を話す。が、言葉の意味はあまり理解してないらしく、『県道は何処か?』と聞いても首を傾げていた。
『道は何処にありますか?』と言ったら、漸く理解したのか案内してくれるというので着いていく。
が、行けども行けどもどんどん森は深くなり、不審に思い始めた頃に少し開けた場所に出た。
そこは農具でも置いてる場所なのかボロ小屋が数軒建っていて、外国人さんが大声で叫ぶと、人が十数人ゾロゾロと小屋から出てきて、俺の周りを囲む。
そして何故か縄で手足を縛られて大八車に転がされ……。
⚠️超絶不定期更新⚠️
異世界あるある 転生物語 たった一つのスキルで無双する!え?【土魔法】じゃなくって【土】スキル?
よっしぃ
ファンタジー
農民が土魔法を使って何が悪い?異世界あるある?前世の謎知識で無双する!
土砂 剛史(どしゃ つよし)24歳、独身。自宅のパソコンでネットをしていた所、突然轟音がしたと思うと窓が破壊され何かがぶつかってきた。
自宅付近で高所作業車が電線付近を作業中、トラックが高所作業車に突っ込み運悪く剛史の部屋に高所作業車のアームの先端がぶつかり、そのまま窓から剛史に一直線。
『あ、やべ!』
そして・・・・
【あれ?ここは何処だ?】
気が付けば真っ白な世界。
気を失ったのか?だがなんか聞こえた気がしたんだが何だったんだ?
・・・・
・・・
・・
・
【ふう・・・・何とか間に合ったか。たった一つのスキルか・・・・しかもあ奴の元の名からすれば土関連になりそうじゃが。済まぬが異世界あるあるのチートはない。】
こうして剛史は新た生を異世界で受けた。
そして何も思い出す事なく10歳に。
そしてこの世界は10歳でスキルを確認する。
スキルによって一生が決まるからだ。
最低1、最高でも10。平均すると概ね5。
そんな中剛史はたった1しかスキルがなかった。
しかも土木魔法と揶揄される【土魔法】のみ、と思い込んでいたが【土魔法】ですらない【土】スキルと言う謎スキルだった。
そんな中頑張って開拓を手伝っていたらどうやら領主の意に添わなかったようで
ゴウツク領主によって領地を追放されてしまう。
追放先でも土魔法は土木魔法とバカにされる。
だがここで剛史は前世の記憶を徐々に取り戻す。
『土魔法を土木魔法ってバカにすんなよ?異世界あるあるな前世の謎知識で無双する!』
不屈の精神で土魔法を極めていく剛史。
そしてそんな剛史に同じような境遇の人々が集い、やがて大きなうねりとなってこの世界を席巻していく。
その中には同じく一つスキルしか得られず、公爵家や侯爵家を追放された令嬢も。
前世の記憶を活用しつつ、やがて土木魔法と揶揄されていた土魔法を世界一のスキルに押し上げていく。
但し剛史のスキルは【土魔法】ですらない【土】スキル。
転生時にチートはなかったと思われたが、努力の末にチートと言われるほどスキルを活用していく事になる。
これは所持スキルの少なさから世間から見放された人々が集い、ギルド『ワンチャンス』を結成、努力の末に世界一と言われる事となる物語・・・・だよな?
何故か追放された公爵令嬢や他の貴族の令嬢が集まってくるんだが?
俺は農家の4男だぞ?
タブレット片手に異世界転移!〜元社畜、ダウンロード→インストールでチート強化しつつ温泉巡り始めます〜
夢・風魔
ファンタジー
一か月の平均残業時間130時間。残業代ゼロ。そんなブラック企業で働いていた葉月悠斗は、巨漢上司が眩暈を起こし倒れた所に居たため圧死した。
不真面目な天使のせいでデスルーラを繰り返すハメになった彼は、輪廻の女神によって1001回目にようやくまともな異世界転移を果たす。
その際、便利アイテムとしてタブレットを貰った。検索機能、収納機能を持ったタブレットで『ダウンロード』『インストール』で徐々に強化されていく悠斗。
彼を「勇者殿」と呼び慕うどうみても美少女な男装エルフと共に、彼は社畜時代に夢見た「温泉巡り」を異世界ですることにした。
異世界の温泉事情もあり、温泉地でいろいろな事件に巻き込まれつつも、彼は社畜時代には無かったポジティブ思考で事件を解決していく!?
*小説家になろうでも公開しております。
大絶滅 2億年後 -原付でエルフの村にやって来た勇者たち-
半道海豚
SF
200万年後の姉妹編です。2億年後への移住は、誰もが思いもよらない結果になってしまいました。推定2億人の移住者は、1年2カ月の間に2億年後へと旅立ちました。移住者2億人は11万6666年という長い期間にばらまかれてしまいます。結果、移住者個々が独自に生き残りを目指さなくてはならなくなります。本稿は、移住最終期に2億年後へと旅だった5人の少年少女の奮闘を描きます。彼らはなんと、2億年後の移動手段に原付を選びます。
器用さんと頑張り屋さんは異世界へ 〜魔剣の正しい作り方〜
白銀六花
ファンタジー
理科室に描かれた魔法陣。
光を放つ床に目を瞑る器用さんと頑張り屋さん。
目を開いてみればそこは異世界だった!
魔法のある世界で赤ちゃん並みの魔力を持つ二人は武器を作る。
あれ?武器作りって楽しいんじゃない?
武器を作って素手で戦う器用さんと、武器を振るって無双する頑張り屋さんの異世界生活。
なろうでも掲載中です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる