221 / 375
第10章
第221話
しおりを挟む
「では、行こうか?」
「あっ、はい……」
剣術部隊の坂岡銀次郎の誘われ、奧電の町へ向かうケイたちは同行することになった。
とは言っても、馬は人数分しかおらず、ケイたちが乗る用の分はない。
そう思っていると、隊員の一人が魔法の指輪から荷車を出してきた。
その荷車に乗るように言われて仕方なしに乗ると、馬に繋ぎ始めた。
どうやら馬に轢かせるつもりらしい。
乗り心地はあまり良さそうではない上に、荷物扱いをされているようにも思える。
義尚とかいう奴を伸した腹いせを、今してきたのかと疑いたくなる。
「気分悪いな……」
善貞もケイと同じ思いらしく、小さく文句を言う。
彼らが現れてから、善貞の様子が微妙に変になった。
何故か彼が身分を隠していることに関係しているのかもしれない。
そう思ったケイは、源次郎たちに善貞のことを偽名で紹介したのだ。
どうやらその選択は正解だったかもしれない。
善貞の小さい呟きは、何だか棘のある感じだ。
「そう言うなよ。ずっと変わらない坂道を上るよりは楽でいいだろ?」
「…………」
荷車での移動に、BGMでドナドナでも流れてくるような感覚になるが、変わらない樹々の景色の坂道を登っているよりかは気が楽だ。
あまり機嫌が良さそうでない善貞をなだめ、荷車に座ったケイはキュウとクウを撫で始めた。
魔物が出ても彼らが勝手に倒してくれるため、特に文句も言われずのんびりしながら緒伝山の山を越えて行ったのだった。
「源次郎様」
「んっ? 何だ?」
「なぜ奴らを連れて行こうとなさったのですか?」
一行は緒伝山からすぐに悠楽山の山越えへと変わる。
そこで、いい意味でも悪い意味でも思ったことを行動に移す義尚は、上官の源次郎にケイたちを連れて行く理由を尋ねた。
隊の他の者たちも聞きたかったことなので、本来は上官へ許可なく質問する義尚を咎める所なのだが、源次郎も機嫌を悪くしたように見えないのでそのまま流した。
「あのケイという男はかなり強い」
「そのようですね」
みんなが聞き耳立てているのが分かり、列の前の方にいて離れているケイには聞こえないと思った源次郎は、仕方なく部下たちに聞かせるように説明を始めた。
「猪の群れを1人で潰せるような者がこの中にいるか?」
「我々では無理ですが、源次郎様なら……」
猪の大群なんて、準備をして集団で連携を取りながら戦うのが基本だ。
それを1人で倒しきってしまうなんて、とてもではないがまともじゃない。
そんなことができる人間は、恐らくこの隊の中にはいない。
だが、源次郎なら出来るのではないかと、義尚は思ったことを口にする。
「俺でも厳しいかもしれないな……」
「そんな……」
この隊の誰も源次郎の全力を見たことがない。
それゆえ、源次郎の言葉を聞いた義尚が、信じられないと言ったような表情へと変わる。
源次郎自身、本当に自分ができるかはいまいち分からない。
日向の国は、刀と魔力で戦うことを美徳としている部分がある。
源次郎たちもそのように育ってきているため、魔力を使っても魔法を使うことはない。
そのため、接近戦しか選択肢がないため、猪の群れの相手なんて危険でしかない。
「最近魔物の動きがおかしいのは知ってるか?」
「北の地で魔物による事件が起こったという噂ですか?」
魔物の大繁殖は最近他の地でもあった。
この西の地のように、山や森が多い場補には魔素が溜まりやすい。
とは言っても、こう見事に時期が重なるなんて、珍しいというよりおかしく思える。
「一つの村が壊滅寸前になったとか?」
「そうだ」
先週、北の地で魔物の手によって一つの村が潰れかかった。
北の大名の指示によって、その配下の剣術部隊が始動。
その者たちの力で何とか死人を少なく抑えることに成功したらしい。
「この西の地は今不安定だ」
「……ハイ」
半世紀近く前に起こった事件によって、この西の地は少し荒れた。
前の大名家が世継ぎがいなくなり、養子を迎えることでとりあえず繋いだというのが現状だ。
その養子、つまりは源次郎たちの主人は頭が悪く、色々と面倒なことを起こし、市民からの信頼は薄い。
現領主の代わりに市民からの信頼が高いのが、前領主の側近だった家だ。
「彼を上手く使ってそれを解消する」
「奴を利用して、八坂家を抑え込むということでしょうか?」
「言い方が悪いが、その通りだ」
たまたま知り合った異国の者を使うのは、微妙に気が引けるところだが、背に腹は代えられない。
自分たちの地位のことを考えると、人気者の八坂家を潰さなければ、いつ寝首を掻かれるか分かったものではない。
いざという時のためにケイたちと交流を計り、仲間に引き入れておくに越したことはない。
それを遠回しに言っていたのだが、義尚の真っすぐな物言いに、源次郎は苦笑した。
【……って、いってるよ】
列の戦闘の方で、馬に轢かれている荷車に乗っているケイたち。
源次郎の所までは距離があるが、そんなこと関係なく、キュウは源次郎たちが話す内容をケイに教えた。
魔物の餌と言われるほど弱小魔物のケセランパサラン。
そのケセランパサランであるキュウは、危険察知をするために耳が良い。
とは言っても、普通のケセランパサランならこの距離で聞こえることはないが、魔力を使えるキュウは、魔力を使って集中すれば聞こえない距離ではない。
義尚が源次郎に近付いて行ったのを確認したケイが、暇つぶしがてら盗み聞きをするようにキュウに頼んだのだ。
源次郎の狙いが聞くことができたのは僥倖だった。
「ありがとなキュウ」
【えへへ……】
いい話を盗み聞きしてくれたキュウへ、ケイはお礼として撫でまわしてあげた。
ケイに褒められて撫でられたことで、キュウは嬉しい気持ちで一杯になったのだった。
「俺たちを利用しようってわけか……」
善貞にも小声で話したので、機嫌がさらに悪くなったように思える。
「まぁ、状況を見て適当に相手してやろう」
利用しようとしているなら、それはそれでケイとしては構わない。
こちらはこちらで、源次郎たちを利用させてもらうつもりだ。
この国のことは、この国でどうにかするのが当たり前。
ケイとしては関わり合うつもりはない。
場合によっては、転移魔法を使うことも辞さないつもりだ。
20代に見えてももう50歳を過ぎたおっさんだ。
源次郎程度の若造に使われるほど馬鹿ではない。
奧電に着いたら、色々調べることに決めたケイだった。
「あっ、はい……」
剣術部隊の坂岡銀次郎の誘われ、奧電の町へ向かうケイたちは同行することになった。
とは言っても、馬は人数分しかおらず、ケイたちが乗る用の分はない。
そう思っていると、隊員の一人が魔法の指輪から荷車を出してきた。
その荷車に乗るように言われて仕方なしに乗ると、馬に繋ぎ始めた。
どうやら馬に轢かせるつもりらしい。
乗り心地はあまり良さそうではない上に、荷物扱いをされているようにも思える。
義尚とかいう奴を伸した腹いせを、今してきたのかと疑いたくなる。
「気分悪いな……」
善貞もケイと同じ思いらしく、小さく文句を言う。
彼らが現れてから、善貞の様子が微妙に変になった。
何故か彼が身分を隠していることに関係しているのかもしれない。
そう思ったケイは、源次郎たちに善貞のことを偽名で紹介したのだ。
どうやらその選択は正解だったかもしれない。
善貞の小さい呟きは、何だか棘のある感じだ。
「そう言うなよ。ずっと変わらない坂道を上るよりは楽でいいだろ?」
「…………」
荷車での移動に、BGMでドナドナでも流れてくるような感覚になるが、変わらない樹々の景色の坂道を登っているよりかは気が楽だ。
あまり機嫌が良さそうでない善貞をなだめ、荷車に座ったケイはキュウとクウを撫で始めた。
魔物が出ても彼らが勝手に倒してくれるため、特に文句も言われずのんびりしながら緒伝山の山を越えて行ったのだった。
「源次郎様」
「んっ? 何だ?」
「なぜ奴らを連れて行こうとなさったのですか?」
一行は緒伝山からすぐに悠楽山の山越えへと変わる。
そこで、いい意味でも悪い意味でも思ったことを行動に移す義尚は、上官の源次郎にケイたちを連れて行く理由を尋ねた。
隊の他の者たちも聞きたかったことなので、本来は上官へ許可なく質問する義尚を咎める所なのだが、源次郎も機嫌を悪くしたように見えないのでそのまま流した。
「あのケイという男はかなり強い」
「そのようですね」
みんなが聞き耳立てているのが分かり、列の前の方にいて離れているケイには聞こえないと思った源次郎は、仕方なく部下たちに聞かせるように説明を始めた。
「猪の群れを1人で潰せるような者がこの中にいるか?」
「我々では無理ですが、源次郎様なら……」
猪の大群なんて、準備をして集団で連携を取りながら戦うのが基本だ。
それを1人で倒しきってしまうなんて、とてもではないがまともじゃない。
そんなことができる人間は、恐らくこの隊の中にはいない。
だが、源次郎なら出来るのではないかと、義尚は思ったことを口にする。
「俺でも厳しいかもしれないな……」
「そんな……」
この隊の誰も源次郎の全力を見たことがない。
それゆえ、源次郎の言葉を聞いた義尚が、信じられないと言ったような表情へと変わる。
源次郎自身、本当に自分ができるかはいまいち分からない。
日向の国は、刀と魔力で戦うことを美徳としている部分がある。
源次郎たちもそのように育ってきているため、魔力を使っても魔法を使うことはない。
そのため、接近戦しか選択肢がないため、猪の群れの相手なんて危険でしかない。
「最近魔物の動きがおかしいのは知ってるか?」
「北の地で魔物による事件が起こったという噂ですか?」
魔物の大繁殖は最近他の地でもあった。
この西の地のように、山や森が多い場補には魔素が溜まりやすい。
とは言っても、こう見事に時期が重なるなんて、珍しいというよりおかしく思える。
「一つの村が壊滅寸前になったとか?」
「そうだ」
先週、北の地で魔物の手によって一つの村が潰れかかった。
北の大名の指示によって、その配下の剣術部隊が始動。
その者たちの力で何とか死人を少なく抑えることに成功したらしい。
「この西の地は今不安定だ」
「……ハイ」
半世紀近く前に起こった事件によって、この西の地は少し荒れた。
前の大名家が世継ぎがいなくなり、養子を迎えることでとりあえず繋いだというのが現状だ。
その養子、つまりは源次郎たちの主人は頭が悪く、色々と面倒なことを起こし、市民からの信頼は薄い。
現領主の代わりに市民からの信頼が高いのが、前領主の側近だった家だ。
「彼を上手く使ってそれを解消する」
「奴を利用して、八坂家を抑え込むということでしょうか?」
「言い方が悪いが、その通りだ」
たまたま知り合った異国の者を使うのは、微妙に気が引けるところだが、背に腹は代えられない。
自分たちの地位のことを考えると、人気者の八坂家を潰さなければ、いつ寝首を掻かれるか分かったものではない。
いざという時のためにケイたちと交流を計り、仲間に引き入れておくに越したことはない。
それを遠回しに言っていたのだが、義尚の真っすぐな物言いに、源次郎は苦笑した。
【……って、いってるよ】
列の戦闘の方で、馬に轢かれている荷車に乗っているケイたち。
源次郎の所までは距離があるが、そんなこと関係なく、キュウは源次郎たちが話す内容をケイに教えた。
魔物の餌と言われるほど弱小魔物のケセランパサラン。
そのケセランパサランであるキュウは、危険察知をするために耳が良い。
とは言っても、普通のケセランパサランならこの距離で聞こえることはないが、魔力を使えるキュウは、魔力を使って集中すれば聞こえない距離ではない。
義尚が源次郎に近付いて行ったのを確認したケイが、暇つぶしがてら盗み聞きをするようにキュウに頼んだのだ。
源次郎の狙いが聞くことができたのは僥倖だった。
「ありがとなキュウ」
【えへへ……】
いい話を盗み聞きしてくれたキュウへ、ケイはお礼として撫でまわしてあげた。
ケイに褒められて撫でられたことで、キュウは嬉しい気持ちで一杯になったのだった。
「俺たちを利用しようってわけか……」
善貞にも小声で話したので、機嫌がさらに悪くなったように思える。
「まぁ、状況を見て適当に相手してやろう」
利用しようとしているなら、それはそれでケイとしては構わない。
こちらはこちらで、源次郎たちを利用させてもらうつもりだ。
この国のことは、この国でどうにかするのが当たり前。
ケイとしては関わり合うつもりはない。
場合によっては、転移魔法を使うことも辞さないつもりだ。
20代に見えてももう50歳を過ぎたおっさんだ。
源次郎程度の若造に使われるほど馬鹿ではない。
奧電に着いたら、色々調べることに決めたケイだった。
0
お気に入りに追加
641
あなたにおすすめの小説

異世界転生ファミリー
くろねこ教授
ファンタジー
辺境のとある家族。その一家には秘密があった?!
辺境の村に住む何の変哲もないマーティン一家。
アリス・マーティンは美人で料理が旨い主婦。
アーサーは元腕利きの冒険者、村の自警団のリーダー格で頼れる男。
長男のナイトはクールで賢い美少年。
ソフィアは産まれて一年の赤ん坊。
何の不思議もない家族と思われたが……
彼等には実は他人に知られる訳にはいかない秘密があったのだ。

薬華異堂薬局のお仕事は異世界にもあったのだ
柚木 潤
ファンタジー
実家の薬華異堂薬局に戻った薬剤師の舞は、亡くなった祖父から譲り受けた鍵で開けた扉の中に、不思議な漢方薬の調合が書かれた、古びた本を見つけた。
そして、異世界から助けを求める手紙が届き、舞はその異世界に転移する。
舞は不思議な薬を作り、それは魔人や魔獣にも対抗できる薬であったのだ。
そんな中、魔人の王から舞を見るなり、懐かしい人を思い出させると。
500年前にも、この異世界に転移していた女性がいたと言うのだ。
それは舞と関係のある人物であった。
その後、一部の魔人の襲撃にあうが、舞や魔人の王ブラック達の力で危機を乗り越え、人間と魔人の世界に平和が訪れた。
しかし、500年前に転移していたハナという女性が大事にしていた森がアブナイと手紙が届き、舞は再度転移する。
そして、黒い影に侵食されていた森を舞の薬や魔人達の力で復活させる事が出来たのだ。
ところが、舞が自分の世界に帰ろうとした時、黒い翼を持つ人物に遭遇し、舞に自分の世界に来てほしいと懇願する。
そこには原因不明の病の女性がいて、舞の薬で異物を分離するのだ。
そして、舞を探しに来たブラック達魔人により、昔に転移した一人の魔人を見つけるのだが、その事を隠して黒翼人として生活していたのだ。
その理由や女性の病の原因をつきとめる事が出来たのだが悲しい結果となったのだ。
戻った舞はいつもの日常を取り戻していたが、秘密の扉の中の物が燃えて灰と化したのだ。
舞はまた異世界への転移を考えるが、魔法陣は動かなかったのだ。
何とか舞は転移出来たが、その世界ではドラゴンが復活しようとしていたのだ。
舞は命懸けでドラゴンの良心を目覚めさせる事が出来、世界は火の海になる事は無かったのだ。
そんな時黒翼国の王子が、暗い森にある遺跡を見つけたのだ。
*第1章 洞窟出現編 第2章 森再生編 第3章 翼国編
第4章 火山のドラゴン編 が終了しました。
第5章 闇の遺跡編に続きます。



クラス転移したけど、皆さん勘違いしてません?
青いウーパーと山椒魚
ファンタジー
加藤あいは高校2年生。
最近ネット小説にハマりまくっているごく普通の高校生である。
普通に過ごしていたら異世界転移に巻き込まれた?
しかも弱いからと森に捨てられた。
いやちょっとまてよ?
皆さん勘違いしてません?
これはあいの不思議な日常を書いた物語である。
本編完結しました!
相変わらず話ごちゃごちゃしていると思いますが、楽しんでいただけると嬉しいです!
1話は1000字くらいなのでササッと読めるはず…

日本列島、時震により転移す!
黄昏人
ファンタジー
2023年(現在)、日本列島が後に時震と呼ばれる現象により、500年以上の時を超え1492年(過去)の世界に転移した。移転したのは本州、四国、九州とその周辺の島々であり、現在の日本は過去の時代に飛ばされ、過去の日本は現在の世界に飛ばされた。飛ばされた現在の日本はその文明を支え、国民を食わせるためには早急に莫大な資源と食料が必要である。過去の日本は現在の世界を意識できないが、取り残された北海道と沖縄は国富の大部分を失い、戦国日本を抱え途方にくれる。人々は、政府は何を思いどうふるまうのか。

ようこそ異世界へ!うっかりから始まる異世界転生物語
Eunoi
ファンタジー
本来12人が異世界転生だったはずが、神様のうっかりで異世界転生に巻き込まれた主人公。
チート能力をもらえるかと思いきや、予定外だったため、チート能力なし。
その代わりに公爵家子息として異世界転生するも、まさかの没落→島流し。
さぁ、どん底から這い上がろうか
そして、少年は流刑地より、王政が当たり前の国家の中で、民主主義国家を樹立することとなる。
少年は英雄への道を歩き始めるのだった。
※第4章に入る前に、各話の改定作業に入りますので、ご了承ください。
地獄の手違いで殺されてしまったが、閻魔大王が愛猫と一緒にネット環境付きで異世界転生させてくれました。
克全
ファンタジー
「第3回次世代ファンタジーカップ」参加作、面白いと感じましたらお気に入り登録と感想をくださると作者の励みになります!
高橋翔は地獄の官吏のミスで寿命でもないのに殺されてしまった。だが流石に地獄の十王達だった。配下の失敗にいち早く気付き、本来なら地獄の泰広王(不動明王)だけが初七日に審理する場に、十王全員が勢揃いして善後策を協議する事になった。だが、流石の十王達でも、配下の失敗に気がつくのに六日掛かっていた、高橋翔の身体は既に焼かれて灰となっていた。高橋翔は閻魔大王たちを相手に交渉した。現世で残されていた寿命を異世界で全うさせてくれる事。どのような異世界であろうと、異世界間ネットスーパーを利用して元の生活水準を保証してくれる事。死ぬまでに得ていた貯金と家屋敷、死亡保険金を保証して異世界で使えるようにする事。更には異世界に行く前に地獄で鍛錬させてもらう事まで要求し、権利を勝ち取った。そのお陰で異世界では楽々に生きる事ができた。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる