155 / 179
第5章
第155話 新薬
しおりを挟む
「俺がやりましょうか?」
今にも限に向かって斬りかかりそうな重蔵に対し、天祐話しかける。
敷島の者たちを殺しまくり、とうとう自分たちの命まで取りに来た。
そんな、腹違いとは言え弟の限に対し、天祐も怒りを覚えているような表情をしている。
その怒りを、自分が晴らしたいのかもしれない。
「……いや、こいつは俺がやる」
「……分かりました」
天祐の言葉を受け、重蔵は一旦思案するような素振りを見せる。
自分の手で始末するか、それとも天祐にやらせるかを考えたのかもしれない。
しかし、これまで限には多くの敷島の者たちが殺され、何度も迷惑を被ってきた。
その怒りを鎮めるためには、自分の手で仕留めるしかないと判断し、重蔵は自分が限と戦うことを決めた。
重蔵の決定に対し、天祐は渋々といった様子で身を引いた。
「今の俺からすれば、あんたらなんてこれまで殺して来た敷島の奴らと変わらない。面倒だから2人まとめてかかってきたらどうだ?」
これまでの戦いで、敷島の人間に苦しめられるようなことはなかった。
オリアーナが作った強化薬を使用したとしても、自分が重蔵や天祐を相手にして苦しめられるようなことはないだろう。
その自信があるため、限は挑発しながら2人を手招きした。
「ガキが調子に乗りやがって!」
自分の血を受け継ぎながら、魔力を持たずに生まれて来た出来損ない。
そんな限に舐めた態度を取られ、更に怒りが湧いたのか、重蔵は顔を赤くする。
そして、腰に差している刀を抜き、限に向けて構えをとった。
「薬を使わなくて良いのか? 待ってやるから飲んでいいぞ」
これまでの戦いで、敷島の人間は強化薬を使用して挑んで来た。
ただでさえ強力な戦闘力を有している敷島の人間が、強化薬によって能力アップする。
強化薬を使用した1人の敷島兵を倒すには、相当な数の犠牲を強いることになるだろう。
しかし、限からすれば、所詮は借り物の力でしかなく、そこまで脅威にならない。
父の重蔵は敷島の中でも最強と言われているが、強化薬を使用したとしてもこれまで倒して来た者とかけ離れた実力になるとは思えない。
そのため、強化薬を使用した重蔵を完膚なきまでに叩きのめすべく、限は刀を抜くこともせず薬の使用を促した。
「フフッ!」
「……?」
鍔に左手を掛けているとは言っても刀を抜く様子を見せない限の態度を見て、重蔵は笑みを浮かべる。
その笑みの意味が分からず、限は不可解といった面持ちで重蔵を眺めた。
“スッ!!”
前傾姿勢で刀を構えていた重蔵、その脚に力が込められる。
すると、次の瞬間には限の目の前に迫っていた。
「っっっ!?」
“ガキンッ!!”
とんでもない速度による急接近。
予想していなかっただけに、限は目を見開く。
そんな限に対し、接近した重蔵は右斬り上げを放つ。
驚いているだけではその攻撃により斬り捨てられるため、限は懸命に反応する。
刀を半分だけ抜いた状況で、限は重蔵の攻撃を防御することに成功した。
「くっ!」
なんとか重蔵の攻撃を受け止めることに成功した限は、その勢いのままに後方へと跳び退く。
そして、床へ着地をすると、すぐさま刀を抜いた。
「ほぉ、良い反応だ。まんざら口だけではないようだな……」
重蔵としては今の一撃で仕留めるつもりでいたが、思っていた以上に限の反応が速かった。
人体実験によって人外並みの魔力を得て、その化け物じみた魔力によるゴリ押しによる戦闘により、これまで送り出した敷島の者たちを殺してきたのだと思っていたが、思ったよりも剣技もあるようだ。
そのことが分かり、重蔵は上から目線で限の事を褒めた。
「…………」
強化薬を使用しない重蔵なんて、今の自分なら本気を出すまでもなく、片手で余裕の相手だと考えていた。
たとえ強化薬を使用したとしても、たかが知れている。
そんな認識だったため、少し油断していた。
重蔵だけでなく天祐も居るため、念のため警戒していたことが功を奏した。
もしも、この場に重蔵だけしかいなかったら、先程の攻撃で重傷を負っていたことは間違いない。
そのため、今の一撃により、限は表情と重蔵に対する意識を変えた。
「……まるで、おかしいと言わんばかりの表情だな?」
「…………」
刀を向け合い、睨み合う状態で少しの間が空くと、重蔵は限へと問いかけた。
いくら敷島の中でも最強の実力者だと言っても、先程のような動きができるようなレベルではなかったはず。
この数年で、重蔵が更に実力を上げたという可能性も考えられなくないが、年齢的にもここまでの成長は想像できなかった。
そのため、限は重蔵の言葉に反応しないよう無表情に努めるが、はっきり言って図星だった。
「さっきの舐めた態度と、これまで俺の邪魔ばかりした罪を、その身をもって償ってもらおう」
「っっっ!?」
限への言葉を言い終わると、重蔵の体から魔力が漏れ出す。
先程の攻撃に使用した身体強化に、魔力を更に上乗せするつもりのようだ。
つまり、先程の攻撃が本気ではなかったということになる。
訓練によって実力を上げたとしても、重蔵の年齢的にそこまでの急成長ができるなんてありえない。
そのため、限は驚きで僅かに眉を上げた。
「ヌンッ!!」
「くっ!!」
使用する魔力を増やしての身体強化。
それによって、重蔵の移動速度がさらに上がる。
急接近と共に、限の心臓目掛けて突きが放たれた。
初撃の時とは違い、油断することなく構えていたというのに、限はギリギリのところで刀で弾き、軌道を反らすことでその突きを躱した。
「ハッ!!」
「っ!!」
突きを躱されることを予想していたのか、重蔵は突進の勢いのまま左手で限の顔面を殴りかかって来た。
その攻撃に対し、限は後方へ飛び退くことで回避する。
距離を取った限は、鼻先を軽く撫でる。
先程の攻撃を完全に躱したわけではなく、僅かに掠めていたためだ。
『……何かやってるな?』
40代の重蔵の戦闘力が、これほど急成長しているのはどう考えてもおかしい。
そのため、限はずっと重蔵の体を上から下まで見て分析していた。
そして、ようやく1つの考えが浮かんでいた。
「結局あんたも薬頼みか……」
「チッ! 気付いたか、目聡い奴め……」
重蔵の体内の魔力の流れが微妙におかしい。
これまでの経験から、強化薬を使用した人間特有の感覚に似ている。
そのことから、限は憶測で呟いてみる。
すると、見抜かれた重蔵は、舌打をして限を睨みつけた。
「脳のリミッターを解除し、これまで以上の力を発揮させることができる。オリアーナの最新強化薬だ」
「なるほど……」
重蔵が急成長したわけではなく、オリアーナの薬の性能が上昇しただけだった。
思っていた通りの答えが聞けて、限は納得の声を漏らした。
今にも限に向かって斬りかかりそうな重蔵に対し、天祐話しかける。
敷島の者たちを殺しまくり、とうとう自分たちの命まで取りに来た。
そんな、腹違いとは言え弟の限に対し、天祐も怒りを覚えているような表情をしている。
その怒りを、自分が晴らしたいのかもしれない。
「……いや、こいつは俺がやる」
「……分かりました」
天祐の言葉を受け、重蔵は一旦思案するような素振りを見せる。
自分の手で始末するか、それとも天祐にやらせるかを考えたのかもしれない。
しかし、これまで限には多くの敷島の者たちが殺され、何度も迷惑を被ってきた。
その怒りを鎮めるためには、自分の手で仕留めるしかないと判断し、重蔵は自分が限と戦うことを決めた。
重蔵の決定に対し、天祐は渋々といった様子で身を引いた。
「今の俺からすれば、あんたらなんてこれまで殺して来た敷島の奴らと変わらない。面倒だから2人まとめてかかってきたらどうだ?」
これまでの戦いで、敷島の人間に苦しめられるようなことはなかった。
オリアーナが作った強化薬を使用したとしても、自分が重蔵や天祐を相手にして苦しめられるようなことはないだろう。
その自信があるため、限は挑発しながら2人を手招きした。
「ガキが調子に乗りやがって!」
自分の血を受け継ぎながら、魔力を持たずに生まれて来た出来損ない。
そんな限に舐めた態度を取られ、更に怒りが湧いたのか、重蔵は顔を赤くする。
そして、腰に差している刀を抜き、限に向けて構えをとった。
「薬を使わなくて良いのか? 待ってやるから飲んでいいぞ」
これまでの戦いで、敷島の人間は強化薬を使用して挑んで来た。
ただでさえ強力な戦闘力を有している敷島の人間が、強化薬によって能力アップする。
強化薬を使用した1人の敷島兵を倒すには、相当な数の犠牲を強いることになるだろう。
しかし、限からすれば、所詮は借り物の力でしかなく、そこまで脅威にならない。
父の重蔵は敷島の中でも最強と言われているが、強化薬を使用したとしてもこれまで倒して来た者とかけ離れた実力になるとは思えない。
そのため、強化薬を使用した重蔵を完膚なきまでに叩きのめすべく、限は刀を抜くこともせず薬の使用を促した。
「フフッ!」
「……?」
鍔に左手を掛けているとは言っても刀を抜く様子を見せない限の態度を見て、重蔵は笑みを浮かべる。
その笑みの意味が分からず、限は不可解といった面持ちで重蔵を眺めた。
“スッ!!”
前傾姿勢で刀を構えていた重蔵、その脚に力が込められる。
すると、次の瞬間には限の目の前に迫っていた。
「っっっ!?」
“ガキンッ!!”
とんでもない速度による急接近。
予想していなかっただけに、限は目を見開く。
そんな限に対し、接近した重蔵は右斬り上げを放つ。
驚いているだけではその攻撃により斬り捨てられるため、限は懸命に反応する。
刀を半分だけ抜いた状況で、限は重蔵の攻撃を防御することに成功した。
「くっ!」
なんとか重蔵の攻撃を受け止めることに成功した限は、その勢いのままに後方へと跳び退く。
そして、床へ着地をすると、すぐさま刀を抜いた。
「ほぉ、良い反応だ。まんざら口だけではないようだな……」
重蔵としては今の一撃で仕留めるつもりでいたが、思っていた以上に限の反応が速かった。
人体実験によって人外並みの魔力を得て、その化け物じみた魔力によるゴリ押しによる戦闘により、これまで送り出した敷島の者たちを殺してきたのだと思っていたが、思ったよりも剣技もあるようだ。
そのことが分かり、重蔵は上から目線で限の事を褒めた。
「…………」
強化薬を使用しない重蔵なんて、今の自分なら本気を出すまでもなく、片手で余裕の相手だと考えていた。
たとえ強化薬を使用したとしても、たかが知れている。
そんな認識だったため、少し油断していた。
重蔵だけでなく天祐も居るため、念のため警戒していたことが功を奏した。
もしも、この場に重蔵だけしかいなかったら、先程の攻撃で重傷を負っていたことは間違いない。
そのため、今の一撃により、限は表情と重蔵に対する意識を変えた。
「……まるで、おかしいと言わんばかりの表情だな?」
「…………」
刀を向け合い、睨み合う状態で少しの間が空くと、重蔵は限へと問いかけた。
いくら敷島の中でも最強の実力者だと言っても、先程のような動きができるようなレベルではなかったはず。
この数年で、重蔵が更に実力を上げたという可能性も考えられなくないが、年齢的にもここまでの成長は想像できなかった。
そのため、限は重蔵の言葉に反応しないよう無表情に努めるが、はっきり言って図星だった。
「さっきの舐めた態度と、これまで俺の邪魔ばかりした罪を、その身をもって償ってもらおう」
「っっっ!?」
限への言葉を言い終わると、重蔵の体から魔力が漏れ出す。
先程の攻撃に使用した身体強化に、魔力を更に上乗せするつもりのようだ。
つまり、先程の攻撃が本気ではなかったということになる。
訓練によって実力を上げたとしても、重蔵の年齢的にそこまでの急成長ができるなんてありえない。
そのため、限は驚きで僅かに眉を上げた。
「ヌンッ!!」
「くっ!!」
使用する魔力を増やしての身体強化。
それによって、重蔵の移動速度がさらに上がる。
急接近と共に、限の心臓目掛けて突きが放たれた。
初撃の時とは違い、油断することなく構えていたというのに、限はギリギリのところで刀で弾き、軌道を反らすことでその突きを躱した。
「ハッ!!」
「っ!!」
突きを躱されることを予想していたのか、重蔵は突進の勢いのまま左手で限の顔面を殴りかかって来た。
その攻撃に対し、限は後方へ飛び退くことで回避する。
距離を取った限は、鼻先を軽く撫でる。
先程の攻撃を完全に躱したわけではなく、僅かに掠めていたためだ。
『……何かやってるな?』
40代の重蔵の戦闘力が、これほど急成長しているのはどう考えてもおかしい。
そのため、限はずっと重蔵の体を上から下まで見て分析していた。
そして、ようやく1つの考えが浮かんでいた。
「結局あんたも薬頼みか……」
「チッ! 気付いたか、目聡い奴め……」
重蔵の体内の魔力の流れが微妙におかしい。
これまでの経験から、強化薬を使用した人間特有の感覚に似ている。
そのことから、限は憶測で呟いてみる。
すると、見抜かれた重蔵は、舌打をして限を睨みつけた。
「脳のリミッターを解除し、これまで以上の力を発揮させることができる。オリアーナの最新強化薬だ」
「なるほど……」
重蔵が急成長したわけではなく、オリアーナの薬の性能が上昇しただけだった。
思っていた通りの答えが聞けて、限は納得の声を漏らした。
0
お気に入りに追加
57
あなたにおすすめの小説
巻添え召喚されたので、引きこもりスローライフを希望します!
あきづきみなと
ファンタジー
階段から女の子が降ってきた!?
資料を抱えて歩いていた紗江は、階段から飛び下りてきた転校生に巻き込まれて転倒する。気がついたらその彼女と二人、全く知らない場所にいた。
そしてその場にいた人達は、聖女を召喚したのだという。
どちらが『聖女』なのか、と問われる前に転校生の少女が声をあげる。
「私、ガンバる!」
だったら私は帰してもらえない?ダメ?
聖女の扱いを他所に、巻き込まれた紗江が『食』を元に自分の居場所を見つける話。
スローライフまでは到達しなかったよ……。
緩いざまああり。
注意
いわゆる『キラキラネーム』への苦言というか、マイナス感情の描写があります。気にされる方には申し訳ありませんが、作中人物の説明には必要と考えました。
愚かな父にサヨナラと《完結》
アーエル
ファンタジー
「フラン。お前の方が年上なのだから、妹のために我慢しなさい」
父の言葉は最後の一線を越えてしまった。
その言葉が、続く悲劇を招く結果となったけど・・・
悲劇の本当の始まりはもっと昔から。
言えることはただひとつ
私の幸せに貴方はいりません
✈他社にも同時公開
強制力がなくなった世界に残されたものは
りりん
ファンタジー
一人の令嬢が処刑によってこの世を去った
令嬢を虐げていた者達、処刑に狂喜乱舞した者達、そして最愛の娘であったはずの令嬢を冷たく切り捨てた家族達
世界の強制力が解けたその瞬間、その世界はどうなるのか
その世界を狂わせたものは
S級パーティを追放された無能扱いの魔法戦士は気ままにギルド職員としてスローライフを送る
神谷ミコト
ファンタジー
【祝!4/6HOTランキング2位獲得】
元貴族の魔法剣士カイン=ポーンは、「誰よりも強くなる。」その決意から最上階と言われる100Fを目指していた。
ついにパーティ「イグニスの槍」は全人未達の90階に迫ろうとしていたが、
理不尽なパーティ追放を機に、思いがけずギルドの職員としての生活を送ることに。
今までのS級パーティとして牽引していた経験を活かし、ギルド業務。ダンジョン攻略。新人育成。そして、学園の臨時講師までそつなくこなす。
様々な経験を糧にカインはどう成長するのか。彼にとっての最強とはなんなのか。
カインが無自覚にモテながら冒険者ギルド職員としてスローライフを送るである。
ハーレム要素多め。
※隔日更新予定です。10話前後での完結予定で構成していましたが、多くの方に見られているため10話以降も製作中です。
よければ、良いね。評価、コメントお願いします。励みになりますorz
他メディアでも掲載中。他サイトにて開始一週間でジャンル別ランキング15位。HOTランキング4位達成。応援ありがとうございます。
たくさんの誤字脱字報告ありがとうございます。すべて適応させていただきます。
物語を楽しむ邪魔をしてしまい申し訳ないですorz
今後とも応援よろしくお願い致します。
勇者パーティを追放されそうになった俺は、泣いて縋って何とか残り『元のDQNに戻る事にした』どうせ俺が生きている間には滅びんだろう!
石のやっさん
ファンタジー
今度の主人公はマジで腐っている。基本悪党、だけど自分のルールあり!
パーティでお荷物扱いされていた魔法戦士のリヒトは、とうとう勇者でありパーティリーダーのドルマンにクビを宣告されてしまう。幼馴染も全員ドルマンの物で、全員から下に見られているのが解った。
だが、意外にも主人公は馬鹿にされながらも残る道を選んだ。
『もう友達じゃ無いんだな』そう心に誓った彼は…勇者達を骨の髄までしゃぶり尽くす事を決意した。
此処迄するのか…そう思う『ざまぁ』を貴方に
前世のDQNに戻る事を決意した、暗黒面に落ちた外道魔法戦士…このざまぁは知らないうちに世界を壊す。
レベルが上がらずパーティから捨てられましたが、実は成長曲線が「勇者」でした
桐山じゃろ
ファンタジー
同い年の幼馴染で作ったパーティの中で、ラウトだけがレベル10から上がらなくなってしまった。パーティリーダーのセルパンはラウトに頼り切っている現状に気づかないまま、レベルが低いという理由だけでラウトをパーティから追放する。しかしその後、仲間のひとりはラウトについてきてくれたし、弱い魔物を倒しただけでレベルが上がり始めた。やがてラウトは精霊に寵愛されし最強の勇者となる。一方でラウトを捨てた元仲間たちは自業自得によるざまぁに遭ったりします。※小説家になろう、カクヨムにも同じものを公開しています。
だから聖女はいなくなった
澤谷弥(さわたに わたる)
ファンタジー
「聖女ラティアーナよ。君との婚約を破棄することをここに宣言する」
レオンクル王国の王太子であるキンバリーが婚約破棄を告げた相手は聖女ラティアーナである。
彼女はその婚約破棄を黙って受け入れた。さらに彼女は、新たにキンバリーと婚約したアイニスに聖女の証である首飾りを手渡すと姿を消した。
だが、ラティアーナがいなくなってから彼女のありがたみに気づいたキンバリーだが、すでにその姿はどこにもない。
キンバリーの弟であるサディアスが、兄のためにもラティアーナを探し始める。だが、彼女を探していくうちに、なぜ彼女がキンバリーとの婚約破棄を受け入れ、聖女という地位を退いたのかの理由を知る――。
※7万字程度の中編です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる