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第2章
第50話 第1歩
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「全く、余計なプライドで余計な手間をかけやがって……」
肉体を魔物へ変身させる薬を飲み狼の姿へと変身した研究員に刀を構えた限は、先程あっさりやられた冒険者のおこないに愚痴をこぼす。
あの冒険者に限らず、多くの冒険者はランクにこだわりを持っている。
その気持ちは分からなくもないが、ランクにばかりこだわっているから判断を誤るのだ。
魔物へ変身した時の敵の実力が高いことは、この作戦を実行する前にギルマスから聞いていたはずだ。
薬使用をしないうちに捕まえるのが今回の作戦だったのに、このようなことをされた後始末を請け負うこちらのことも考えて欲しいものだ。
「自分たちが作った薬だが、思った以上の出来だな。冒険者なんか雑魚扱いだ」
冒険者たちを力で追い返した研究員は、強力になった自分の力に酔っているようだ。
しかし、その気持ちも分からないまでもない。
制限時間付きとは言え、人を魔物に変身させるような薬。
イカれた考えとは言っても、彼らはそれを成功させた者たちだ。
それだけ研究に時間を費やしていたのだろうから、とても武術に関しては素人でしかないだろう。
そんな素人が、薬を飲むだけで毎日のように魔物と戦っているであろう冒険者をあっさりと倒したのだから、いきなり手に入れた力に酔ってしまう気持ちも分からなくもない。
限も研究所の地下で魔力を得たことを知った時は、あまりの嬉しさに歓喜の声を上げたものだ。
「おいっ! お前アデマス王国の研究所にいた研究員だろ?」
「っ!! 貴様っ!! 何で……」
刀を構えた限は、高笑いする2足歩行の狼に向けて問いかける。
その言葉に、研究員の男は目を見開く。
自分たちがアデマス王国からきたということは、アデマス王国を出てから口にしたことはない。
なのに、何故目の前の男は、自分がアデマス王国出身だということを知っているのだろうか。
「実験体番号42番を覚えているか?」
「42番? たしか人の原形もない程にぐちゃぐちゃになった実験体番号だな。データも取れて使い道が無くなり、廃棄処理されたはずだが……」
限は、研究所内で呼ばれていた自分の番号を狼と化した研究員に告げる。
その番号を聞いた研究員は顎に手をやり思い出すような仕草をし、すぐにその実験体のことを思いだした。
それは研究所において最多の実験を受け、最長の時間生き延びた特殊な実験体の番号だ。
最終的には思い出すだけでも不快に感じる姿になり、地下の廃棄処理場に捨て去られたはずだ。
「まさか……」
酷い見た目のため、研究所内で42番は有名だった。
担当でない自分も数回見ただけだというのに、数年経ったいまでも頭から離れないでいるほどだ。
しかし、数年前に死んだ42番のことをどうしてこの目の前の男は知っているのだろうか。
42番のことは研究所内の人間でしか知らないようなことだ。
自分がアデマス王国の研究所にいたことも知っていることから、内部にいた人間ということになる。
アデマス王国を出る時に研究員以外のスタッフは始末されたし、この男程の年齢をした研究員はいないはずだ。
この男程の年齢となると、それこそ42番が同じ位。
そう考えると、狼に変身した研究員の中で、ある仮説が思い浮かんだ。
その仮説が浮かぶだけでもあり得ないことだが、それが正解にしか思えなくなってきた研究員は、信じられないというような表情へと段々と変化していった。
「この通り。生憎42番は死んでいない」
「バ、バカな!! 奴はたしかに地下へと廃棄されたはず!!」
自分のことを見て驚いている自研究員が滑稽に見え、限は思わず笑みを浮かべる。
ドッキリは成功したようだ。
あの研究所にいた研究員なら、たしかに驚くのも仕方がないことだろう。
「例え生きていたとしても、あの気持ち悪い姿がどうして治っている!?」
地下廃棄場には死んだ生物だけでなく、限やレラのように生きたまま放り投げられることがある。
廃棄口から地下まではかなりの高さがあるが、死体の山がクッションになり落下による死は少ないだろうが、地下には何の食料もない。
何の食料もなく生き残ることはできないはず。
それでも生き残ったとして、あの醜かった姿が治っているのがあり得ない。
疑問ばかりが浮かび、研究員は声を荒げた。
「どうやってかはどうでもいいだろ? お前はここで死ぬんだから」
「……フンッ! 死にぞこないが舐めた口を!」
生きていたのは意外だったし、見た目も治っているのも驚きだ。
しかし、自分を殺すという発言で冷静さを取り戻した。
「所詮は無能の実験体。他に冒険者が集まる前に今度こそこの場で殺してやるよ!!」
戦闘一族に生まれた異質の存在。
魔力無しの無能が、生きていて姿も元に戻ったからといって脅威に思うようなことはない。
自分は魔物へ変化している状態。
怪我でこの場を離れた冒険者が仲間を呼んでくるかもしれないため、研究員の男はすぐさま限を殺すことに決めた。
「お前には無理だな。俺は話している間にいつでも殺せた。今生きているのは俺のことを思いだしてから殺そうと思ったからだ」
「何だと!?」
狼の魔物に変化して身体能力が爆発的に向上しているようだが、所詮自分の敵ではない。
武器を向けられているのに、のんびりと会話をしている時点で戦闘経験が乏しいと言わざるを得ない。
分かって放置していたのだが、どうやらそのことにすらこの研究員は気付いていなかったようだ。
「くたばれ!!」
「っと!」
研究員は、限のことを殺そうと殴りかかる。
その移動速度はとんでもなく速いが、所詮は戦闘経験の浅い研究員といったところだろうか。
まっすぐに距離を詰めての攻撃に、限は即座に反応した。
風切り音を盾ながら振られた研究員の攻撃を、バックステップをするようにして躱した。
「ハッ!!」
「よっ!」
攻撃を躱された研究員は、すぐさま右フックによる追撃を放ってくる。
限はそれを右へと跳んで回避する。
その攻撃も、風切り音だけでとんでもない威力をしているのが分かる。
「おのれ! ちょこまかと!」
「確かに速度も威力もとんでもないが、当たらなければなんてことない」
その後も研究員は何度も襲い掛かってくるが、それを限はことごとく躱していく。
そして、挑発するように言って、またも距離をとる。
「避けるのが上手いだけで調子に乗るな!」
「死ね!!」
挑発に乗るように、研究員はまたも限へと襲い掛かってくる。
それに合わせるように、限は斬りかかる。
「……ガハッ!!」
攻撃を躱しながら限は迫り来る研究員の横をすり抜けていく。
そして両者が交差した後、研究員の男は脇腹から出血をして呻き声を上げた。
「……バ、バカな……」
腹を深く斬り裂かれ、大量に出血する研究員。
無能といわれていた限にやられたことが信じられない様子で、傷口を抑えるようにして片膝をついた。
「終わりだ……」
「ま、待っ……」
動けば更に出血が増す。
痛みと出血で動けなくなった研究員が気付いた時には、限がすぐ側で刀を振り上げていた。
今更になって限が強いのだと理解したのか、研究員の男は命乞いをしようとする。
しかし、そんなこと聞き入れる訳もなく、限は容赦なく首を斬り落とした。
「へぇ~、死んだら元に戻るんだ」
首を斬り落とすと、すぐさま研究員の男の肉体に変化が起きる。
体内で反応していた薬の効果が切れたかのように、研究員の肉体が人間の物へと戻っていった。
それを見て、限は新発見に感心するように呟くと共に、ようやく研究員たちに対する復讐の第1歩が踏み出せたことを喜ぶように笑みを浮かべたのだった。
肉体を魔物へ変身させる薬を飲み狼の姿へと変身した研究員に刀を構えた限は、先程あっさりやられた冒険者のおこないに愚痴をこぼす。
あの冒険者に限らず、多くの冒険者はランクにこだわりを持っている。
その気持ちは分からなくもないが、ランクにばかりこだわっているから判断を誤るのだ。
魔物へ変身した時の敵の実力が高いことは、この作戦を実行する前にギルマスから聞いていたはずだ。
薬使用をしないうちに捕まえるのが今回の作戦だったのに、このようなことをされた後始末を請け負うこちらのことも考えて欲しいものだ。
「自分たちが作った薬だが、思った以上の出来だな。冒険者なんか雑魚扱いだ」
冒険者たちを力で追い返した研究員は、強力になった自分の力に酔っているようだ。
しかし、その気持ちも分からないまでもない。
制限時間付きとは言え、人を魔物に変身させるような薬。
イカれた考えとは言っても、彼らはそれを成功させた者たちだ。
それだけ研究に時間を費やしていたのだろうから、とても武術に関しては素人でしかないだろう。
そんな素人が、薬を飲むだけで毎日のように魔物と戦っているであろう冒険者をあっさりと倒したのだから、いきなり手に入れた力に酔ってしまう気持ちも分からなくもない。
限も研究所の地下で魔力を得たことを知った時は、あまりの嬉しさに歓喜の声を上げたものだ。
「おいっ! お前アデマス王国の研究所にいた研究員だろ?」
「っ!! 貴様っ!! 何で……」
刀を構えた限は、高笑いする2足歩行の狼に向けて問いかける。
その言葉に、研究員の男は目を見開く。
自分たちがアデマス王国からきたということは、アデマス王国を出てから口にしたことはない。
なのに、何故目の前の男は、自分がアデマス王国出身だということを知っているのだろうか。
「実験体番号42番を覚えているか?」
「42番? たしか人の原形もない程にぐちゃぐちゃになった実験体番号だな。データも取れて使い道が無くなり、廃棄処理されたはずだが……」
限は、研究所内で呼ばれていた自分の番号を狼と化した研究員に告げる。
その番号を聞いた研究員は顎に手をやり思い出すような仕草をし、すぐにその実験体のことを思いだした。
それは研究所において最多の実験を受け、最長の時間生き延びた特殊な実験体の番号だ。
最終的には思い出すだけでも不快に感じる姿になり、地下の廃棄処理場に捨て去られたはずだ。
「まさか……」
酷い見た目のため、研究所内で42番は有名だった。
担当でない自分も数回見ただけだというのに、数年経ったいまでも頭から離れないでいるほどだ。
しかし、数年前に死んだ42番のことをどうしてこの目の前の男は知っているのだろうか。
42番のことは研究所内の人間でしか知らないようなことだ。
自分がアデマス王国の研究所にいたことも知っていることから、内部にいた人間ということになる。
アデマス王国を出る時に研究員以外のスタッフは始末されたし、この男程の年齢をした研究員はいないはずだ。
この男程の年齢となると、それこそ42番が同じ位。
そう考えると、狼に変身した研究員の中で、ある仮説が思い浮かんだ。
その仮説が浮かぶだけでもあり得ないことだが、それが正解にしか思えなくなってきた研究員は、信じられないというような表情へと段々と変化していった。
「この通り。生憎42番は死んでいない」
「バ、バカな!! 奴はたしかに地下へと廃棄されたはず!!」
自分のことを見て驚いている自研究員が滑稽に見え、限は思わず笑みを浮かべる。
ドッキリは成功したようだ。
あの研究所にいた研究員なら、たしかに驚くのも仕方がないことだろう。
「例え生きていたとしても、あの気持ち悪い姿がどうして治っている!?」
地下廃棄場には死んだ生物だけでなく、限やレラのように生きたまま放り投げられることがある。
廃棄口から地下まではかなりの高さがあるが、死体の山がクッションになり落下による死は少ないだろうが、地下には何の食料もない。
何の食料もなく生き残ることはできないはず。
それでも生き残ったとして、あの醜かった姿が治っているのがあり得ない。
疑問ばかりが浮かび、研究員は声を荒げた。
「どうやってかはどうでもいいだろ? お前はここで死ぬんだから」
「……フンッ! 死にぞこないが舐めた口を!」
生きていたのは意外だったし、見た目も治っているのも驚きだ。
しかし、自分を殺すという発言で冷静さを取り戻した。
「所詮は無能の実験体。他に冒険者が集まる前に今度こそこの場で殺してやるよ!!」
戦闘一族に生まれた異質の存在。
魔力無しの無能が、生きていて姿も元に戻ったからといって脅威に思うようなことはない。
自分は魔物へ変化している状態。
怪我でこの場を離れた冒険者が仲間を呼んでくるかもしれないため、研究員の男はすぐさま限を殺すことに決めた。
「お前には無理だな。俺は話している間にいつでも殺せた。今生きているのは俺のことを思いだしてから殺そうと思ったからだ」
「何だと!?」
狼の魔物に変化して身体能力が爆発的に向上しているようだが、所詮自分の敵ではない。
武器を向けられているのに、のんびりと会話をしている時点で戦闘経験が乏しいと言わざるを得ない。
分かって放置していたのだが、どうやらそのことにすらこの研究員は気付いていなかったようだ。
「くたばれ!!」
「っと!」
研究員は、限のことを殺そうと殴りかかる。
その移動速度はとんでもなく速いが、所詮は戦闘経験の浅い研究員といったところだろうか。
まっすぐに距離を詰めての攻撃に、限は即座に反応した。
風切り音を盾ながら振られた研究員の攻撃を、バックステップをするようにして躱した。
「ハッ!!」
「よっ!」
攻撃を躱された研究員は、すぐさま右フックによる追撃を放ってくる。
限はそれを右へと跳んで回避する。
その攻撃も、風切り音だけでとんでもない威力をしているのが分かる。
「おのれ! ちょこまかと!」
「確かに速度も威力もとんでもないが、当たらなければなんてことない」
その後も研究員は何度も襲い掛かってくるが、それを限はことごとく躱していく。
そして、挑発するように言って、またも距離をとる。
「避けるのが上手いだけで調子に乗るな!」
「死ね!!」
挑発に乗るように、研究員はまたも限へと襲い掛かってくる。
それに合わせるように、限は斬りかかる。
「……ガハッ!!」
攻撃を躱しながら限は迫り来る研究員の横をすり抜けていく。
そして両者が交差した後、研究員の男は脇腹から出血をして呻き声を上げた。
「……バ、バカな……」
腹を深く斬り裂かれ、大量に出血する研究員。
無能といわれていた限にやられたことが信じられない様子で、傷口を抑えるようにして片膝をついた。
「終わりだ……」
「ま、待っ……」
動けば更に出血が増す。
痛みと出血で動けなくなった研究員が気付いた時には、限がすぐ側で刀を振り上げていた。
今更になって限が強いのだと理解したのか、研究員の男は命乞いをしようとする。
しかし、そんなこと聞き入れる訳もなく、限は容赦なく首を斬り落とした。
「へぇ~、死んだら元に戻るんだ」
首を斬り落とすと、すぐさま研究員の男の肉体に変化が起きる。
体内で反応していた薬の効果が切れたかのように、研究員の肉体が人間の物へと戻っていった。
それを見て、限は新発見に感心するように呟くと共に、ようやく研究員たちに対する復讐の第1歩が踏み出せたことを喜ぶように笑みを浮かべたのだった。
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