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第31話
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「皆の者よくぞ集まった!」
前回と同様、玉座の間に集まった貴族たち。
違うのはカスタール家の3人がいないことと、ジルベルトが冒険者コルヴォとしてではなく、貴族の恰好をしてセラフィーナの背後に立っているということだ。
そんな彼らを前に、国王のロマーノが声をかける。
「前回の捕縛により、カスタール家の調査に入った。不正奴隷売買、その犯人の暗殺、アラガート鉱山で採取された鉱石の横流しだけでなく、報告書類の改竄、婦女暴行などの証拠も挙がりました」
奴隷化による調査をおこなったのだろう。
本人の口から聞いたことにより調査はあっという間に済んだようだ。
そして暴き出されたのは、ジルベルトがコルヴォとして判明させた不正奴隷売買などだけでなく、やはり父たちは他にもやらかしていたということだった。
宰相のウルバーノによって罪状が発表されると、セラフィーナを含め他の貴族たちは眉間に皺が寄っている。
内容が内容なだけに分からなくもない。
ジルベルトも同じ思いだ。
「婦女暴行は主に息子たちの方ですね」
「全くもって不愉快な奴らだ!」
玉座に座るロマーノは、怒りと共に吐き捨てる。
みんなの気持ちを代弁してくれたようだ。
父だけならまだしも、兄たち2人も家の力を笠に着て、好き放題していたようだ。
2人とも近隣の貴族家から嫁を貰っていたが、他に沢山の女性に手を出していたらしい。
その嫁たちもカスタール家の力に屈して嫁いだところがあるせいか、文句も言えなかったようだ。
近年になってからの風習とは言っても、ロタリア王国は一夫一妻を重視しているということは分かっていたはずだ。
それなのにそんなことをしていたなんて、恥知らずもいいところだ。
更に言うなら、手を出した女性たちの合意を得ていないというとこも不愉快にさせる。
「3者の行為は貴族を著しく貶める行為ばかりだ。奴らにはその身をもって償ってもらうしかない。よって、3人とも市中引き回しの上、処刑を決定した」
領主とは市民のために働く者のことを言う。
それが、地位を利用して好き勝手やっていたというのだから、重い処罰も仕方がないこと。
しかも、ネルチーゾたちの場合やりたい放題していたのだから、バレればこうなるのも当然だ。
ロマーノの告げた罪に、この場にいる誰もが納得していた。
「3人の処刑により、カスタール家は廃絶。財産はローゲン家へ、領地は周辺貴族に分配することとする」
当主とその息子たちがいなくなるため、カスタール家を継ぐ者はいなくなった。
しかし、カスタール領は魔の森開拓に重要な地。
放置しておく訳にもいかないため、被害を受けていた貴族に対して分け与えることにしたらしい。
財産は今回のことで一番被害を受けていたローゲン家へ、領地に関しては分配して統治させることにしたようだ。
「これにより、解散」
今回の召集はネルチーゾたちの罪状に関しての発表と、領地の分配に関する説明のためだ。
それが終わったため、ロマーノは集まった貴族に解散を命じる。
そして、その指示を受け、集まっていた貴族たちは玉座の間から退室を始めた。
「セラフィーナ! ジルベルト! そなたらは残ってくれ」
「「ハッ!」」
前回と同様、ジルベルトはロマーノに呼び止められた。
しかし、前回と違い、今回はセラフィーナも一緒だった。
その指示に従い、ジルベルトとセラフィーナは、貴族たちが出ていくのを黙って待つことにした。
「さて、残ってもらったのは他でもない。ローゲン領のこれからについてだ」
「ハイ……」
集まった貴族たちが退室して少し間を置き、ロマーノは2人に話し始めた。
その言葉で、ロマーノが何を心配しているのか分かる。
これから話し合われることに、セラフィーナは浮かない顔をして返事をした。
「息子であるコルネリオとエミディオの妻たちは、夫たちの捕縛を知ってすぐに離縁の申し出を出してきた。それゆえ、ワシはそれを了承した」
夫が捕まったのだから、妻にまでも処罰がおこなわれるという訳ではない。
何かしら関与している場合はあり得るが、今回のことで兄たちの妻は何も知らなかった。
そのため、彼女たちは夫が捕まったと知ると、すぐさま離縁の陳述書が送られて来たそうだ。
元々カスタール家の力に屈する形で嫁いだためか、彼女たちはあっさりと兄たちを見限ったようだ。
彼女たちは年齢的にまだ若いので、もしかしたらまた嫁に行くこともできるかもしれない。
王家に了承された彼女たちは、実家の貴族家へと戻って行くことになった。
「そこでセラフィーナよ。そなたは今後ジルベルトとの関係をどういたすつもりか?」
「今後ですか?」
「うむ。ジルベルトは今回の犯人を捕まえた功労者だ。しかしながらネルチーゾの息子であることもたしかだ。もしも離縁をすると言うのであれば、ワシが直々に許可を出すが?」
どうやら、ロマーノが自分とジルベルトをここに残らせたのは、ジルベルトの兄たちの妻のように離縁をするかどうかということを聞くためだったようだ。
ジルベルトが離縁の話を出したのも、もしかしたらロマーノが聞いてくると分かっていたからかもしれない。
「……いいえ、私は離縁をするつもりはありません!」
「ホゥ……」
ローゲン領は、魔の森開拓に重要な地だ。
そのため、セラフィーナの跡継ぎのことが気になり結婚相手を求めるようなことをしたが、ネルチーゾが息子を出すと言って怪訝に思っていた。
セラフィーナもそれを了承したため2人の婚姻を認めたのだが、どうもうまくいっていないということは噂で聞いていた。
今回のこともあり、セラフィーナにとってはジルベルトと離縁するれっきとした理由ができた。
自分が離縁の話を持ち出せば、恐らく受け入れると思っていたため、セラフィーナの言葉に驚きを覚える。
「理由は?」
「私はコルヴォに命を救われました。その恩を返すつもりでいた所、コルヴォが夫だと知りました。なので、私は夫に恩を返さなければなりません。それなのに追い出すということは、恩をあだで返すようなことは先代たちに申し訳が立ちません。ですので、私は離縁いたしません」
「左様か……」
セラフィーナの決意のこもった目にロマーノは頷き、2人が離縁しないことを受け入れた。
その表情はどこか嬉しいそうな表情だ。
「ウルバーノよ。ワシの予想が当たったようじゃの?」
「仰る通りです」
「「……?」」
セラフィーナの言葉を聞いて、ロマーノはウルバーノへと話しかけ、ウルバーノもそれに返答する。
ジルベルトとセラフィーナは、そのやり取りの意味が分からずに呆けるしかなかった。
「すまん、すまん。先日ジルベルトと話をした時、ウルバーノと話し合ったのだ。祖父や父のように恩義に厚いのがローゲン家。ワシはその気質から言って、セラフィーナが離縁を選択する可能性は低いと思っておったのだ」
「そうでしたか……」
セラフィーナの祖父や父を知っているからか、ロマーノはセラフィーナがどういう選択をするのか分かっていたようだ。
そのため、思った通りの選択をしてくれたことが嬉しかったのかもしれない。
ロマーノの言葉を聞いて、何で笑みを浮かべてるのかの理由が分かった。
「実は、ジルベルトには降爵したカスタール家と領の一部を与えるつもりであった。だがそれは断られてな。ローゲン家を含む、迷惑を被った貴族のために、カスタール家は廃絶止む無しといったのだ。歴史ある家を潰すのは心苦しかったのだが、ワシもそれを聞いて廃絶にすることに決定した」
「っ!?」
ロマーノの言葉に、セラフィーナは驚きジルベルトの方へチラリと目をやる。
そんなこと初耳だったからだ。
爵位降爵、領地縮小とはいえ、ジルベルトはなろうと思えば領主になることができたのに、それを蹴って、責任を取るという誠意を見せたようだ。
「それに、自分はカスタールの血を継いでいるが、今はまだローゲン家の人間だからだそうだ。離縁される可能性があったのだから受けておればよかったのにな」
数日前はまだ離縁の話は出ていなかった。
城から帰ったジルベルトが言い出さなくても、結局今日ロマーノに聞かれることになっていたようだ。
昨日のうちに離縁しないということを伝えていたが、ジルベルトはその決断を受ける前には覚悟していたようだ。
自分はジルベルトのことなど知ろうとせずにいたのに、ジルベルトは最初からローゲン家のために動いてくれていた。
今更になって、セラフィーナはジルベルトの戦闘だけでない強さを知ったような気がした。
「何にしても今後の2人には期待している。仲睦まじく暮らすことを願うぞ」
「「ハッ!」」
S級冒険者の実力を持つジルベルト。
その力があれば、魔の森開拓も進められるだろう。
今回ネルチーゾたちがいなくなったことで、資金源も回復するはずだ。
今後のローゲン領のことを思うと、王として期待せずにはいられない。
その思いと共に、ロマーノは2人に激励の言葉をかけたのだった。
前回と同様、玉座の間に集まった貴族たち。
違うのはカスタール家の3人がいないことと、ジルベルトが冒険者コルヴォとしてではなく、貴族の恰好をしてセラフィーナの背後に立っているということだ。
そんな彼らを前に、国王のロマーノが声をかける。
「前回の捕縛により、カスタール家の調査に入った。不正奴隷売買、その犯人の暗殺、アラガート鉱山で採取された鉱石の横流しだけでなく、報告書類の改竄、婦女暴行などの証拠も挙がりました」
奴隷化による調査をおこなったのだろう。
本人の口から聞いたことにより調査はあっという間に済んだようだ。
そして暴き出されたのは、ジルベルトがコルヴォとして判明させた不正奴隷売買などだけでなく、やはり父たちは他にもやらかしていたということだった。
宰相のウルバーノによって罪状が発表されると、セラフィーナを含め他の貴族たちは眉間に皺が寄っている。
内容が内容なだけに分からなくもない。
ジルベルトも同じ思いだ。
「婦女暴行は主に息子たちの方ですね」
「全くもって不愉快な奴らだ!」
玉座に座るロマーノは、怒りと共に吐き捨てる。
みんなの気持ちを代弁してくれたようだ。
父だけならまだしも、兄たち2人も家の力を笠に着て、好き放題していたようだ。
2人とも近隣の貴族家から嫁を貰っていたが、他に沢山の女性に手を出していたらしい。
その嫁たちもカスタール家の力に屈して嫁いだところがあるせいか、文句も言えなかったようだ。
近年になってからの風習とは言っても、ロタリア王国は一夫一妻を重視しているということは分かっていたはずだ。
それなのにそんなことをしていたなんて、恥知らずもいいところだ。
更に言うなら、手を出した女性たちの合意を得ていないというとこも不愉快にさせる。
「3者の行為は貴族を著しく貶める行為ばかりだ。奴らにはその身をもって償ってもらうしかない。よって、3人とも市中引き回しの上、処刑を決定した」
領主とは市民のために働く者のことを言う。
それが、地位を利用して好き勝手やっていたというのだから、重い処罰も仕方がないこと。
しかも、ネルチーゾたちの場合やりたい放題していたのだから、バレればこうなるのも当然だ。
ロマーノの告げた罪に、この場にいる誰もが納得していた。
「3人の処刑により、カスタール家は廃絶。財産はローゲン家へ、領地は周辺貴族に分配することとする」
当主とその息子たちがいなくなるため、カスタール家を継ぐ者はいなくなった。
しかし、カスタール領は魔の森開拓に重要な地。
放置しておく訳にもいかないため、被害を受けていた貴族に対して分け与えることにしたらしい。
財産は今回のことで一番被害を受けていたローゲン家へ、領地に関しては分配して統治させることにしたようだ。
「これにより、解散」
今回の召集はネルチーゾたちの罪状に関しての発表と、領地の分配に関する説明のためだ。
それが終わったため、ロマーノは集まった貴族に解散を命じる。
そして、その指示を受け、集まっていた貴族たちは玉座の間から退室を始めた。
「セラフィーナ! ジルベルト! そなたらは残ってくれ」
「「ハッ!」」
前回と同様、ジルベルトはロマーノに呼び止められた。
しかし、前回と違い、今回はセラフィーナも一緒だった。
その指示に従い、ジルベルトとセラフィーナは、貴族たちが出ていくのを黙って待つことにした。
「さて、残ってもらったのは他でもない。ローゲン領のこれからについてだ」
「ハイ……」
集まった貴族たちが退室して少し間を置き、ロマーノは2人に話し始めた。
その言葉で、ロマーノが何を心配しているのか分かる。
これから話し合われることに、セラフィーナは浮かない顔をして返事をした。
「息子であるコルネリオとエミディオの妻たちは、夫たちの捕縛を知ってすぐに離縁の申し出を出してきた。それゆえ、ワシはそれを了承した」
夫が捕まったのだから、妻にまでも処罰がおこなわれるという訳ではない。
何かしら関与している場合はあり得るが、今回のことで兄たちの妻は何も知らなかった。
そのため、彼女たちは夫が捕まったと知ると、すぐさま離縁の陳述書が送られて来たそうだ。
元々カスタール家の力に屈する形で嫁いだためか、彼女たちはあっさりと兄たちを見限ったようだ。
彼女たちは年齢的にまだ若いので、もしかしたらまた嫁に行くこともできるかもしれない。
王家に了承された彼女たちは、実家の貴族家へと戻って行くことになった。
「そこでセラフィーナよ。そなたは今後ジルベルトとの関係をどういたすつもりか?」
「今後ですか?」
「うむ。ジルベルトは今回の犯人を捕まえた功労者だ。しかしながらネルチーゾの息子であることもたしかだ。もしも離縁をすると言うのであれば、ワシが直々に許可を出すが?」
どうやら、ロマーノが自分とジルベルトをここに残らせたのは、ジルベルトの兄たちの妻のように離縁をするかどうかということを聞くためだったようだ。
ジルベルトが離縁の話を出したのも、もしかしたらロマーノが聞いてくると分かっていたからかもしれない。
「……いいえ、私は離縁をするつもりはありません!」
「ホゥ……」
ローゲン領は、魔の森開拓に重要な地だ。
そのため、セラフィーナの跡継ぎのことが気になり結婚相手を求めるようなことをしたが、ネルチーゾが息子を出すと言って怪訝に思っていた。
セラフィーナもそれを了承したため2人の婚姻を認めたのだが、どうもうまくいっていないということは噂で聞いていた。
今回のこともあり、セラフィーナにとってはジルベルトと離縁するれっきとした理由ができた。
自分が離縁の話を持ち出せば、恐らく受け入れると思っていたため、セラフィーナの言葉に驚きを覚える。
「理由は?」
「私はコルヴォに命を救われました。その恩を返すつもりでいた所、コルヴォが夫だと知りました。なので、私は夫に恩を返さなければなりません。それなのに追い出すということは、恩をあだで返すようなことは先代たちに申し訳が立ちません。ですので、私は離縁いたしません」
「左様か……」
セラフィーナの決意のこもった目にロマーノは頷き、2人が離縁しないことを受け入れた。
その表情はどこか嬉しいそうな表情だ。
「ウルバーノよ。ワシの予想が当たったようじゃの?」
「仰る通りです」
「「……?」」
セラフィーナの言葉を聞いて、ロマーノはウルバーノへと話しかけ、ウルバーノもそれに返答する。
ジルベルトとセラフィーナは、そのやり取りの意味が分からずに呆けるしかなかった。
「すまん、すまん。先日ジルベルトと話をした時、ウルバーノと話し合ったのだ。祖父や父のように恩義に厚いのがローゲン家。ワシはその気質から言って、セラフィーナが離縁を選択する可能性は低いと思っておったのだ」
「そうでしたか……」
セラフィーナの祖父や父を知っているからか、ロマーノはセラフィーナがどういう選択をするのか分かっていたようだ。
そのため、思った通りの選択をしてくれたことが嬉しかったのかもしれない。
ロマーノの言葉を聞いて、何で笑みを浮かべてるのかの理由が分かった。
「実は、ジルベルトには降爵したカスタール家と領の一部を与えるつもりであった。だがそれは断られてな。ローゲン家を含む、迷惑を被った貴族のために、カスタール家は廃絶止む無しといったのだ。歴史ある家を潰すのは心苦しかったのだが、ワシもそれを聞いて廃絶にすることに決定した」
「っ!?」
ロマーノの言葉に、セラフィーナは驚きジルベルトの方へチラリと目をやる。
そんなこと初耳だったからだ。
爵位降爵、領地縮小とはいえ、ジルベルトはなろうと思えば領主になることができたのに、それを蹴って、責任を取るという誠意を見せたようだ。
「それに、自分はカスタールの血を継いでいるが、今はまだローゲン家の人間だからだそうだ。離縁される可能性があったのだから受けておればよかったのにな」
数日前はまだ離縁の話は出ていなかった。
城から帰ったジルベルトが言い出さなくても、結局今日ロマーノに聞かれることになっていたようだ。
昨日のうちに離縁しないということを伝えていたが、ジルベルトはその決断を受ける前には覚悟していたようだ。
自分はジルベルトのことなど知ろうとせずにいたのに、ジルベルトは最初からローゲン家のために動いてくれていた。
今更になって、セラフィーナはジルベルトの戦闘だけでない強さを知ったような気がした。
「何にしても今後の2人には期待している。仲睦まじく暮らすことを願うぞ」
「「ハッ!」」
S級冒険者の実力を持つジルベルト。
その力があれば、魔の森開拓も進められるだろう。
今回ネルチーゾたちがいなくなったことで、資金源も回復するはずだ。
今後のローゲン領のことを思うと、王として期待せずにはいられない。
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