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第28話
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「セラフィーナ様。ジルベルト殿がお戻りになられました」
「そう……」
王であるロマーノに呼び止められたジルベルトを城内に置いて、セラフィーナは王都にあるローゲン家の別邸に戻っていた。
色々なことで頭がぐしゃぐしゃになっていたが、こんな時でも領地に関する書類仕事をしなければならないのは救いだったかもしれない。
仕事をしていたら、なんとか気持ちを落ち着かせることができた。
その仕事も一段落着いたところで、スチュアートが執務室に入室し、ジルベルトの帰宅を知らせてきた。
それを聞いて、セラフィーナはリビングルームへと足を運んだ。
「おかえりなさい……」
「……ただいま」
セラフィーナがリビングルームへ着くと、スチュアートの案内によってジルベルトが先に到着していた。
ソファーに座っているジルベルトに声をかけて、セラフィーナは対面へと座り、ジルベルトは変な間を空けて返答した。
返答に間が空いたのは、単純にセラフィーナの表情が問題だからだ。
「…………」
「どうした? 百面相をして……」
「~~っ!!」
眉間にしわを寄せて何か言おうとしてやめる。
逆に今度は眉を下げて何か言おうとしてやめる。
目の前に座るセラフィーナに、ジルベルトは思わず問いかけた。
そのツッコミを受け、セラフィーナは顔を赤くして俯いてしまった。
「……本当にあなたがコルヴォなの?」
「宰相殿が仰っていただろ?」
「答えて!!」
自分がコルヴォだということは、玉座の前でやり取りされている。
その場にいたので、セラフィーナもそれが分かっているはず。
なので、ジルベルトは受け流すように答えた。
それに対し、セラフィーナは立ち上がり、少し声を荒げて再度答えを求めてきた。
「「…………」」
睨むように見つめてくるセラフィーナ。
その反応に、ジルベルトも意味を理解する。
つまり、本人の口から答えを聞きたいということなのだろう。
「……そうだ。俺がコルヴォだ」
「っ!!」
ジルベルトが自分がコルヴォだと認めると、セラフィーナは怒りの表情からまた何を言っていいのか分からないというような表情へと変わってソファーへと腰を下ろした。
「何で……冒険者を……」
またソファーに座ったセラフィーナは、何から聞いていいのか分からないのか、声を漏らすように声を漏らす。
「3男の俺はそのうち家を出ることになる。追い出されるまでの間に次の方向性を見つけておく必要があった。そこで思いついたのは冒険者だ。しかし、貴族が冒険者となるとすぐに広まってしまう。だから仮面を被って登録することにした。名前ではなく魔力で本人確認できるから、冒険者登録の名前は基本自由にできた、だからコルヴォと言う名を付けた」
セラフィーナの問いに対し、ジルベルトは冒険者になった理由を説明し始める。
父や兄たちにバレないように資金稼ぎをしようとした時、ジルベルトの中で冒険者という選択が浮かんだ。
そもそも、先祖をたどればカスタール家は元冒険者が起こした家だ。
ロタリア王国建国の際、初代国王を助けた功績を認められて貴族になったのが初代だ。
それを知っているからこそ、冒険者を選ぶことになったのかもしれない。
冒険者になるのは簡単だ。
少しの資金を払い、ギルドに登録してもらえばいいだけの話だからだ。
容姿は関係ないため仮面を被っていても構わないし、冒険者カードでランクや本人確認ができるため、名前もおかしな名前でもない限り何でもありだ。
貴族とバレずに行動するのにも冒険者というのは都合が良かったため、ジルベルトことコルヴォという冒険者が誕生したのだ。
「まぁ、俺は父や兄たちに疎まれていたから、S級になっても自分から出ていくのが癪に触って追い出されるまで居座っていたけど……」
最初は冒険者として食べていけるようになれば、成人(15歳)を機に家を出るつもりだった。
実力もあったことから、ジルベルトはそれほど時間がかからないうちにある程度の資金を稼げるようになった。
いつでも家を出ていけるようになると、出ていくと言ったら父たちが喜びそうな気がして何だか気に入らなくなり、せめてもの嫌がらせとしてワザと居座ってやった。
「居座っていたら君と婚約することになった」
「…………、そう……」
いつでも出ていけるから、父たちから嫌味を言われても気にしない。
何を言っても応えないから、父たちも放置するようになった。
それが3年続いて、婿へ行けと言われるようになったのだ。
疑問だった冒険者になった理由を聞いていると、セラフィーナは落ち着いてきたのか静かに聞いていた。
「どうやってS級の実力を……?」
「俺が祖父に似ていたからだ。父に疎まれる理由もそれだろう」
「……? どうして?」
冒険者になるのは簡単だというのはセラフィーナにも分かる。
しかし、だからといってS級なんてそう簡単になれるものではない。
貴族だから何かしらの教育を受けていたのだろうが、だからといってS級になるのは相当な才能がないとできないことのため、セラフィーナはその力の源が気になって問いかけた。
しかし、その問いに対するジルベルトの答えに、セラフィーナは首を傾げた。
何故祖父に似ているだけで疎まれることになったのだろうか。
「君も知っているかもしれないが、祖父は君の祖父と比肩する程の実力の持ち主だった。それに比べて父は平凡。よく言えば平凡よりやや上といったところだろう。父は祖父の子供と言うことでいつも周囲に比べられてコンプレックスを持っていた。生まれた兄たちは自分と似ている上に同等程度の才能だったため安堵していたが、最後に生まれた俺は祖父そっくりの髪と目の色をしていて気に入らなかったようだ」
ジルベルトの祖父とセラフィーナの祖父は、仲が良くなかったが実力は認め合っていた。
仲が良くない理由は、国内最強の武力を競い合っていたからだ。
そんな祖父の息子に生まれたネルチーゾは、はっきり言って平凡。
要はどんなに頑張っても勝てなかった父親と似た息子が生まれたため、トラウマを刺激してしまったということだ。
母は元々体が弱いのを無理して自分を産んだため、物心ついてすぐに亡くなったというのも要因の1つだが、1番の要因といえばやはりそれだろう。
兄たちが弟のジルベルトを疎んでいたのは、単純に父の影響だ。
父が辛く当たるから、同じように対応していただけだろう。
「何でローゲン領を助けるように動いていたの? 私は何も知らずにあなたを邸に放置して、関わらないようにしてきたっていうのに……」
「う~ん……望まれていない婿とは言っても、俺はローゲン領の人間だからかな」
「…………」
ジルベルトが強く、冒険者になった理由は分かった。
しかし、最初からジルベルトのことを知ろうともせずに放置したというのに、何故コルヴォとして次々とローゲン領内の問題を解決していたのか分からず、セラフィーナはその理由を聞きたくなった。
それに対し、ジルベルトはあまり深く考えていないかのように返答する。
結婚をしたと言ってもほぼ偽装夫婦。
にもかかわらず、ジルベルトが当然のことのように返答してきたことに、セラフィーナは無言で俯いてしまった。
「さて、以上だが……どうする?」
「…………? どうするって?」
結婚してようやく今ジルベルトのことを知ることになった。
色々と頭が整理できていないが、ひとまず聞きたいことは聞けたと思う。
そんなセラフィーナに、ジルベルトは脈略もなく問いかけてきた。
その意味が分からず、セラフィーナは思わず質問をし返した。
「今回ローゲン領内を暗躍していた貴族は父と兄たちだった。その犯人を捕まえたのはコルヴォである自分だが、俺はあの父の息子に変わりはない。しかも妻である君をずっとだましていたような人間だ……」
奥さんの領地で犯行を犯している者をコルヴォとして犯人を捕まえてみたら、黒幕は自分の父だった。
仲が悪いと言っても、自分はその父と血が繋がっている。
これから先、夫婦でいたら何かと問題が起きるかもしれない。
「つまり……、離縁をするかどうかだ」
「離縁……」
ジルベルトが聞きたかったことは、これから問題が起きた時にセラフィーナに迷惑が及ばないように、離縁をするかどうかという問いだった。
「そう……」
王であるロマーノに呼び止められたジルベルトを城内に置いて、セラフィーナは王都にあるローゲン家の別邸に戻っていた。
色々なことで頭がぐしゃぐしゃになっていたが、こんな時でも領地に関する書類仕事をしなければならないのは救いだったかもしれない。
仕事をしていたら、なんとか気持ちを落ち着かせることができた。
その仕事も一段落着いたところで、スチュアートが執務室に入室し、ジルベルトの帰宅を知らせてきた。
それを聞いて、セラフィーナはリビングルームへと足を運んだ。
「おかえりなさい……」
「……ただいま」
セラフィーナがリビングルームへ着くと、スチュアートの案内によってジルベルトが先に到着していた。
ソファーに座っているジルベルトに声をかけて、セラフィーナは対面へと座り、ジルベルトは変な間を空けて返答した。
返答に間が空いたのは、単純にセラフィーナの表情が問題だからだ。
「…………」
「どうした? 百面相をして……」
「~~っ!!」
眉間にしわを寄せて何か言おうとしてやめる。
逆に今度は眉を下げて何か言おうとしてやめる。
目の前に座るセラフィーナに、ジルベルトは思わず問いかけた。
そのツッコミを受け、セラフィーナは顔を赤くして俯いてしまった。
「……本当にあなたがコルヴォなの?」
「宰相殿が仰っていただろ?」
「答えて!!」
自分がコルヴォだということは、玉座の前でやり取りされている。
その場にいたので、セラフィーナもそれが分かっているはず。
なので、ジルベルトは受け流すように答えた。
それに対し、セラフィーナは立ち上がり、少し声を荒げて再度答えを求めてきた。
「「…………」」
睨むように見つめてくるセラフィーナ。
その反応に、ジルベルトも意味を理解する。
つまり、本人の口から答えを聞きたいということなのだろう。
「……そうだ。俺がコルヴォだ」
「っ!!」
ジルベルトが自分がコルヴォだと認めると、セラフィーナは怒りの表情からまた何を言っていいのか分からないというような表情へと変わってソファーへと腰を下ろした。
「何で……冒険者を……」
またソファーに座ったセラフィーナは、何から聞いていいのか分からないのか、声を漏らすように声を漏らす。
「3男の俺はそのうち家を出ることになる。追い出されるまでの間に次の方向性を見つけておく必要があった。そこで思いついたのは冒険者だ。しかし、貴族が冒険者となるとすぐに広まってしまう。だから仮面を被って登録することにした。名前ではなく魔力で本人確認できるから、冒険者登録の名前は基本自由にできた、だからコルヴォと言う名を付けた」
セラフィーナの問いに対し、ジルベルトは冒険者になった理由を説明し始める。
父や兄たちにバレないように資金稼ぎをしようとした時、ジルベルトの中で冒険者という選択が浮かんだ。
そもそも、先祖をたどればカスタール家は元冒険者が起こした家だ。
ロタリア王国建国の際、初代国王を助けた功績を認められて貴族になったのが初代だ。
それを知っているからこそ、冒険者を選ぶことになったのかもしれない。
冒険者になるのは簡単だ。
少しの資金を払い、ギルドに登録してもらえばいいだけの話だからだ。
容姿は関係ないため仮面を被っていても構わないし、冒険者カードでランクや本人確認ができるため、名前もおかしな名前でもない限り何でもありだ。
貴族とバレずに行動するのにも冒険者というのは都合が良かったため、ジルベルトことコルヴォという冒険者が誕生したのだ。
「まぁ、俺は父や兄たちに疎まれていたから、S級になっても自分から出ていくのが癪に触って追い出されるまで居座っていたけど……」
最初は冒険者として食べていけるようになれば、成人(15歳)を機に家を出るつもりだった。
実力もあったことから、ジルベルトはそれほど時間がかからないうちにある程度の資金を稼げるようになった。
いつでも家を出ていけるようになると、出ていくと言ったら父たちが喜びそうな気がして何だか気に入らなくなり、せめてもの嫌がらせとしてワザと居座ってやった。
「居座っていたら君と婚約することになった」
「…………、そう……」
いつでも出ていけるから、父たちから嫌味を言われても気にしない。
何を言っても応えないから、父たちも放置するようになった。
それが3年続いて、婿へ行けと言われるようになったのだ。
疑問だった冒険者になった理由を聞いていると、セラフィーナは落ち着いてきたのか静かに聞いていた。
「どうやってS級の実力を……?」
「俺が祖父に似ていたからだ。父に疎まれる理由もそれだろう」
「……? どうして?」
冒険者になるのは簡単だというのはセラフィーナにも分かる。
しかし、だからといってS級なんてそう簡単になれるものではない。
貴族だから何かしらの教育を受けていたのだろうが、だからといってS級になるのは相当な才能がないとできないことのため、セラフィーナはその力の源が気になって問いかけた。
しかし、その問いに対するジルベルトの答えに、セラフィーナは首を傾げた。
何故祖父に似ているだけで疎まれることになったのだろうか。
「君も知っているかもしれないが、祖父は君の祖父と比肩する程の実力の持ち主だった。それに比べて父は平凡。よく言えば平凡よりやや上といったところだろう。父は祖父の子供と言うことでいつも周囲に比べられてコンプレックスを持っていた。生まれた兄たちは自分と似ている上に同等程度の才能だったため安堵していたが、最後に生まれた俺は祖父そっくりの髪と目の色をしていて気に入らなかったようだ」
ジルベルトの祖父とセラフィーナの祖父は、仲が良くなかったが実力は認め合っていた。
仲が良くない理由は、国内最強の武力を競い合っていたからだ。
そんな祖父の息子に生まれたネルチーゾは、はっきり言って平凡。
要はどんなに頑張っても勝てなかった父親と似た息子が生まれたため、トラウマを刺激してしまったということだ。
母は元々体が弱いのを無理して自分を産んだため、物心ついてすぐに亡くなったというのも要因の1つだが、1番の要因といえばやはりそれだろう。
兄たちが弟のジルベルトを疎んでいたのは、単純に父の影響だ。
父が辛く当たるから、同じように対応していただけだろう。
「何でローゲン領を助けるように動いていたの? 私は何も知らずにあなたを邸に放置して、関わらないようにしてきたっていうのに……」
「う~ん……望まれていない婿とは言っても、俺はローゲン領の人間だからかな」
「…………」
ジルベルトが強く、冒険者になった理由は分かった。
しかし、最初からジルベルトのことを知ろうともせずに放置したというのに、何故コルヴォとして次々とローゲン領内の問題を解決していたのか分からず、セラフィーナはその理由を聞きたくなった。
それに対し、ジルベルトはあまり深く考えていないかのように返答する。
結婚をしたと言ってもほぼ偽装夫婦。
にもかかわらず、ジルベルトが当然のことのように返答してきたことに、セラフィーナは無言で俯いてしまった。
「さて、以上だが……どうする?」
「…………? どうするって?」
結婚してようやく今ジルベルトのことを知ることになった。
色々と頭が整理できていないが、ひとまず聞きたいことは聞けたと思う。
そんなセラフィーナに、ジルベルトは脈略もなく問いかけてきた。
その意味が分からず、セラフィーナは思わず質問をし返した。
「今回ローゲン領内を暗躍していた貴族は父と兄たちだった。その犯人を捕まえたのはコルヴォである自分だが、俺はあの父の息子に変わりはない。しかも妻である君をずっとだましていたような人間だ……」
奥さんの領地で犯行を犯している者をコルヴォとして犯人を捕まえてみたら、黒幕は自分の父だった。
仲が悪いと言っても、自分はその父と血が繋がっている。
これから先、夫婦でいたら何かと問題が起きるかもしれない。
「つまり……、離縁をするかどうかだ」
「離縁……」
ジルベルトが聞きたかったことは、これから問題が起きた時にセラフィーナに迷惑が及ばないように、離縁をするかどうかという問いだった。
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