15 / 33
第15話
しおりを挟む
「ハァ~……」
「……セラフィーナ様。いかがなさいましたか?」
いつものように執務室で書類仕事に精を出すセラフィーナが、仕事の手を一旦休めてため息を吐く。
今日何度目かになるため息に、執事のスチュアートは尋ねずにはいられなかった。
「何が?」
「ため息ばかり吐いておられますが……」
「えっ? そう?」
スチュアートの問いに、セラフィーナは何のことだか分からず首を傾げる。
問い返されたスチュアートは、ため息のことを指摘する。
どうやらため息を吐いている自覚がなかったらしく、セラフィーナは少し照れたように笑みを浮かべた。
「ここ最近頻繁にお見受けしますが、何か気にかかることでもございますか?」
「あると言えばあるけど、最近は色々あって少しは改善されたし……」
前当主の急死によって、突如成人したての少女が領主となった。
なりたての頃は、書類仕事も四苦八苦してため息を吐くことが多かった。
セラフィーナがため息を吐く理由を考えると、その時のことを思いだしたスチュアートはまず領地に関係することではないかと考えた。
しかし、その考えは違ったようだ。
ここ最近はシーハ村の魔物討伐や、不正奴隷売買の犯人捕縛といった問題事が立て続けに解決した。
それによって、僅かながらも町に活気が出て、領民の流出も一旦治まっている状況だ。
これを機に一気に赤字を解消したいところだが、セラフィーナの中には解決策が見つかっていないようだ。
「改善したのはコルヴォという冒険者によるものですね」
「えぇ……」
改善された理由をスチュアートも理解している。
突如ここヴィロッカの町に現れたS級冒険者のコルヴォ。
彼によって、シーハ村の魔物と不正奴隷売買の問題が解決されたことにより、セラフィーナの書類仕事が少し楽になったのだ。
「コルヴォ……」
コルヴォの名前が出た途端、セラフィーナの様子が変化する。
その変化はごくわずかで、生まれた時から側にいるスチュアートだからこそ分かるようなものだ。
「……どうなさいました?」
「えっ? 何でもないわ……」
「そうですか……」
変化が気になり、コルヴォについて何かあるのかと思って問いかけるが、首を左右に振って否定した。
しかし、その様子は何かを隠しているようなように見える。
「紅茶の替えをお持ちしますね」
「えぇ、お願い」
話を終えたかったのか、セラフィーナは書類仕事に戻った。
邪魔をする訳にもいかず、スチュアートは冷めてしまった紅茶の替えを持ってくることにし、執務室を一旦退室することにした。
『……お嬢様のあのお顔は、もしや……』
執務室を出てすぐ、スチュアートは先程のセラフィーナの変化に思考を巡らせる。
本人は否定していたが、何かあるのは明らか。
初めて見るようなセラフィーナの表情だったが、スチュワートはなんとなくその原因に思い至った。
「スチュアート殿」
「おぉ、ピエーロ殿」
スチュアートがセラフィーナの変化に思考を割いていたところ、横から声をかけれらた。
セラフィーナの婿であるジルベルトの従者として付いてきたピエーロだ。
「ギルマスのアルヴァ―ロ殿がいらっしゃいました」
「そうですか」
普段はジルベルトに関することでしか話しかけてくることがないので何事かと思って問いかけると、アルヴァ―ロの訪問を告げられた。
朝に訪問の報告を受けていたので、スチュアートは納得したように頷く。
「私は訪問をセラフィーナ様へと告げてきますので、アルヴァ―ロ殿を応接室へ案内してください」
「承りました」
一先ずセラフィーナの変化のことは置いていておいて、客人の相手をする尾が先だ。
ピエーロにアルヴァ―ロの案内を任せ、スチュアートはセラフィーナがいる執務室へと踵を返すことにした。
「何ですって!?」
「アラガート鉱山において、村長と村人の数人によって採掘量の虚偽報告、それと採掘鉱物の横流しをおこなっていたことが発覚しました」
応接室へと向かい簡単な挨拶をした後、セラフィーナはアルヴァ―ロから信じられないような報告を受けた。
驚くのも無理のない報告をしていると分かっているため、アルヴァ―ロも同じ報告をもう一度おこなった。
「領都から離れた田舎の地とはいっても、調査を頻繁におこなうべきでした」
「それは私の仕事よ。見抜けなかったのも私の失態だわ」
アルヴァ―ロから出された資料。
それにより、枯渇に近いと言われていたのとは全く違う採掘量の数値が記されていた。
しかも、いつの間にか村長宅が豪勢になっており、調査が来ても隠せるように地下施設まで作っているという周到さまでうかがえた。
冒険者が炭鉱に行くことなんて滅多にない。
それゆえに、おかしなことに気付かなかったことを、アルヴァ―ロは悔いるように呟く。
しかし、そう言った調査をおこなうのは領主の仕事。
調査員を送ることを怠って、村長の報告を疑わなかったのが失敗だった。
自分の失態に、セラフィーナは唇を噛んで悔しがった。
「こんなことをしていたなんて……」
アラガート鉱山の麓の村は、鉱山で働く炭鉱員のためにできた小さな村だ。
昔は少し賑わっていたが、採掘量が減るとそれに比例するように人が減っていった。
経費を削減するために犯罪奴隷を雇い、その指揮権を村長に任せたのだが、それによって採掘量を誤魔化すということができるようになってしまったようだ。
前領主である父が任命した村長であったため、信用していたのが失敗だったとセラフィーナは思い知ることになった。
「でも、これだけのこと村長だけではできないはず……」
「はい。不正奴隷売買の時と同様に、背後へ貴族がいないとできないことでしょう」
採掘量の誤魔化しはできるだろうが、それは売る相手がいないと意味がない。
背後に何者かいないとできないとセラフィーナが考えていると、アルヴァ―ロが正解を言うように答えた。
「背後の人間が調査員に対して送ったであろう暗殺者も捕縛しております」
「本当っ!?」
「えぇ」
不正奴隷売買の時のように、犯人を見つけても背後にいる人間にまで行き付けなければ、また何かしらの方法で闇に葬られてしまう可能性がある。
しかし、今回はその暗殺者までも捕まえたというのだから、背後にいる人間を突き詰めたも同じだ。
その報告を受け、セラフィーナは驚きで思わず立ち上がってしまった。
「捕まえた者の報告ですと、その暗殺者はモレーノとマルチャーノを殺した暗殺者のようです」
「っ!! どこかにうちの領を標的にした貴族がいるということね。許せない!」
捕縛前のやり取りで、コルヴォは不正奴隷売買をおこなっていたモレーノとマルチャーノを殺したのが今回捕まえた暗殺者だと考えた。
反応からいっても間違いではないだろう。
それはつまり、ローゲン領を標的にした貴族が、様々なことに関与しているということだ。
そのことが分かり、セラフィーナは怒りで強く拳を握った。
先祖代々の地を受け継ぎ、何とか次へと繋げようと思っていたのに、それがその貴族によって邪魔されていたのだから、腹を立てるのも仕方がない。
「捕まえた者たちを王都へ連れていき、背後にいる貴族を明らかにしましょう」
「はい!」
捕まえた犯人たちを調べ、その貴族のことを明るみにしないと、また手を出してくる可能性がある。
そのためには、調査員を派遣してもらうより、犯人たちを王都へ連れて行って、王家の直轄機関に聴取してもらうのが速い。
そう判断したセラフィーナは、冒険者ギルドの協力の下、犯人を王都へ連れていくことを決定した。
「ところで……今回犯人を捕縛したのは誰?」
「今回もコルヴォです」
「そう……」
こんなことができる人間は、セラフィーナの中では1人しか思い至らない。
そして確認の意味で問いかけると、アルヴァ―ロからは思った通りの名前が出た。
それを聞いて、セラフィーナは嬉しそうな笑みを浮かべたのだった。
「……セラフィーナ様。いかがなさいましたか?」
いつものように執務室で書類仕事に精を出すセラフィーナが、仕事の手を一旦休めてため息を吐く。
今日何度目かになるため息に、執事のスチュアートは尋ねずにはいられなかった。
「何が?」
「ため息ばかり吐いておられますが……」
「えっ? そう?」
スチュアートの問いに、セラフィーナは何のことだか分からず首を傾げる。
問い返されたスチュアートは、ため息のことを指摘する。
どうやらため息を吐いている自覚がなかったらしく、セラフィーナは少し照れたように笑みを浮かべた。
「ここ最近頻繁にお見受けしますが、何か気にかかることでもございますか?」
「あると言えばあるけど、最近は色々あって少しは改善されたし……」
前当主の急死によって、突如成人したての少女が領主となった。
なりたての頃は、書類仕事も四苦八苦してため息を吐くことが多かった。
セラフィーナがため息を吐く理由を考えると、その時のことを思いだしたスチュアートはまず領地に関係することではないかと考えた。
しかし、その考えは違ったようだ。
ここ最近はシーハ村の魔物討伐や、不正奴隷売買の犯人捕縛といった問題事が立て続けに解決した。
それによって、僅かながらも町に活気が出て、領民の流出も一旦治まっている状況だ。
これを機に一気に赤字を解消したいところだが、セラフィーナの中には解決策が見つかっていないようだ。
「改善したのはコルヴォという冒険者によるものですね」
「えぇ……」
改善された理由をスチュアートも理解している。
突如ここヴィロッカの町に現れたS級冒険者のコルヴォ。
彼によって、シーハ村の魔物と不正奴隷売買の問題が解決されたことにより、セラフィーナの書類仕事が少し楽になったのだ。
「コルヴォ……」
コルヴォの名前が出た途端、セラフィーナの様子が変化する。
その変化はごくわずかで、生まれた時から側にいるスチュアートだからこそ分かるようなものだ。
「……どうなさいました?」
「えっ? 何でもないわ……」
「そうですか……」
変化が気になり、コルヴォについて何かあるのかと思って問いかけるが、首を左右に振って否定した。
しかし、その様子は何かを隠しているようなように見える。
「紅茶の替えをお持ちしますね」
「えぇ、お願い」
話を終えたかったのか、セラフィーナは書類仕事に戻った。
邪魔をする訳にもいかず、スチュアートは冷めてしまった紅茶の替えを持ってくることにし、執務室を一旦退室することにした。
『……お嬢様のあのお顔は、もしや……』
執務室を出てすぐ、スチュアートは先程のセラフィーナの変化に思考を巡らせる。
本人は否定していたが、何かあるのは明らか。
初めて見るようなセラフィーナの表情だったが、スチュワートはなんとなくその原因に思い至った。
「スチュアート殿」
「おぉ、ピエーロ殿」
スチュアートがセラフィーナの変化に思考を割いていたところ、横から声をかけれらた。
セラフィーナの婿であるジルベルトの従者として付いてきたピエーロだ。
「ギルマスのアルヴァ―ロ殿がいらっしゃいました」
「そうですか」
普段はジルベルトに関することでしか話しかけてくることがないので何事かと思って問いかけると、アルヴァ―ロの訪問を告げられた。
朝に訪問の報告を受けていたので、スチュアートは納得したように頷く。
「私は訪問をセラフィーナ様へと告げてきますので、アルヴァ―ロ殿を応接室へ案内してください」
「承りました」
一先ずセラフィーナの変化のことは置いていておいて、客人の相手をする尾が先だ。
ピエーロにアルヴァ―ロの案内を任せ、スチュアートはセラフィーナがいる執務室へと踵を返すことにした。
「何ですって!?」
「アラガート鉱山において、村長と村人の数人によって採掘量の虚偽報告、それと採掘鉱物の横流しをおこなっていたことが発覚しました」
応接室へと向かい簡単な挨拶をした後、セラフィーナはアルヴァ―ロから信じられないような報告を受けた。
驚くのも無理のない報告をしていると分かっているため、アルヴァ―ロも同じ報告をもう一度おこなった。
「領都から離れた田舎の地とはいっても、調査を頻繁におこなうべきでした」
「それは私の仕事よ。見抜けなかったのも私の失態だわ」
アルヴァ―ロから出された資料。
それにより、枯渇に近いと言われていたのとは全く違う採掘量の数値が記されていた。
しかも、いつの間にか村長宅が豪勢になっており、調査が来ても隠せるように地下施設まで作っているという周到さまでうかがえた。
冒険者が炭鉱に行くことなんて滅多にない。
それゆえに、おかしなことに気付かなかったことを、アルヴァ―ロは悔いるように呟く。
しかし、そう言った調査をおこなうのは領主の仕事。
調査員を送ることを怠って、村長の報告を疑わなかったのが失敗だった。
自分の失態に、セラフィーナは唇を噛んで悔しがった。
「こんなことをしていたなんて……」
アラガート鉱山の麓の村は、鉱山で働く炭鉱員のためにできた小さな村だ。
昔は少し賑わっていたが、採掘量が減るとそれに比例するように人が減っていった。
経費を削減するために犯罪奴隷を雇い、その指揮権を村長に任せたのだが、それによって採掘量を誤魔化すということができるようになってしまったようだ。
前領主である父が任命した村長であったため、信用していたのが失敗だったとセラフィーナは思い知ることになった。
「でも、これだけのこと村長だけではできないはず……」
「はい。不正奴隷売買の時と同様に、背後へ貴族がいないとできないことでしょう」
採掘量の誤魔化しはできるだろうが、それは売る相手がいないと意味がない。
背後に何者かいないとできないとセラフィーナが考えていると、アルヴァ―ロが正解を言うように答えた。
「背後の人間が調査員に対して送ったであろう暗殺者も捕縛しております」
「本当っ!?」
「えぇ」
不正奴隷売買の時のように、犯人を見つけても背後にいる人間にまで行き付けなければ、また何かしらの方法で闇に葬られてしまう可能性がある。
しかし、今回はその暗殺者までも捕まえたというのだから、背後にいる人間を突き詰めたも同じだ。
その報告を受け、セラフィーナは驚きで思わず立ち上がってしまった。
「捕まえた者の報告ですと、その暗殺者はモレーノとマルチャーノを殺した暗殺者のようです」
「っ!! どこかにうちの領を標的にした貴族がいるということね。許せない!」
捕縛前のやり取りで、コルヴォは不正奴隷売買をおこなっていたモレーノとマルチャーノを殺したのが今回捕まえた暗殺者だと考えた。
反応からいっても間違いではないだろう。
それはつまり、ローゲン領を標的にした貴族が、様々なことに関与しているということだ。
そのことが分かり、セラフィーナは怒りで強く拳を握った。
先祖代々の地を受け継ぎ、何とか次へと繋げようと思っていたのに、それがその貴族によって邪魔されていたのだから、腹を立てるのも仕方がない。
「捕まえた者たちを王都へ連れていき、背後にいる貴族を明らかにしましょう」
「はい!」
捕まえた犯人たちを調べ、その貴族のことを明るみにしないと、また手を出してくる可能性がある。
そのためには、調査員を派遣してもらうより、犯人たちを王都へ連れて行って、王家の直轄機関に聴取してもらうのが速い。
そう判断したセラフィーナは、冒険者ギルドの協力の下、犯人を王都へ連れていくことを決定した。
「ところで……今回犯人を捕縛したのは誰?」
「今回もコルヴォです」
「そう……」
こんなことができる人間は、セラフィーナの中では1人しか思い至らない。
そして確認の意味で問いかけると、アルヴァ―ロからは思った通りの名前が出た。
それを聞いて、セラフィーナは嬉しそうな笑みを浮かべたのだった。
0
お気に入りに追加
61
あなたにおすすめの小説
どうやら夫に疎まれているようなので、私はいなくなることにします
文野多咲
恋愛
秘めやかな空気が、寝台を囲う帳の内側に立ち込めていた。
夫であるゲルハルトがエレーヌを見下ろしている。
エレーヌの髪は乱れ、目はうるみ、体の奥は甘い熱で満ちている。エレーヌもまた、想いを込めて夫を見つめた。
「ゲルハルトさま、愛しています」
ゲルハルトはエレーヌをさも大切そうに撫でる。その手つきとは裏腹に、ぞっとするようなことを囁いてきた。
「エレーヌ、俺はあなたが憎い」
エレーヌは凍り付いた。
【完結】婚約者が好きなのです
maruko
恋愛
リリーベルの婚約者は誰にでも優しいオーラン・ドートル侯爵令息様。
でもそんな優しい婚約者がたった一人に対してだけ何故か冷たい。
冷たくされてるのはアリー・メーキリー侯爵令嬢。
彼の幼馴染だ。
そんなある日。偶然アリー様がこらえきれない涙を流すのを見てしまった。見つめる先には婚約者の姿。
私はどうすればいいのだろうか。
全34話(番外編含む)
※他サイトにも投稿しております
※1話〜4話までは文字数多めです
注)感想欄は全話読んでから閲覧ください(汗)
王妃の仕事なんて知りません、今から逃げます!
gacchi
恋愛
側妃を迎えるって、え?聞いてないよ?
王妃の仕事が大変でも頑張ってたのは、レオルドが好きだから。
国への責任感?そんなの無いよ。もういい。私、逃げるから!
12/16加筆修正したものをカクヨムに投稿しました。
いつかの空を見る日まで
たつみ
恋愛
皇命により皇太子の婚約者となったカサンドラ。皇太子は彼女に無関心だったが、彼女も皇太子には無関心。婚姻する気なんてさらさらなく、逃げることだけ考えている。忠実な従僕と逃げる準備を進めていたのだが、不用意にも、皇太子の彼女に対する好感度を上げてしまい、執着されるはめに。複雑な事情がある彼女に、逃亡中止は有り得ない。生きるも死ぬもどうでもいいが、皇宮にだけはいたくないと、従僕と2人、ついに逃亡を決行するのだが。
------------
復讐、逆転ものではありませんので、それをご期待のかたはご注意ください。
悲しい内容が苦手というかたは、特にご注意ください。
中世・近世の欧風な雰囲気ですが、それっぽいだけです。
どんな展開でも、どんと来いなかた向けかもしれません。
(うわあ…ぇう~…がはっ…ぇえぇ~…となるところもあります)
他サイトでも掲載しています。
平民から伯爵令嬢になりました
水無月 月
恋愛
お腹が減って倒れ、起きた時にはトロフェン伯爵家
トロフェン伯爵家の当主に「養子にならないか」と言われスラムから伯爵家へ
学園に通うと第二王子や辺境伯と仲が縮まり……
幼なじみの存在がわかったり
告白されたり
主人公 マーガレット・マリー・トロフェンの恋の行方はどうなるのか……
※良ければ感想を書いて欲しいです!
これは未来に続く婚約破棄
茂栖 もす
恋愛
男爵令嬢ことインチキ令嬢と蔑まれている私、ミリア・ホーレンスと、そこそこ名門のレオナード・ロフィは婚約した。……1ヶ月という期間限定で。
1ヶ月後には、私は大っ嫌いな貴族社会を飛び出して、海外へ移住する。
レオンは、家督を弟に譲り長年片思いしている平民の女性と駆け落ちをする………予定だ。
そう、私達にとって、この婚約期間は、お互いの目的を達成させるための準備期間。
私達の間には、恋も愛もない。
あるのは共犯者という連帯意識と、互いの境遇を励まし合う友情があるだけ。
※別PNで他サイトにも重複投稿しています。
愛など初めからありませんが。
ましろ
恋愛
お金で売られるように嫁がされた。
お相手はバツイチ子持ちの伯爵32歳。
「君は子供の面倒だけ見てくれればいい」
「要するに貴方様は幸せ家族の演技をしろと仰るのですよね?ですが、子供達にその様な演技力はありますでしょうか?」
「……何を言っている?」
仕事一筋の鈍感不器用夫に嫁いだミッシェルの未来はいかに?
✻基本ゆるふわ設定。箸休め程度に楽しんでいただけると幸いです。
【完結】試される愛の果て
野村にれ
恋愛
一つの爵位の差も大きいとされるデュラート王国。
スノー・レリリス伯爵令嬢は、恵まれた家庭環境とは言えず、
8歳の頃から家族と離れて、祖父母と暮らしていた。
8年後、学園に入学しなくてはならず、生家に戻ることになった。
その後、思いがけない相手から婚約を申し込まれることになるが、
それは喜ぶべき縁談ではなかった。
断ることなったはずが、相手と関わることによって、
知りたくもない思惑が明らかになっていく。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる