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クリスマスプレゼント
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来年小学生にあがる娘がいる
クリスマスになる1週間前に毎年恒例でサンタさんに手紙を書く娘
今年もサンタさんが入ってくるであろう窓際に手紙が置いていた。
何が欲しいのかなあと、妻と水玉がちりばめている便箋を破らないようにして
覗いてみたら、かわいい字でこう書いてあった。
『サンタさんへ
ママのガンがなおるくすりをください!
おねがいします』
妻と顔を見合わせて苦笑いしたけれど、
私は段々悲しくなってきて、震えそうになる手で手紙を元に戻した。
※
昨日の夜、娘が眠った後。
妻は娘が好きなポケモンの人形と、普通の粉薬の袋に
『ガンがなおるおくすり』と書いたものを置いていた。
※
朝になって新聞片手にコーヒーを飲んでいると2階から
「キャー!」
と娘の嬉しい叫び声が聞こえた。
ドタドタと階段を降りてくる音の方を見ると
手にはポケモンの人形はなく、薬をギュッと握っていた。
早速、台所にいる妻の元ヘ走って行き、
「ママ!見て!サンタさんからガンが治るお薬もらったの!早く飲んでみて!」
と言って、妻に薬を飲ませた。
妻が、
「わあ!この薬のおかげで体の調子が、段々と良くなってきたみたい」
「ああ!良かった~。これでママにランドセル姿や初めての小学校の運動会見に来てもらえる!私ねかっけっこで1位とるんだ!誰にも負けないように練習もしてるんだよ」
「ママにかっこいいところ見せるために」と言った。
そしたら妻は次第に顔を悲しく歪め、それから声を押し殺すようにして
「ぐっ、ぐうっ」
と泣き始めた。
私ももらい泣きしそうになったけれど、何とか泣かないようにコーヒーを無理やり飲み込んで態勢を整えた
ふしぎそうに妻の顔をのぞき込む娘に、
「薬の効き目で涙が出ているんだよ」
と言い訳をしていた。
その後、娘は近所の子の家にポケモンの人形を持って遊びに行った。
それを見届けた妻が、
「来年はあなたがサンタさんだね。娘はポケモンのなかでもイーブイが好きなのでもイーブイはいろんな種類に進化してね。覚えるの大変だと思うけど頑張ってね」
と言ったので、私はつい涙腺が緩み、大人げなく声を出して泣いてしまった。
クリスマスになる1週間前に毎年恒例でサンタさんに手紙を書く娘
今年もサンタさんが入ってくるであろう窓際に手紙が置いていた。
何が欲しいのかなあと、妻と水玉がちりばめている便箋を破らないようにして
覗いてみたら、かわいい字でこう書いてあった。
『サンタさんへ
ママのガンがなおるくすりをください!
おねがいします』
妻と顔を見合わせて苦笑いしたけれど、
私は段々悲しくなってきて、震えそうになる手で手紙を元に戻した。
※
昨日の夜、娘が眠った後。
妻は娘が好きなポケモンの人形と、普通の粉薬の袋に
『ガンがなおるおくすり』と書いたものを置いていた。
※
朝になって新聞片手にコーヒーを飲んでいると2階から
「キャー!」
と娘の嬉しい叫び声が聞こえた。
ドタドタと階段を降りてくる音の方を見ると
手にはポケモンの人形はなく、薬をギュッと握っていた。
早速、台所にいる妻の元ヘ走って行き、
「ママ!見て!サンタさんからガンが治るお薬もらったの!早く飲んでみて!」
と言って、妻に薬を飲ませた。
妻が、
「わあ!この薬のおかげで体の調子が、段々と良くなってきたみたい」
「ああ!良かった~。これでママにランドセル姿や初めての小学校の運動会見に来てもらえる!私ねかっけっこで1位とるんだ!誰にも負けないように練習もしてるんだよ」
「ママにかっこいいところ見せるために」と言った。
そしたら妻は次第に顔を悲しく歪め、それから声を押し殺すようにして
「ぐっ、ぐうっ」
と泣き始めた。
私ももらい泣きしそうになったけれど、何とか泣かないようにコーヒーを無理やり飲み込んで態勢を整えた
ふしぎそうに妻の顔をのぞき込む娘に、
「薬の効き目で涙が出ているんだよ」
と言い訳をしていた。
その後、娘は近所の子の家にポケモンの人形を持って遊びに行った。
それを見届けた妻が、
「来年はあなたがサンタさんだね。娘はポケモンのなかでもイーブイが好きなのでもイーブイはいろんな種類に進化してね。覚えるの大変だと思うけど頑張ってね」
と言ったので、私はつい涙腺が緩み、大人げなく声を出して泣いてしまった。
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