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エピソード2【天才科学者の兄妹】
【2】
しおりを挟む花梨はハルトより年上の30歳ちょうどの女性だが、2人にとって政府の人間の中では気軽に話せる数少ない存在の1人だった。
そして、3人の談笑が続く中、
ガチャ──
ドアが開き、見知らぬ1人の男が入ってきた。
(誰……? 見たことない人だな……)
ハルトは不思議がっている。
当然と言えば、当然かもしれない。
全く面識のない人間が、セキュリティーの厳しいこの部屋に普通に入ってきたからだ。
そして、ハルトは眉をしかめながら花梨の耳元に小声で話しかけた。
「花梨さん、この人は……?」
「私と同じで大臣の秘書なの。最近入ったんだけど、すっごい堅物で私も超やりにくいのよ」
「へ~、人付き合いのいい花梨さんが、扱いに困るなんて珍しいですね」
ハルトはこの男に、一気に興味津々だ。
だが、そんな様子に気づくことなく、男は花梨に対して丁寧に一礼し、
「大臣はすぐに来られると思います。もうしばらくお待ちください」
実に礼儀正しい振る舞いを披露。
三ツ星ホテルの支配人のような雰囲気をかもしだしている。
さらに、変わらず丁寧な口調で、
「花梨さん、この方たちは? 初めてお目にかかりましたが……」
と、尋ねてきた。
そう。
男のほうも、ハルトとレイナの正体が気になっていた。
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