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エピソード1【二重丸の違い】
【1】
しおりを挟む──2年後。
オレンジ色の光が反射する夕暮れ時の町並み。
そこから少し離れた所に、ひっそりとした公園がある。
かなり広い公園。
軽く野球場ぐらいの敷地はある。
中央に古びた池があり、勝手に住みついた鯉や亀がたむろしている。
その周りには、緑が生い茂る大木がいっぱい。
その場所に、2人の女が、銃を握りしめた黒いシャツの男に追われ、息を切らし飛び込んで来た。
黒いシャツの男の名は、左京。
2人の女は、真剣に左京に訴え始める。
「私は人間よ! アンドロイドはこいつよ! 私はただ巻き込まれただけなのよ!」
「何言ってんの! 私が人間よ!」
どちらも、自分が人間だと主張している。
左京も、反撃するように大声を張り上げた。
「うるせえ! 銀行を襲って人間を殺したアンドロイドはどっちだ!」
「「こいつよ!」」
自分はアンドロイドじゃないと、息を荒げ叫ぶ2人の女。
このままでは見分けがつかない。
そう思った左京は、銀色に染められた長い髪をなびかせ、2人に向かってそれぞれに手帳とペンを放り投げる。
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