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プロローグ【気まぐれな美しさ】
【7】
しおりを挟む「よし、ジュリアにしよう!」
「ジュリア?」
「うん! 花言葉は『気まぐれな美しさ』っていうんだ。どう??」
「……」
喜びが、全身からにじみ出ているハルト。
しかし、女性は腕を組んだまま、眉をしかめていた。
(気まぐれな美しさ……って、それって褒めてルノカ……?? 微妙な言い回しダナ……)
女性は『気まぐれ』という部分に引っかかっていた。
少しの間、髪をかきあげながら、その意味を考える。
──だが。
「あっ……気にいらなかった……?」
「ン……あっ、イヤ……」
(マア、いいか……せっかく、考えてくれたんダシ……)
不安そうに尋ねてくるハルトを気遣い、女性はにっこり微笑み返事をした。
「イヤ……いい名前ダナ」
「本当!?」
(よしっ!)
おもわず、ガッツポーズをするハルト。
アンドロイドの心遣いには、全く気がついていないようだ。
そして、この瞬間、ハルトが作った『最高に人間に近いアンドロイド第1号』の名前は『ジュリア』に決定。
美しい風貌に、たまに汚い言葉遣い。
周りの面倒見がよさそうなお姉さん系の雰囲気は『気まぐれな美しさ』というのが意外と合っているのかもしれない。
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