俺とあいつと貯金箱【短編】

ジェリージュンジュン

文字の大きさ
上 下
10 / 20

しおりを挟む



──2時間後。


 「いや~ん、テレビってほんと超楽しい~」

ジェリックは、相変わらずバラエティー番組に夢中。
 長年住んでいる我が家のように、ゆったりとくつろいでいた。

もう時計の針は、午前1時を回っていた。

 明日も仕事があるから、布団に入り早めに寝ようと思っていたが、いまだに寝つけない。
 別に、ジェリックのテレビの音が原因じゃない。
 実は、ゴミを捨てに行ってから、俺はずっと考え事をしていた。

 「何かが引っかかるな……」

 手元には、自販機の返却口にあった25円。
これを俺はずっと眺めていた。
ジュースの自販機で、返却口に10円玉があるのは理解できるが、5円玉まであるのは、なかなか珍しい。

 何だろう。
 何かすごく気になるな。

 「あっ、もしかして……」

すると、やがて一つの考えが浮かんだ。
 確か、ジェリックは貯金箱に魔法をかけた時、こんなことを言っていた。


 《いずれは自分に返ってくるわよ。幸せ2倍、全てが2倍。幸せを掴むため、今日から貯金ライフを始めましょうね!》


 自分に……返ってくる……


「あっ」

 俺はピンとひらめいた。
もし、これが本当なら合点がいく。

 「えっと……」

 最初に、貯金箱に百円を入れた。
すると、牛丼屋のスクラッチで、50円の割引きになった。
そして、次に貯金箱に50円を入れた時は、自販機の返却口に25円入っていた。
そう。

 『半分』

 2つとも、貯金箱に入れた金額のちょうど半分が返ってきている。
ということは、あの貯金箱に入れた額の半分が返ってくるんじゃないだろうか。

 「なあ、ジェリック」

 俺は急いでベッドから立ち上がり尋ねた。

 「この貯金箱って、入れた分の半分が返ってくるんじゃないの?」
 「ピンポ~ン!」

ジェリックはニコッと笑った。

 「よく分かったわね! まあ、現金で返ってくるってわけじゃないけどね」

さらに、拍手をし始める。

 「じゃあ、どんどん貯金をしてみましょ~!お金を支配して幸せを手に入れるのよ~!」

また、ジェリックの踊りが始まった。

どうもテンションがあがると、自然と踊り出すらしい。



しおりを挟む
感想 0

あなたにおすすめの小説

婚約破棄?一体何のお話ですか?

リヴァルナ
ファンタジー
なんだかざまぁ(?)系が書きたかったので書いてみました。 エルバルド学園卒業記念パーティー。 それも終わりに近付いた頃、ある事件が起こる… ※エブリスタさんでも投稿しています

人生を共にしてほしい、そう言った最愛の人は不倫をしました。

松茸
恋愛
どうか僕と人生を共にしてほしい。 そう言われてのぼせ上った私は、侯爵令息の彼との結婚に踏み切る。 しかし結婚して一年、彼は私を愛さず、別の女性と不倫をした。

百合ランジェリーカフェにようこそ!

楠富 つかさ
青春
 主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?  ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!! ※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。 表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

サンタクロースが寝ている間にやってくる、本当の理由

フルーツパフェ
大衆娯楽
 クリスマスイブの聖夜、子供達が寝静まった頃。  トナカイに牽かせたそりと共に、サンタクロースは町中の子供達の家を訪れる。  いかなる家庭の子供も平等に、そしてプレゼントを無償で渡すこの老人はしかしなぜ、子供達が寝静まった頃に現れるのだろうか。  考えてみれば、サンタクロースが何者かを説明できる大人はどれだけいるだろう。  赤い服に白髭、トナカイのそり――知っていることと言えば、せいぜいその程度の外見的特徴だろう。  言い換えればそれに当てはまる存在は全て、サンタクロースということになる。  たとえ、その心の奥底に邪心を孕んでいたとしても。

悪意のパーティー《完結》

アーエル
ファンタジー
私が目を覚ましたのは王城で行われたパーティーで毒を盛られてから1年になろうかという時期でした。 ある意味でダークな内容です ‪☆他社でも公開

冷遇妻に家を売り払われていた男の裁判

七辻ゆゆ
ファンタジー
婚姻後すぐに妻を放置した男が二年ぶりに帰ると、家はなくなっていた。 「では開廷いたします」 家には10億の価値があったと主張し、妻に離縁と損害賠償を求める男。妻の口からは二年の事実が語られていく。

処理中です...