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エキドナの呪い編

参加できない誕生会

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 コンコンッ

 扉を叩く音で目を覚ました。
 どうやら僕は眠ってしまったらしい。
 カーテンの隙間からは真っ暗な夜空が見える。
 夜まで寝てしまったんだ。

 コンコンコンッ

「カルマさん、いらっしゃいますか?」
「はいっ」

 ん?この声は....?

「ごきげんよう、カルマさん。前の約束を果たしに来ましたわ」
「お、おお、王女様っ?!!!」

 長い白髪を靡かせて、僕の部屋に入ってきたのはフリーシア王女だった。
 もちろん、あの紫髪の少女も一緒だ。

「ど、どうしてここに...」
「今日はアリアさんの誕生会だというのに、貴方の姿が見えないと思い、オルト公に聞いたのですわ」
「でも、よくここがわかりましたね」
「執事の女性が快く教えてくださいましたわ」

 ああ、リナのことだ、きっと...。

「そ、それで約束って?」
「あら、お忘れですか?またの機会にお喋りしましょうと言ったでは無いですか」

 あー、そういえば、ティアの屋敷で会った時に言っていたような....。

「ごめんなさい、あの時は人に酔ってしまってあんまり覚えてないんです...」
「そうでしたか。でも約束しましたっ。今宵はゆっくりとお喋りしましょ?」

 約束してしまったものは仕方ない。
 どうせ、独りでする事もなくて、暇を持て余してたんだから。

「いいですよ」
「うふふ。では、そーですね...。あの日はなぜ王城に?」

 あの日と言うと、2人を初めて見かけたときかな...。

「あの日は王様に会いに...」
「父上に?」
「はい....。知っていると思いますがーーー」

 それから、僕と王女は更けた夜が更に更けるまで、話し続けた。
 以外にも、僕たちは話が合った。
 下民と王女だというのに、それを知ったらどう思われるのだろう。
 そんな下らない考えが掻き消える程、楽しい時間だった。

 コンコンコンッ

「はいっ」
「失礼します。そろそろ皆様、お帰りになられています」

 どうやら、リナが王女を呼びに来たようだ。

「あら、そうですか。少し名残惜しいですが、今日はここまでですね。カルマさん、今度は王城に来て下さいな。お茶でもしながらごゆっくりとお話しましょっ」
「は、はい、ぜひっ」
「では、失礼致しますわ」

 王女は丁寧なお辞儀を見せて、部屋から去っていった。

 それにしても、本当に一瞬のような出来事だった。
 また話をしてもいいかも。
 でも王城に行くのはちょっと...。
 まぁ、その内また話す機会があるでしょ。

「.....」

 また、独りになってしまった。
 ずっと寝てたから多分寝れないだろし、竜力の特訓でもしようかな。

 シキ?

『ああ』


 次の日の披露宴にも欠席し、ひたすら竜力の特訓に費やした。
 後日、アリアからどうして来てくれなかったの?!と責められ喧嘩になったが、なんとか仲直りをして、日常に戻ることが出来た。
 オルトさんとは少し気まずい日が続いたが、少しずつ関係は改善していった。
 1ヶ月も経つ頃にはお互い普段通りに接していた。
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