52 / 57
52 授業開始
しおりを挟む
入学式の翌日から授業が始まった。
騎士科コースの授業はまずは校内での基礎訓練が中心だ。
体力作りに始まり、剣の扱い方などが行われる。
今まで家でも剣の訓練はしてきていたが、本格的に騎士の訓練をすることで楽しみにしていたことがある。
それは、実際に鎧兜を身につけるということだ。
前世のゲームイラストで見たような鎧兜を身につけるのだ。
これがテンションが上がらずにいられようか。
体力作りのためのランニングを終えた僕達は、そのまま校庭に並んで鎧兜作りのレクチャーを受けた。
鎧兜を作るのは自分の魔力を込めた碁石くらいの大きさの鉱石を使用する。
この鉱石については予め用意してくるように言われていたものだ。
自分の魔力と相性の良い鉱石を選んで持って来るように言われていた。
教師の指導の元、その鉱石に魔力を注いでいくと、魔力が満たされた瞬間、眩く輝いた。
後は鉱石を握りしめて自分のイメージした鎧兜を思い描くと、全身を鎧兜が覆っているというわけだ。
ウルト○マンとか仮面○イダーの変身みたいな感じだな。
流石に変身ポーズはとらないけどね。
皆、思い思いのデザインの鎧兜姿になっている。
金属で全身を覆っているのに全く重さを感じない。
某ミュージカルの甲冑は重さが10キロ以上あるって聞いたっけ。
最もあれは階段落ちをするからプロテクターの役目もあるからね。
それに比べてこんなに軽くていいのかなと思ってしまう。
軽いけれど作りはかっちりしているので、多少動きづらさはある。
これは訓練で慣れていくしかないだろう。
鎧兜を身に着けたまま、剣を抜く。
これだけで一人前の騎士になれたような気分になってくるから不思議だ。
そのまま皆で剣を振る練習を繰り返す。
まだまだ動きがぎこちないのが自分でもわかる。
「鎧兜を身に着けているからと言って、動きが緩慢になっては自分の身すら守れないぞ。もっと柔軟に動けるようにしろ!」
僕達の動きの鈍さに教師の怒号が飛ぶ。
それに便乗するようにアーサーもちゃちゃを入れてきた。
「何だ何だ、そのへっぴり腰は! ちゃんと私を振らないか!」
「うるさい! 悪目立ちするから少しは黙ってろ!」
周りに聞こえないように小声で怒鳴り返す。
僕が剣であるアーサーと喋っているなんて知られたくない。
鎧兜は重くはないのに動きづらさで僕達は息も絶え絶えになっている。
「よし! 休憩!」
一時間くらい体を動かしたところで、休憩を告げられ僕達はほっと息を吐いた。
しかし鎧を付けたままでは椅子に座る事もままならない。
鎧のデザインを少し変えて椅子に座りやすいように変化させて腰掛ける。
他の学生もそれに気付いてそれぞれに自分の鎧を変化させて休憩を取っていた。
そこで僕はふと以前公爵領で出会った騎士団を思い出した。
彼等は鎧兜のままで馬に乗っていたはずだ。
これで馬にも乗れるようにならないといけないのか。
僕はそのことを考えてげんなりした。
午後からはやはり乗馬の訓練だった。
午前中と同じように鎧兜を身に着けての乗馬となった。
一応馬には乗れるけれど、まだ並足くらいしか出来ない。
こんな事ならもう少し真面目に乗馬の訓練をしておくんだったな。
今更どうこう言っても始まらない。
僕は他の学生達に置いて行かれないように必死に食らいついていった。
…家に帰ったら乗馬の訓練だな。
ようやく授業が終わり、帰り支度をしているとクリスが近寄って来た。
「やぁ、ジェレミー。随分と疲れているみたいだね。騎士の訓練はそんなにハードだったのかな?」
これはまた今日も王宮につきあわされるパターンなんだろうか。
そんな考えがどうやら顔に出ていたらしく、クリスがプッと吹き出した。
「そんな顔をしなくても今日は一緒には帰らないよ。授業量も増えて来たからね。それじゃまた明日」
クリスは僕にそう告げると護衛騎士を従えて教室を出ていった。
僕はどうも父上と違って顔に出やすいみたいだな。
平民ならともかく貴族としてはあまり褒められたものではないだろう。
もうちょっとポーカーフェイスが出来るようにならないとね。
クリスの後に続くように僕も教室を出て馬車の搭乗口へと向かった。
既に公爵家の馬車が待機している。
僕は馬車に乗り込むと、続いて乗り込んできた家令補佐に告げた。
「屋敷に戻ったら乗馬の準備をしておいてくれる?」
僕の突然の申し出にも彼は眉一つ動かさずに即答した。
「かしこまりました。屋敷に着きましたらすぐに手配いたします」
流石は公爵家の家令補佐だな。
僕よりよほどポーカーフェイスが出来てるよ。
程なくして馬車が公爵家に到着し、使用人が出迎える中、屋敷へと入る。
家令補佐の指示にあちこちへと使用人が動き出す中、一旦自室へと戻る。
乗馬の出来る衣装に着換えながら待っていると、思っていたより早く家令補佐が呼びに来た。
「ジェレミー様。準備が整いました」
「随分と早かったね」
あまりの早さに僕が驚きの声をあげると家令補佐は少し微笑んで答えた。
「今朝、公爵様が予め準備をしておくようにと告げられたそうです。『今日は帰ったら乗馬の訓練をしたがるだろう』と」
どうやら父上には僕が乗馬の訓練をサボりがちだったのがバレバレだったようだ。
やはり父上には敵わないな。
騎士科コースの授業はまずは校内での基礎訓練が中心だ。
体力作りに始まり、剣の扱い方などが行われる。
今まで家でも剣の訓練はしてきていたが、本格的に騎士の訓練をすることで楽しみにしていたことがある。
それは、実際に鎧兜を身につけるということだ。
前世のゲームイラストで見たような鎧兜を身につけるのだ。
これがテンションが上がらずにいられようか。
体力作りのためのランニングを終えた僕達は、そのまま校庭に並んで鎧兜作りのレクチャーを受けた。
鎧兜を作るのは自分の魔力を込めた碁石くらいの大きさの鉱石を使用する。
この鉱石については予め用意してくるように言われていたものだ。
自分の魔力と相性の良い鉱石を選んで持って来るように言われていた。
教師の指導の元、その鉱石に魔力を注いでいくと、魔力が満たされた瞬間、眩く輝いた。
後は鉱石を握りしめて自分のイメージした鎧兜を思い描くと、全身を鎧兜が覆っているというわけだ。
ウルト○マンとか仮面○イダーの変身みたいな感じだな。
流石に変身ポーズはとらないけどね。
皆、思い思いのデザインの鎧兜姿になっている。
金属で全身を覆っているのに全く重さを感じない。
某ミュージカルの甲冑は重さが10キロ以上あるって聞いたっけ。
最もあれは階段落ちをするからプロテクターの役目もあるからね。
それに比べてこんなに軽くていいのかなと思ってしまう。
軽いけれど作りはかっちりしているので、多少動きづらさはある。
これは訓練で慣れていくしかないだろう。
鎧兜を身に着けたまま、剣を抜く。
これだけで一人前の騎士になれたような気分になってくるから不思議だ。
そのまま皆で剣を振る練習を繰り返す。
まだまだ動きがぎこちないのが自分でもわかる。
「鎧兜を身に着けているからと言って、動きが緩慢になっては自分の身すら守れないぞ。もっと柔軟に動けるようにしろ!」
僕達の動きの鈍さに教師の怒号が飛ぶ。
それに便乗するようにアーサーもちゃちゃを入れてきた。
「何だ何だ、そのへっぴり腰は! ちゃんと私を振らないか!」
「うるさい! 悪目立ちするから少しは黙ってろ!」
周りに聞こえないように小声で怒鳴り返す。
僕が剣であるアーサーと喋っているなんて知られたくない。
鎧兜は重くはないのに動きづらさで僕達は息も絶え絶えになっている。
「よし! 休憩!」
一時間くらい体を動かしたところで、休憩を告げられ僕達はほっと息を吐いた。
しかし鎧を付けたままでは椅子に座る事もままならない。
鎧のデザインを少し変えて椅子に座りやすいように変化させて腰掛ける。
他の学生もそれに気付いてそれぞれに自分の鎧を変化させて休憩を取っていた。
そこで僕はふと以前公爵領で出会った騎士団を思い出した。
彼等は鎧兜のままで馬に乗っていたはずだ。
これで馬にも乗れるようにならないといけないのか。
僕はそのことを考えてげんなりした。
午後からはやはり乗馬の訓練だった。
午前中と同じように鎧兜を身に着けての乗馬となった。
一応馬には乗れるけれど、まだ並足くらいしか出来ない。
こんな事ならもう少し真面目に乗馬の訓練をしておくんだったな。
今更どうこう言っても始まらない。
僕は他の学生達に置いて行かれないように必死に食らいついていった。
…家に帰ったら乗馬の訓練だな。
ようやく授業が終わり、帰り支度をしているとクリスが近寄って来た。
「やぁ、ジェレミー。随分と疲れているみたいだね。騎士の訓練はそんなにハードだったのかな?」
これはまた今日も王宮につきあわされるパターンなんだろうか。
そんな考えがどうやら顔に出ていたらしく、クリスがプッと吹き出した。
「そんな顔をしなくても今日は一緒には帰らないよ。授業量も増えて来たからね。それじゃまた明日」
クリスは僕にそう告げると護衛騎士を従えて教室を出ていった。
僕はどうも父上と違って顔に出やすいみたいだな。
平民ならともかく貴族としてはあまり褒められたものではないだろう。
もうちょっとポーカーフェイスが出来るようにならないとね。
クリスの後に続くように僕も教室を出て馬車の搭乗口へと向かった。
既に公爵家の馬車が待機している。
僕は馬車に乗り込むと、続いて乗り込んできた家令補佐に告げた。
「屋敷に戻ったら乗馬の準備をしておいてくれる?」
僕の突然の申し出にも彼は眉一つ動かさずに即答した。
「かしこまりました。屋敷に着きましたらすぐに手配いたします」
流石は公爵家の家令補佐だな。
僕よりよほどポーカーフェイスが出来てるよ。
程なくして馬車が公爵家に到着し、使用人が出迎える中、屋敷へと入る。
家令補佐の指示にあちこちへと使用人が動き出す中、一旦自室へと戻る。
乗馬の出来る衣装に着換えながら待っていると、思っていたより早く家令補佐が呼びに来た。
「ジェレミー様。準備が整いました」
「随分と早かったね」
あまりの早さに僕が驚きの声をあげると家令補佐は少し微笑んで答えた。
「今朝、公爵様が予め準備をしておくようにと告げられたそうです。『今日は帰ったら乗馬の訓練をしたがるだろう』と」
どうやら父上には僕が乗馬の訓練をサボりがちだったのがバレバレだったようだ。
やはり父上には敵わないな。
30
あなたにおすすめの小説
異世界に召喚されたが「間違っちゃった」と身勝手な女神に追放されてしまったので、おまけで貰ったスキルで凡人の俺は頑張って生き残ります!
椿紅颯
ファンタジー
神乃勇人(こうのゆうと)はある日、女神ルミナによって異世界へと転移させられる。
しかしまさかのまさか、それは誤転移ということだった。
身勝手な女神により、たった一人だけ仲間外れにされた挙句の果てに粗雑に扱われ、ほぼ投げ捨てられるようなかたちで異世界の地へと下ろされてしまう。
そんな踏んだり蹴ったりな、凡人主人公がおりなす異世界ファンタジー!
スーパーの店長・結城偉介 〜異世界でスーパーの売れ残りを在庫処分〜
かの
ファンタジー
世界一周旅行を夢見てコツコツ貯金してきたスーパーの店長、結城偉介32歳。
スーパーのバックヤードで、うたた寝をしていた偉介は、何故か異世界に転移してしまう。
偉介が転移したのは、スーパーでバイトするハル君こと、青柳ハル26歳が書いたファンタジー小説の世界の中。
スーパーの過剰商品(売れ残り)を捌きながら、微妙にズレた世界線で、偉介の異世界一周旅行が始まる!
冒険者じゃない! 勇者じゃない! 俺は商人だーーー! だからハル君、お願い! 俺を戦わせないでください!
40歳のおじさん 旅行に行ったら異世界でした どうやら私はスキル習得が早いようです
カムイイムカ(神威異夢華)
ファンタジー
部長に傷つけられ続けた私
とうとうキレてしまいました
なんで旅行ということで大型連休を取ったのですが
飛行機に乗って寝て起きたら異世界でした……
スキルが簡単に得られるようなので頑張っていきます
お前には才能が無いと言われて公爵家から追放された俺は、前世が最強職【奪盗術師】だったことを思い出す ~今さら謝られても、もう遅い~
志鷹 志紀
ファンタジー
「お前には才能がない」
この俺アルカは、父にそう言われて、公爵家から追放された。
父からは無能と蔑まれ、兄からは酷いいじめを受ける日々。
ようやくそんな日々と別れられ、少しばかり嬉しいが……これからどうしようか。
今後の不安に悩んでいると、突如として俺の脳内に記憶が流れた。
その時、前世が最強の【奪盗術師】だったことを思い出したのだ。
おっさん武闘家、幼女の教え子達と十年後に再会、実はそれぞれ炎・氷・雷の精霊の王女だった彼女達に言い寄られつつ世界を救い英雄になってしまう
お餅ミトコンドリア
ファンタジー
パーチ、三十五歳。五歳の時から三十年間修行してきた武闘家。
だが、全くの無名。
彼は、とある村で武闘家の道場を経営しており、〝拳を使った戦い方〟を弟子たちに教えている。
若い時には「冒険者になって、有名になるんだ!」などと大きな夢を持っていたものだが、自分の道場に来る若者たちが全員〝天才〟で、自分との才能の差を感じて、もう諦めてしまった。
弟子たちとの、のんびりとした穏やかな日々。
独身の彼は、そんな彼ら彼女らのことを〝家族〟のように感じており、「こんな毎日も悪くない」と思っていた。
が、ある日。
「お久しぶりです、師匠!」
絶世の美少女が家を訪れた。
彼女は、十年前に、他の二人の幼い少女と一緒に山の中で獣(とパーチは思い込んでいるが、実はモンスター)に襲われていたところをパーチが助けて、その場で数時間ほど稽古をつけて、自分たちだけで戦える力をつけさせた、という女の子だった。
「私は今、アイスブラット王国の〝守護精霊〟をやっていまして」
精霊を自称する彼女は、「ちょ、ちょっと待ってくれ」と混乱するパーチに構わず、ニッコリ笑いながら畳み掛ける。
「そこで師匠には、私たちと一緒に〝魔王〟を倒して欲しいんです!」
これは、〝弟子たちがあっと言う間に強くなるのは、師匠である自分の特殊な力ゆえ〟であることに気付かず、〝実は最強の実力を持っている〟ことにも全く気付いていない男が、〝実は精霊だった美少女たち〟と再会し、言い寄られ、弟子たちに愛され、弟子以外の者たちからも尊敬され、世界を救って英雄になってしまう物語。
(※第18回ファンタジー小説大賞に参加しています。
もし宜しければ【お気に入り登録】で応援して頂けましたら嬉しいです!
何卒宜しくお願いいたします!)
貧民街の元娼婦に育てられた孤児は前世の記憶が蘇り底辺から成り上がり世界の救世主になる。
黒ハット
ファンタジー
【完結しました】捨て子だった主人公は、元貴族の側室で騙せれて娼婦だった女性に拾われて最下層階級の貧民街で育てられるが、13歳の時に崖から川に突き落とされて意識が無くなり。気が付くと前世の日本で物理学の研究生だった記憶が蘇り、周りの人たちの善意で底辺から抜け出し成り上がって世界の救世主と呼ばれる様になる。
この作品は小説書き始めた初期の作品で内容と書き方をリメイクして再投稿を始めました。感想、応援よろしくお願いいたします。
ReBirth 上位世界から下位世界へ
小林誉
ファンタジー
ある日帰宅途中にマンホールに落ちた男。気がつくと見知らぬ部屋に居て、世界間のシステムを名乗る声に死を告げられる。そして『あなたが落ちたのは下位世界に繋がる穴です』と説明された。この世に現れる天才奇才の一部は、今のあなたと同様に上位世界から落ちてきた者達だと。下位世界に転生できる機会を得た男に、どのような世界や環境を希望するのか質問される。男が出した答えとは――
※この小説の主人公は聖人君子ではありません。正義の味方のつもりもありません。勝つためならどんな手でも使い、売られた喧嘩は買う人物です。他人より仲間を最優先し、面倒な事が嫌いです。これはそんな、少しずるい男の物語。
1~4巻発売中です。
異世界に転生した社畜は調合師としてのんびりと生きていく。~ただの生産職だと思っていたら、結構ヤバい職でした~
夢宮
ファンタジー
台風が接近していて避難勧告が出されているにも関わらず出勤させられていた社畜──渡部与一《わたべよいち》。
雨で視界が悪いなか、信号無視をした車との接触事故で命を落としてしまう。
女神に即断即決で異世界転生を決められ、パパっと送り出されてしまうのだが、幸いなことに女神の気遣いによって職業とスキルを手に入れる──生産職の『調合師』という職業とそのスキルを。
異世界に転生してからふたりの少女に助けられ、港町へと向かい、物語は動き始める。
調合師としての立場を知り、それを利用しようとする者に悩まされながらも生きていく。
そんな与一ののんびりしたくてものんびりできない異世界生活が今、始まる。
※2話から登場人物の描写に入りますので、のんびりと読んでいただけたらなと思います。
※サブタイトル追加しました。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる