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しおりを挟む「えっ?付き合っている人ですか?いませんが……それがどうかしたんですか?」
「エネがよく騎士団候補生の狼獣人と仲良くしている所をみるようになってね。もし恋人なら……いくら私が先生であってもこうして朝食を食べにエネの家に来ていたら心穏やかではいられないだろうと思ったんだよ」
あーーそういう事か……。
ニコル先生は恋人がいるならその人に対して配慮しようといたんだ。こんな事でもリーアスとデートしたり、婚約者のフリをした事で知らない内に周りが気を使ったり迷惑をかけてしまうんだ。
リーアスだけじゃない。俺だってリーアスの片棒を担いだような物だ。
浅はかにリーアスとデートしたりして……俺もダメだったな。リーアスには今度会う時にもうデートはやめようと言おう。
「先生も見ていたんですね。リーアスは違いますよ。俺は頼まれてデートはしましたが……」
そう思って先生にはリーアスとの関係やリーアスに協力している事などをお話ししておいた。
やはり誤解なら早く解決する事が大事だ。
「そう……だったのか……。リーアス君はエネの幼馴染みでデートを頼んでいて、将来は結婚しようとしているのか……それで……エネはどうするつもりなのかい?」
「はい、元々リーアスと婚約者になるつもりも無かったのに頼まれたからと言ってデートしたりと俺も浅はかだったかも知れません。こうして先生やトーイにも最初は誤解されてましたし、お断りする予定です」
「という事はリーアス君の事は……?」
「そうですね……王都に来るまでは誰を好きとか、恋人とか、婚約とか、結婚とか……何も考えずにリーアスと楽しく遊んでいた筈なのに……王都に来たからなのか、今のリーアスは何かに駆り立てられる様に俺との結婚の約束を迫ってきて、どうしてこんなに変わってしまったのだろうと思っています」
「ふむ……彼には彼のやり方があって……上手く行っていないようだな」
「えっ?リーアスがどうしたんですか?」
「いや、私の独り言だよ。でも彼なりに考えての事だとは思う。それがエネにとって良いか悪いかは分からないが、エネを心配しているのは話を聞いて私にも分かったよ」
そうか……確かにリーアスは口は悪いし強引な所もあるけれど……結局俺の事を守ろうとして色々考えてしてくれた末の事ばっかりだったもんな。俺も最近はリーアスに対して呆れていたけれど、感謝しなくちゃいけない事もたくさんある。
「そうですね……そうかも知れません」
先生は優しい微笑みを一つした。
「じゃあ……エネが今恋人がいないので安心したよ。エネに私の気持ちを伝えられるからね」
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