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今日は寝不足にも関わらず、眠くならずに授業を受ける事ができた。
予習がしっかり出来ていたせいか、防衛、結界魔法の授業ではおじいちゃん先生に大いに誉められた。
「エネさん良く出来ました!この防衛魔法は相手の攻撃魔法を瞬時に解読した上で魔法をかけたので相手にとっては同じ防衛魔法でも強固に感じる事でしょう!」
おじいちゃん先生であるシュマロン先生は相変わらず俺の事を女の子だと思っていて、女の子がいる授業はご機嫌に授業をする先生……。一緒に受けている学生は全員男だったので、俺が女の子と勘違いしていてくれる方が授業が受けやすいと思っているのか、何も言わないでいてくれる。
無言の仲間意識よ有難う!!
授業後は近所の食器屋さんに食器を買いに行った。
実は俺の家は誰も来る予定のない家だと思っていたので食器は全て1人分しか無かった。だから今日の朝は先生に俺がいつも使っているお茶碗やお椀を使って貰い、俺はどんぶりと小鉢で食べたのだ。
お店で先生のお茶碗とお椀と湯呑みも買った。
それにしても、俺もバイトのお給金で随分と生活に余裕が出てきたなあ。見習いも取れた分、もう少しお給金が貰えるようになったお陰でその分は貯蓄にまわせるようになったし。ふふっ
帰ってからは流石に眠くなったので眠る事にして、朝早く起きて授業の予習と朝御飯の準備をしていたら「トントン」とドアの方から音がした。先生だ!!
「はーい、先生!!おはようございます!!どうぞ入って下さい!」
「おはよう!エネ。今日もお世話になるね!」
先生はとっても元気になって笑顔も見せていた。体調も良さそうでホッとする。
「先生、体調はもう大丈夫なんですか?」
「ああ、エネのお陰で何とも無かったよ。昨日は久しぶりにゆっくり寝たからもう大丈夫だ。心配させてしまって悪かったね」
「いいえ!!先生がご無事で本当に良かったです!!先生も無理したら倒れてしまうんですからこれからは気をつけてくださいね。先生、どうぞ此方に座って下さい。今朝御飯の用意をします!」
「ああ、有難う、ちょっとエネの本棚を見せて貰っても良いかい?」
「はい!!あっ……でもニコル先生なら必ず見た事がある教科書とか、参考書とか……後は俺のノート位しかないですけど」
「構わないよ。とても興味深い」
そう言ってニコル先生は嬉しそうに本棚を物色し始めた。先生って本当に勉強の鬼だなぁ。ニコル先生の興味を引くような物は俺の本棚には何もないけど、朝御飯の用意ができる間に間が持って良かった。今の内に用意をしてしまおう。
「先生、出来ましたよー!座って下さい」
先生は最初本棚から俺のノートを一冊取り出して座ってノートをめくっていたが、どこに興味があるのか知らないけれど、立ち上がって本棚の前から動かなくなっていた。大体は俺の各授業をまとめたノートをじっと見ていた。
「エネ有難う。今日もとっても美味しそうだ。あれっ?食器を変えたのかい?」
「そうなんです!昨日の食器は俺がいつも使っていた食器なので、先生の食器を昨日購入して来ました!……気に入らなかったですか?」
「いや、気に入らないとかないよ。私の為に食事も用意してお金を使わせてしまったんだね……」
先生は申し訳なさそうな表情をしていたけど、先生!!心配いらないですよ!!
「先生!何言っているんですか!!先生は倒れられたんですよ!!俺のお金の事は気にしないで下さい。それに俺をあんまり見くびらないで下さいね。これでも俺はバイトも続けていて見習いも取れて今は少しですが貯蓄が出来ているんです!!」
俺は自信満々にそう言ったらニコル先生はとても驚いた表情をして、それから破顔して喜んでくれた。
そうなのだ!!俺は今少しだけ貯蓄が出来るぐらいバイトのお給金が入っているし、贅沢をしなければお金には困らない生活が出来る様になったのだ。
「そうか。本当にエネは頑張っているね!」
「はい、先生の生徒として恥じないよう頑張ってますからね!さあ、冷めないうちに食べましょうか!」
そう言って俺はお決まり手順でかき混ぜると、先生もやっぱり躊躇なく同じ事をやってくれるからマナーの悪い事をさせてしまって悪いと思いつつ、個人的には嬉しい気持ちもあった。
「本当にこの「ねこまんま」は美味しいよ」
先生は昨日初めて食べた食べ物に対して少し感慨深くそう言った後は勢いよくパクパク食べていた。
「先生にそう言って貰えて俺も嬉しいです」
俺も嬉しくて先生についニコっと笑顔を振りまくと、先生はじっと俺を見つめていた。
「エネに聞きたい事があるんだが、今付き合っている人や恋人がいるんだろうか?」
予習がしっかり出来ていたせいか、防衛、結界魔法の授業ではおじいちゃん先生に大いに誉められた。
「エネさん良く出来ました!この防衛魔法は相手の攻撃魔法を瞬時に解読した上で魔法をかけたので相手にとっては同じ防衛魔法でも強固に感じる事でしょう!」
おじいちゃん先生であるシュマロン先生は相変わらず俺の事を女の子だと思っていて、女の子がいる授業はご機嫌に授業をする先生……。一緒に受けている学生は全員男だったので、俺が女の子と勘違いしていてくれる方が授業が受けやすいと思っているのか、何も言わないでいてくれる。
無言の仲間意識よ有難う!!
授業後は近所の食器屋さんに食器を買いに行った。
実は俺の家は誰も来る予定のない家だと思っていたので食器は全て1人分しか無かった。だから今日の朝は先生に俺がいつも使っているお茶碗やお椀を使って貰い、俺はどんぶりと小鉢で食べたのだ。
お店で先生のお茶碗とお椀と湯呑みも買った。
それにしても、俺もバイトのお給金で随分と生活に余裕が出てきたなあ。見習いも取れた分、もう少しお給金が貰えるようになったお陰でその分は貯蓄にまわせるようになったし。ふふっ
帰ってからは流石に眠くなったので眠る事にして、朝早く起きて授業の予習と朝御飯の準備をしていたら「トントン」とドアの方から音がした。先生だ!!
「はーい、先生!!おはようございます!!どうぞ入って下さい!」
「おはよう!エネ。今日もお世話になるね!」
先生はとっても元気になって笑顔も見せていた。体調も良さそうでホッとする。
「先生、体調はもう大丈夫なんですか?」
「ああ、エネのお陰で何とも無かったよ。昨日は久しぶりにゆっくり寝たからもう大丈夫だ。心配させてしまって悪かったね」
「いいえ!!先生がご無事で本当に良かったです!!先生も無理したら倒れてしまうんですからこれからは気をつけてくださいね。先生、どうぞ此方に座って下さい。今朝御飯の用意をします!」
「ああ、有難う、ちょっとエネの本棚を見せて貰っても良いかい?」
「はい!!あっ……でもニコル先生なら必ず見た事がある教科書とか、参考書とか……後は俺のノート位しかないですけど」
「構わないよ。とても興味深い」
そう言ってニコル先生は嬉しそうに本棚を物色し始めた。先生って本当に勉強の鬼だなぁ。ニコル先生の興味を引くような物は俺の本棚には何もないけど、朝御飯の用意ができる間に間が持って良かった。今の内に用意をしてしまおう。
「先生、出来ましたよー!座って下さい」
先生は最初本棚から俺のノートを一冊取り出して座ってノートをめくっていたが、どこに興味があるのか知らないけれど、立ち上がって本棚の前から動かなくなっていた。大体は俺の各授業をまとめたノートをじっと見ていた。
「エネ有難う。今日もとっても美味しそうだ。あれっ?食器を変えたのかい?」
「そうなんです!昨日の食器は俺がいつも使っていた食器なので、先生の食器を昨日購入して来ました!……気に入らなかったですか?」
「いや、気に入らないとかないよ。私の為に食事も用意してお金を使わせてしまったんだね……」
先生は申し訳なさそうな表情をしていたけど、先生!!心配いらないですよ!!
「先生!何言っているんですか!!先生は倒れられたんですよ!!俺のお金の事は気にしないで下さい。それに俺をあんまり見くびらないで下さいね。これでも俺はバイトも続けていて見習いも取れて今は少しですが貯蓄が出来ているんです!!」
俺は自信満々にそう言ったらニコル先生はとても驚いた表情をして、それから破顔して喜んでくれた。
そうなのだ!!俺は今少しだけ貯蓄が出来るぐらいバイトのお給金が入っているし、贅沢をしなければお金には困らない生活が出来る様になったのだ。
「そうか。本当にエネは頑張っているね!」
「はい、先生の生徒として恥じないよう頑張ってますからね!さあ、冷めないうちに食べましょうか!」
そう言って俺はお決まり手順でかき混ぜると、先生もやっぱり躊躇なく同じ事をやってくれるからマナーの悪い事をさせてしまって悪いと思いつつ、個人的には嬉しい気持ちもあった。
「本当にこの「ねこまんま」は美味しいよ」
先生は昨日初めて食べた食べ物に対して少し感慨深くそう言った後は勢いよくパクパク食べていた。
「先生にそう言って貰えて俺も嬉しいです」
俺も嬉しくて先生についニコっと笑顔を振りまくと、先生はじっと俺を見つめていた。
「エネに聞きたい事があるんだが、今付き合っている人や恋人がいるんだろうか?」
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