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72〜リーアスside〜決心
しおりを挟むしかし、デートってどうやって誘えば良いのだろうか……
紹介された御令嬢達とは「ゆっくりお話したい」と必ず言われるから事前にお店をリサーチして入るのは出来るんだが、自分から誘った事がないから分からない。
しかもデートに誘ってもエネが「うん」というかどうか……今までの俺の行いからして良い返事が貰える自信はない……そのぐらい俺だって分かっているさ。
最近はエネが捕まらない。授業の合間に探しているのにエネは最近「単位を取るのに忙しい」と言っていて、チラッとエネを発見してもバタバタと別の教室に移動している最中が多い。
くそっ
俺って何でこんなに勇気が出ないんだ!!
こんなんじゃいつまで経ってもデートも出来ないし、結婚どころか恋人だって無理だ。
トーイも虎視眈々とエネを狙っているし、仕事をいつも一緒にしていて焦る……
何かいい方法はないか……トーイやエネを狙っている奴らを諦めさせて俺とエネが上手くいくいい方法……
そうか!!そうだな!!
もう婚約したらいいんじゃないか……形だけでも……。
エネには後からでもお願いするとして……父さんには連絡しておこう。
父さんには後で怒られるだろうか……いや、だからエネが承諾してくれてたらいいけどな。
それでお願いがあると言ってデートに誘えばいいかもしれない。
土曜日にダンジョンに入る前に薬局に寄って、エネに平日空いているか聞いてみよう。
そう思っていたらエネの方から伝言があった。「話したい事がある」ってよし、エネとゆっくり話せるぞ。
久しぶりに近くで見たエネは……少し背が伸びて、また随分可愛くなっていた。怒っているけど怒った姿も可愛いが増し増しでついニヤついてしまう自分がいる。
嬉しいままにリサーチしておいたお店に入ろうとしたら、エネが入るのを戸惑っていた時にポロッと胸元の【ene】の文字が見えた。くくっ
ミネラおばさんの作った服最高にいいじゃん!!
今日はエネに会った時から普段のエネなら嫌がるような可愛いホワホワの白い服を着ていた。だからとうとうエネも自分の似合う服が分かったのかと思っていたら、ミネラおばさんが作った服だったか。
流石はミネラおばさんだ。エネにピッタリの素晴らしい服だ。
エネ、そんな服を俺に会う時に着てきてくれてありがとう。
コーヒーは少し苦手そうにしていたが、カネレが美味しいと言ってくれて良かった。
幸せそうにエネがカネレを食べている姿を見ていると俺も幸せを感じる。
婚約は難しいか……しかもエネはすぐに父さんとミネラおばさんに返事を出したのか……後で父さん母さんと、ミネラおばさん……もしかしたらガロン団長からも相当怒られるな。
もういいか。
俺がエネを好きな事は別に隠す事じゃないし。
俺がエネを好きなのは変わらないから正直に言って怒られよう。
エネにも俺の気持ちを伝えるか……もう誰にも取られたくないしな。
それによく考えたら俺はエネ以外に失って困る物なんか何一つないんだ。
このまま勇気が……と何もしないでいたらエネが誰かに取られるかも知れないし、誰かにエネが騙されるかも知れないし。騙されるのは俺であって欲しい。騙すつもりはないけれど。
エネがモテるのは本人が多分気がついていないだけでずっと知っている。
騎士団候補生になったばかりの頃に薬剤学部にいるあの子が可愛いっていう噂が立ったのは出来る限り揉み消してきた。
俺の親友の3人もすぐに可愛いって言っていた。
俺は見せたく無かったし、絶対紹介なんかしたくなかったんだ。
とにかくなんとか平日のデートは行ける事になったし、ラビアンのアドバイス通り2人の楽しい時間を重ねていって、エネに将来結婚したいと伝えよう。
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