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しおりを挟むリーアスがこうして王都のお店に詳しいのも、これまでに御令嬢とお茶をしたりと、色々経験した事なんだろうな。
俺からするとモテて困るって腹立つけど、実際好かれるのは好きでも無い相手だったりする事もあるから本当に大変な事かも知れない。
だからと言って俺がモテなくて良かったー!!なんて絶対思わないけどな!!
「そういう令嬢の中には飲み物に媚薬を入れて既成事実を作ってしまおうとするおかしな考えを持っている者もいる……事実さえ作ってしまえば騒いで有利な条件を突きつけて結婚させられたりな……令嬢が1人で出来る筈はなく裏で貴族の父親が手引きしている場合もある」
「ええっ!!そこまで……本当に大変なんだな」
貴族としての体裁もあるんだろうが……少しでも裕福な生活をさせてやりたいという親心の暴走なんだろうか……
それでも犯罪まがいの行為は駄目だ!!
リーアスは今迄しっかり対処してきたのだろうか……大変だったんだな。
リーアスと比べると俺って結構のほほんと生活してきたのかも知れない。
リーアスは俺とは違う世界に住んでるようだ。
そんなリーアスはまた思い詰めた表情をして俺の目を見つめてきた。
「そこでエネにどうしても頼みたい事があるんだ!!頼む!!」
リーアスが困っているなら助けてあげたいけど……俺に助けられる事なんてあるのかな……
「リーアスがそう言う対処が大変で困っているなら助けてあげたいけど、俺が出来る事なんてあんまり無いぞ!!話は聞いてあげられるけど、良いアドバイスなんか……つ、付き合った経験もない俺にできる筈もないし……」
付き合った経験も無いと正直に言ったら、思い詰めていたリーアスは少し嬉しそうにして表情が明るくなった。
俺の未経験がそんなにうれしいか?まあ……明るくなったなら良いけどさ。
「いや、エネにしか出来ない事があるんだ。頼む!!」
「な、何だよ」
「…………」
またリーアスが思いつめてしまった。そんなに悩んでいたのか……なんか可哀想になってきた。
「言いにくい事なのか?大丈夫?俺が出来る事ならリーアスの助けになるよ!」
「分かった。エネの言葉を信じるよ。俺の……婚約者になって欲しいんだ!」
「ふえっ!!」
リーアスが俺の婚約者だって!!そんな馬鹿な!!そもそも俺は男だし……リーアスは何を考えているんだ!!
「っちょ、ちょっと待ってよ!俺は男だぞ!!それに婚約って……こ、恋人でもないのに婚約者って……それにリーアスは男同士で婚約するってどう思っているんだよ!!」
「エネ、俺はエネなら男同士でもいいと思っている。ゴッスの恋人も男だしな。王都では男同士でも恋人になったり結婚も普通にしてるのはエネは知らないのか?」
「ゴッスの恋人も男なのか!!男同士で結婚……結婚自体あまり考えていなかったから知らなかったよ」
「俺はこれ以上付き纏われたり、紹介されるのは出来るだけ避けたいと思っている……今エネはモテないだろうから相手もいないんだろう?最悪婚約者のフリをしてくれるだけでもいい……頼む!!俺を助けると思って婚約者になってくれ!!」
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