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こういう誤解は出来るだけ大きくなる前に解決したい。

そう思って俺は学園の騎士団候補生の校舎の受付に行ってリーアス宛に伝言を頼んだ。
そして自分が指定した時間にリーアスが来るかどうかは分からないが、とりあえず授業後に待ち合わせ場所にした中庭に行くと、既にリーアスがキョロキョロしながら待っていた。

「あっリーアス!!」

リーアスは俺の声がすると直ぐに振り向いてくれて、笑顔で手を振ってくれた。いつもなら普通の行為だが今は腹立つ事この上ない。

「エネ!!伝言くれたんだな!!嬉しかったよ!!何処に行こうか!!」


「何いってんだ?リーアス……俺は今怒っているんだけど……ミネラ母さんとレオナルドおじさんから手紙を貰ったんんだ。一体どうなっているんだ!!」



「ああ……その事か……。エネ、今日は時間があるか?ここではゆっくり話せないから移動したいんだ」



「大丈夫だ。今日は平日だし授業も終わっているから。リーアスは?」



「今日は騎士団の見回り当番も無い。じゃあ一緒についてきてくれ」


そう言ってリーアスは俺の手を握ってスタスタと歩いて行くのでついて行くしかなかった……


「おいリーアス!!何処まで行くんだよ!!」



学園を出て王都の中心街に近づいてくると「離れると危ないから俺の方に腰を寄せろ」といって握っていた手がいつの間にか俺の腰に回っていてくっついて歩いている……


リーアスはきっと俺を守ってくれているんだろうがくっつき過ぎじゃないのか?……有難いんだけど歩きにくい……だけど俺も今日は王都に中心街近くには行くつもりが無かったので、メガネを忘れてしまい何も言えないでいる……。


「エネ、ここだ。ここは最近にできたばかりのスイーツのお店だ。エネは甘いものが好きだろう?」


「スイーツかぁ……甘い物は好きだけど最近はゆっくり甘い物なんて食べてなかったな……って、リーアス!!そんな事はどうでもいいんだ!!今はリーアスに聞きたい事や言いたい事が沢山あるんだぞ!!」


怒ってリーアスにそう訴えたが、リーアスが少し困った表情をした後、思いつめたように言った。


「エネとゆっくり話して無かったから、ここでゆっくり話し合おう。俺もエネと一度しっかり話し合いたいと思っていた所だ」


いつも自信満々のリーアスが珍しく思いつめている様子なので、何かあったのかと不安になった。


確かにリーアスと色々あって王都に来てからゆっくり話した事が無かった。
リーアスに無視された事もあったが、俺も王都に来てから毎日必死に勉強していて、自分の事でいっぱいいっぱいだったのだ。
リーアスだってこれまでの間大変な事もあったに違いない。
毎日一緒にいた時はリーアスの気持ちが手に取るように分かっていたが、今は分からなくなってしまった。



俺が困っていたらリーアスは文句を言いつつも助けてくれたじゃないか……俺は?



俺だってリーアスが困っているなら俺ができる事なら助けてあげたいよ。



「分かった。とにかくここでゆっくり話し合えるなら入ろうか」


俺がそう言うとリーアスが口に左手を当てて何度か頷き、右手で俺の手を引いてお店に入った。このお店はカネレという焼き菓子の専門店でお土産で購入もでき、奥では焼き立てのカネレとコーヒーが楽しめるカフェスペースもあった。

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