【完結】幼馴染みが今日もうるさい

うらひと

文字の大きさ
上 下
60 / 93

60

しおりを挟む

俺は今……猛烈に怒っている。



本当にここ数日怒りが収まらないでいる。


リーアスに対してだ!!



ニコル先生とお話をしてからの俺は気持ちを切り替えて勉強とバイトを今以上に取り組んでいた。

ニコル先生の薬剤学部が俺のメインの学部だが、試験勉強の為に集中していた為に他の授業の単位をまだそれ程取れていないのだ。

トーイに関しては去年からそんな感じで、今はヒーヒー言いながら一生懸命単位をかき集めているように授業を受けまくっている。
俺もトーイ程ではないが、試験の為に後回していた授業をやっと受ける事ができるようになってきた。
特に防御、結界魔法の授業を受けられるのが嬉しい。

回復魔法は薬剤師試験でも必要な項目なのである程度覚えたが、俺は攻撃魔法の才能はないので防御とか結界の才能を伸ばしていけば田舎町に帰っても役に立ちそうだ。

防御、結界魔法の担当先生はシュマロン先生と言って別名おじいちゃん先生と呼ばれている。今はとても優しい先生だが、若かりし時の先生は伝説的に恐くて無類の女好き魔術師だったらしい。

女好きは今でも健在で、可愛い女の子がいると嬉しそうに授業をして、女の子がいないととても不機嫌になるそうだ。

なるそうだっと言うのは俺が授業を受ける時はまだ不機嫌になった時がないのである。
何故が俺の事を女の子と間違えているようで、いつも「エネさんは答えられるかな?」と嬉しそうに授業をしてくれる。
嬉しそうなので俺もそのままにして授業をうけているが……後で気づかれたら「騙したな!!」とかおじいちゃん先生は言って来るだろうか……はは

そんな日常をすごしていると、ミネラ母さんとレオナルドおじさんからお手紙が届いた。

久しぶりだ!!お便りが届いただけて手紙を読まなくても元気そうだと分かるのが嬉しい。

母さんの方は大きな荷物も届いていた。
荷物の方を先に開けると母さんが編んだニットのカーディガンとセーターが入っていて、胸元に【ene】と刺繍まであった……

これは……

なんかちょっと……

一見何処かのブランドの様に見えるけど胸元に名前ってちょっと恥ずかしい……
しかもクリーム色のカーディガンと淡いピンクのセーターか……
もっと黒とか茶色とかが良かったなーなんて図々しいけどさ。

ミネラ母さんは俺の事を大切に思ってくれているのは知っているし、俺も大好きなんだけど俺が大きくなっても「エネはこういう色が似合うわ」とか言って赤ちゃん用みたいな淡い色ばかりの服を編んでくれてたっけ。
折角編んでくれてるのにこんな事思っていたらいけないよあ。

よし。胸元は隠して着ればあったかいしいいか!

そうそうお手紙お手紙っと!

ミネラ母さんからの手紙を丁寧に開けて手紙を開いた。
このレターセットも実家の引き出しに入れっぱなしになっていた奴だ!!俺に使うまで入れっぱなしだったんだろうなあ。ふふっ

母さんの字も懐かしい!!

「エネ、先日はお手紙と素敵な髪留めを贈ってくれて有難う!!それと、薬剤師になったのね!凄いわ!おめでとう!!王都でも頑張っていて自慢の息子ですよ。生活の方は大丈夫かしらね?アルバイトも始めて順調とあったけれど、いい事ばかり書いてあるから逆に心配です」

わわーっと!さすが母さんは俺の性格を良く知ってるな。
でも、母さんへの手紙は多少見栄を張ってもいい事ばかり書きたいしな……まあ今度からは少し悩み事なども書いた手紙の方が心配されなくていいかも。


「ところで、リーアス君との婚約おめでとう!!私は2人が王都に旅立つ時に何となくそんな予感がしました。リーアス君なら私も安心して任せられます。エネは私に何も言わなかったので少し水くさいと思いましたが、2人で決めた事ならそれで良いかと思いました。結婚式などは卒業してからにするのかしらね?」




「………へっ?………はあっ??」




どういう事だ?どういう事だ?どうなってる??
しおりを挟む
感想 38

あなたにおすすめの小説

【完結】ぎゅって抱っこして

かずえ
BL
幼児教育学科の短大に通う村瀬一太。訳あって普通の高校に通えなかったため、働いて貯めたお金で二年間だけでもと大学に入学してみたが、学費と生活費を稼ぎつつ学校に通うのは、考えていたよりも厳しい……。 でも、頼れる者は誰もいない。 自分で頑張らなきゃ。 本気なら何でもできるはず。 でも、ある日、金持ちの坊っちゃんと心の中で呼んでいた松島晃に苦手なピアノの課題で助けてもらってから、どうにも自分の心がコントロールできなくなって……。

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

学院のモブ役だったはずの青年溺愛物語

紅林
BL
『桜田門学院高等学校』 日本中の超金持ちの子息子女が通うこの学校は東京都内に位置する野球ドーム五個分の土地が学院としてなる巨大学園だ しかし生徒数は300人程の少人数の学院だ そんな学院でモブとして役割を果たすはずだった青年の物語である

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

完結·助けた犬は騎士団長でした

BL
母を亡くしたクレムは王都を見下ろす丘の森に一人で暮らしていた。 ある日、森の中で傷を負った犬を見つけて介抱する。犬との生活は穏やかで温かく、クレムの孤独を癒していった。 しかし、犬は突然いなくなり、ふたたび孤独な日々に寂しさを覚えていると、城から迎えが現れた。 強引に連れて行かれた王城でクレムの出生の秘密が明かされ…… ※完結まで毎日投稿します

ぼくは男なのにイケメンの獣人から愛されてヤバい!!【完結】

ぬこまる
BL
竜の獣人はスパダリの超絶イケメン!主人公は女の子と間違うほどの美少年。この物語は勘違いから始まるBLです。2人の視点が交互に読めてハラハラドキドキ!面白いと思います。ぜひご覧くださいませ。感想お待ちしております。

【BL】こんな恋、したくなかった

のらねことすていぬ
BL
【貴族×貴族。明るい人気者×暗め引っ込み思案。】  人付き合いの苦手なルース(受け)は、貴族学校に居た頃からずっと人気者のギルバート(攻め)に恋をしていた。だけど彼はきらきらと輝く人気者で、この恋心はそっと己の中で葬り去るつもりだった。  ある日、彼が成り上がりの令嬢に恋をしていると聞く。苦しい気持ちを抑えつつ、二人の恋を応援しようとするルースだが……。 ※ご都合主義、ハッピーエンド

美貌の騎士候補生は、愛する人を快楽漬けにして飼い慣らす〜僕から逃げないで愛させて〜

飛鷹
BL
騎士養成学校に在席しているパスティには秘密がある。 でも、それを誰かに言うつもりはなく、目的を達成したら静かに自国に戻るつもりだった。 しかし美貌の騎士候補生に捕まり、快楽漬けにされ、甘く喘がされてしまう。 秘密を抱えたまま、パスティは幸せになれるのか。 美貌の騎士候補生のカーディアスは何を考えてパスティに付きまとうのか……。 秘密を抱えた二人が幸せになるまでのお話。

処理中です...