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しおりを挟む嘘じゃないのか!モニカが俺に付き合って欲しいって言った!!俺の事好きだったのか!!急に緊張して今俺の顔が真っ赤になっているかも知れない。
「付き合う事を気軽に考えてみれば良いんじゃない?エネは私の可愛い弟って感じね!何故かいつも心配で目が離せない感じだからほっとけなくて、それが好きといえばそうかなぁって今思ったの」
「今?!」
「そう今よ!!私って軽いかしら?別に結婚とかは考えていないわよ。それに私もせっかく資格をとって自由を手に入れたんだから今を楽しみたいの。その自由時間をエネと一緒に過ごせたら楽しそうだわ」
そう言ったモニカは俺の方は見ないで何処か遠くを眺めていた。
俺の事をモニカが好き?「付き合ってみない?」と言われても俺を好きとは言われなかった……初めて告白されたって言うのかこれは……それにしてはさっきまで楽しそうにしていたモニカは少し落ち着いて穏やかな様子に見えた。
「モニカ……俺は簡単に付き合うとか恋人は作れないよ。モニカもどうしたんだい?急に……?」
「………クックッ…エネのその顔!!」
「えっ?!」
「ふふっバレちゃったかな?嘘よ嘘!!」
「モニカ!!」
「ちょっとエネをからかっただけよ!!」
「も……もう……か、からかわないでくれよ……」
ふーびっくりした!!初めて女の子から告白されてドキドキしてしまった。モニカに対して一瞬でも真剣に考えてしまった自分が恥ずかしい。それと、俺の無駄なドキドキを返して欲しい。
「ふふっからかってごめんなさい。自分の家族は私が医者を諦めた時点で私への期待は無くなったの。
だから今私が薬剤師になってくれた事を、逆にとても喜んでいて……本当に薬剤師になれて良かったわ。
それでね、私の縁談の話が家に沢山届いていて、私は家族に迷惑をかけてしまったし、結婚は家族に貢献しようと思っていてそのどれかに嫁ぐ事になりそうだわ。
貴族の家庭に生まれた者としての責務でもあるのね。」
モニカにはそんな事があったのか……試験勉強をしている間は話す内容が勉強に関連する事ばかりで……トーイもそうだけど、モニカの事も何も知らなかった。
「告白にはびっくりしたけど、貴族も大変なんだね」
「そうよ!でもそれがいい出会いになるかもしれないしね!!はあーこれでエネがマッチョで頼りになる騎士様だったら最高なのになー」
「えー!!モニカの本当の好みってそっちなの?!それ今言っちゃう!!」
「あははっごめんごめん、可愛い弟ってつい虐めたくなっっちゃうのよー。でもガロン団長みたいな素敵な男性が結婚相手だったらなー」
「ガロン団長!!」
「ええ、そうよ。ガロン団長が私の理想かしらね。そして独身だしね」
「ああ……やっぱりなあ……憧れる気持ちは分かるよ。カッコいいもんね。えっ?ガロン団長って独身なの?」
驚いた!!レオナルドおじさんの同僚だからてっきり家庭を持っている人だとずっと思っていたのだ。
「そうよ!あっ結婚はしてたわよ。でも奥様がお亡くなりなられてからは誰とも結婚していない筈よ。お子様もいたはずだわ。団長って渋くて素敵じゃない?!落ち着いた佇まいに団長としての実力もあるし……あら?エネってガロン団長に憧れているのね。それともガロン団長みたいな人が好きなのかしら?」
「えっ?好きかどうかは分からないけどガロン団長の事は憧れているし、俺の理想はそうかな。まあなれないのは分かっているけど、同じ男として少しでも近づきたい気持ちを持ち合わているのは構わないだろう?」
「ふーん……そんな……感じね。ふふふ分かったわ!!あっ色々話過ぎちゃって随分時間が経ってしまったわね!エネと久しぶりに会えて、勉強以外の事でこんなに話したのは初めてだったし楽しかったわ」
「モニカ、俺の方も楽しかったよ!」
「ふふふ…さっきまで暗い顔してたのに随分明るくなったわよ!!少しは話してスッキリしたんじゃない?どんなエネも可愛いけど、やっぱり明るい方が良いわよ!!じゃあ……またねっ!!」
「じゃあモニカ!!お互い頑張ろうね!!」
そうしてモニカとは別れた。
別れてから少し離れた所で「さっきのは冗談じゃなくて本気だったのよーあはは」っと最後の最後でまたモニカにからかわれてしまった。
あっモニカに俺のドキドキをどうしてくれるんだって言うのを忘れたっw。
確かに今日は侯爵家の事ばかり思い出して俺も気分が沈んでいた。
だけどモニカとたわいもない事を話していたら自分でも驚くほど心が軽くなったような気がする。ふふっ本当だ!モニカに感謝しないとな。
ニコル先生には昨日の事で謝って無いけど今なら勇気がでて俺も普通に話せそうだ!!先生まだ学習室にいるだろうか……よし、今なら元気に行ける様な気がする!
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