【完結】幼馴染みが今日もうるさい

うらひと

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40〜ガロン団長side〜心配と応援

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しかし、実際は全く逆で真面目で素朴な性格をしており、とても素直な良い子だったのだ。
そして田舎街で暮らしている母親の事を気にかける優しさも持ち合わせている。
これでは声をかけて来た男性も「素直で優しい!上手くいくかもしれない!!」と積極的に動いてしまう。

プレゼントを探しながらもどうしたらエネ君が安全な学生生活を過ごせるのだろうかと、つい自分の顔をしかめて考えていたから、エネ君を怖がらせてしまった。

やはりエネ君のその見た目……一目で可愛い子だと思われてしまう最初の第一印象を少し変化させるだけでも、随分と危険が軽減されるだろう……エネ君の性格を知ってしまう前に相手が話したいと思わせない事だ。

そう思いついたまま、お店で見つけたエネ君の顔が隠れる太い黒縁のメガネをかけて貰ったら驚いた
!!

何だと!!
素顔とはまた違う……どうしてそうなるのか不思議だが……全く別方向からの可愛さがでてきてしまった!!

メガネのエネ君……知的で真面目な雰囲気を醸し出しながら素顔の可愛さとメガネの調和が上手くマッチングしてしまい完全に共存してしまうとは……!

エネ君がメガネをかける迄は、メガネを外した時のエネ君の顔の可愛さに対するギャップをどうしようかと、私は全く検討違いな事を考えていた。

これは危険だ……素顔とのギャップで可愛さに気づかれるとかの話では無かった。

難しい……一定数いるメガネフェチの獣人がメガネのエネ君に気づいたらと思うと私がメガネを勧めた事は逆効果になってしまう。

そのようなフェチの性癖を持つ獣人は少数しかおらず普段大人しいのだが、一度何か感じた物を見つけると並々ならぬ執着心を見せる事がある……。

しかし、だからと言ってエネ君がこのまま生活させるのも危険があると思う。
どちらが危険と言えば……やはり今回は第一印象を少し変化させる事によってエネ君に話しかけたいと思う男性を減らす事が得策だろう。

私がずっと険しい顔をしているせいで、エネ君はすっかりオドオドしてしまっていた。
それは知っていたが、今回はそれを利用して強引にメガネをプレゼントさせて貰った。
そうでもしないとエネ君は真面目で受け取って貰えなかっただろうな。

後から義理難くお茶に誘ってくれたのも真面目さが伝わった。

私はこれでも王都騎士団の頂点に立つ人間だ。
その私をお茶に誘うというのは、下位貴族が陛下をお茶に誘うのと同じ様なものだ。

特にご法度という行為ではないのだが、普通は決して積極的に誘わない人物だと思う。
エネ君はきっとメガネのお返しにと思ってくれたんだろう。


本当に素直で良い子だ。


可愛いと思われているのを気にしていて、カッコよくなりたいがどうすれば良いのか分からないと言っていた。

世の中には自分の可愛さの特性を活かして楽しく生きている獣人達も沢山いるが……エネ君はそんな事は考えもしていない。

そう考えた方がもしかして楽しく生きていけるかも知れないのに……

エネ君は今まで見た目で誤解されても、それを持ち前の真面目さで正面から立ち向かい、1つ1つ乗り越えて来たんだろうし、これからもそれで生きるのだなと思う。



それが心配でもあるし、応援したくもなる。



何とかエネ君の学生生活が安全で過ごせるように。


そしてエネ君の素朴で素直な性格が誰かに奪われる事がない様に、私も出来るだけ協力していこう。

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