【完結】幼馴染みが今日もうるさい

うらひと

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店内に入ると紅茶の良い香りが漂っていて落ち着いた気分にさせてくれる。

そこでも俺が迷いに迷っていると、団長は「これはどうだろうか?」と俺に見せた商品は数種類の紅茶とクッキーにハンカチが入っているギフトセットだった。
ニコル先生がこの紅茶を飲むのを想像すると……うわぁー凄く似合う!!

そしてこのハンカチは刺繍文字を20字まで無料で入れてくれるサービスもついていた。

俺も直ぐにこのギフトが気に入り購入を決めた。
サービスの刺繍文字は「ニコル先生へ  感謝をこめて~   エネ」にした。
こんな時は素敵な言葉が浮かばない。だから素直な気持ちをそのまま言葉にしてしまった。
とにかく、ガロン団長のアドバイスのお陰で速攻でプレゼントミッションはクリアできたぞ。


まだ俺のお金にも余裕があるし、ガロン団長はなんだかんだ言って俺の事をずっと心配してくれていたみたいだ……だから団長の仕事もあるのに、こうしてわざわざ俺に付き合ってくれてたんだよな……

丁度紅茶の専門店だった為紅茶が飲めるスペースがある。

そうだ!

今日のお礼に団長をお茶を御馳走してあげたら良いじゃないのか?俺が団長にご馳走するなんて失礼かも知れないけれど……言ってみよう。

「ガロン団長、お店を案内してくれてありがとうございます。もしお時間があるなら、今日のお礼にここのお店でお茶を御馳走したいのですが……私と一緒でも良ければなんですが…」

俺がそう言うと、ガロン団長は今度は本当にびっくりした顔をしていた。
ガロン団長をお茶に誘うなんてやっぱり不味かったか!?……調子に乗ってしまった自分を反省する。

「あの……やっぱりダメですよね……」

「……はははっエネ君は面白いね!!私は人をお茶に誘う事はあっても誘われた事が殆どなくってね、とても新鮮な気分にさせられたよ。喜んでご馳走されよう」


「いいんですか!!有難うございます!!」


ガロン団長にとってはきっと失礼な行為だったかも知れないのに、俺がドキドキしながらお茶に誘ったのは分かっているんだろうなあ。
でも俺に気を遣わせないような言葉で返してくれて優しい。

一緒に席に着くと店員さんがメニュー表を持って来てくれた。
メニュー表をチラっと見ると、紅茶の種類が色々と書いてあるが 、何が何だかさっぱり分からなくて動揺してしまう……。

そんな俺を分かっているとばかりにガロン団長はサッとメニュー表を自分に寄せて「適当に選ぶぞ」と俺に気遣って2人分の注文をしてくれた。

俺がお茶に誘っておいて団長にリードされてしまう……うう…これはきっとダメなヤツだ。すみません団長。

でも知らない事ばかりなんだから仕方がない。せめて次に活かせる様にメニューの頼み方とか覚えておこう……。
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