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ガロン団長は目を見開いてまた俺をじっと睨み続けている……。

何だ……俺が何かしたのか?……団長に睨まれるとビクッとなってしまい固まってしまう。


「あの……私が何かしましたでしょうか……」


勇気を持って団長に語りかけると、団長は自分の手を額に当てて頭を左右に振っていた。


「いや……エネ君、君は……いやいい。……メガネは……とても似合っているよ。
メガネをかけると……フェチという別の趣向をもつ彼等に気づかれる可能性もあるが、第1印象への機能は一応果たしているといえる……」

「フェチという別の趣向?」

「……世の中には特殊な性癖を持つ獣人が一定数いるんだが、そのメガネが特殊な性癖を持つ獣人を釣り上げてしまう可能性を考えていた。
だが、その一定数いるの獣人達より今はその他大勢の対策をとった方が得策だろう。
エネ君、それは私から君へ試験の合格祝いとして贈らせて欲しい」

「そっそんな……私にプレゼントだなんて、じ、自分でも気に入ったので自分へのご褒美に買いたいと思います」

……合格して初給金も貰ったけれど、自分へのご褒美なんかは考えた事なかったな……これは日差しが眩しい時でも20%眩しさを遮る機能も付いていて実用的な気がする。
自分は男なのにちょいちょい可愛いと言われて生きて来た自分を少し変えれるかも知れない……本当は俺だってかっこよくなりたいんだ!!っよし買おう!!

そう思っていると、ガロン団長がまた俺を睨んでいる……わわ


「何だ……エネ君は私のプレゼントが受け取れないと言うのか」


「ひっ」


ガロン団長が俺を覗きこみ、低い声で俺の耳元で囁いた。
愛の呟きだったらメロメロになりそうだか、これは脅しだ!!
人を脅している状況なのにガロン団長が無駄にカッコいい為に、更に脅しを有効な物にしている様な気がする……駄目だ、とうとう殺される……

「あ…りがとうございます。とても気に入りました……お言葉に甘えて使わせていただきます…」

震えながら何とかそう言うと、ガロン団長はまた優しそうな表情に戻った。

「そうか!!気に入ってくれたか!!じゃあこのメガネもプレゼント用に包んでもらって、メガネの代金は此方で払うよ」

と言って店員にサインをしていた。俺も母さんの髪留めをプレゼント包装してもらって代金を支払う。

はぁー……どうやらこの選択で助かったみたいだ。

「次はニコル先生のギフトを選びにいくから付いて来なさい」

そう言って俺がお支払いをしたら、ガロン団長はサッと別のお店に歩いて行った。

そうしてニコル先生のプレゼントを購入する予定で入ったお店は色々な種類の紅茶とそれに合うお菓子と小物が売っている紅茶専門店だった。
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