【完結】幼馴染みが今日もうるさい

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「うん？……そうだね、頑張ろう！」

それから今日はお客様が少ない時間帯になったら、トーイに店頭を任せて、ランド店長と調合室で簡単な調合を一緒に行った。

ランド店長は「細かい計量も丁寧にやらないと薬の効果が変わって来てしまうからね」と優しく教えてくれる。
薬局の店長なだけあって新米薬剤師の俺なんかより色々な知識が豊富だ

「ランド店長はニコル先生みたいですね！」

っと言ってしまった。すると

「エネ君！！ニコル先生と私を比べるなんてとんでもない事だよ！！比べないで欲しい！！」

と大変恐縮されてしまった。

ランド店長は中級薬剤師を目指して日々知識を蓄えているそうだ。
上級薬剤師は天才しかいないけど、中級薬剤師だってこの国には数少ないのにランド店長は凄い！！

自分も試験に合格してホッとしてたけど、ランド店長の様にコツコツと頑張っている人をみると、自分はまだまだだから頑張らないといけないと、ハッとさせられる。

その日の帰りにランド店長から月末だからってこの2日間のお給金を出してくれてた。
2日間で1万6千アーロも貰えた。ランド店長が言うには見習い期間の100時間をこなせば、見習いが外れて2万アーロになるとの事だった。

先日トーイから聞いていた計算金額と同じだ。
昨日は慰謝料として頂いたお金はあるけれど、今日の貰ったお金は自分の力で働いて手に入れた初お給金だから感激してしまう。
初めて自分で稼いだお金の予算でニコル先生とミネラ母さんにプレゼントを渡したい！！

何が良いのだろうか……というか、王都にはそもそもどんな物が売っているのか！！困った！！全然知らないぞ！！


昨日からどんなプレゼントを買えば喜んでくれるのか頭を悩ませてしまった。
そもそも俺は頭の中にプレゼントの品物の選択肢がない。それに俺が気に入ったとしても俺のプレゼント予算とのバランスもあるもんな。

「うあっ」
ズザザザーーーー

あはは……また転んじゃった。俺って本当考え事をすると周りが見えなくたってつまづいたり、転んだりしてしまう……だから鈍臭いんだよなあ……。

「君！！大丈夫かい！！立つのを支えてあげよう！！」

知らない男の人がやってきて、俺が転んだのを心配してしまったようだ……心配させてごめんなさい。

「大丈夫ですよ。1人で立てますから……」

「痛そうだから心配しちゃうよ。よかったらこれからお茶でも行かないかい？」