【完結】幼馴染みが今日もうるさい

うらひと

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「ここが働くワンスター薬局だよ」

トーイと話していたらあっという間にワンスター薬局に到着してしまった。
薬局は白塗りの建物で看板には一つ星のマークが赤く描かれている。

「俺の家の近くにあるワンスター薬局とほぼ同じだねーふふっ」

「そうだね!大体どの支店も同じ様な作りをしているのさ!その方がお客さんもワンスター薬局を見つけやすいからって考えたみたい」

「なるほど!確かに!!」

「じゃあ案内するよ。従業員はこっちの裏口から入るんだよ。入るとすぐにロッカーがあるから白衣を着よう」

トーイについて行き薬局の裏口から入ると、すぐ更衣室という部屋があり、トーイの身長と同じ位の細長いロッカーが数個ある。その一つに【エネ】と名前が描かれていた。

「それが、エネのロッカーだよ。で、これが鍵。ロッカーを開けると白衣があるから着てみて。適当なサイズを用意しちゃったけれど、合ってるかな?」

自分のロッカーに名前が入っているのもちょっと感動してしまったけれど、ロッカーを開けると白衣にも自分の名前が刺繍してあり、嬉しくなった。その白衣の袖を通してみる……

「トーイどうかな?サイズ合ってる?」

「可愛い!!」

「えっと……サイズ?」

「ああ……サイズね……ピッタリだ」

「エネって白衣が似合うんだね!!そうそう、その白衣の胸の刺繍の下に自分の薬剤師バッチをつけて完成だよ」

「分かった」

白衣に金色に光ったバッチをつける……よし。

「出来たね!!本当に似合っているよ!!そしたらここにある使い捨てマスクをして……じゃあ部屋を案内するから、またついて来て」

「はい!トーイ先輩!!」

「エ、エネ!!何だい?先輩だなんて、殆どエネと働く経験値は変わらないよw」

「良いんです。今日はトーイ先輩と呼ばせて下さい」

「良いけど……今日だけにしてね。折角対等で近い立場が遠くなったようで嫌なんだ」

「先輩、はい、分かりました!」

トーイははにかんだ表情をして部屋を案内してくれた。
部屋といってもお店がメインでその裏に、更衣室と、薬の調合室と、商品の在庫を置く在庫室の3部屋があった。

トーイについてそのまま店頭にも行った。
するとお客様は丁度いなかったが、白衣をきた男性が商品整理をしている最中だった所をトーイが呼びに行った。

「ランド店長、ランド店長、紹介します。僕と一緒に薬剤師になったエネです。エネ、こちらはランド店長だよ。ここの支店の店長をしているんだ。」

ランド店長は短い黒髪で赤い瞳に眼鏡をかけていた。やはり薬局で働いているだけあって見た目も清潔感がただよう人に見える。

「ランド店長ですね。初めまして私はエネと言います。今日から一緒に働かせて貰う事になりました。これから宜しくお願いします」

ランド店長に挨拶をすると、ランド店長は一旦自分のマスクを外したのを見て、俺も失礼だったと思い、一旦マスクを外して顔を見せた。
ランド店長は眼鏡の奥にある赤い目が俺の頭から足まで何度も上下して驚いた表情をし、その内嬉しそうに笑ってくれた。
あっランド店長の八重歯が可愛い。

「君がエネ君だね。待っていたよ。今日はトーイと一緒に仕事をする予定だね。今後分からない事があったら私にも聞いてくれたら教えるからね」

「はいっ!ありがとうございます!」

ランド店長と挨拶した後は、トーイと店頭にたった。

お客様がいる時はランド店長がお客様に薬の事を説明している様子を俺も参考にしながら購入して貰ったり、お客様がいない時には商品の名前を一生懸命に覚えた。
ランド店長はここの支店を任されながらお客様がいない時には裏の調合室で薬剤の調合の勉強を行っているらしい。
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