【完結済】憧れの隊長が変態だっただけの話

うらひと

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…初日から…隊長は鬼だ!!

「レーン、下半身を鍛えると全体的に瞬発力が高くなる。身体が細いなら細いなりに瞬発力や相手の力を受け流すくらいの力をつけないと駄目なんだ!」

と隊長は教えてくれた。

隊長は…鬼だ!!けど、鬼でもちゃんと俺の事を考えて鬼になってくれてるんだ。
流石は隊長だ!
俺はやっぱり絶対隊長について行くと心に誓った。

「さあレーン、毎日のルーティンは、まずグランドを10周回ってうさぎ跳び300回、その次はスクワット1000回で終了だ。やれ!!」

「はいっ!!」

俺は走った…何とか10周が終わり、ウサギ跳びは太腿のピクピクが止まらなかったが…何とかできた。最後のスクワットは何回できただろうか…意識が朦朧として途中で目の前が真っ黒になって意識がなくなってしまった。



ーーーーーーーー



気がついたら騎士団の宿舎のベッドで寝ていた。

「レーン気づいたか?身体は大丈夫か?」

ここはテオドール隊長の部屋だった。
隊長の部屋らしく普通の部屋より広い作りになっているようだ。
身体は隊長が拭いてくれたのかさっぱりしていて、動かしてみると全身の関節が悲鳴をあげているように痛い…
そしてテオドール隊長の特訓に応えられない自分が情けない。

「隊長の特訓についていけなくて…すみません。でも頑張りますので、クビにしないで下さい!!」

「レーン…まあ初日だからすぐクビにする事はない。だか、このまま体力がないままならそうなる可能性
もある」

「そんな……明日はもっと頑張ります!」

「そうだな…今日はストレッチをしてやるから終わったらゆっくり休め」

「はい…」


そう言ってテオドール隊長は俺の身体を解しなからストレッチをかけていく…開脚した時はあまりにも堅いので、「怪我しないようにもう少し身体を柔らかくしろ」とまた注意されてしまった。

初日から辛くて…自分の部屋にフラフラ戻ってすぐ眠ってしまった。


それからというもの…少しずつ体力がついてきたと思うが…どうしても特訓の最後のスクワットの段階で倒れてしまい、気づいたら隊長の部屋の運ばれている毎日が続いていた。

隊長は、そんな俺でも見捨てる事なく特訓に付き合ってくれ本当に素晴らしい隊長だった。
ストレッチも少しずつ身体が柔らかくなってきて「随分脚も開くようになってきたな」と隊長が褒めてくれるようになった。


今日もキツい…でもクビになるもんか!テオドール隊長だって俺がクビにならない様に特訓に付き合ってくれているんだ!


「521回…52…2回…5…23…」

ああ…今日も無理だった……


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