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ジンside
3戻ってきた宝物
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時間が経過するにつれ、ウェイ自身もハオラン捜索の諦めと自分が納得する心の整理が整いつつあるかと思っていた。
それが突然ウェイが正式な謁見申請を出して私との面会を申し込んできた時は驚いた。
ウェイは医師のチェンを連れていた。
「どうした?別にウェイなら申請なんか出さなくても会ってるだろ」
「王様、とうとうハオランが見つかりました」
「はっ?………まさかっ」
チェンも
「はい、ハオランで間違い無いです。ブラウンゴールドの美しい髪に王様と同じエメラルドの瞳をしている男の子です。イーラン様に大変良く似ていらっしゃいました」
「すぐハオランが見たい!!手配をしろ!!」
「ジン待ってくれ!!ハオランは相当身体が弱っていて傷だらけだ。良くなるまでは私の家から出すつもりは無いんだ」
「なら私がウェイの家に向かおう。問題無い」
「待ってくれ!!ハオランを見つけた時、娼館の男娼として働いていたんだ。身体には無数の火傷や打たれた跡もあり日常的に折檻されていたと思う。それに生い立ちも聞いた。孤児として生きてそのうち奴隷として売られたんだ」
「……それなら尚更会いにいく」
「待ってくれ!!ハオランはそんな生い立ちだからか、私が本当の父親とも信じていないんだ!!そんな状態でこの国の王に会ったらハオランがパニックになってしまうじゃないか!!もっとハオランの気持ちが考えて行動して欲しいんだ!!頼む」
「……おい、それでウェイとリーとチェンはいつからハオランを匿っていたんだ?」
「……10日前にハオランを見つけてからだ」
「な……んだ……と!!」
「別に内緒にしていた訳じゃないんだ!!ハオランが元気になるのを待っていたが、中々体調が戻らなくて、今の熱が上がったりしているから、元気になる前に報告だけでもとこうして出向いたじゃないか!!」
「そうやって……お前達は王である私を1人除け者にしてハオランと楽しくやっていたのだな……もういい。それなら私も勝手にやらせてもらう!!」
それからウェイとチェンを置いて、急いでハオランに会いに行った。しかし、ウェイとチェンは事前に早馬を用意していた為か途中で追いつかれてしまった。クソッ
ウェイは真剣に私に怒っているが、私に報告が遅れたのを少しは気にしているせいか私を止める事を躊躇しているようにも見えた。
リーと散歩しているとウェイの侍従に聞き出して庭に向かう。リーが見えた!!リーの後ろには隠れていると思われる別の服が見えるぞ!!あいつがハオランか!!
「リーそこをどけ!!」
「なりませんっ!!」
リーも歳を重ねたとは言え全く衰えていない剣捌きを見るとまだこの国で1番かもしれんな……とそんな事を考えた時、リーの後ろからヒョコっと小さな顔半分が見えた!!
髪も明るく光が当たると金色になり、その瞳は私と同じエメラルドの色だ!!ハオラン!!
もっと顔を見せてくれ!!
リーが諦めて退いてくれたのでマジマジとハオランを見た。
凄い!!イーランそっくりじゃないか!!
そして瞳の色は本当に私と同じだな。
「お前がハオランか」
そう聞いてみるとハオランは全く自信がないようで、
「自分が本当にハオランかどうか分からないままここで生活しています」
と言う。その時のしょぼくれた姿勢と表情が若いときのウェイにそっくりで笑ってしまった。
何だ!!お前はイーランにそっくりだと思っていたが、ウェイにもそっくりでは無いか!!
「確かにハオランだ。何処に隠れていたんだ?探したぞ!!」
ハオランの身体を見ると長年の折檻でもされた様な無数の跡があって怒りで震えた。
この状態で良く生きてこれたもんだ。
それでもハオランのお陰でウェイやリーの表情も輝いている。
私の今の顔も同じなんだろうな。
お前は私達の宝だよ。ハオラン!!お前の望みを叶えたい。
「私は……私の望みは、働いてお金を貰って、そのお金で欲しい物を買ってみたいです。
そうは言っても俺はこんな髪と瞳ですし、普通の働き口が見つかるかどうか……それに男娼と子守りと畑仕事しかした事がなくて……計算も苦手ですし、まだ熱があって何言ってるんだかと思われるでしょうけど」
「……そうか」
お金でも地位でも何でも叶えてやるつもりだった。
一生遊んで暮らしたいと言ったら叶えてやった。
だが、ハオランにとってはまともに働くのも大変だったのだな……
よし。なら文字通りハオランがしっかり働ける土台作りをこの国で作ってやる!!
そしてお前がこの国の王になるんだ!!
それが突然ウェイが正式な謁見申請を出して私との面会を申し込んできた時は驚いた。
ウェイは医師のチェンを連れていた。
「どうした?別にウェイなら申請なんか出さなくても会ってるだろ」
「王様、とうとうハオランが見つかりました」
「はっ?………まさかっ」
チェンも
「はい、ハオランで間違い無いです。ブラウンゴールドの美しい髪に王様と同じエメラルドの瞳をしている男の子です。イーラン様に大変良く似ていらっしゃいました」
「すぐハオランが見たい!!手配をしろ!!」
「ジン待ってくれ!!ハオランは相当身体が弱っていて傷だらけだ。良くなるまでは私の家から出すつもりは無いんだ」
「なら私がウェイの家に向かおう。問題無い」
「待ってくれ!!ハオランを見つけた時、娼館の男娼として働いていたんだ。身体には無数の火傷や打たれた跡もあり日常的に折檻されていたと思う。それに生い立ちも聞いた。孤児として生きてそのうち奴隷として売られたんだ」
「……それなら尚更会いにいく」
「待ってくれ!!ハオランはそんな生い立ちだからか、私が本当の父親とも信じていないんだ!!そんな状態でこの国の王に会ったらハオランがパニックになってしまうじゃないか!!もっとハオランの気持ちが考えて行動して欲しいんだ!!頼む」
「……おい、それでウェイとリーとチェンはいつからハオランを匿っていたんだ?」
「……10日前にハオランを見つけてからだ」
「な……んだ……と!!」
「別に内緒にしていた訳じゃないんだ!!ハオランが元気になるのを待っていたが、中々体調が戻らなくて、今の熱が上がったりしているから、元気になる前に報告だけでもとこうして出向いたじゃないか!!」
「そうやって……お前達は王である私を1人除け者にしてハオランと楽しくやっていたのだな……もういい。それなら私も勝手にやらせてもらう!!」
それからウェイとチェンを置いて、急いでハオランに会いに行った。しかし、ウェイとチェンは事前に早馬を用意していた為か途中で追いつかれてしまった。クソッ
ウェイは真剣に私に怒っているが、私に報告が遅れたのを少しは気にしているせいか私を止める事を躊躇しているようにも見えた。
リーと散歩しているとウェイの侍従に聞き出して庭に向かう。リーが見えた!!リーの後ろには隠れていると思われる別の服が見えるぞ!!あいつがハオランか!!
「リーそこをどけ!!」
「なりませんっ!!」
リーも歳を重ねたとは言え全く衰えていない剣捌きを見るとまだこの国で1番かもしれんな……とそんな事を考えた時、リーの後ろからヒョコっと小さな顔半分が見えた!!
髪も明るく光が当たると金色になり、その瞳は私と同じエメラルドの色だ!!ハオラン!!
もっと顔を見せてくれ!!
リーが諦めて退いてくれたのでマジマジとハオランを見た。
凄い!!イーランそっくりじゃないか!!
そして瞳の色は本当に私と同じだな。
「お前がハオランか」
そう聞いてみるとハオランは全く自信がないようで、
「自分が本当にハオランかどうか分からないままここで生活しています」
と言う。その時のしょぼくれた姿勢と表情が若いときのウェイにそっくりで笑ってしまった。
何だ!!お前はイーランにそっくりだと思っていたが、ウェイにもそっくりでは無いか!!
「確かにハオランだ。何処に隠れていたんだ?探したぞ!!」
ハオランの身体を見ると長年の折檻でもされた様な無数の跡があって怒りで震えた。
この状態で良く生きてこれたもんだ。
それでもハオランのお陰でウェイやリーの表情も輝いている。
私の今の顔も同じなんだろうな。
お前は私達の宝だよ。ハオラン!!お前の望みを叶えたい。
「私は……私の望みは、働いてお金を貰って、そのお金で欲しい物を買ってみたいです。
そうは言っても俺はこんな髪と瞳ですし、普通の働き口が見つかるかどうか……それに男娼と子守りと畑仕事しかした事がなくて……計算も苦手ですし、まだ熱があって何言ってるんだかと思われるでしょうけど」
「……そうか」
お金でも地位でも何でも叶えてやるつもりだった。
一生遊んで暮らしたいと言ったら叶えてやった。
だが、ハオランにとってはまともに働くのも大変だったのだな……
よし。なら文字通りハオランがしっかり働ける土台作りをこの国で作ってやる!!
そしてお前がこの国の王になるんだ!!
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最後までお読み頂き有難うございました(*´꒳`*)
退会済ユーザのコメントです
珈琲乳業様
感想有難う御座います!!
そうですね。小さい時のハオランはもっと自分で考えて生きていたので、大きくなって元気なハオランを見せても良かったと思いました。
とても勉強になります。
最後までお読み下さり有難う御座いました(*´꒳`*)
💿✋DJ様
感想ありがとう御座います!!
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最後までお読み下さり有難う御座いました(*´꒳`*)