醜い孤児で奴隷の男娼だったけど、引き取られた先で蝶よ花よと愛されまくる話

うらひと

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ウェイの家

14王様に抱っこされる

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は……はは……それなのにお父様は髪や瞳だけで俺をハオランなんて……本当の子供の様に扱って……最近の俺は何だかその気になってしまっていた。


そう思ったら王様の前で奴隷の俺の姿を晒してしまった事が途轍もなく無礼な行為だったと居た堪れなくなって、とうとう自分から目を逸らして俯いてしまった。


お父様達……王様と全然似てないのに俺に振り回されて守ってくれてごめんなさい。


俯いてしまったのに、王様はすかさず俺の両肩に手を置いて顔を近づけて俺の顔を隅々迄覗いてきた。


王様の背後ではお父様とチェン様が王様の身体を掴んで離れろと言わんばかりに引っ張るが、そんなに強く引っ張っている訳ではなくて王様に配慮しているみたいだった。

リー様は俺が王様に見える位置に移動してからも剣は構えたまま鋭い目を王様に向けていた。


「お前がハオランか」


俺の顔を見ながら初めて王様が俺に声をかけた。
俺はハオランだけど……本当にハオランかと言えば良く分からない。
王様にもお父様にもそんなに似てない俺は一体何者何だろう……なんてな。


本当は知ってる。
自分が奴隷だって分かっている。


「……ハオランと言われておりますが……本当は違うかも知れません。私は自分が本当にハオランなのか良くわからないままここで生活をしています……」


そう正直に言ってみた。
もうこんな偉い人の前では小さな嘘でも冗談でもつけそうにない。


すると、王様は俺を見続けながらフッと初めて笑った。


「ふふっ確かにお前はハオランだ!!15年振りに会ったな。どこに隠れていたんだ?探したぞ!!」


そう言って俺を抱き上げられてしまった。


えっ?今王様が俺をハオランと確信するような要素があったのか?


王様は俺と瞳以外にも姿や顔がもっと似ていると思っていたのに実際には全然違っていて……やっぱり違うじゃんと……そんな上手い話が世の中にある訳がないよな……と思っていたのに。


それなのに王様もお父様達と同じで俺がハオランとして認めてくれるのか?



「ジン様、ハオラン君は微熱が続いています。こんな場所では体調が悪くなるから一度部屋に戻りませんか?」


「そうだ。ハオランがもっと元気になってからと思っていたのに」


「ジン様、ハオラン様はチェン先生の診察を受ける必要があります。一旦ハオラン様と部屋に戻りましょう」



お父様達が変わるがわる王様に話していた。



先程迄王様と怒鳴り合っていたのに今はとても気安く話しかけていて……お父様達は王様と喧嘩もできる位深い仲なんだとやっと理解した。




ーーーーーーー




「えっと……あの……王様?自分で歩けます……」



何故が王様が俺を抱き上げたまま家に向かっている。


自分の両手の行き場はなくて、何故が王様の首に両手を回している状態だ。

俺と王様が先頭でその後ろにお父様達が控えて歩き、またその後ろに王様の護衛が何人かついて来ている。


俺が自分で歩けるとボソッと王様に言って見たものの……王様は笑ったまま俺を離してくれる事はなく、そのまま大股で家に向かって歩いていた。


どうしたものかとお父様達に助け船を出してもらえないかという訴えで目線を送ってみたのに、今回は3人共顔を横に振って「あきらめろ」と言わんばかりだった。


いつもお父様達は俺を全力で助けてくれるから最近の俺も甘えてしまっている。

だけど王様の前だと流石に何も出来ないという事なんだろう。

この王様の前では俺も大人しくしていよう……。




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