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ウェイの家
8知識が無いから騙された。
しおりを挟むどうも俺が言った事はこの3人に対して全て涙腺が緩くなる要素があるみたいだった。
そんな状況に俺の方がご主人達の事が心配になる。
この3人の人達は大丈夫なのか……俺の話を全面的に信用しているみたいだし、疑わないのか?
俺が詐欺師みたいな奴だったらこの3人はすぐ騙されるんじゃないか?
それこそ、そんなに人の事を信じて今までどうやって生きて来たのかと思ってしまう……。
「あの……私の話を信じるのですか?」
自分がこんなバカな質問するなんておかしな話だけど、あんまり信じられている事が逆に怖くなって聞いてみた。
するとウェイ様は
「ん?ハオランは私達に嘘を言ったのかい?もし嘘をついていたってすぐにバレるから嘘は言わない方がいいけれど……でもまあ……ハオランは嘘をついたって可愛いし大好きだよ。ふふっ私はハオランならいつでも騙されたっていい!!」
「い、いえ……嘘なんかついてませんが……ええっ??」
騙されたっていいって??そんなバカな!!そんな事が世の中にあるのか?
ウェイ様の考えている事が全然分からない。
医師のチェン先生は涙を潤ませる事はあるが、職業柄なのか1番冷静に質問をしてくださる方だった。
「それで……ハオラン君は村人に売られてから娼館に行ったのだね。ハオラン君の身体をみると、ペニスや後孔だけじゃなくて至る所に傷や火傷の痕があるが……特に背中の火傷の痕が多いんだ。何故か分かるかな?」
「はい……ペニスを握ると私の後ろの具合が良くなると言いましたが、それと同じ事で……私の後ろの穴は入れても気持ちがよくならないそうなのです。
しかし主に煙草の火で身体に火傷をつけるとあそこの締まり具合が良くなるそうで、お客様は私の身体に傷をつけていました。
……煙草の火を肌につけたり、切り傷をつけたり、私の首を絞めてもあそこが締まると言われた事があります」
「ぐっ……う……」
「チェン……お前まで泣いてどうするんだ!!」
こうして俺が自分の生い立ちを一通り話し、3人からの質問にもできるだけ答えた。
「ハオラン君、君と話してみて分かったんだが、君はどんな質問でも素直に答えるね。
私達に覚えている限り教えてくれて有難う。
しかし今まで答えないといけない環境だったのも分かるが、これからは言いたく無い事は言わなくて良いよ。
特に男娼だった時や、自分の身体の傷なんかは自分を守る為にも人に滅多に言わない方がいいと思う。
どうかな?」
「はい……」
「それにしても……ハオランは言葉使いがしっかりしているから一見普通に見えてしまうが、残念ながら常識や知識は全く無い事が分かった。
これからは少しずつ勉強して知識を深めていこう。そうしないとこれから騙されたのも気づかない、騙されても分からないで生きていく事になってしまう」
俺の生い立ちを聞いた3人の1つの答えとして、俺の話だけでは判断できないが、俺はファン爺ちゃんの物では無かったから奴隷になる必要が無かったと……。
ただし、その時の俺は小さな子供だったからどっちにしろ逃げられずに売られていた可能性の方が高いとの事だった。
昔の俺はそんな事も知らなくて、殆ど大した抵抗もなく自分で諦めて売られてしまったんだ。
それに、お金も小さな数の計算は分かるけど、大きな数字になると分からなくなる。
「ファン爺ちゃんとやらはハオラン様へのお見舞い金やハオラン様を奴隷として売った代金はいくらほど貰っていたのでしょうねぇ?」
「……お金の事は何も……金額とか知らないです」
リー様にファン爺ちゃんの時にやり取りしたお金の事を聞かれても俺は何も分からず答えられなかった。
チェン先生もファン爺ちゃんに関しては
「ハオラン君がもし……その時お金の価値や知識があったなら一緒に住んでくれて有難うとはならなかったかも知れないよ」
俺にとっては……ファン爺ちゃんは最後に俺を売った事は辛くて悲しかったけど、確かに俺が安心して過ごせた時間があったからファン爺ちゃんを完全に憎むなんてできなかった。
でももっと何か……俺が知らないだけで沢山騙されていたのだろうか?
そんな疑問も持つ事もなく最後には売られて騙されてしまうなんて今更だけとファン爺ちゃんに対してもだけど、何より自分に対して辛いし、悔しい。
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