醜い孤児で奴隷の男娼だったけど、引き取られた先で蝶よ花よと愛されまくる話

うらひと

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ウェイの家

7タダだった時の事を教える

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気づいたらまた朝になっていた。


そう言えば……昨日はウェイ様の胸の中で叫んで泣いて……ああっ!!


昨日の出来事は眠る迄を鮮明に覚えていた。


冷静に考えると俺は奴隷でありながら、3人の人達からお話を聞いて……お父様かもしれないけれど、一応ご主人様のウェイ様の胸の中で暴れて大声で泣いてしまったんだ。


うわああーー!!……俺は何て事をしてしまったのか……。


やってしまったのはしょうがないが、許してもらえるだろうか……。


それに昨日の話は後で嘘でした。とか、ハオランは俺じゃありませんでした。とか、世の中期待させておいて裏切る事はいくらでもある。


俺が男娼だった時もそうだ。


もうすぐ身請けされると嬉しそうにしていた人気の男娼が身請けの予定日に男性が現れなかった話や、好きだ好きだと言われてその気になったら、男性が他の男娼の方が好きになったと心変わりしたという話。


男娼として部屋で待機している時は廊下からそんな話が良く聞こえるので聞いていた。


一度気持ちを相手に委ねると色んな事を相手に期待してしまう。
しかし裏切られると、今度は自分の気持ちを立て直すのに相当な時間を要する。

しかも立て直せずに心がそのまま死んでしまった男娼だって沢山いるのだ。
それに、何とか気持ちを立て直したって一度傷ついた心の傷は消えてくれない。

俺は誰からも愛されない男娼だったし誰かに期待なんてしなかったから男娼の時に心は死ななかったけれど……。


それでも料理屋のご主人やファン爺ちゃんの事を思い出すと悲しい気持ちになる。
どうやっても子供の頃に受けた心の傷だって忘れたいのにずっと消えてくれない。


だから、自分の心を守る為にも最初から誰かに期待なんてするもんじゃない。


冷静になるとそう思う。なのに昨日の俺は3人の話を真に受けて泣いてしまうとは……はははっ……自分の行動が馬鹿馬鹿しい……何て滑稽なんだろうか。


でも……俺の気持ちを出してそれをウェイ様は全部受け止めてくれた。

凄く凄く嬉しかった。







俺の体調が良さそうだという事で、3人から「今日はハオランがどうやって生きてきたのかを教えてほしい」と言われた。

ウェイ様には昨日ウェイ様の胸の中で大声で泣いてしまった失態を謝ったが、ウェイ様は全く怒る事もなく笑顔だった。むしろ、

「昨日はハオランの感情を私にぶつけてくれた事がとても嬉しかったんだよ。これからも泣きたい時はいつでも胸を貸してあげるからね。
それよりもハオラン……ウェイ様じゃなくて私の事はお父様と呼んでと言っただろう?」


と昨日の俺の失態より、お父様と呼ばなかった事を注意される……やっぱりウェイ様の気持ちが俺にはまだ理解できていない。


そして俺は村の町角に捨てられていたと村人から聞かされて育った事。物乞いをして生きて来た事。名前はタダだった事。

少し大きくなってからは子守りや頼まれて物の買出しなどでお小遣いを貰って生活していた事。村の大人に強姦されて村から一度は逃げようとした事も……。

酒好きの爺ちゃんとの共同生活をした後、売られた事など、それから男娼になってからの事……途中で3人から沢山の質問されながらお話した。


3人は俺の話を聞いてたまに涙を流している。


「それでタダと名前をつけてもらったのは誰に?」


「はい。何となく村の人達から俺はタダで何かを貰ったり、タダで頼まれ事をしていたので自然とタダと言われる様になりました」


 「そんな!!……何と酷い!!ハオラン様がタダだなんて!!」


「おいおい……リーが1番泣いていてどうするんだ!!」


「私の事をそうおっしゃいますが、ウェイ様だって目が真っ赤じゃありませんか!!」


見るとウェイ様も確かに目が真っ赤で……。

ええっ?……この状況は一体何だろうか……。

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