醜い孤児で奴隷の男娼だったけど、引き取られた先で蝶よ花よと愛されまくる話

初老の男性side

2捜索が難航

あっという間に誘拐犯はすぐに捕まり、犯人はジンの1番目の側近だった者が手を引いていた官女で、原因は妹と結婚した2番目の側近に対する嫉妬と自分の家の権威を強くする為だったそうだ。

父の代から長年仕えてくれた文字通り1番に信頼していた側近の裏切りだった。ジン本人は非常にショックを受けたのと同時に、自分にとって1番の側近の嫉妬を気づいてやらなかった事を悔やんでいた。

しかし罰する事は罰しなければならない。ジンの目の前で1番の側近と官女を切腹させて、家ごと取り潰した。

そしてイーランの赤ん坊をすぐに見つける為に何とジンはこの国を鎖国した。


元々この国の民は単一民族で構成されており、ほぼ全ての民は黒か焦茶のの髪と瞳の色をしていた。

だからあの金の髪とエメラルドの瞳をした瞳の子ならば鎖国をすればすぐ見つかると踏んだのだ。


元々この国にいた他国の者は赤ん坊の有無を確認させて荷物は持たせずに強制帰国もさせた。
急な鎖国に人々は驚き、商売をしていた民達からは何度か嘆願書が届いたが、赤ん坊が見つかったら鎖国は直ぐにでも解除すると説得させた。


しかしいつ見つかっても良いのに大規模に捜索しても出てこない。
もしかしてとっくに殺したのか？既に取り潰した1番の側近の一族が幽閉されている牢屋には何度も足を運び、赤ん坊の足取りを追った。

何度も行って、一族を1人ずつ拷問にかけても「殺してはいません。本当です。お許し下さい」と言う。

それにしてもなぜ1番の側近の家が誘拐したのにも関わらず足取りが途絶えたのだ……全く消息が見つからなくなってしまったのだ。

最初の計画では少し誘拐させて2番目の側近を慌てさせ、暫く時間が経過してから1番の側近の者が見つけたと大々的に自作自演で赤ん坊の第一発見者となり手柄を立てる計画だった。

それが予想より早く犯人が見つかってしまった事で自分達の自作自演がバレると思い一族の1人が家に一旦連れ帰った。

そして赤ん坊が見つかるまではまさか国を鎖国するなんて予想外の出来事が起こった。1番の側近の家来達はいっそ殺してしまおうとする勢力も出てきてしまい家が二分した。

しかし、赤ん坊と言えども王族の1人をこの手で殺す事は躊躇していた。

そのうちに1番の側近の一族達が次々に捕まり、赤ん坊は最初は一族の者が連れて逃げていたが、逃げきれないと分かると信頼できる者に渡して、その信頼できる者は次の信頼できそうな者に渡して……と細かく捜索しているのが分かっていたので国境を超えて捨てる事もできず最後に赤ん坊を預かった者は国内の田舎の端に捨てる事になったと……。

その田舎にも出向いて足取りを掴もうと聞き込みをするが、全くそれらしい赤ん坊は見かけた事がないという……。

1人では生きていけないような赤ん坊だ……人の手に渡っていなければ、動物に食べられた可能性もあるのだ。

王族の1人が動物に食べられてたまるか！！

それにあの髪色と瞳なんだ……きっと見つかる。きっと……