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番外編3
猫の呪いリターン?2
しおりを挟む「アッ??んんっクゥッ!!」
そしてエディが抱え込んでいたのはビンテージ物のシャツがはだけて丸裸になっているぬいぐるみのクマちゃん!!
そしてイく時に僕の名前を言ったよな……。
「ニャンニャン」
(そう……か。クマちゃんだったんだ……なんだ……良かった)
エディは惚けた顔から一気に焦った表情になったのに、射精がまだ止まらず焦ったままエディはタオルで自分の体液を受け止めていた。
このクマのぬいぐるみはエディが小さい頃に僕に貰ったと気に入っていて、いつも慰めてくれたと言っていたけど……こういった場合も慰めていたというのか。
そんな驚きはあったにしろ僕はそれよりも性欲の発散相手が僕以外の人間だと思っていたから、ぬいぐるみのクマちゃんだった事がとても嬉しくて先程迄緊張していた気持ちが途切れて身体の力が抜けてしまった。
そっか。
エディは僕を裏切ったりして無かった。それどころかクマちゃんを僕に見立ててオナニーしていたんだ。
普通の僕ならドン引きしそうなのに、エディが相変わらず僕の事を思ってくれていたと分かり嬉しかった。
それどころかエディを疑ってしまい申し訳ないと思ってしまう。
すると僕の存在に驚いていたエディは賢者タイムもなく素早い動作で僕の首ねっこを掴んで持ち上げた。
「おいっ!!お前は何処から忍び込んだんだ!!刺客かっ!!わっ何だお前はっ!!クッこれは魅了魔法かっ!!この世でこんな可愛い猫がいるのかっ!!大変だっ!!私好みの超可愛い猫に見えてくる!!魅了か!!魅了なのかっ!!」
エディは掴んだ僕の顔を見て驚いている!!
驚いているって事は僕の存在が認識できるんだ!!
「ニャアニャア!!」
(エディ!!エディ!!どうしよう僕なんだ!!アンドルなんだよ!!)
とにかく今彼がクマちゃんを使ってオナニーしていた事は置いておき、僕の事を何とかしなければならない。今僕にはエディしか頼れる人間はいないんだ。
「なっ何だと!!お前……本当にアンドルなの……か?」
「ニャンニャン」
(エディ!!エディは僕の言葉が分かるの?)
「ああ。黒猫になっていた時ニャーニャー語はマスターしているからな。しかしお前がいくら可愛い猫でもアンドルという確証は何処にもない」
「ニャンニャン」
(どうしたら信じてくれるんだろう。他の人達には僕の存在が認識できないし僕にはエディしかいないんだ)
「そうは言ってもな……」
やはりいくら何でも国王陛下の寝室に突然やってきた猫だもん。僕だって逆の立場なら疑って当然だろう。でも僕は僕である事を何とか分かって貰いたい!!
「ニャンニャン」
(違うんだ。僕は本当にアンドルなんだよ。突然猫になっちゃって皆は僕を認識してくれなかったんだ……エディ助けて欲しい)
確かに動物を使って刺客を送り込むという手も無い訳じゃ無いし僕は僕と証明する物を何も持っていない。やはり疑って当然のエディに分かって貰うには無理があったか……。
しかしエディは僕を刺客と疑いながらも、僕を自分の胸の中に入れて背中を優しくさすってくれた。
「もし本当にアンドルだったら熱は?体調は大丈夫か?汗をかいていたんじゃないか?」
「ニャンニャン」
(何故か猫に変わってからは体調は良くなったんだよ。そういえば汗はかいたかな)
「そうか……そう言って私を油断させておいて毒針や爆弾を身体に忍ばせているかも知れんな。既に魅了魔法には掛かってしまっているし」
「ニャンニャン」
(そ、そんな事してないよ!!エディ、ちゃんと僕の身体を調べてくれれば分かるよ)
「分かった。じゃあ丁度私も汗をかいたから一緒にシャワーに入り、ニャンドルの身体を隅々まで調べるとしよう」
「ニャン」
(分かった。隅々まで調べて)
いつの間にかエディは僕の事をニャンドルと名付けていた。
僕は刺客じゃない事を分かって貰う為に身体を全てエディの胸の中に預ける。
そんな僕にエディは優しく抱きしめたまま、時折、僕の背中の体毛に顔を埋めながら一緒にシャワー室に向かった。
「ニャア……ニャア」
(そ、そんな所迄……なんか変な気分に)
「仕方ないじゃないか。ニャンドルが私を誑かす刺客かもしれないんだ。ちゃんと調べないと……ここはニャンドルのおヘソか……どうなっているんだ?」
シャワーを浴びながらエディは僕を優しく洗いながら耳の裏やお腹、足先迄念入りに洗っている。
猫の構造がいまいち分かっていないのか特に尻尾とお尻の周辺を念入りに調べている。その手触りが何とも心地が良いっていうのか気持ちが良くてボーとなってしまう。
「うむ。特に何も持ってなかったな。ニャンドルは病み上がりだから早めに出ようか。身体を乾かしてやる」
そう言ってエディは僕と自分の身体も軽く洗い流して、すぐにふわふわのタオルで僕を包んでくれた。
エディって国王だから普段動物のお世話はしないので分からなかったけど世話好きだったんだな。
コミュニケーションが上手なのもこうして自然にお世話をしたり気配りをしたりしているからなのかも知れない。
普通は侍従がする様な事を今エディが1人でやっている。
僕の身体を乾かした後は少し長いプラチナブロンドの体毛を櫛で優しく梳かしてくれていた。
それがどうにも気持ちが良くて……猫だからかな……ウットリして身体の力が抜けてずっとやって貰いたくなってしまう。
「ニャンニャン……ニャンニャン」
(本当ありがとうエディ、こんな事になっちゃったけどエディが僕を認識してくれて良かったよ。何とか元の姿に戻れたら良いんだけど」
だってエディはこの国の国王陛下なんだものな。その国王が自ら動いて王妃の僕のお世話を1人でしてくれるなんて申し訳ないや。
「おいっまだニャンドルがアンドルだと決まった訳じゃない。調べるのはこれからだ!!」
「えっ?」
まだ調べるの?
もう僕はどこもかしこもエディに見られて触られてこれ以上何もないよ?
僕の身体を乾かし終わったエディは毛並みがフワフワになった僕の唇にキスをしてから嬉しそうな表情をしてまたベッドに戻ってしまった。
「ニャン!!」
(エディ!!ベッドじゃなくて僕を元に戻せる様に協力し欲しいんだ!!)
僕を仰向けにさせると両手で僕の身体を固定し、簡単に動かせなくなってしまう。
何とか動こうとお尻を持ち上げて猫キックを何度かしたのに、それを「くっ何て強力な魅了魔法だっ!!」と全く取り合ってくれない。
「ニャンドル、さては私の寝込みを襲うつもりだったのか?今日はアンドルの体調を考慮して1人でいたのだからその隙を狙ったか?だがそうはいかないぞ!!」
エディは僕の身体を動かせない様にはしているが、僕を傷つけない様に力を加減してくれている。
「ニャンニャン」
(襲おうなんて思ってないよ!!僕の身体をまだ疑っているなら調べて!!だから僕を信じて欲しい」
とにかく僕にはエディに信じて貰うしか元に戻る術が分からない。だから仰向けのまま、遠くの国にある文字で「大」の字と同じ身体に形にして力を抜いた。
「うはあーーか、可愛いっ……分かった分かった。じゃあ好きに調べるよ。それにしてもニャンドルは黄金の毛並みで素晴らしく美しい猫だなぁ。どれどれ」
「ニャッ」
(いきなり何を!!)
スゥーーーーーーースゥーーーーーーー
「んはあーーっ素晴らしい!!」
そうして無抵抗の僕に向かってエディは顔を埋めてやたら息を吸っていた。
そうだ!!思い出した!!これは「猫吸い」だ!!
そういえば僕も黒猫のエディと一緒に生活していた時によく「猫吸い」をやったかもしれない。
エディのモフモフした毛並みを顔に感じながらよく吸っていた。
エディが日向ぼっこしていた時にはお日様の匂いがしたり、シャワーの後は石鹸の匂いがしたり、とにかくいつ匂いを嗅いでも安心する様ないい匂いがしたもの。
エディは今それを何度もやっている。
途中、エディは顔を上げて僕の顔を見たりしたが、その顔は変な薬でも飲んだのかって位だらしない表情をしていて、ニヤニヤしたまま口の端から涎も垂れ流していた。
ひと通り猫吸いで僕の身体を確かめると満足したのか、何も調べる事が無くなったのか顔を上げて僕の顔に近づいてきた。
それからゆっくりとキスをして僕の唇を高速ペロペロして何かを調べようとしている。そういえば黒猫のエディの時によくこのペロペロをやってくれたけど今猫になってしまった僕にもできるんだろうか……。
恐る恐る僕の小さくなった舌を出してみた。
だけどエディみたいにはペロペロ出来ない。せいぜいペロン、ペロンと舐めるので精一杯だった。
しかし僕が舌を出した事に気づいたエディは僕の舌の大きさに合わせて自分の舌の先だけをクニクニしてくる。この高速ペロペロとクニクニは猫だからとかじゃなくてエディの特技だったのか。
エディを見上げると凄く嬉しそうだ。
笑ったまま舌を高速で動かして……エディは昔から立ち振る舞いも立派で優雅な動作も出来るしカッコいいと評判の国王陛下なのに……なんか……変態。
ううん駄目だ駄目だ!!配偶者の僕が国王陛下をそんな風に考えるなんて不敬だぞ!!
しかし……これは何を調べているんだ??
そう思ったらこのペロペロは無意味な行為に思えて舌を出すのを止めると、エディもペロペロクニクニは止めて唇を離してくれた。
「はあーっニャンドルは本当に積極的なんだから」
とため息を吐かれてしまったが、それでもエディは嬉しそうな顔をしたまま僕の身体を触る触る。
体全体をカキカキして僕の緊張を解してからは首から脇にかけて優しくマッサージされたかと思えば、体毛を掻き分けたら僕の乳首を見つけたみたいでそこを親指の腹でクリクリと回している。
「ニャンニャン」
(うう……んあ……調べるのは良いけど…なんか……」
「なんかってなんだい?」
「ニャンゴロ」
(なん……でも……ない……よ)
困ったな……自分が猫だからなのかどんな触り方をされても気持ちがよくてウットリしてきてしまう。
が、エディが僕の下腹部をムニムニ押していた時に急におしっこがしたくなってしまった。
「ニャンニャン!!」
(エディ大変だ!!急に漏れそうなんだ!!お手洗いのドアを開けてくれない?)
猫の僕は飛んだり走ったりは得意だけど、ドアを開けたりは難しい。
「なんだと、私のせいでニャンドルが漏れそうになっているとは!!お手洗いまでは遠いから此処でするんだ!!」
そう言ったエディは僕を持ち上げて今度は自分がベッドの上に仰向けになった。そして僕のおしっこが出る場所をじっと覗き込んでいる。
そんな遊びに付き合っている時でも猫になると膀胱が小さいのか僕の我慢の限界がもうそこまで迫っている。
「ニャンニャン!!」
(エディ、冗談じゃないんだよっ早くお手洗いにいかないと漏らしてしまうっドアを開けに行って欲しいんだ!!)
僕が身体をジタバタしていても微動だにしないエディだったが、自分の視線の先を一旦外して僕と目を合わせてきた。
「大丈夫だ心配するな。ニャンドルの便器は此処だよ。此処ですればベッドで漏らす事は無いから安心しておくれ」
エディは大きな口を開いて笑い、その口に自分の指を指してジェスチャーしている。
まさか自分の口におしっこを出せと?
それに驚いて固まっていると、僕のお腹に顔を埋めて笑ったまま僕の下半身を口いっぱいに頬張ってしまった。
「ニャン!!」
(何をするんだエディ!!)
それによって僕の下半身は生暖かいエディの口の中に包まれて、更におしっこを催しそうになる。
「ニャンニャン」
(クゥッ……だ、駄目だっても、もう!!漏れそうなんだ……)
そんな事を叫んでエディの頭をポンポン叩いているのにエディは僕を離してくれないしお手洗いに移動もしてくれない。
「ニャアニャア!!」
(駄目だ!!本当にもう限界なんだっ!!国王陛下が口で僕のおしっこを受け止めるなんてそんなっ!!)
そんな訴えを聞いているのかいないのか……エディは口に含んだ僕の下半身に対して、おしっこを促す様にデローンデローンと僕の下半身を直接舐め始め、僕の我慢は限界をとっくに越していた。
「ニャアアアーーーーン」
(ふあっ出ちゃうーーーーうあああーーーーー!!)
チョロチョロチョロチョロ……
「ニャ」
(あ……)
やってしまった……。
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