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番外編2
エドワード王子のご褒美3※
しおりを挟む刺客達の声が聞こえなくなると私達2人は後ろに回されて縛られた両手と両足をそれぞれ外そうと試みているが、身体が芋虫の様に動くだけで全く縛りが解けなかった。
麻袋には媚薬が染み込ませてあるとかで身体が若干体温が高くはなっているが……私もアンドルも毒や薬物の耐性なら訓練されている。
「すまないアンドル。私が王子としてバレなかったのは良かったが、私がクローゼットから出て行かなかった方が結果的に良かったのかもしれない」
私は自分の足元の方に頭があるアンドルに語りかけた。
刺客達は目隠しや話せない様にしなかったのはやはり殺すのが目的では無く脅しの為だろう。
「王子、そんな事はありません。貴方が僕の侍従として出て来たからこそ、僕達の仲を疑ってこの程度で済んだのかもしれませんから。それに僕達2人は薬の耐性もありますし何とかこの状況を打開しましょう」
アンドル……明日になったら君は侍従とよからぬ仲になっていると噂が広がってしまう可能性があると言うのに……冷静に判断して前向きに考える事ができるとは。
全くアンドルの強い精神には私も見習わなければならないな。
もし噂が立っても全て私が消してやるから。
「アンドル、そのまま身体の向きは変えられるか?実はまだ王族の宝刀の隠しナイフを持っているんだよ」
「王子本当ですかっ!!ナイフがあれば縛られた縄が切れそうですね!!後ろ向きになって僕が縛られた両手で探せば良いですか?」
「ああ。だがナイフがある処が少し面倒な場所に入っている。ズボンの前のチャックが付いている処に隠しポケットがついているんだ。そこにペニスガード用のパットの中に入っているのだが……」
王族や騎士達は突然股間にダメージを与えられるとどうしても油断が生まれる為、常にペニスガードをつけて生活している。
王族の私も突然金的でもされたら危険だから私のオーダーメイドのズボンには最初からペニスパットを付けて作られている。
最近この王宮では文官達もこのペニスパットをつけている人が増えたと聞く。
王宮が安全じゃないと思われているとは……兄上達は本当に何をやっているんだ!!
2人共自分達の事ばかりに力と時間を使って、王宮で働いている人達の安全を少しは考えたらどうだ!!
それに……そもそも兄上達のせいで仕事の皺寄せが私と父上に来ているんだ。
仕方なく父上やその側近達から教えてもらいながらこなしているが、本当は本来私がしなくても良い仕事も沢山ある!!
アンドルと2人きりになれる時間が無いのが1番腹ただしいわ!!
「ええっ?そっそんな処に!!成程……道理で刺客達にナイフがみつからなかった訳ですね。では僕が何とか王子のベルトを外してペニスガード用のパットを取り出しますね」
「ああ。アンドル。動くのが大変だろうが頼む」
いかんいかん。つい最近の仕事が忙しくて今の現状から外れた事を考えてしまった。
そう。それで私のズボンにも軽めのペニスガードである肩パットならぬペニスパットが股間についているのだが、そこに隠しナイフも仕込んでいる訳だ。
アンドルはモソモソと少しずつ体勢をずらしながら後ろ向きになってくれる。
そして後ろで手首を縛られたまま動かせる両手で私のベルトを探し出した。
「ベルトを外している途中でもし変な所を触ってしまったら直ぐ離れますから言ってください」
変な所とは……と考える間にもアンドルの両手が一生懸命ナイフを探そうと私の身体を弄ってくるが、どうしても両手首を縛られて背後に回っている手では私のベルトを外す事が出来なかった。
「……僕は案外と不器用ですね……できると思ったんですがダメです……」
「その様だな」
残念そうな口調のアンドルだったが暫く沈黙した後弾んだ声に変わった。
「そうだ!!後ろに回った両手じゃなくて口ならいけるかもしれません!!」
「口……口だとっ!!」
「そうです!!膝なら曲げられそうですから高さが調節できると思うんです。それで僕の口を使って王子のペニスパットを取り出す事は出来そうな気がします!!」
何だと!!アンドルのお口でやるのかっ!!アンドルのお口で私のスボンのチャックを開けるつもりなのか!!
おお……これは一体何のご褒美か!!
「そ、そうか……確かに可能だとは思うが、その……アンドルのお口で……私のズボンのチャックを……アンドルはいいのか?」
済まないアンドル。お口でチャックを……こんな状況なのに心の中ではドキドキワクワクしてしまう。
しかし私の本当の気持ちを悟られては申し訳ないとアンドルに対しては心配している風にしてそう聞いてみた。
「大丈夫ですよ!!そんな事より今この状況を何とかしなければなりません。いくらシャワー室でもこんなに声を出しても誰も来ないだなんて……」
それに関しては普通は直ぐに部屋に助けは来るんだよアンドル。
アンドルは王宮でも生活にまだ慣れていないから夜はこういうものかと思っているかもしれないが、普通は24時間常に護衛が廊下に待機しているのだから。
「すまないアンドル。私の不手際のせいだ」
「全てが王子だけのせいではありませんが、夜の警備も強化が必要かもしれませんね」
済まない。私がアンドルの部屋に入る時に大きな音を立てても心配いらないよと護衛が部屋に入って来ない様に示し合わせてしまったんだ。
「今後は私から警備体制の見直しを進めるからアンドルは心配しなくていい」
アンドルの部屋に来る途中で廊下の護衛に話をした私が全面的に悪いのだから。
「王子有難う御座います。じゃあベルトを外す為に身体の向きをまた変えますね」
アンドルがホッとした声でそう言うと自分の身体をまた少しずつくねらせながら向かい合った体勢に戻した。
戻したと言っても私の目の前はアンドルの踵からつま先に変わっただけだが。
「じゃあ膝が折り曲げられるかやってみます」
そしてアンドルがそう言うと今度は片足を一度少し蹴り上げて麻袋の空間を確認した後、一気に両膝を曲げて身体全体を私の上半身の方に「うんせっうんせっ」と上手く膝を動かしながら移動して来た。
移動の途中経過で私に確認もしてくれる。
「王子のお顔に僕の足が当たりましたか?」
「大丈夫。当たって無いよ」
「じゃあこのまま王子の腰あたり迄下がりますね」
アンドルがそう言うとアンドルの膝が更に少しずつ私の顔に近づいて来る。
「ふおおっ……!!」
つい心の雄叫びが声に出てしまったのは目の前にアンドルの股間が「こんにちわ」とやって来たからだ。
しかしアンドルは自分の事で精一杯なのか私の雄叫びにはお構いなしに話す。
「ふぅっ王子、ようやくベルトの前に来ました。後は僕の口で王子のベルトとスボンを脱がせますからもう少し辛抱して下さい。
「ああ!!是非頼む。アンドルだけが頼みだ」
力強くそう言うとアンドルも「頑張ります」と元気に言ってくれた。
本当にアンドルのお口で私のベルトを外し、ズボンを脱がしてくれるのか?
そんな元気いっぱいな返事をして頑張ってくれるなんて、もう妄想だけで気持ち良くなってしまうじゃないか。
私の息子が想像だけで大きくなってしまう。
落ち着け息子よ!!えっ?クソ親父でも落ち着かせる事が出来ない無理難題を俺に押し付けるなだって?
しかし息子がズボンから出っ張っていてはアンドルがスボンのチャックを下げられないだろうが!!
(鎮まれ息子よっ!!)
(あっバカっツバはやめてくれっ!!)
「くぅっ………」
自分の息子を確認する事は出来ないが、お約束通り自分の息子の先っぽからツバを吐かれてパンツがじんわり湿ってきたと感じる。
くっこんな時に……興奮してしまう状況じゃないからアンドルにはバレたくはない。
アンドルは必死にナイフを取り出そうとしているだけなのにまるで私がいやらしい事しか考えてないみたいじゃないか!!
しかしその背徳感でさえ何ともゾクゾクしてしまうのが情けない。
「カチャカチャ」とアンドルは口を使って私のベルトを上手く外し始めていて自分のベルト締め付けが緩まってきた。
今の内に私の息子ももう少し落ち着かなければ……私の意識をアンドルに集中してしまうのがいけないと思い、目の前に意識を持ってくるとそこにはアンドルの頭の動きと連動しているアンドルの股間が先程からモゾモゾと動いていた。
アンドルの服装は既にルームウエアに着替えており肌触りが優しい素材でできている。
そのルームウエアのズボンの奥には小さなアンドルがいるんだろうね。
アンドルの股間を凝視しながら急に昔の事を思い出して懐かしくなった。
小さい頃にアンドルを王宮のお茶会に呼んだ時に嘘をついて身体検査と称して全裸にさせたんだよな。
その時に小さなアンドルは私の目の前で一生懸命踊ってくれていた。
ああ……あの時の小さなアンドルは可愛いかったな。
だからって今の小さなアンドルが可愛くない訳じゃないぞ?
今は目の前でアンドルの股間が動いているからついついその奥にある小さなアンドルを想像して懐かしんだだけだ。
そうやって私の意識は口を使ってベルトを外しているアンドルではなく、目の前にあるモゾモゾしているアンドルの股間に集中しているのにも関わらず、何度もアンドルの顔が私の股間に直撃して意識が引っ張られてしまう。
「ふっ……くぅっ……」
「ああっ王子申し訳ありません!!ベルトは外れたのですが、スボンのボタンが中々取れず……格闘しています……」
「いや、さいこ……うじゃなくて大丈夫だ」
申し訳なさそうにアンドルが教えてくれるが、アンドルが私の股間をスボンを越しでふぅふぅと荒い息をあげているだけでもう私の意識が飛びそうなのに、アンドルの顔が……これは鼻か顎なのか……が私の息子をツンツクしてくるから堪らない。
いや本当に最高……アンドルよ此方こそ気持ち良くなってしまい申し訳ない。
「王子、もう少しの辛抱ですからね」
「アンドル本当にありがとう」
私はアンドルに対して申し訳なさを感じながら……心からの感謝の言葉が自然と溢れ出てしまった。
ーーーーーー
明日に続きます。
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