【完結】王子様の婚約者になった僕の話

うらひと

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番外編1

国王の息子・後※

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「よしよしエディ、今日もお疲れ様でした」
「アンドルゥ……今日も早くベッドに行きたいんだ」


   クソ親父のエドワードとアンドルは今日もお互いの仕事が終わると一緒にシャワーを浴びながら抱き締め合っている。


 そして夜の俺は一日で1番大きく強靭な身体を手に入れる。
 今日の夜はクソ親父もアンドルも全て俺が支配してやっから。


(おいっお前ら起きたかー?点呼しろー!!)

(はーい!!息子さんこんばんわ!!1番は僕、小さなアンドルです。えへへっ今日も宜しくお願いします)

(……ふんっ夜は中々従順じゃないか。いつもそうしてくれっ!!じゃあ次ー!!)


(……こ、こん……ばんわ……2番……後ろ……アンドル……です)

(あっ?声が小さくて聞こえないぞっ!!もっとはっきり言えよっ!!)

(……………)

 いつもそうだ。後ろのアンドルって奴は俺を蔑ろにしているのか昼間は起きないし、今も応答しない。何だっ?俺を舐めているのかっ!!

 後ろのアンドルに説教しようとすると小さなアンドルが止めに入った。

(むっ息子さんっ待って下さい!!後ろのアンドルは臆病なだけで貴方の事が大好きでモジモジしてしまうんです。自分から声も掛けられないんです。どうか許してやって下さい!!彼の勇気が出る迄は僕が貴方にお付き合いしますから)

 フゥー仕方がない。後ろのアンドルの為に一生懸命フォローをしている小さなアンドルに免じて許してやる事にした。

(分かった。おいっお前!!後ろのアンドルは感謝しろよなっ!じゃあ小さなアンドルよ。厳しいと思うがその分私に付き合って貰うぞ!!)

(はっ……いん!!そんないきなりっ!!んっあ!っあん!!)

 俺は直ぐに愛人の右手を呼び寄せて、俺と小さなアンドルとの容赦ない鬼畜な3Pを楽しんだ。


(ヒャンヒャン!!息子さんっだめです!!僕はもう馬鹿になっちゃう!!)

(ああっ??小さなアンドルよ、こんな事位でめげてるんじゃねーよ!!)

(あらぁ!!小さなアンドルさんはここが、お・す・き・よねー!!カリのうらの部分を下から上になぞってあげるのサービスしちゃうわっ!!)

 流石は俺の愛人の右手だ。俺の本命相手にも容赦ねーな。

(ハアハア……息子さんと右手さんが同時にぃーそんな事をっ……されちゃったら僕はっ僕は頭が真っ白にぃーーーああーーー!!)


 最初こそ抵抗していた小さなアンドルだったが、俺の濃厚なベロチュウを受けながら右手に身体を弄られるとすっかりメロメロになってしまい、呆気なく快楽堕ちしてしまいやがる。

 そんなに弱い癖に後ろのアンドルを庇っていたんかー?
    雑魚は引っ込んでろっての。


(どうする息子君?後ろのアンドルさんは先に緊張を和らげておいた方がいい?)

 愛人の右手が俺の行動を先回りしてくれる。そういう細やかな意思疎通ができる所が小さなアンドルと後ろのアンドルにはないんだよなあ。

(ああ……強引にすると怪我をしてしまうからな。右手よ頼む)

(……分かったわ)


 右手は俺の本命にはなれないと伝えているにも関わらず、長年文句も言わずに俺の本命の身体迄気遣える愛人だ。

 どうしてこんなに尽くしてくれるのか一度聞いてみた事がある。

 するといつもはチャラチャラっとしている右手が改まって

(貴方のお父様の事を心から愛しているからです)

 と言われてしまった……。


 あのクソ親父の事の為に息子の俺の愛人迄なるとはな……全てはクソ親父の為……か。

(そろそろ緊張がほぐせたわよ。後ろのアンドルさんと私は最初に比べて随分と仲良くなったわ。最近は息子さんの事が大好きな気持ちが溢れてクパァッと笑顔で笑ってくれるの。うふふっ可愛い子よね)

(右手よ。いつも有難う)

(問題ないわ。また呼んで)


 そう言って右手は自分の仕事が終われば、何事もなかったかの様に別の場所に戻っていく。
 全くドライな関係だよ。
 だから長続きしているんだけどな。

 じゃあっそろそろ引っ込み思案な性格の後ろのアンドルの所に行くか。



 そう思って後ろのアンドルの所に行くと酒に酔った感じの後ろのアンドルが俺の事を待っていたみたいだった。

(ああヒックッ……はへ……息子ちゃ……むーちゃん……だいしゅき)

 おい……後ろのアンドルは酩酊状態じゃないかっ!!右手よ、こいつに何したんだよっ!!

(おいっ大丈夫か?右手がお前に何をしたんだ?)

 俺がそう質問するとヘララっと笑って後ろのアンドルが抱きついて来た。

(あのねぇ~違うの。僕はずっと起きてて、むーちゃんが楽しそうに遊んでいる声に聞き耳を立てていたら僕の妄想もどんどん楽しくなって来ちゃって。
   お腹も減って来ちゃって……へへ……そうしたら右手さんが飲ませてくれて、ヌルヌルになっちゃって、沢山食べれる様にゴシゴシしてくれたの。ヒック……むーちゃんだいしゅき)

  ……言ってる意味が半分位しか分からねーが、緊張をほぐす為に右手が後ろのアンドルを酔わせたのは分かった。
    しかしこれはちょっと飲ませ過ぎじゃないか?

(さっきからむーちゃんって??おまっ俺をそんな名前で呼ぶなよっ俺の威厳がなくなるじゃないかっ!!そ、そうかっまあ酔っ払っていても少し従順になったのならいいが)

(これか~右手さんが後で特大ウインナーを食べられるって言ってたのはぁ。ヒック……じゃあむーちゃんを頂きまぁ~す!!クパァッ)

(はっ??)

 俺の話を聞いてないのか酩酊した後ろのアンドルは俺を抱き締めたまま俺を食べ始め、ごくごくと飲み込んでいった。
   何処に特大ウインナーがあるのかとキョロキョロ探したがまさか俺の事だったのかっ??


   おいっ右手は後ろのアンドルに何を言ったんだよっ!!


(うおおっちょっ!!ぐわっ!!待てって!!)

(むーちゃんが美味しいよぅ。ヒックッ……僕誰にも分けないで僕1人で全部食べちゃうぞ!!クパァクパァク)


 後ろのアンドルが酔うとこんなに大胆な行動をしてしまうのかっ!!
 しかもぐんぐん中に押し込められて、何度も外に出ようと試みるがその度に凄い力でまた飲み込んでいく。
    それに全身に響くこの強い刺激がっ!!
    ヤバいっ俺の力が抜けるーーー。


(あっひゃっ♡おへっ!!んほっ!!んほうっ♡!!イグウウウーーー!!)

 ドッピューーーウ!!


 後ろのアンドルに飲み込まれた俺は暖かなヌルヌルの中で信じられない刺激を受けてしまった。後ろのアンドルが何度も俺をクパァクパァク食べるから俺の全身がきゅうんきゅうんと締め付けられて刺激を与えられて、た、たまらなかった。

(ハアハア……くぅっ……油断して……出ちゃったじゃねーか……ああ?ヒックッ……あれっ?ヒックッ……)

 一旦後ろのアンドルの口から抜いて貰って、冷静になろうと努力したのに、どうやら後ろのアンドルの中で俺まで酔ってしまったようだ。

 一瞬フラフラしてしまったが、俺は小さなアンドルみたいな雑魚じゃねー。こんな事ではへこたれねぇから。

 さっきは酩酊状態の後ろのアンドルに油断したんだ。油断。

 少し酒に酔ってしまったので外の空気を吸って落ち着かせてからまた後ろのアンドルに説教しなければ。


(お、おいっ!!ヒック……後ろのアンドルよ。さっきはよくもやってくれたなぁ!!)


(ふあっふあっハックショーン!!あっごめんなさい!!なんかむーちゃんが居なくなってぽっかり穴が空いて寒くなって来ちゃって。風邪引いちゃったかなー僕)


   後ろのアンドルはくしゃみのせいでヨダレなのか鼻水なのか大変な洪水状態になっている。説教しようと思ったが流石にちょっと心配になってきた。

(うわっ!また豪快なくしゃみだな。鼻水は大丈夫か?ティッシュはいるか?熱は?俺はこれでも病気の奴には優しくするんだぜ)

   心配して近づいてみれば、突然後ろのアンドルの方から俺をもう逃さないとばかりにまた抱きついてきて離さない。

(はっ??)

(なーんちゃって!!ヒック……むーちゃんみっけぇ)

 何だと!!今のは洪水トラップだったのかっ!!

   直ぐに離れようとするが俺も酔っていて中々力が入らないし、だから意外と力が強えーんだよお前はっ!!


(おいっ酔っ払いっ止めろって!!)

 俺だって少し酔っているのにとは思ったが、後ろのアンドルは(僕ね、名演技でしょ?)と言いやがり、しかもこいつは本気で力が強いんだ。



   
 逃げ出そうにすると、ああ……酔いが回って来て俺の思考能力が低下しながら、またどんどんこいつの口の中に入ってしまう。


 また生暖かいヌルヌルとザラザラした部分に全体を包み込んできゅーんきゅんとしたアンドルの締め付けが混ざり合い、俺は力が抜けるし駄目になってしまう!!
 このままでは後ろのアンドルより先にイッてしまうじゃねーか!!
   それだけは阻止しないと!!

(何とか抜け出す方法は……あっ逆にあの不思議な窪みをグリグリすれば1発逆転の何かが起こるかもしれねー!!)


 俺は奥にある不思議な窪みを狙ってグリグリ押してみた。すると人間のアンドルの方が先に限界が来た。


「あんあんっ!!そこっ変になっちゃう!!ハアハアああーー!!」

「アンドルゥーここだね~前立腺に当たったかなぁ?はあ中をキュンキュン締め付けて、くぅっ……メスイキ気持ちいいね。はあっ可愛い……くっ私も凄く気持ち良くてもう、イクよ!……イックゥーー!!」


 クソ親父と一心同体の俺も

(はへっんはあっ♡んほっんほっ♡一イッグゥーーーー!!)

    ドピュドピューーーーゥー!!

 ヌルヌルのアンドルの中で再度俺の精液が盛大に放たれた。
 最後はほぼ意識を快楽に持って行かれてしまい、意識が真っ白のまま射精してしまったから……俺のプライドはズタボロだ。

 クソッ

 そしてゆっくりゆっくり後ろのアンドルから引き出される直前、後ろのアンドルが小さな声て俺に呟いた。


(……僕の勝ち)

(なっ!!)

 何だとっ!!

(おいっお前っ、今何つったよ?ふざけるなっ!!誰が負けたって?俺の方がイッたのも後だったろうがっ!!)

 すると俯いて静かにしている後ろのアンドルは一枚の画像がプリントされたティッシュを俺に渡してくる。何だってんだよっ!!

 俺はそれを受け取って見てみると……

(こ、これはっ!!)

 そのティッシュには後ろのアンドルに完全敗北した、射精時の無様なアヘ顔の俺が映っていた。
い、いつの間にこんな物を撮っていたのか全く気が付かなかった!!だがこいつはやりやがった……。


(この可愛いむーちゃんの顔を右手さんや小さなアンドルにも見せてあげたいなぁ?)


(……うぐっ……ははは……ま、またそんな……や、やめて下さいよ……)


   ーー



 そうして俺は……後ろのアンドルの言う事を聞いている。待てと言われれば我慢するし、呼ばれれば直ぐに駆けつけている。

   しかし後ろのアンドルは無茶な注文をしたりはしなかった。ただ1つだけ小さい声でお願いして来ただけだった。


(君のお父様にもう少し優しくしてあげてよ。僕も協力してあげるからさ)

(……はい)


   それからの俺はイライラして暴れそうになると後ろのアンドルが根気よく俺を受け止めてくれるので、今まで程、真っ昼間から暴れる事は無くなっていった。


    少し前までの俺はこの国の最高権力者である国王の息子で、その国王もねじ伏せた俺はこの国の権力の中心だったのに……もうその中心には俺はいない。



   そこにはいつも昼寝をしている後ろのアンドルが君臨し続けている。




 ーーーーー





(ははっ息子君、最近は結構大人しいね)


 クソ親父が最近静かにしている俺に気を遣って話しかけてきた。


(ああ……もう反抗期はやめたんだ。クソ親父……いや父上、今までごめん。俺もなるべく時と場所を考える事にするよ。でもそれでも暴れる時があるからその時は俺を止めてくれ)


   俺は初めて父上に謝った。


   俺はこの父上からこの国の権力を強引に奪った癖に、その力を呆気なくアンドル王妃に奪われてしまったのを心の底から申し訳ないと思っていた。正確に言えば後ろのアンドルにだが。

   それも全て調子に乗っていた俺の至らなさが原因だったんだ。

   今まで父上には随分と突っぱねていた分、言葉使いまでは上手くできねーが、それでも言わないより言った方がマシかと思い、思い切って言ってみたんだ。


 そう……。
    もう俺達は本当の権力全てを失ってしまったんだ。






   それでも父上は特に怒る訳でもなく(また一歩大人になったんだね)と感激してヨシヨシと俺の頭を撫でてくれた。


   





 Fin
 ーーーーーーー
 お読み頂き有難う御座いました。




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