【完結】王子様の婚約者になった僕の話

うらひと

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本編10

113完結。大切なクマ※

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 エドワード陛下はシャワーから出ると素早く自分と僕の身体を拭いてお姫様抱っこでベッドに連れて行ってくれた。
    これも最初は恥ずかしかったけど……断るとあからさまにションボリされるのでされるままにしてしまっている。


「アンドルゥー今日もあれが飲みたいんだ」


「はいはい、ミルクだね。直ぐに用意するからエディは良い子で待っていてね!!」


 ベッドに連れて来てくれたエドワード陛下の頭を優しく撫ででから、今日の用意しておいたミルク入りの哺乳瓶を持ってきて陛下の顔を抱き締めながら飲ませてあげている。


  チュパチュパッ


「エディは良い子だねぇ。今日も頑張ったもんねぇ」

 他の人からは異常と思われそうなこの行為も僕とエドワード陛下には当たり前の事なんだ。
   エドワード陛下は未だ猫の呪いの後遺症に悩まされている。
   僕を目の前にすると突然胸が締め付けられる様な痛みがあるらしく、時折胸を押さえながらハァハァと発作的な物が起きる。
    それを落ち着かせるのはエディと一緒に生活していた僕でしかできない事らしい。


 チュポンッ


「エディ、いっぱいミルクが飲めたね。ポンポンする?」


「ポンポンより今度はこっちを吸いたい」


「あんっ……ん……ふっ……こっちはミルクが出ないんだよエディ」


「知っているよ」


 そう言ったエドワード陛下は形勢を逆転させて僕の乳首をチュパチュパと吸い始めてしまった。こうなると「ミルクは出ないんだ」と僕が言って「知っているよ」と陛下が言うまでがルーティンになっている。

 これも黒猫の時にできなかったストレスが呪いの後遺症となっているらしい。

 それを結婚してから聞いた時は黒猫だった時にやっぱりいやらしい事を考えていたんじゃないかと陛下に怒ってしまったけれど、呪いの後遺症がここまで残っているなんて思わなかった。

   もしかしたら死ぬまで一生陛下は悩み苦しむのか……と思ったら何とか僕もその悩みや苦しみを分かち合いたいと思っている。


「はあっあっあっ、エディそんな事したらもうここが苦しくて……」


「君の小さなアンドルがこんなに立派に成長して……可愛い、ほんと可愛い。食べて良いかい?」


「ひゃっ!!んっ……」


 そう言って陛下は僕のペニスの先をくりくり触りながら先に出てしまっている先走り汁をそのまま僕のペニスに伸ばし始めた。それをされると焦らされている様でもどかしくなってしまう。

 エドワード陛下は僕のペニスの事をいつの間にか小さなアンドル……と独特な名前をつけて呼んでいた。因みに自分のペニスは息子と言う。そして気づけば小さなアンドルにも話しかけたりする不思議な性癖があった。


   驚いたのはプロポーズをしてくれた夜王子に言われるがまま身を任せていたら、何度も好きだとか結婚しようと言ってくれていたけど、僕の顔を見て言ってくれたり、小さなアンドルに向かって言ってくれたり……その……お尻に向かっても言ってくれたり……本当に恥ずかしくて隠れたい気持ちでいっぱいだった。


「うん……エディ、僕もエディのここが大きくなっているから一緒に」


 そう陛下に言うと嬉しそうにして僕のペニスを口に含み、それと同時に陛下のペニスを僕に向けてくれるので僕も気持ちよくなってくれる様に一生懸命舐め始めた。


 陛下の見様見真似で口に含んでも陛下のペニスは僕と違って凄く大きくて全部は入らない。それでも陛下は凄く感じてくれる。

「ハアハア……アンドルが私のを……ハア気持ちいい……クッやはり私はダメだっ、我慢しているのに……ハアハア……アアッ……グウッイクッ!!」

 と言って今日も僕より早く一度出してしまった。


 だけど陛下が凄いのはその脅威的な回復力というか……僕だって若いのに2回、3回出してしまうと疲れ果ててしまうのに、陛下は何度でもペニスが復活してしまう。

 それが原因で今までも抱き潰されて次の日動けない僕を見た陛下の側近や侍従長から王子は相当怒られる失敗を何度かした。その経験から今は上手く調整できる様になってきた。それでもたまに抱き潰されてしまうけど。

 けれども陛下が調整できる様になってから僕の方が辛くなってしまった。陛下は僕を抱き潰さない様にしてくれるのは嬉しいけれど、僕が射精して疲れさせない様に寸止めばっかりしてくる。


 僕のペニスを全て口に含まれ玉を転がされジュボジュボと美味しそうに出し入れされたら僕だって直ぐにイッてしまうのに僕がもう出しそうになると彼が止めてしまう。

「はあっぐっ……なんでぇ?……僕だってエディと一緒に」

 もう出したくて苦しくて涙を流しながら懇願するんだけど陛下は優しく言い聞かせてくる。その内に僕の後孔まで舐めたり指で優しくほぐし始めてしまった。


「アンドル苦しいか?でもアンドルをあんまり疲れさせる訳にはいかないんだ。苦しかったら枕元にあるクマを抱き締めていろ」


「はい……ハアハア……うん……んはあっ」


 僕が苦しくなると決まって陛下は枕元にいつもあるフワフワのクマを抱き締めろと言う。このクマは陛下にとって初めて自分がせがんで頂いたプレゼントだったらしい。
 貰った頃から今でもずっと大切に枕元に置いてあるんだって。
 小さい頃から陛下は辛い時や苦しい時、このクマに何度も慰められたり救われて来たんだそうだ。

 そんな大切なクマを僕が抱き締めて良いものかと思うのだけど、自分が気持ちが良過ぎて苦しい時にはクマで良いから縋りたくなってぎゅっと抱き締めてしまう。
 だからどうしても涙や……涎なんかも殿下の大切なクマの服にも染み込んでしまって本当に申し訳ない。

「アンドル、ゆっくり……挿れるよ」

「は、はい……エディ………来て」


 ズズズゥー……と質量が高い物が僕の後孔から入って来ると苦しいのにエドワード陛下と1つになれた事の喜びと気持ちよさでまた僕のペニスがグンと上がってしまう。

「はああ……エディダメっ!!もうイっちゃう!!」

「アンドル待て!!んんっ……クッ……今……中に全部入ったから少し落ち着け」

「くうっ……んっ……ハアハア……そんなっ……エディの意地悪」

 今度こそイキそうだったのに素早く陛下が僕のペニスの根本を握り、射精ができなくさせてしまった。いくら陛下でもこれは拷問じゃないのか?


「エディ……酷いです!!ぼ、僕もイかせて欲しい」


 僕はもう堪らず自分も起き上がって腰を揺らし始めてしまった。
   陛下が動揺している隙に陛下を抱き締めてキスをしながら自分の気持ちが良いところを突いて貰える様に腰を動かしてしまう。
 もう僕の中は陛下のペニスの形に作り替えられた様にピッタリでギチギチに合わさってしまっていて、こんな身体にしたのも陛下なんだから責任をとって欲しい。


「うあっアンドル!!クゥッ……ダ、ダメなんだっ!!アンドルから動いたら私の息子が保たないって!!頼むっ!!ハアハア……イクッ、だから駄目だって!!ハアハア……イ、イイグウッ!!」


 こうしている内にまた陛下の物が膨らんで僕の中で暖かい物が広がった。陛下の耳の中をペロペロと舐めながら腰を動かしていたら陛下の方がまたイってしまったみたい。
    陛下の顔を見るとまだ惚けたまま放心状態だった。


「エディ?」

「ハアハア……ハアハア………」

「エディ?大丈夫??」

「ハアハア……うぐぐ……アンドルお仕置きだ」

「えっ?あっ、ちょっと!!ヒャンッ!!」

「アンドル好きだ!!」


 今射精したばかりだと言うのに陛下はズンッとまた硬くなった物を僕にまた出し入れしてきた。今度は激しく。そしてまた陛下がイきそうになると、それと同時に僕のペニスを握るのを止めて扱き始める。するともう出したくて堪らなかった僕のペニスは呆気なく射精してしまった。勿論陛下も。本当に陛下って絶倫だ。


 明日は陛下も僕も公務な無い日なのでまだまだ夜は続く……僕は流石に2回イッた時には意識が朦朧とし始めたのに陛下はまだまだ元気だった。でも御免なさい陛下、僕は逆にもう……幾度もの寸止めで疲れ果てて意識が途切れそうです。


「エ……ディ……」

「アンドル愛してる、大好き」



 ーーー




 次に目を開けた時には朝になっていた。


 身体もシーツもベタベタしてないから、きっといつも通りエドワード陛下が僕の身体を拭いてシーツも取り替えてくれたんだ。

 そして隣には腕枕をしてくれていた陛下の綺麗な寝顔があった。

 その陛下の唇にそっとキスをして、起こさない様に起き上がりシャワーを浴びに行こうとしたらグイッと腕を引っ張られてまたエドワード陛下の胸の中に入ってしまった。

「あっん……!!」

「1人で何処に行こうとしていたんだ?おはようアンドル」

 きゅっと抱き締めてから額にキスをされて笑顔で見つめてくる。いつもは国中の皆にアルカイックスマイルを披露しているエドワード陛下も今は僕1人の為に見せてくれるこの笑顔が大好きだ。

「エディもおはよう……えっと……シャワーを浴びようと」

「駄目だ!!」

「ええっ!!何でっ?」

「昨日はアンドルが先に寝てしまったじゃないか」

 抱き締められた下半身に硬い物が当たっている……そんなっ嘘だっ……まさかっ?!昨日あんなにしたのに?

「うそだ……エディはそんな子じゃなかったのに」

「これは国王命令だ!!」

「ヒャッ……」

 陛下の絶倫には恐怖すら覚える事がある……こんな事僕は王宮で暮らし始めるまで知らなかったんだ。それに普段権力を振りかざす事がない彼なのにこんな事で僕に国王命令するなんて……そんなぁ。

 そうしてまた朝から抱かれて僕はクマを抱き締めるハメになるんだ。ごめんねクマちゃん。

「それにしてもエディが大切にしているこのクマのぬいぐるみは誰からの頂き物なんですか?」


   不意に……今日も抱き締める事になったいつもお世話になっているクマが気になった。


「ん?これか……これはアンドルから貰ったんだよ?覚えてないのか?それより一緒にシャワーを浴びようかアンドル」


「えっ!!僕がこのクマを……?」


 ええっ?こんなクマを僕がブレゼントした事があったっけ……?


 全然思い出せないんだけどな……もしかしてエドワード陛下が僕と勘違いして僕とは違う誰かから貰ったとかじゃ無いのか……?

 このクマはかなり使い古されているけど、生地が良いのか未だにフワフワして肌触りのいい高級品だとわかる。
 そしてビンテージ物みたいな簡素だけど素材の良い服を着ていて小さなクマの子供って感じで可愛かった。


「おーいアンドル!!先にシャワー浴びてるからおいで」


   先にシャワーでを浴びに行ってしまったエドワード陛下が呼んでるから早く行かないと。
   でもこの国の国王になってもこんな可愛いクマのぬいぐるみをずっと枕元に置いてあるなんて……陛下ったら可愛い所もあるよね。


「ふふっ本当にエドワード陛下はこのクマを大事にしていたんだなぁ。……クマちゃん、僕のエディをずっと見守ってくれて有難うね。これからも僕も含めて宜しく」



「アンドルゥッ早くおいでー!!国王命令だぞー!!」



「あはは……はーい!!今行きますから!!」



   でも絶対にこの可愛いクマを僕がプレゼントした記憶はないんだけど……だけど陛下が僕から貰ったと言うなら仕方がないか。
 クマの着せているシャツの背中にはエドワード陛下が小さい頃に書いた文字がまだしっかりと残っていた。




【ドントウォッシュ】




 僕はクマの唇に1つキスをしてから大急ぎでエドワード陛下が待っているシャワー室に向かった。





 Fin
 ーーーーーーーーーー
 完結です。最後までお読み頂き有難うございました。

※忘れた頃に王子sideと息子side(王子のお◯ん◯ん)の話を番外編で投稿しようと思っています。どうもでした!!




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