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〜王子side7〜
107エドワード王子の反抗期5※
しおりを挟むしかしここで慌てたら駄目だ。このチャンスを絶対逃さない。しっかりとアンドルの目を見てクマのアンドルに練習してきた成果を今見せる時が来たんだぞ!!アンドルを見て……
「アンドル……好きだ」
そして……
「エドワード王子……僕も……好きです」
うおお………
そしてついに私の気持ちに応えてくれたアンドル!!
初めてだ……王子としてお慕いしているとは言ってくれていたが、初めて私の事を好きだと言ってくれた。
余りに嬉し過ぎてこの喜びを爆発させたかった。
するとズボン越しから凶悪に成長した私の息子がおのれ自身をアンドルに押し付けて突然っ小さなアンドルと後ろのアンドルに呼びかけた。
(おい、お前ら今の言葉をちゃんと聞いていたかー?お前達のご主人様はよぉー、俺がお前達を組み敷いてヒャンヒャン泣かせる許可を下したんだぞ!!)
(おいっ息子よ!何て事を言うんだっ!!)
(だってそう言う事じゃねーか。お前だって本当は同じ事を思っている癖に優しくて善人そうな人の皮を被りやがって)
(ぐっ息子よ……そんな乱暴な言い方はやめなさい!!本心ではそう思っていても相手を怖がらせてはいけないんだよ)
(ケッ!!……猫の姿で散々楽しんでいた癖によく言うよぺぺッ!)
(なっ!!いくら私の息子でもズボンにツバを吐くなんて駄目じゃないか!!……今日の夜はじっくり教育してやるから覚悟をしておけっ!!)
(フンッ……ぺぺッ!)
(おいまたっやめなさいって!!)
全く私はとんでもない息子を持ってしまった様だ。
猫の時は息を潜めていた息子がその反動で今は反抗期になってしまっている。
私の育て方が悪かったのか……とにかく暴れる息子を宥めるのに必死だが、せめてアンドルの前だけは静かにして欲しい。
その時も早速アンドルの下半身目がけて打ち付けようと暴走したがる息子をギリギリの理性で抑えつけて身体を離す事ができた。
しかしアンドルを馬車まで見送る途中も自分の息子を抑えるのに必死になっている時に、私は見てしまった。えっ?まさかっアンドル?
あのアンドルの下半身……ズボンの上からでもポッコリと小さなアンドルが大きく成長していた姿を。
まさかっ私に欲情してくれたのか?!
そしてアンドル自身も顔を真っ赤にさせて必死に悶えていた。
ア、ア、ア、アンドルーーーーッ!!
その日の夜は大変な夜になってしまった。
(息子よ。今日はゆっくり話せる時間を作ったよ。だから大いに語って分かり合おうじゃないか)
(何を今更父親ぶりやがってぺぺッ!)
(うわっいきなりツバを吐くのかっ!!小さい時は素直で可愛い時もあったのにどうして)
(はあ?俺がこんなに反抗期なのも全部お前が悪いんだ。被害者ぶるんじゃねーよ!!)
(一体どこで育て方を間違えたのか……今からでも遅くは無い。更生できる様に一緒に協力するから頑張ろう)
(はあっ?随分俺を放ったらかしにしておいてよくもぬけぬけと言ってくれるもんだぜっ!!もう後戻りなんか出来ねーんだよ!!ぺぺッ!)
(いや出来る筈だ。お前は私の息子だ)
(何言ってやがる!!お前の息子だからこそ後戻りできねーっつってんだろうがよっ!!ぺぺッ)
(だからツバを吐くのはやめなさいって)
制御不能な息子は何度注意しても私の言う事は聞かず、暴れ回りながらツバを撒き散らかすので私の色んな所を汚されてしまった。
(たのむ息子よ、そんなに暴れ回るのはやめてくれっ!!そ、そうだっ!!今日はささやかだが息子にお土産があるんだよ。この小瓶の蓋を開けるとほらっ、ほのかに苺の匂いがするのがいいだろう?)
(グワァッ!!テメーーいい加減にしろ!!口ばっかりで俺の事なんか全く理解してねーじゃねーか!!お前のやる事なす事全部イライラするんだよっ!!余計腹が立ってきた!!ぺぺペペッ!!)
(うわーーっ!!)
1番息子の事を理解している右手にも協力してもらい息子を静止させようとしたが上手くいかず、最終的に普段は息子に無関心な左手までも協力してくれて、ようやく落ち着きを取り戻したのだ。なんて日だ……。
私も流石に疲れ果てて寝落ちしてしまった。
ーーーーーーーー
次は8月21日の投稿予定です。
宜しくお願い致します。
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