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〜王子side7〜
104エドワード王子の反抗期2※
しおりを挟むはあっ何だとっ!!
侯爵家で生活していたのに、借金を完済した事は全くわからなかった。クッ、いつもアンドルと一緒に行動していたから、そうか……アンドルの父親である侯爵と私が嫌いな弟のアンジュが動いていたのは知っていたが、とうとう完済したとは……特にアンジュは私と敵対していたからアンジュの行動まで追わなかったのが不味かった。
「父上、それではアンドルから婚約破棄を申請されたら受理されてしまうじゃないじゃないですかっ!!私は一体どうすれば!!父上、父上!!何とかっそこを何とかアンドルと結婚できる方法はございませんでしょうか!!知恵をお借りしたい!!助けて下さい!!私をどうかっお願いします!!」
「…………」
それから父上からは「お前は王族の争いよりもアンドルがそんなに大事かっ!!」とアンドルの今後を考えて震えが止まらない私を父上がさらに説教を始めてしまった。
そして散々父上に説教をされてしょぼくれたまま私は素早く兄上様達それぞれにご挨拶に伺い、私は王太子争いには加わらず中立宣言をする事を伝えて2人とも了承を得た。
兄上様達は私が王族の呪いを解いて王宮に戻って来た事は喜んでは下さっていたが、実際は王太子争いの真っ只中なので私も参戦すると思っていたらしい。
この時期に帰って来てしまった私に相当身構えていたそれぞれの兄上様達は、久しぶりに見た私が謎にしょぼくれているし、王太子争いには加わらず中立宣言したいと言ったのでエドワードは呪いのせいで病気になったのかと逆に物凄く心配される始末だった。
やれやれ……とりあえず王族同士の争いの火の粉はこれで当面降り掛かってこない筈。
そしてようやく何年かぶりに自分の寝室に戻ってくる事ができた。今日は流石に疲れたな。
「おや……私の部屋は思っていたより小さかったんだ……」
久しぶりに自分の部屋を見渡してみると以前と全く同じ状態にしてくれているが、自分の身体が大きくなったせいか記憶にある自分の部屋とは随分目線が変わったと思う。
ベッドの枕元には呪いに掛かるまでの私が気に入っていたクマのぬいぐるみがそのまま置いてあって懐かしい。
以前は毎日このクマを抱き枕代わりに抱いて寝ていたんだ。これからアンドルと寝れないのは寂しく思うが、ふふっ今日は久しぶりにこのクマのアンドルを抱いて寝るか。
久しぶりに自分のベッドに横になり、クマのアンドルを抱き締めてみた。昔はこのクマ包まれて寝ていたのに今は逆に私の中にすっぽり入るくらい私は大きくなったと改めて実感する。
よくこのクマのアンドルを本物のアンドルに見立ててキスの練習をしたっけ。今は黒猫になってアンドルと沢山キスができたが……人間の私のキスをアンドルが受け入れてくれるかどうか……。
「アンドル……好きだ」
一言クマのアンドルに向かって呟き、ゆっくり自分の唇をクマの口っぽい場所にキスをしてみた。実際には口はなく、その部分は毛がもふもふしていた筈なんだが私が同じ動作を長年繰り返してきた為にその部分だけ毛が短く薄くなってしまっている。
何度かクマの口に自分の唇を当ててみると、ムラムラしてきた。
そういえば猫だった時は発情しなかった……いや、ずっと発情しっぱなしだったが、猫では息子の扱い方が分からなかったし、アンドルとどうする事もできなかったからどうしようもなかった。
久しぶりに勃起した息子は自分でも驚くぐらい凶悪な感じになっていてびっくりしてしまう……ほったらかしにしていた私の息子ってこんな風貌だったか……?
ともかくタオルを用意して右手を使って息子を扱ってみた。
くっ……ああ……これだこれ。久しぶりだから凄く感じてきた。
疲れているのにも関わらず気持ちが乗ってきたので、右手で息子を扱きながら左手でクマのアンドルが着ている服を半分まで脱がせた所で、私の好みの趣向で全部脱がせる事はせずに、はだけた状態のクマの胸をまざくりながらアンドルを想像した。
グゥゥッ思ったより迫り上がってくるのが早いっ!!
「あっあっイ、イ、イクッアンドルーーー!!」
ドッピュウーービュクビュクッ
「あっまだっ……グウッ!!」
ドピュッピュルッ……ピュッ
ハアハア……早漏だ。しかも量多すぎ。
クマのアンドルのパンツを脱がす前に胸だけでイッてしまったが最高に気持ちが良かった。
今日は疲れたからこれで寝るが、次はクマの下半身を触る楽しみが増えたな。
「じゃあ、おやすみアンドル」
そうして私は王宮に戻った翌日、王宮にある貴族院の前で無事留学から戻ってきた報告と、王太子争いには加わらず中立の立場を大々的に表明した。
ーーーーーーー
明日も投稿予定です。
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