82 / 124
本編7
82エディside4
しおりを挟む
はっ?……今彼女……の名前はアンと言ったのか!!
長い間ずっと2人で生活してたって………
まさかっと考えを巡らせていた私の後ろでも静かに丸まっていた黒猫達が彼女の発言を聞いてザワザワし始めている……。
王族達も何かを感じているんだ……きっと私が考えている事と同じ事かもな。
彼女はアンドルの血筋にあたる侯爵家のアンだ!!
王族が所有していた本に書いてあった物語の登場人物。
そして私達王族に呪いをかけたエドの愛している人!!
その人がこの場所にいるだって?アンはエドが呪いをかけて魂を縛ったと言っていたんだぞ。
そして長い間2人で生活していたとか言ったな。そのもう1人は誰だ?まさかエドなのか!!
アンドルが魔法陣でエドの所に行ったと考えれば、アンがアンドルの事を知っているという事はここにエドもいる!!
アンドルは?
今アンドルは何処にいるんだ??
キョロキョロと部屋を見回してもアンドルどころか、アン以外の気配はしない。
「ニャンニャン」
(アンさん、アンドルは何処にいるんですか?)
きっと彼女には理解できない「ニャーニャー語」であってもついそう質問してしまう……すると後ろで控えている黒猫達も、一旦話をやめて彼女を見ていた。
「エディ??仲良くしたかったけれど、今はそんな感じじゃないのかしら……何かしら?何か訴えているのね。そう……そうよね!!アンドルに会いたいわよね!!今アンドルに会わせてあげるから待っていて!!」
どうやら統率が取れた黒猫の連携で彼女は私の気持ちを汲み取って下さりアンドル会わせてくれる事になった。
しかし今彼女と仲良くしたかった黒猫達は(アンさん違うんです)とか(後で2人っきりで仲良くなる時間が欲しい)とボソボソ言っているのが聞こえたが無視をしておく。
アンは腰を抜かしてしまってへたり込んでいたのをゆっくり立ちあがろうとした時、私の後ろで控えていた黒猫達は素早く彼女に回り込み、彼女の腰をサポートし始めたので彼女も笑顔になった。
しかしジェントルマンさながらに腰をサポートしながらも「スンスン」と彼女を匂いを嗅ぎ始める黒猫達にドン引きしてしまった。
本当に貴方達は王族として恥ずかしく無いのだろうか……
「優しい黒猫さん達、私に気を配って下さりありがとう!!本当にアンドルの言った通り可愛くて賢い黒猫さん達なのね」
アンは本当に嬉しそうにお礼を言って、黒猫達の頭を恐る恐る撫でていく。
するとそれだけでもかなりの強い刺激なのか黒猫達は(ふぉお……)(おっふ……)と呟いて惚けてしまって彼女を見つめている。
それから彼女は「アンドルはこっちのアンディの部屋で一緒に寝ている筈よ」と言って案内してくれるので、惚けてしまった黒猫達は彼女の操り人形の様に彼女の後ろには黒猫の行列ができた。貴方達は本当に大丈夫ですか……?
コンコンッ
コンコンッ
別のドアについたアンはノックをしてみたが、誰もいないのか反応は返って来ない。
「あれっ?ここがアンディの部屋なんだけどいないのかしら?
アンディー!!アンドルー!!起きてー!!
ここにエディや黒猫達がやって来たのよ!!
アンドルー!!エディよ!!
エディがアンドルに会いに来たのよー!!」
彼女はノックをしながら大きな声で言っても中からは何にも反応は無い。
痺れを切らしてアンはドアノブを遠慮なく回して強引に開けようとするがガチャガチャと回しても開かなかった。
「あれ?おかしいわね。いつもなら私もアンディもドアは開けっぱなしだというのに。それにアンディの部屋は私の部屋と違って内側から鍵がかかっているわ!!」
(おい……エドワード、アンはエドとじゃなくてアンディという人と生活しているつもりでいるが、そいつがエドかもしれないぞ)
ずっと私の近くで行動してくれるエドマイヤ叔父様が私に話しかけてくれる。叔父様もアンの話した内容を冷静に分析していて私と同じ事を考えていたみたいだ。
(その様ですね。アンディがどの様な人物がまだ分からないですが、今アンディとアンドルが2人きりで同じ部屋にいるかもしれないと思うと、アンドルが危ないのには変わりないです)
(そうだな)
叔父様と状況を整理し考えを擦り合わせていると、アンは何をしてもドアが開かない事に流石におかしいと思い始めているようだ。
「私とアンディの部屋が開かなかったなんてこんな事は初めてよ。もしかしてアンディも部屋の中で閉じ込められていて困っているかもしれないわ!!強引にドアを開けるしかないわっ!!」
と彼女がそう言った瞬間……
ガチャッ
「えっ!!」
「ニャッ」
(今ドアの鍵が……開いた?)
内側から鍵が掛かっていたドアの鍵が開く音が聞こえ、ゆっくりゆっくりと少しだけドアが開き、その中からはアンドルが顔を覗かせた。
長い間ずっと2人で生活してたって………
まさかっと考えを巡らせていた私の後ろでも静かに丸まっていた黒猫達が彼女の発言を聞いてザワザワし始めている……。
王族達も何かを感じているんだ……きっと私が考えている事と同じ事かもな。
彼女はアンドルの血筋にあたる侯爵家のアンだ!!
王族が所有していた本に書いてあった物語の登場人物。
そして私達王族に呪いをかけたエドの愛している人!!
その人がこの場所にいるだって?アンはエドが呪いをかけて魂を縛ったと言っていたんだぞ。
そして長い間2人で生活していたとか言ったな。そのもう1人は誰だ?まさかエドなのか!!
アンドルが魔法陣でエドの所に行ったと考えれば、アンがアンドルの事を知っているという事はここにエドもいる!!
アンドルは?
今アンドルは何処にいるんだ??
キョロキョロと部屋を見回してもアンドルどころか、アン以外の気配はしない。
「ニャンニャン」
(アンさん、アンドルは何処にいるんですか?)
きっと彼女には理解できない「ニャーニャー語」であってもついそう質問してしまう……すると後ろで控えている黒猫達も、一旦話をやめて彼女を見ていた。
「エディ??仲良くしたかったけれど、今はそんな感じじゃないのかしら……何かしら?何か訴えているのね。そう……そうよね!!アンドルに会いたいわよね!!今アンドルに会わせてあげるから待っていて!!」
どうやら統率が取れた黒猫の連携で彼女は私の気持ちを汲み取って下さりアンドル会わせてくれる事になった。
しかし今彼女と仲良くしたかった黒猫達は(アンさん違うんです)とか(後で2人っきりで仲良くなる時間が欲しい)とボソボソ言っているのが聞こえたが無視をしておく。
アンは腰を抜かしてしまってへたり込んでいたのをゆっくり立ちあがろうとした時、私の後ろで控えていた黒猫達は素早く彼女に回り込み、彼女の腰をサポートし始めたので彼女も笑顔になった。
しかしジェントルマンさながらに腰をサポートしながらも「スンスン」と彼女を匂いを嗅ぎ始める黒猫達にドン引きしてしまった。
本当に貴方達は王族として恥ずかしく無いのだろうか……
「優しい黒猫さん達、私に気を配って下さりありがとう!!本当にアンドルの言った通り可愛くて賢い黒猫さん達なのね」
アンは本当に嬉しそうにお礼を言って、黒猫達の頭を恐る恐る撫でていく。
するとそれだけでもかなりの強い刺激なのか黒猫達は(ふぉお……)(おっふ……)と呟いて惚けてしまって彼女を見つめている。
それから彼女は「アンドルはこっちのアンディの部屋で一緒に寝ている筈よ」と言って案内してくれるので、惚けてしまった黒猫達は彼女の操り人形の様に彼女の後ろには黒猫の行列ができた。貴方達は本当に大丈夫ですか……?
コンコンッ
コンコンッ
別のドアについたアンはノックをしてみたが、誰もいないのか反応は返って来ない。
「あれっ?ここがアンディの部屋なんだけどいないのかしら?
アンディー!!アンドルー!!起きてー!!
ここにエディや黒猫達がやって来たのよ!!
アンドルー!!エディよ!!
エディがアンドルに会いに来たのよー!!」
彼女はノックをしながら大きな声で言っても中からは何にも反応は無い。
痺れを切らしてアンはドアノブを遠慮なく回して強引に開けようとするがガチャガチャと回しても開かなかった。
「あれ?おかしいわね。いつもなら私もアンディもドアは開けっぱなしだというのに。それにアンディの部屋は私の部屋と違って内側から鍵がかかっているわ!!」
(おい……エドワード、アンはエドとじゃなくてアンディという人と生活しているつもりでいるが、そいつがエドかもしれないぞ)
ずっと私の近くで行動してくれるエドマイヤ叔父様が私に話しかけてくれる。叔父様もアンの話した内容を冷静に分析していて私と同じ事を考えていたみたいだ。
(その様ですね。アンディがどの様な人物がまだ分からないですが、今アンディとアンドルが2人きりで同じ部屋にいるかもしれないと思うと、アンドルが危ないのには変わりないです)
(そうだな)
叔父様と状況を整理し考えを擦り合わせていると、アンは何をしてもドアが開かない事に流石におかしいと思い始めているようだ。
「私とアンディの部屋が開かなかったなんてこんな事は初めてよ。もしかしてアンディも部屋の中で閉じ込められていて困っているかもしれないわ!!強引にドアを開けるしかないわっ!!」
と彼女がそう言った瞬間……
ガチャッ
「えっ!!」
「ニャッ」
(今ドアの鍵が……開いた?)
内側から鍵が掛かっていたドアの鍵が開く音が聞こえ、ゆっくりゆっくりと少しだけドアが開き、その中からはアンドルが顔を覗かせた。
20
お気に入りに追加
715
あなたにおすすめの小説
【完結】『ルカ』
瀬川香夜子
BL
―――目が覚めた時、自分の中は空っぽだった。
倒れていたところを一人の老人に拾われ、目覚めた時には記憶を無くしていた。
クロと名付けられ、親切な老人―ソニーの家に置いて貰うことに。しかし、記憶は一向に戻る気配を見せない。
そんなある日、クロを知る青年が現れ……?
貴族の青年×記憶喪失の青年です。
※自サイトでも掲載しています。
2021年6月28日 本編完結
【完結】オーロラ魔法士と第3王子
N2O
BL
全16話
※2022.2.18 完結しました。ありがとうございました。
※2023.11.18 文章を整えました。
辺境伯爵家次男のリーシュ・ギデオン(16)が、突然第3王子のラファド・ミファエル(18)の専属魔法士に任命された。
「なんで、僕?」
一人狼第3王子×黒髪美人魔法士
設定はふんわりです。
小説を書くのは初めてなので、何卒ご容赦ください。
嫌な人が出てこない、ふわふわハッピーエンドを書きたくて始めました。
感想聞かせていただけると大変嬉しいです。
表紙絵
⇨ キラクニ 様 X(@kirakunibl)
断る――――前にもそう言ったはずだ
鈴宮(すずみや)
恋愛
「寝室を分けませんか?」
結婚して三年。王太子エルネストと妃モニカの間にはまだ子供が居ない。
周囲からは『そろそろ側妃を』という声が上がっているものの、彼はモニカと寝室を分けることを拒んでいる。
けれど、エルネストはいつだって、モニカにだけ冷たかった。
他の人々に向けられる優しい言葉、笑顔が彼女に向けられることない。
(わたくし以外の女性が妃ならば、エルネスト様はもっと幸せだろうに……)
そんな時、侍女のコゼットが『エルネストから想いを寄せられている』ことをモニカに打ち明ける。
ようやく側妃を娶る気になったのか――――エルネストがコゼットと過ごせるよう、私室で休むことにしたモニカ。
そんな彼女の元に、護衛騎士であるヴィクトルがやってきて――――?
君に望むは僕の弔辞
爺誤
BL
僕は生まれつき身体が弱かった。父の期待に応えられなかった僕は屋敷のなかで打ち捨てられて、早く死んでしまいたいばかりだった。姉の成人で賑わう屋敷のなか、鍵のかけられた部屋で悲しみに押しつぶされかけた僕は、迷い込んだ客人に外に出してもらった。そこで自分の可能性を知り、希望を抱いた……。
全9話
匂わせBL(エ◻︎なし)。死ネタ注意
表紙はあいえだ様!!
小説家になろうにも投稿
【完結・ルート分岐あり】オメガ皇后の死に戻り〜二度と思い通りにはなりません〜
ivy
BL
魔術師の家門に生まれながら能力の発現が遅く家族から虐げられて暮らしていたオメガのアリス。
そんな彼を国王陛下であるルドルフが妻にと望み生活は一変する。
幸せになれると思っていたのに生まれた子供共々ルドルフに殺されたアリスは目が覚めると子供の頃に戻っていた。
もう二度と同じ轍は踏まない。
そう決心したアリスの戦いが始まる。
【完結】愛執 ~愛されたい子供を拾って溺愛したのは邪神でした~
綾雅(ヤンデレ攻略対象、電子書籍化)
BL
「なんだ、お前。鎖で繋がれてるのかよ! ひでぇな」
洞窟の神殿に鎖で繋がれた子供は、愛情も温もりも知らずに育った。
子供が欲しかったのは、自分を抱き締めてくれる腕――誰も与えてくれない温もりをくれたのは、人間ではなくて邪神。人間に害をなすとされた破壊神は、純粋な子供に絆され、子供に名をつけて溺愛し始める。
人のフリを長く続けたが愛情を理解できなかった破壊神と、初めての愛情を貪欲に欲しがる物知らぬ子供。愛を知らぬ者同士が徐々に惹かれ合う、ひたすら甘くて切ない恋物語。
「僕ね、セティのこと大好きだよ」
【注意事項】BL、R15、性的描写あり(※印)
【重複投稿】アルファポリス、カクヨム、小説家になろう、エブリスタ
【完結】2021/9/13
※2020/11/01 エブリスタ BLカテゴリー6位
※2021/09/09 エブリスタ、BLカテゴリー2位

俺の婚約者は悪役令息ですか?
SEKISUI
BL
結婚まで後1年
女性が好きで何とか婚約破棄したい子爵家のウルフロ一レン
ウルフローレンをこよなく愛する婚約者
ウルフローレンを好き好ぎて24時間一緒に居たい
そんな婚約者に振り回されるウルフローレンは突っ込みが止まらない

転生貧乏貴族は王子様のお気に入り!実はフリだったってわかったのでもう放してください!
音無野ウサギ
BL
ある日僕は前世を思い出した。下級貴族とはいえ王子様のお気に入りとして毎日楽しく過ごしてたのに。前世の記憶が僕のことを駄目だしする。わがまま駄目貴族だなんて気づきたくなかった。王子様が優しくしてくれてたのも実は裏があったなんて気づきたくなかった。品行方正になるぞって思ったのに!
え?王子様なんでそんなに優しくしてくるんですか?ちょっとパーソナルスペース!!
調子に乗ってた貧乏貴族の主人公が慎ましくても確実な幸せを手に入れようとジタバタするお話です。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる