【完結】王子様の婚約者になった僕の話

うらひと

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本編7

80エディside2

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 下にいる黒猫達と天井近くにいる黒猫達は話しながら天井に登って行くが戻って来ている黒猫もいる……。

(ドアの上は私達黒猫が数人入れるかどうかの広さだ)

(真っ暗で何もない!!何かあると思って期待していたんだが拍子抜けだ)

(真っ暗なだけで何にもないしかなり狭い!!私達が……いやっこっちにもほんの少しだけ食糧があるぞ!!飲み物も!!)

 天井に登った黒猫からは色々な情報を貰えるが上は狭いし行き止まりなのか直ぐに戻って他の登りたい黒猫に譲ってくれている。

 とうとう私も順番が来て天井の上に登ってみたら、確かに真っ暗で狭いしかなり寒い!!ここは一体何なんだ!!

 この狭い場所を取り敢えずドンドン叩いてみたら、一箇所だけ壁がズレた様な気がして、更にその場所をドンドンとしてみたら何と壁が開いて光が急に差し込んで来て眩しくそのまま壁の向こう側に落ちてしまった。


 ドタドタ……ベタン

 猫なのに上手く落ちる事が出来ずにベタンと身体全体に衝撃が走ってしまった。

 いたたた……ふう……何とか大丈夫だが……何だ此処は??

(此処は何処なんだ?)

(エドワード大丈夫か?)

(おい、こんな場所に部屋があったのか!!)

 私の後ろで控えていた黒猫達が興奮しながら続々と登って来ている。

 私も身体は少し痛かったが、怪我もない様なのでこの部屋を見渡してみると小さなキッチンの様だった。そして私が天井から登って来た場所はえっ?

 登って来た所……確かにそこは寒くて暗くて狭く食糧が少しあった場所だったが冷蔵庫だったのか!!

 という事は此処には誰かが住んでいる場所!!

 ここはエドの住処なのか?

 まさか黒猫達の酒場の貯蔵庫とこの部屋の冷蔵庫が繋がっているとは……しかし繋がったのも最近の話かも知れない。

 黒猫達だって自分達の呪いの為にこの世界を十分に調べていた筈だから、急に繋がるなんて事はないだろう。

 やはり、アンドルや私がこの世界にやって来た事や、もしかしてエドの呪いの力が弱まったせいなのかもしれない。

 すると遠くで「ドンドン……アンディ、アンドルー私のドアを開けてちょうだい」

 と小さな声が聞こえた。

 何!!アンドルだと!!

 私のアンドルの事を知っている人物が此処にいるのか!!!

 冷蔵庫からまだ続々とこの部屋までやって来て驚いている黒猫達の中にも今の声を聞こえた者達がいたので、一緒に声がする方のドアに向かっていくと、ドアは鍵がかけられていて、その鍵は直ぐに見つかった。

「ニャーニャー」
(貴方はどなたですか?アンドルを知っているのですか?)

 ドンドンと叩かれているドア越しで話してみた。

「えっ猫?アンディかアンドルは猫の真似なんかしてないで、此処を開けてちょうだい!!開かないのよ!!外側から鍵をかけるなんて酷いわ」


 ドア越しから何処かのお嬢さんみたいな声がいた。
 そして私の声は猫の鳴き声にしか聞こえない人だ。そして彼女の話の内容からアンドルの事を知っていて、部屋に閉じ込められているといった所か……

(おいエドワード!!彼女はアンドルの事を知っているみたいだぞ。仮に彼女が誰かに閉じ込められる様な事をしていたといても何かヒントがある筈だからドアを開けようぜ)

(エドマイヤ叔父様!!)

 いつの間にか小さな子猫のエドマイヤ叔父様が私の隣にいてドアの鍵を掴んでいた。
 叔父様は子猫の顔なりに真剣な顔つきで、この状況を打開しようと彼なりに必死に足掻いているんだろう。

(そうですね!!ドアを開けでみましょう!!それにしても誰が彼女を閉じ込めたのでしょうね……)

(それもドアの向こうの彼女に聞いてみようぜ)

 そう言ったエドマイヤ叔父様は子猫なのにも関わらず器用に鍵を持ち、ドアノブの上にまた器用に乗ってドアの鍵を上手く解錠しようとしていた。

(エドマイヤ叔父様って凄い!!)


 黒猫になってから多少は人間みたいな動きが出来ない訳じゃなかったが、エドマイヤ叔父様の動きはほぼ人間だ。いや、身体が小さい分人間より細かい動きができるのかもしれない。
 きっと死んで子猫になってからも日々鍛錬を続けていたとかそんな動きだ。   
 …… やっていたのだろうな。
 流石は王族……父上の弟だ。

 私はそんな叔父様に……子猫なのに子猫の身体を使いこなしていたエドマイヤ叔父様の動きには感動すら覚えてしまった。

 暫くするとガチャガチャ、ガチャリッっと解錠の音がして、
 内側からバンッ勢いよくドアが開くと同時にエドマイヤ叔父様をそれを避けて飛び降りた。

「はあー!!やっと出して貰えたわ!!って…………わわわわ……ななな……」

 ドアの向こうから出て来た彼女は目の前にいる沢山の黒猫達をみて本当に目が飛び出ですんじゃないかと思う程目を見開いて驚き、声が出せない様だった。

 そしてそんな彼女を見た時、私は彼女を見て1番に思った事!!それは……


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