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本編7
77アンディ?
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僕は今姿が違うアンディに気づかない振りをしてベッドに潜り込む事が出来て居ただろうか……
アンディはこの部屋の片隅で何やら作業をしてからコトン、コトン、コトンと小さな歩く音をたてながら僕とアンディのベッドに近づいて来た。
この人は本当にアンディなの!!
そんな考えが僕の頭の中を支配して、このまま寝る事なんてとても出来ない。
俺は思わず寝たフリをしてしまったけれど、この判断は本当に正しかったのか?
もしかして今ここにいる姿の違うアンディはとっても良い人で、何か事情があっただけなのかも。
普通に「姿が違うけど、どうしたの?」と聞いてみれば良かったのかも知れない。
姿の違うアンディは僕の頭の横で立ったままジッとしていた。
こっちを見ているのかは分からないけど、そんな場所で立っているのだから僕を見ているのかも知れない。
僕は目を瞑ったままだしいきなり起きて相手を刺激してしまったらそれこそ大変な事になるかも知れない。
身体を一切動かさず寝たフリをしてやり過ごしていたのに、アンディはそんな僕の潜っていたシーツをゆっくりめくって、俺の両頬に手を充てた。
「……アンドル……君は本当にアンとそっくりで綺麗だね……」
「…………」
アンディが誰にも聞こえない様な小さな声で呟いている……僕は何処まで目を瞑っていれば良いんだ?……怖くて寝たフリをしていた分、目を開けるタイミングが分からない。
だけど……流石にこれは目を開けなきゃ……よしっ!!
そう思って目を開けた途端アンディの顔が間近にあって、そのまま僕とアンディの唇がくっついた。
「アンデんんっ!!……んチュグ……チュウ……」
僕の両頬を固定されたまま、アンディが僕にキスをしている!!その姿はさっき見た黒と白のマダラ模様の髪じゃなくて、僕と同じプラチナブロンドに戻っているけど、アンディの顔にはひびが入ったままだ。
なんでっ?アンディはそのまま俺の身体の上に覆って来て、逃れようと思ってもアンディに押さえつけられていて逃れる事は出来ないままでキスをされっぱなしだ。
クチュッ……チュ……ハムチュ……クチュウ……
「チュんはっ……アンディ!!……ハアハア……何を!!」
唇が離れた瞬間を狙って僕はアンディの身体を押し返したがアンディは笑ってまた僕の身体に覆いかぶさってくる。
「アンドル……あのね、アンは僕にとっておばあちゃんだから孫の僕と性欲を発散させたりしたら傷つくと思うんだ。だから僕はずっと我慢の連続でね………アンにそっくりな男の子の君を僕の性処理に使っても良いかい?」
「なっ!何を言っているのアンディ?好きでもない僕を使ってその……性処理だなんてそんなのおかしいよ!!それに君の顔はどうしたんだい?ひびが割れている様に見えるけど……それは怪我なの?」
唇と唇が離れた瞬間、これ以上キスされない様に自分の唇を手で覆った。
それからやっと目の前のアンディに言いたい事が言えてさっき迄の臆病だった僕の気持ちが少しだけ落ち着いてきた。
「ああ……僕の顔って今そんなに割れてる?僕の呪力が無くなっているのは分かっていたんだ。そんな時アンの子孫の君が僕の意図せずにここに来てくれて僕は幸運だよ。もうすぐ力が無くなりこのままアンや兄上の子孫を解放して朽ち果てるだけの僕だったのに、兄上の子孫が作った魔法陣のお陰で来てくれた君を取り込み、また力を得る事になるのだからね」
「な、ア、アンディは何を言っているの?」
アンディの呪力が無くなっているってアンディは何を言っているの?
アンやアンディの兄上の子孫??を解放??
朽ち果てるだけだったのに、僕を取り込むと力を得る?
僕は今知り得た情報を考えるだけ考えた。アンディの呪力が無くなっている。そしてアンディには兄上がいるのは間違いない。アンや兄上の子孫を解放って……
アンを縛っていたのはエドでしょう?
それに兄上やその子孫に未来永劫呪いをかけたのもエドだしって……そうすると目の前にいるアンディはまさかっ!!
「君はアンの孫のアンディじゃないの?!……ま、まさかエドなの?」
呪いを発動させたのはエドだ。
だから今、目の前にいるアンディが言った事が正しいのならアンディがエドじゃないのか!!
そう考えて自分の意見をストレートにぶつけてみたけれど、アンディは首をフルフルと横に振った。
「何言っているのさ。僕はアンディだよ。
……と言ってもアンディの魂を貰おうと思って魔石を送ったんだけどさー、エネルギーを吸い取った時にね、アンディの魂は一緒に馬車に乗っていたアンディの恋人の死んだ魂と奪い合いになっちゃったんだ。
結局アンディの魂は恋人に持ってかれてしまったから、アンディの身体と記憶だけ貰ったんだよ。
だからこれはアンディなんだ」
アンディが自分の身体をペタペタと触りながら「アンディはアンにも気に入られて僕のお気に入りさ」と言いながらニコっと笑ったけれど、笑った口元からもひびが広がってきた。
アンディはこの部屋の片隅で何やら作業をしてからコトン、コトン、コトンと小さな歩く音をたてながら僕とアンディのベッドに近づいて来た。
この人は本当にアンディなの!!
そんな考えが僕の頭の中を支配して、このまま寝る事なんてとても出来ない。
俺は思わず寝たフリをしてしまったけれど、この判断は本当に正しかったのか?
もしかして今ここにいる姿の違うアンディはとっても良い人で、何か事情があっただけなのかも。
普通に「姿が違うけど、どうしたの?」と聞いてみれば良かったのかも知れない。
姿の違うアンディは僕の頭の横で立ったままジッとしていた。
こっちを見ているのかは分からないけど、そんな場所で立っているのだから僕を見ているのかも知れない。
僕は目を瞑ったままだしいきなり起きて相手を刺激してしまったらそれこそ大変な事になるかも知れない。
身体を一切動かさず寝たフリをしてやり過ごしていたのに、アンディはそんな僕の潜っていたシーツをゆっくりめくって、俺の両頬に手を充てた。
「……アンドル……君は本当にアンとそっくりで綺麗だね……」
「…………」
アンディが誰にも聞こえない様な小さな声で呟いている……僕は何処まで目を瞑っていれば良いんだ?……怖くて寝たフリをしていた分、目を開けるタイミングが分からない。
だけど……流石にこれは目を開けなきゃ……よしっ!!
そう思って目を開けた途端アンディの顔が間近にあって、そのまま僕とアンディの唇がくっついた。
「アンデんんっ!!……んチュグ……チュウ……」
僕の両頬を固定されたまま、アンディが僕にキスをしている!!その姿はさっき見た黒と白のマダラ模様の髪じゃなくて、僕と同じプラチナブロンドに戻っているけど、アンディの顔にはひびが入ったままだ。
なんでっ?アンディはそのまま俺の身体の上に覆って来て、逃れようと思ってもアンディに押さえつけられていて逃れる事は出来ないままでキスをされっぱなしだ。
クチュッ……チュ……ハムチュ……クチュウ……
「チュんはっ……アンディ!!……ハアハア……何を!!」
唇が離れた瞬間を狙って僕はアンディの身体を押し返したがアンディは笑ってまた僕の身体に覆いかぶさってくる。
「アンドル……あのね、アンは僕にとっておばあちゃんだから孫の僕と性欲を発散させたりしたら傷つくと思うんだ。だから僕はずっと我慢の連続でね………アンにそっくりな男の子の君を僕の性処理に使っても良いかい?」
「なっ!何を言っているのアンディ?好きでもない僕を使ってその……性処理だなんてそんなのおかしいよ!!それに君の顔はどうしたんだい?ひびが割れている様に見えるけど……それは怪我なの?」
唇と唇が離れた瞬間、これ以上キスされない様に自分の唇を手で覆った。
それからやっと目の前のアンディに言いたい事が言えてさっき迄の臆病だった僕の気持ちが少しだけ落ち着いてきた。
「ああ……僕の顔って今そんなに割れてる?僕の呪力が無くなっているのは分かっていたんだ。そんな時アンの子孫の君が僕の意図せずにここに来てくれて僕は幸運だよ。もうすぐ力が無くなりこのままアンや兄上の子孫を解放して朽ち果てるだけの僕だったのに、兄上の子孫が作った魔法陣のお陰で来てくれた君を取り込み、また力を得る事になるのだからね」
「な、ア、アンディは何を言っているの?」
アンディの呪力が無くなっているってアンディは何を言っているの?
アンやアンディの兄上の子孫??を解放??
朽ち果てるだけだったのに、僕を取り込むと力を得る?
僕は今知り得た情報を考えるだけ考えた。アンディの呪力が無くなっている。そしてアンディには兄上がいるのは間違いない。アンや兄上の子孫を解放って……
アンを縛っていたのはエドでしょう?
それに兄上やその子孫に未来永劫呪いをかけたのもエドだしって……そうすると目の前にいるアンディはまさかっ!!
「君はアンの孫のアンディじゃないの?!……ま、まさかエドなの?」
呪いを発動させたのはエドだ。
だから今、目の前にいるアンディが言った事が正しいのならアンディがエドじゃないのか!!
そう考えて自分の意見をストレートにぶつけてみたけれど、アンディは首をフルフルと横に振った。
「何言っているのさ。僕はアンディだよ。
……と言ってもアンディの魂を貰おうと思って魔石を送ったんだけどさー、エネルギーを吸い取った時にね、アンディの魂は一緒に馬車に乗っていたアンディの恋人の死んだ魂と奪い合いになっちゃったんだ。
結局アンディの魂は恋人に持ってかれてしまったから、アンディの身体と記憶だけ貰ったんだよ。
だからこれはアンディなんだ」
アンディが自分の身体をペタペタと触りながら「アンディはアンにも気に入られて僕のお気に入りさ」と言いながらニコっと笑ったけれど、笑った口元からもひびが広がってきた。
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